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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y3537
管理番号 1342120 
審判番号 取消2017-300466 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-06-30 
確定日 2018-06-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第4772234号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4772234号商標の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4772234号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成15年8月4日に登録出願、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」を含む第35類、第37類、第40類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年5月21日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成29年7月12日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同26年7月12日ないし同29年7月11日である(以下「要証期間」という。)。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判請求書、審判事件弁駁書及び口頭審理陳述要領書において、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証(枝番号を含む。ただし、甲1?甲4、甲9、甲12、甲15 、甲17、甲20、甲21及び甲24は欠番である。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」(以下「取消請求役務」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項に基づき、その指定役務中、上記役務について、商標登録を取り消すべきである。
2 弁駁の理由
(1)商標法第50条が規定する「登録商標(中略)の使用」は、商標法第1条が定める商標法の目的「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」に沿って解釈されなければならないところ、公序良俗に違反する商標登録の使用は、「商標の使用をする者の業務上の信用の維持」を図る必要はなく、「産業の発達に寄与」するものでなく、かつ、「需要者の利益を保護する」ものではないから「使用」にあたらない。
本件商標の使用は、以下の理由から他人の知的創作を剽窃するものであり、公序良俗に違反するものであって、商標法の保護を受ける「使用」にあたらない。
すなわち、他人の知的創作を剽窃する使用は、公序良俗違反の使用であるから商標法第50条の使用ではない。
ア 本件商標は、本件商標の登録出願前に周知・著名であった、ローズ・オニール作成の人形の図形とその名称と類似する。
そして、本件商標の登録出願前に、「キューピー人形の図形」及び「Kewpie」、「キューピー」標章は、日本全国において老若男女を問わず周知・著名であった。
イ 本件商標
本件商標は、別掲のとおりの図案のみからなる商標であり、その構成は、同大ほぼ同形の2つの人形が前方を向いて横に並んで配置され、向かって左側の人形は右手を、向かって右側の人形は左手を前方に出して、ハー卜型のものを携え、2つの人形の目はそのハート型のものに向かっているように描かれ、全体を赤色で彩色してなるものであり、本件商標に描かれた人形は、ローズ・オニールの創作にかかる人形の特徴のうち、15点の特徴が一致するものである。
したがって、本件商標は、その全体的及び細部の特徴から、ローズ・オニールの創作にかかる人形と類似する。
なお、被請求人は、答弁書において、「この写真には、被請求人の商品(マヨネーズ)と被請求人を象徴するキューピー人形(シェフの衣装を纏ったキューピー人形)が映っており、このキューピー人形のシェフが手を横に広げ、その前にある『野菜』を紹介するようなポーズをとっている。」と、「キューピー人形」が描かれていることを自認するものである。
ウ 本件商標の使用は多数の法律・条約等に違反する。
(ア)著作権法
本件商標を使用する行為は、現行著作権法に違反し、民事・刑事の責任を負う違法行為であるから、本件商標は著作権法に違反して作成、複製されてきたものであり、著作者の人格的利益・著作財産権を侵害し、その使用は公序良俗に違反する。
(イ)不正競争防止法
周知な商品表示であるローズ・オニール作成のキューピー人形の図形あるいはその名称を使用して、キューピー人形と関係があるかのような混同を生じさせる行為、又は、著名な商品表示であるローズ・オニール作成のキューピー人形の図形あるいはその名称を使用する行為は、不正競争に他ならない。
したがって、本件商標は、不正競争防止法に違反して使用されてきたものであり、公序良俗に違反する。
(ウ)工業所有権の保護に関するパリ条約
「工業所有権の保護に関するパリ条約」は、1883年3月20日成立し、我が国は、明治32年(1899年)に加入し、また、大正14年(1925年)に合意された工業所有権の保護に関するパリ条約(以下「パリ条約」という。)のヘーグ改正条約に合意し、1934年に「工業所有権の保護に関するパリ条約ヘーグ改正条約」を批准し、1967年7月14日に成立したストックホルム改正パリ条約では、第6条の2において、周知商品表示を冒用する行為の禁止と、かかる商標登録について5年間の無効請求の期間の設定と、悪意の登録・使用については無効請求の期間を制限しないことが合意されたものである。
そして、本件商標は、上記パリ条約第6条の2第1項に違反するものであり、悪意の登録・使用であるから無効請求の期間制限を受けないものである。
(エ)その他
本件商標は、1995年1月1日に発効した「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(通称:TRIPS協定)、1971年7月24日成立し1975年4月24日に我が国で発効した文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約パリ改正条約、及び社団法人日本経済団体連合会「知的財産権に関する行動指針」に違反するものである。
また、本件商標は、剽窃的出願により登録され、その使用は剽窃行為「他人の詩歌・文章などの説または文句をぬすみとって、自分のものとして発表する」ものに他ならない。
(オ)被請求人による全区分出願・登録
被請求人は、本件商標の他、「キューピー人形の図形」、「キユーピー」、「KEWPIE」などからなる、キューピー関連商標を619件を出願し、登録し、あるいは譲り受けたものである(甲30)。
「日本語で分かり、英語で書けて、しかも絵に描けるもの。この三つ」を満たすものとして、被請求人の創業者は「私の希望にぴったりのトレードマークです。それを頂きます」と、日本で初めて製造販売するマヨネーズを「キユーピーマヨネーズ」と命名した(甲25)。
他人の知的創作である「キューピー人形の図案」「キューピーの名称」を「自分のものとして商標登録すること」の同人の決意を、その後、商品役務区分の全区分において出願、登録したものである。かかる商標出願・登録の行為は、他人の著名標章を自己のものとする知的財産の剽窃に他ならず、商標法制度の根幹を揺るがす不法行為である。
(カ)特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法、種苗法等の知的財産権法の基本は「他者の知的財産を尊重する」という根本理念を実現するものである。他人の知的財産を剽窃して使用する行為は、「他者の知的財産を尊重する」という理念に違反することであり、我が国の「公序」である知的財産法制の根本理念に違反するものといわざるを得ない。
国際的に視点を移せば、パリ条約、ペルヌ条約、WIPO条約、万国著作権条約、TRIPS協定等個々の国際条約を挙げるまでもなく、知的財産をめぐる国際的ハーモナイゼーションの元においては、「他者の知的財産を尊重する」という根本理念は、我が国のみならず全世界において知的財産に係わる公序を形成するものである。
したがって、本件商標の使用は、かかる知的財産に係わる公序に違反するものである。
(キ)小括
以上のとおり、他人の知的創作を剽窃する行為は、公序良俗に違反するものであり、本件商標の使用は、商標法の保護を受ける「使用」にあたらない。
(2)本件商標の使用について
ア 被請求人は、「乙第3号証は、東京都町田市に所在するスーパー三和(フードワン多摩境店)の食品売り場での『野菜』の販売風景を撮影した写真(2016年6月30日、8月12日、11月22日、12月18日に撮影)である。」と主張する。
乙第3号証の各写真には、手書きの書き込みで日付けを示す数字の表記があるものの、答弁書の提出日前であればいかようにも書き込みできるものであって、撮影日の立証はない。
したがって、乙第3号証が使用証拠であるとしても、要証期間において商標が使用されたことの立証はないものである。
イ 商標の「使用」の意義については、商標法第2条第3項が定義するところであるが、そのいずれにおいても取引行為において使用されること、すなわち取引性が必要であるところ、本件においては取引性の立証がない。
すなわち、被請求人が主張する「使用する商標」は、第35類の「商品の販売に関する情報の提供」が、被提供者と考えられる「スーパー三和(フードワン多摩境店)」との間で有償で提供されたということの立証がなく、「商品の販売に関する情報の提供」の役務提供に取引性があったことの立証はない。
したがって、「商標の使用」にあたらないことは明らかである。
ウ 被請求人は、「これらを紹介する商品案内のボードの右側の最上部には本件商標が表示されている。」と主張するが、かかる事実はなく、当該ボードには、本件商標は表示されてない。
エ 被請求人は「この写真には、被請求人の商品(マヨネーズ)と被請求人を象徴するキューピー人形(シェフの衣装を纏ったキューピー人形)が映っており」と自認するところ、当該写真に映っているキューピー人形は「被請求人を象徴する」ものであったとしても、特定の商品や役務を識別する機能を有するものではない。
すなわち、この写真の「キューピー人形」は自他商品・役務の識別機能を有さないものであり、商標の「使用」ではない。
オ 本件商標は、同大ほぼ同形の2つの人形が前方を向いて横に並んで配置され、向かって左側の人形は右手を、向かって右側の人形は左手を前方に出して、ハー卜型のものを携え、2つの人形の目はそのハート型のものに向かっているように描かれ、全体を赤色で彩色してなるものである。
一方、乙第3号証の「キューピー人形」は1体であり、白衣を着衣しコック用の帽子を被り裸でなく、ハート型のものを持つこともなく、また、全体が赤色で彩色されているものではない。
これらの顕著な相違点から、乙第3号証の「キューピー人形」は、「当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」でないことは明らかである。
したがって、乙第3号証の「キューピー人形」は、「当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」の使用にあたらない。
(3)結び
以上のとおり、第1に本件商標の使用は公序良俗に違反するものであり、商標法が保護する「使用」にあたらず、第2に被請求人が提出する乙第3号証は、本件商標の使用を証明するものではない。
3 口頭審理陳述要領書(平成30年2月19日)における主張
(1)商標法第2条によれば、「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者」が「その商品について使用をする」もの、「業として役務を提供し、又は証明する者」が「その役務について使用をするもの」が「商標」である。
したがって、「業として提供する役務」でないもの、すなわち、経済的な取引行為でなく取引性のないものは商標法のいう「役務」に該当しないから、それについて標章を使用しても「商標」ではなく、商標の使用にはあたらない。
最高裁判決(平成21年(行ヒ)第217号)における、「商品の販売に関する情報の提供」については、「商業等に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助するための情報を提供する役務であると解するのが相当である。」との「役務」は、「業として役務を提供し、又は証明する者」が「その役務について使用をするもの」、すなわち、取引性のある使用が「商標」であるとの商標法第2条第1項第2号の定義を前提にするものである。
(2)被請求人が主張する「使用する商標」は、第35類の「商品の販売に関する情報の提供」が、被提供者と考えられる「スーパー三和(フードワン多摩境店)」との間で「業として提供する役務」、すなわち、経済的な取引行為において使用されたものではなく、「商標の使用」にあたらないことは明らかである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書及び口頭審理陳述要領書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は、その商標権者を介して、本件審判の取消請求に係る指定役務中、第35類「商品の販売に関する情報の提供」について、要証期間に、日本国内において使用されている。
(1)本件商標の商標権者(被請求人)等について
被請求人は、東京都渋谷区に所在する「キユーピー株式会社」であり、マヨネーズソースなどの調味料を中心として、各種食料品の製造販売等を主な事業内容としている会社である(乙1)。
また、被請求人には、100%出資の特例子会社として「株式会社キユーピーあい」(以下「キユーピーあい」という。)があり(乙2)、同社では、その業務の一つとして「農業」が行われている。乙第2号証より明らかなように、この「農業」は、障害者の職域や障害特性に合わせた働き方を広げたいとの考えから始まり、地域や近隣の農家と共存するという観点から、そこで栽培した野菜をスーパー等で販売している。
(2)本件商標の使用について
本件商標は、第35類の「商品の販売に関する情報の提供」との関係で、以下のように使用されている。
乙第3号証は、東京都町田市に所在するスーパー三和(フードワン多摩境店)の食品売り場での「野菜」の販売風景を撮影した写真(2016年6月30日、8月12日、11月22日、12月18日に撮影)である。
この写真には、被請求人の商品(マヨネーズ)と被請求人を象徴するキューピー人形(シェフの衣装を纏ったキューピー人形)が映っており、このキューピー人形のシェフが手を横に広げ、その前にある「野菜」を紹介するようなポーズをとっている。そして、ここに陳列されている「野菜」は、「キユーピーあい」により生産された野菜であり、被請求人を介して、このスーパーの売り場でその野菜を紹介する形になっている。
ここで、その紹介の内容についてみると、「東京都産」の文字の横に「旬のとれたて野菜を食べよう!」というタイトルを掲げ、さらに「地産地消」「安心安全」という特徴を謳い、それぞれの説明とて「地産地消」については「町田市の“キユーピーあい農場”で野菜を生産しています。」ということが、「安心安全」については、「毎朝とれたての旬の新鮮野菜を数量限定でお届けします。」ということが示されている。加えて、野菜の栽培風景や生産者の写真も掲載して、売り場に並べてある「野菜」の紹介をしている。
そして、これらを紹介する商品案内のボードの右側の最上部には本件商標が表示されている。
したがって、乙第3号証に照らせば、需要者は、被請求人を介して、本件商標の下、第35類の「商品の販売に関する情報の提供」が行われていると認識することは明らかであり、乙第3号証は、本件商標は、被請求人を介して第35類の「商品の販売に関する情報の提供」について使用されていることを証明するものである。
(3)以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証を総合すると、本件商標は、取消請求役務中の第35類「商品の販売に関する情報の提供」について、商標権者等を介して要証期間において使用されているものである。
2 口頭審理陳述要領書(平成30年1月25日)による主張
(1)「商品の販売に関する情報の提供」について
合議体の暫定的見解では、「商品の販売に関する情報の提供」について最高裁判決を示しているが、本件において、最終的な消費者に対して「商品の情報の提供」を行っているのは、「被請求人を介して」ということになる。
答弁書で述べたように、被請求人は自己の商品の販売のために「商品の情報の提供」を行っている訳ではなく、「キユーピーあい」が栽培した「野菜」の販売のために、野菜の栽培風景や生産者の写真も掲載して、売り場に並べてある「野菜」の紹介をするなどの「商品の情報」を提供しているのである。つまり、被請求人は、自己の商品(マヨネーズ)や自らを象徴するキューピー人形を介して、「キユーピーあい」の栽培した野菜の販売をサポートするために、「商品の販売に関する情報の提供」をしているのである。
したがって、被請求人が行っている「情報の提供」は、自己の商品についての情報の提供ではなく、「商業等に従事する企業(キユーピーあい)に対して、その商品の販売促進等を援助するために行っている」ものであり、他人のためにする便益の提供に当たるものである。
(2)総括
被請求人(商標権者)は、「商品の販売に関する情報の提供」との関係で、要証期間に日本国内において、役務の提供を受ける者の利用に供する物(商品案内のボード)に、本件商標を付して使用しているものである(商標法第2条第3項第3号)。

第4 当審の判断
1 被請求人提出に係る乙各号証及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)被請求人は、1919年(大正8年)11月に設立され、「マヨネーズソース」をはじめとする各種食料品の製造販売等を主な事業内容とする会社である。
また、「キユーピーあい」は、2003年6月20日に設立された、その事業内容に農業を含む、被請求人100パーセント出資の子会社である(乙1、乙2)。
(2)乙第3号証は、スーパー三和(フードワン多摩境店)の食品売り場での野菜の販売風景を撮影したとされる写真7葉であるところ、これらの写真中には、コックのような衣装を着たキューピー人形が置かれ、被請求人の商品(マヨネーズ)と思しき商品及びカボチャや大根などの野菜とともに、当該野菜が「キユーピーあい農場」で生産されたこと及びとれたての旬の野菜であることなどが記載された商品案内のボードが写っている。
そして、上記商品案内ボードの右上には、「キユーピーあい」の文字が表示され、その右側に図形(以下「使用商標」という。)が表示されている。
2 判断
(1)被請求人は、「自己の商品(マヨネーズ)や自らを象徴するキューピー人形を介して、『キユーピーあい』の栽培した野菜の販売をサポートするために、『商品の販売に関する情報の提供』をしているのである。したがって、被請求人が行っている『情報の提供』は、自己の商品についての情報の提供ではなく、『商業等に従事する企業(キユーピーあい)に対して、その商品の販売促進等を援助するために行っている』ものであり、他人のためにする便益の提供に当たるものである。」旨を主張する。
しかしながら、「商品の販売に関する情報の提供」とは、「商業等に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助するための情報を提供する役務であると解するのが相当である。そうすると、商業等に従事する企業に対し、商品の販売実績に関する情報、商品販売に係る統計分析に関する情報などを提供することがこれに該当すると解されるのであって、商品の最終需要者である消費者に対し商品を紹介することなどは、『商品の販売に関する情報の提供』には当たらないというべきである(平成21年(行ヒ)第217号)。」とされるものである。
そして、被請求人が、本件商標の使用を証明するものとして提出している乙第3号証の写真は、単に野菜売り場を写した写真にすぎないものであり、商品案内のボードの内容は、スーパーに来店した消費者に対し商品を紹介することを目的としたものであって、販売する野菜について、生産場所や鮮度を説明するものである。
そして、たとえ、当該ボードに表示されている使用商標が本件商標と同一であったとしても、当該ボードには被請求人の表示も無く、本件商標が、被請求人によって「商品の販売に関する情報の提供」の役務について使用されたものとは認めることができない。
(2)小括
上記(1)によれば、被請求人(商標権者)が、本件商標に係る指定役務「商品の販売に関する情報の提供」を提供したものと認めることができない。
してみれば、商標の使用時期等に言及するまでもなく、被請求人(商標権者)が、本件商標に係る指定役務「商品の販売に関する情報の提供」について、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標を使用したものと認めることができない。
その他、被請求人(商標権者)が、取消請求役務について、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標を使用したことを認めるに足りる証拠の提出はない。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定役務である、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、上記役務についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標(色彩は原本参照。)



審決日 2018-05-11 
出願番号 商願2003-65452(T2003-65452) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y3537)
最終処分 成立 
前審関与審査官 山田 和彦 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
中束 としえ
登録日 2004-05-21 
登録番号 商標登録第4772234号(T4772234) 
代理人 中村 行孝 
代理人 永井 浩之 
代理人 佐藤 泰和 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 宮嶋 学 
代理人 高田 泰彦 
代理人 本宮 照久 
代理人 朝倉 悟 
代理人 日野 修男 
代理人 柏 延之 
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