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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W07
審判 全部申立て  登録を維持 W07
審判 全部申立て  登録を維持 W07
審判 全部申立て  登録を維持 W07
管理番号 1342190 
異議申立番号 異議2018-900050 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-02-26 
確定日 2018-06-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6001096号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6001096号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6001096号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOHNO DISPENSER」の欧文字を横書きしてなり、平成29年2月8日に登録出願、第7類「半導体製造用・精密機械用・自動車部品製造用・食品製造機械用液体吐出装置並びにそれらの部品及び附属品,半導体製造用・精密機械用・自動車部品製造用・食品製造機械用流体吐出装置並びにそれらの部品及び附属品,半導体製造用・精密機械用・自動車部品製造用・食品製造機械用液体塗布装置並びにそれらの部品及び附属品,半導体製造用・精密機械用・自動車部品製造用・食品製造機械用流体塗布装置並びにそれらの部品及び附属品,半導体製造用・精密機械用・自動車部品製造用・食品製造機械用液体充填装置並びにそれらの部品及び附属品,半導体製造用・精密機械用・自動車部品製造用・食品製造機械用流体充填装置並びにそれらの部品及び附属品,塗装機械器具並びにその部品及び附属品,化学機械器具並びにその部品及び附属品,食料加工用又は飲料加工用の機械器具並びにそれらの部品及び附属品,半導体製造装置並びにその部品及び附属品,プラスチック加工機械器具並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同年11月15日に登録査定され、同年12月1日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証を提出した。
本件商標は、「モーノ式」の液体供給の原理を使用した「ディスペンサー」を意味する普通名称又は品質表示の英文表記であり、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号に該当する。また、本件商標が「モーノディスペンサー」に用いられるときは、同法第3条第1項第3号の当該商品の「品質」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当する。さらに、本件商標は、申立人が申立人の商品について「モーノディスペンサー」の普通名称又は品質表示として用いていることを知りながら取引妨害的な意図でなされたものであり、同法第4条第1項第7号の公の秩序を害するおそれがある商標に該当する。そして、本件商標が「モーノディスペンサー」以外の指定商品に使用されるときは、同法第4条第1項第16号の商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある商標に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 申立人の提出する証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)甲第2号証は、フランス人の航空工学の研究者ルネ・モーノ博士の伝記の抜粋であり、そこには、同氏がポンプの改良に関する発明を行っていた旨の記載がある。また、甲第3号証は、本件商標権者のカタログであり、そこには、「モーノポンプの由来」として「今から約70年前、フランスの数学者モーノ博士(Rene Moineau)(決定注:2文字目の「e」にはアクサンテギュが付されている。)はフランス空軍の依頼を受けて、航空機エンジンのスーパーチャージャーを開発中に、液体を連続的に定量移送するポンプ原理を発明しました。これが博士の名にちなんでモーノポンプと名づけられました。」との記載がある。さらに、甲第4号証は、本件商標権者のカタログであり、そこには、「製品に関する詳しい情報はhttp://www.mohno-pump.co.jp」、「サービス・サポートに関する詳しい情報はhttp://www.mohno-pump.co.jp/user-support」との記載がある。
これらのことに加え、申立人の「モーノ博士の苗字は、モーノ博士が設立したPCM社からライセンスを受けた各社においてモーノ博士の発明に係るものであることが分かるように、かつ、ライセンシーごとの製品の区別が付くように英文においては僅かに異なる表記がされている。例えば、ドイツのライセンシーは『MOHNO』、イギリスのライセンシーは『MONO』、アメリカのライセンシーは『MOYNO』を、それぞれ用いている。いずれも、全てモーノ博士に由来することを認識することができる。我が国では邦文表記としては『モーノ』、英文表記としては、『MOHNO』との表記が用いられることが一般的である。」との主張をあわせてみるに、「MOHNO DISPENSER」の前半部分である「MOHNO」の文字は、液体を連続的に定量移送するポンプ原理を発明したフランス人の航空工学の研究者ルネ・モーノ博士に由来するものであるということができる。
(2)甲第16号証ないし甲第19号証の英文の技術文献において、「type Mohno」、「Mohno」、「Mohno type」及び「mohno」の語が記載されている。
(3)甲第20号証は、新村出編「広辞苑 第六版」の抜粋であり、「ディスペンサー【dispenser】」の項には、「液状の物を適量ずつ出す機器」との記載がある。また、甲第21号証は、高橋清・新居和嘉監修「半導体・金属材料用語辞典」(工業調査会、平成11年)の抜粋であり、「ディスペンサ〔dispenser〕」の項に、「シリンジの先端にニードルの付いたペースト塗布用の一種の注射器。ニードル部分は耐摩耗性に優れるセラミックスが使われる場合もある。ダイボンディング用接着剤塗布などに用いられる。」との記載がある。
(4)甲第24号証ないし甲第26号証の公開特許公報及び再公表特許公報において、その「発明の詳細な説明」に「モーノディスペンサー」の語が記載されている。
(5)甲第27号証は、株式会社スリーボンドが平成19年7月1日に発行した「スリーボンド・テクニカルニュース69号」であり、そこには、「2-4 モーノディスペンサー」の見出しの下、「ギアポンプ同様、連続的に一定量を押し出す方式です。」との記載がある。また、甲第28号証は、甲第27号証の「スリーボンド・テクニカルニュース69号」の英文表記であり、「モーノディスペンサー」に相応する表示として、「Mohno Dispenser」と記載されている。
2 本件商標について
本件商標は、「MOHNO DISPENSER」の文字よりなるところ、その構成中の「DISPENSER」の文字は、本件商標の指定商品との関係及び辞典等の解説(前記1(3))をあわせてみれば、「液体吐出装置」「流体吐出装置」等の装置の普通名称として需要者間において認識されているものと認められる(以下、「DISPENSER」を「液体吐出装置」という。)。
また、同構成中の「MOHNO」の文字は、前記1(1)のとおり、液体を連続的に定量移送するポンプ原理を発明したフランス人の航空工学の研究者ルネ・モーノ博士に由来するものであるとしても、該原理の技術的用語として辞書等に定義されているものではなく、「MOHNO DISPENSER」全体が辞書や用語辞典等において定義されている事実もない。
3 商標法第3条第1項第1号該当性について
上記2のとおり、「MOHNO DISPENSER」の文字については、その語義が、辞書等において定義されているものではなく、前記1(2)、(4)及び(5)のような使用例はあるものの、これらの使用例のみをもって、直ちにこれが特定の品質や原理を用いた「液体吐出装置」の普通名称であると認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号に該当しない。
4 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
上記3のとおり、「MOHNO DISPENSER」の文字については、「連続的に一定量を押し出す方式」というような特定の品質等を有する「液体吐出装置」の普通名称とは認められず、また、職権において調査するも、「MOHNO DISPENSER」が、「連続的に一定量を押し出す方式」というような特定の品質等を表示するものとして、業界において、取引上普通に使用されていると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品中、「液体吐出装置」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「MOHNO」の文字に普通名称である「DISPENSER」の語を結合した商標と認識し、「液体を連続的に定量移送するポンプ原理を発明したモーノ博士に由来する液体吐出装置」程の意味合いを暗示させる場合があるとしても、「連続的に一定量を押し出す方式」というような具体的な商品の品質を表示するものと認識するとはいえない。
また、本件商標は、上記のとおり、具体的な商品の品質を表示するものではないから、その指定商品中、「液体吐出装置」以外の商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、「本件商標権者は、申立人が商品『モーノマスター』又は『MOHNO MASTER』の品質を意味する普通名称として『モーノディスペンサー』及びその英文表記である『MOHNO DISPENSER』との表示を使用した『第46回インターネプコンジャパン』から1箇月も経たない、平成29年2月8日、本件商標の出願をしている。これは明らかに申立人による『モーノディスペンサー』及びその英文表記である『MOHNO DISPENSER』との普通名称又は品質表示の使用に対する取引妨害的なものである。このような取引妨害的な商標登録は、商標法の予定する公の秩序に反する。」と主張しているが、具体的な取引妨害の事実を立証していない。また、その他に取引妨害的な登録出願であると認めるに足りる証拠はない。
加えて、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成のものとはいえず、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。また、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものともいえず、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもなく、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような特別の事情があるともいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
6 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第1号、同第3号、同法第4条第1項第7号及び同第16号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-06-19 
出願番号 商願2017-13521(T2017-13521) 
審決分類 T 1 651・ 11- Y (W07)
T 1 651・ 272- Y (W07)
T 1 651・ 22- Y (W07)
T 1 651・ 13- Y (W07)
最終処分 維持 
前審関与審査官 齋藤 健太谷村 浩幸 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2017-12-01 
登録番号 商標登録第6001096号(T6001096) 
権利者 兵神装備株式会社
商標の称呼 モーノディスペンサー、モーノ 
代理人 鮫島 睦 
代理人 川田 篤 
代理人 勝見 元博 
代理人 佐々木 美紀 
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