• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1341161 
審判番号 取消2016-300718 
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-10-14 
確定日 2018-05-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第1987841号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第1987841号商標の指定商品中,第17類「被服(運動用特殊被服を除く)」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1987841号商標(以下「本件商標」という。)は,「POIRAY」の欧文字を横書きしてなり,昭和60年8月12日に登録出願,第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として,同62年9月21日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,平成28年10月31日である(以下,同登録前3年以内の期間を「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品中の第17類「被服(運動用特殊被服を除く)」(以下「取消請求商品」という。)について,継続して3年以上,日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,その指定商品について使用された事実がない。
よって,本件商標は,その指定商品について,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は,プレスリリース,雑誌の写し,ウェブサイトの一部打出し,写真の写し,商品カタログの写し,取扱説明書の写し,納品書等の写し,インターネット検索結果の打出しを提出し,被請求人が要証期間に本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を,取消請求商品に使用した旨述べているが,これらは,本件商標が被請求人によって,要証期間に取消請求商品について使用されたことを明らかにしているとはいえない。
ア プレスリリースにおける使用
被請求人は,プレスリリース(乙1の1及び2)が,被請求人のスカーフを宣伝するために配信されたものであると述べている。
しかしながら,これらには,被請求人に関する記載がなく,被請求人と当該プレスリリースとの関係が不明である。
また,当該プレスリリースの「オリジナルの“ポアレバックル”を開発」,「ポアレの時計にフィットする新しいスタイルの・・・」,「Ines de Parcevauxのスカーフをバックルに通し結ぶだけ。」の記載は,時計やバックルは「Poiray(ポアレ)」の商品であり,スカーフは「Ines de Parcevaux」の商品であることを示すものであり,「被請求人のスカーフ」が販売・宣伝されたことを明らかにしていない。
イ 雑誌における使用
被請求人は,雑誌(乙2の1及び2)において,本件商標が,スカーフについて使用されている旨述べている。
しかしながら,当該雑誌記事には,被請求人に関する記載がなく,被請求人と当該雑誌記事に掲載されている商品との関係が不明である。
また,乙第2号証の1の商品説明には「パリ発スカーフブランド『イネス・ド・パルスボー』とのコラボモデル」の記載があり,スカーフは「Ines de Parcevaux」の商品であることが明示されているから,「Ines de Parcevaux」のスカーフと認識されるものであって,被請求人の商品と認識されるものではない。
加えて,乙第2号証の2においても,「パリのスカーフブランド,イネス・ド・パルスボーとのコラボ」及び「専用のバックルにスカーフをたたんで通し,手首に巻くことで新しい時計のスタイルが完成。手持ちのスカーフを使用し自由な発想で身に着けても。」の記載があり,スカーフは「Ines de Parcevaux」の商品であることと,時計本体及び時計用バックルが「Poiray」の商品であることが示されている。
また,乙第2号証の1及び2が時計に関する記事であることは,その構成から明らかである。
以上より,当該雑誌記事において,「Poiray」なる標章は,「スカーフ」ではなく「時計」について使用されたものである。
ウ ウェブサイトにおける使用
被請求人は,「ザ・ウエディング」のウェブサイト(乙3)上で,被請求人がスカーフに関する広告に本件商標を使用していたと述べている。
しかしながら,ウェブページの下部のお問い合わせ先は,「ポアレブティックニューオータニ店」と記載されているのみで,被請求人に関する記載がなく,被請求人と当該ウェブページに掲載されている商品との関係が不明である。
また,スカーフの中央下寄りの「Ma Poiray」の文字は,本件商標とは明らかに構成が異なり,本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる標章とはいえない。
エ 店舗における使用
被請求人は,日本の百貨店やホテル内ブティック等の多くの店舗において,本件商標を付して被請求人のスカーフ等を販売してきた旨述べ,写真(乙4?乙7)を提出している。
しかしながら,当該写真について,撮影日が特定及び立証されていない。また,当該写真に写り込んでいる店舗及び商品と,被請求人との関係が不明である。
オ 商品カタログ・取扱説明書における使用
被請求人は,商品カタログ(乙8)及び取扱説明書(乙9)に「Poiray」の文字が付されており,本件商標が取消請求商品について,被請求人によって使用されていたと述べている。
しかしながら,いずれの証拠にも,被請求人に関する記載がなく,被請求人と当該商品カタログ及び取扱説明書との関係が不明である。また,当該商品カタログ及び取扱説明書の作成部数・頒布時期・頒布場所・頒布方法等が明らかでない。
カ 納品書等における使用
被請求人は,被請求人及び需要者・取引者が本件商標を使用して注文や納品を行っている旨述べている(乙10?乙12)。
乙第10号証及び乙第11号証は,フランス パリ所在の「POIRAY INTERNATIONAL S.A.S.」と,日本国東京都所在の「POIRAY JAPON」との間の取引書類と見受けられるが,被請求人に関する記載がなく,被請求人と上記2者との関係が不明である。被請求人は,「POIRAY JAPON」は,被請求人の日本代理店である旨述べているが,かかる事実を示す証拠は提出されていない。
乙第12号証は,「MA POIRAY」という標章が付されたスカーフが,POIRAY JAPONに納品されていることを示す書類であるところ,被請求人は,被請求人のスカーフが日本への輸出のため,被請求人によって輸入者に譲渡されていると述べるが,乙第12号証には,被請求人に関する記載がなく,被請求人と「Ines de Parcevaux」という輸出者,及びPOIRAY JAPONとの関係が不明であるため,被請求人が述べるような事実を確認できない。
また,乙第12号証において記載されている輸出者「Ines de Parcevaux」は,乙第1号証及び乙第2号証においてコラボ先として紹介されているスカーフブランドと同一の名称であり,また,スカーフに使用されている標章「MA POIRAY」も,乙第1号証及び第2号証と一致することから,乙第12号証は,POIRAY JAPONがInes de Parcevaux社から同社のスカーフを購入した際の納品書であると推測され,被請求人が輸入者に譲渡したことを示すものではない。
キ 本件商標の社会通念上同一の商標について
被請求人は,乙号証において使用されている標章「MA POIRAY」は,「MA」がフランス語で「私の」という意味を有する修飾語であり,「POIRAY」の部分のみが要部となり,商標として使用されているから,本件商標と社会通念上同一の商標であると述べている。
しかしながら,各証拠にて使用されている標章「MA POIRAY」は,同書同大かつ同色でまとまりよく一体に表されている。
さらに,被請求人も述べているとおり,「MA」はフランス語で「私の」という意味を有するところ,「MA POIRAY」は,全体として「私のPOIRAY(ポワレ)」という一体の観念を生じるものである。
したがって,標章「MA POIRAY」は,全体で一の結合商標であり,本件商標とは明らかに構成も観念も異なる商標であるから,本件商標と社会通念上同一の商標であるとはいえない。
(2)以上より,本件商標が被請求人により要証期間に指定商品の一について使用されたことは,被請求人提出の各証拠からは認めることができない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を,要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。
1 プレスリリースにおける使用(乙1の1及び2)
当該プレスリリースは,被請求人が,スカーフブランド「Ines de Parcevaux(イネス・ド・パルスボー)」とのコラボレーションにより,「ポアレバックル」というスカーフを通すためのアジャスターを開発したことを示すとともに,被請求人のスカーフを宣伝するために,2016年6月及び同年8月にそれぞれ配信されたものである。当該プレスリリースには,上部に「Poiray」の商標が大きく付され,「Ma Poiray」と印字された被請求人のスカーフの写真が掲載されている。このように,本件商標はスカーフの出所標識として付され,本件商標を付したスカーフが販売され,また,スカーフに関する広告に本件商標を付して電磁的方法により提供されている。
したがって,要証期間に,本件商標が取消請求商品について,被請求人によって使用(商標法第2条第3項第1号,同項第2号,同項第8号)されていたことは明らかである。
2 雑誌における使用(乙2の1及び2)
「ヴァンサンカン」(ハースト婦人画報社発行,2016年9月号174頁)には,本件商標が,被請求人のスカーフ写真に近接して「Poiray」とピンク色で大書されており(乙2の1),「Chronos Femme」((株)シムサム・メディア発行,2016年第28号36頁)においても,本件商標が,被請求人のスカーフ写真のすぐ上に付されている(乙2の2)。
これらのことから,本件商標が,取消請求商品について,被請求人によって使用(商標法第2条第3項第1号,同項第2号)されていたことは明らかである。
3 ウェブサイトにおける使用(乙3)
結婚に関する情報を配信するウェブサイト「ザ・ウエディング」(2016年7月5日付け更新)において,「Ma Poiray」と本件商標が付されたスカーフが広告宣伝された(乙3)。ウェブページの下部には,「お問い合わせ先」として「ポアレブティックニューオータニ店」と記載されており,被請求人が,スカーフに関する広告に本件商標を使用していた。
したがって,本件商標はスカーフの出所標識として付され,本件商標を付したスカーフが販売され,また,スカーフに関する広告に本件商標を付して電磁的方法により提供されていたのであり,本件商標が取消請求商品について,被請求人によって使用(商標法第2条第3項第1号,同項第2号,同項第8号)されていたことは明らかである。
4 店舗における使用(乙4?乙7)
被請求人は,日本の百貨店やホテル内ブティック等,多くの店舗において,本件商標を付して,被請求人のスカーフ等を販売してきた。例えば,2016年4月13日から26日に伊勢丹百貨店で行われたポアレフェアでは,被請求人のスカーフ等の販売・宣伝のため,商品を陳列したガラスケース背面部分に,目立つ色で,本件商標が大書きされている(乙4)。
また,高島屋においても,被請求人の商品であるスカーフが陳列されたガラスケースの側面中央に,大きく本件商標が表示されている(乙5)。
ホテルニューオータニ内のポアレブティックにおいても,被請求人のスカーフの真上に,被請求人のスカーフを示すものとして本件商標が表示されている(乙6)。
同様に,小田急百貨店においても,被請求人のスカーフが販売されており,写真からは明確には読み取れないものの,ブランド名を付さずに販売されるのは通常あり得ないから,本件商標が使用されていた事実は強く推認される(乙7)。
したがって,本件商標が付されたスカーフの販売のための展示ないし販売が商標法第2条第3項第1号,同項第2号に定める「使用」に該当し,本件商標が取消請求商品について,被請求人によって使用されていたことは明らかである。
5 商品カタログ・取扱説明書における使用(乙8,乙9)
商品カタログ(乙8)は,被請求人が本件商標の指定商品のメインブランド「Poiray」に次ぐサブブランド「Foulard」スカーフのシリーズに関し,発行したものである。本件商標は,カタログ紙面の下部中央に目立つように書されている。また,カタログに掲載されているスカーフの中には,スカーフの中央部分に,本件商標が出所表示機能を発揮する態様で使用されているものもある。
また,取扱説明書(乙9)は,被請求人が作成し,スカーフをブレスレットのようにして着用する方法について記載している。この商品説明書の2ページ目左部には,本件商標が大きく,黒色の背景に白文宇で目立つように表示されている。
これらのことから,本件商標が自他商品識別力を発揮する態様で,取消請求商品について,被請求人によって使用(商標法第2条第3項第1号,同項第2号,同項第8号)されていたことは明らかである。
6 納品書等における使用(乙10?乙12)
被請求人及び需要者・取引者は,本件商標を使用して,商品の注文や納品を行っている。
例えば,2016年2月18日付納品書(乙10)及び同年6月21日付納品書(乙11)からは,被請求人が,納品書の左上部に本件商標の指定商品のメインブランド「Poiray」を大きく明記した上で,サブブランドである「FOULARD」シリーズ商品を,被請求人の東京都港区西新橋所在の日本代理店に納品していることが示されている。
したがって,被請求人は,スカーフに関する取引書類に本件商標を付して頒布しており,要証期間に,本件商標が取消請求商品について,被請求人によって使用(商標法第2条第3項第8号)されていたことは明らかである。
また,乙第12号証の納品書(2016年3月29日発行)は,「MA POIRAY」という標識が付されたスカーフが,「Ines de Parcevaux」というフランスに所在地を有する輸出者により,被請求人の上記日本代理店に納品されていることを示している。このことから,「MA POIRAY」と本件商標が付された被請求人のスカーフが,日本への輸出のため,被請求人によって輸入者に譲渡されており,本件商標が取消請求商品に関し,被請求人によって使用(商標法第2条第3項第1号,同項第2号)されていたことは明らかである。
7 本件商標の社会通念上同一の商標について
本件商標は,ゴシック体のような文字で「POIRAY」と書されているところ,乙第1号証,第2号証,第4号証ないし第6号証,第8号証ないし第11号証において使用されている「POIRAY」は,やや筆記体のような文字で書されている。
しかしながら,これらの態様から,本件商標を表したものと認識することができるばかりでなく,これらに接する需要者が,「POIRAY」以外の他の文字を想起するものとは考えにくい。特に,取消請求商品のようにファッション性や装飾性が重んじられる商品分野においては,たとえ出所標識であっても商標の使用時にややデザイン化されることが多いことから,上記「POIRAY」は,本件商標と社会通念上の同一の範囲内の商標である。
また,上記乙号証の中には,本件商標が「ポアレ」と片仮名で表されている場合があるが,「POIRAY」が「ポアレ」と表記されることは一般的であるから(乙13),「POIRAY」と「ポアレ」が称呼及び観念を同一にすることは明らかである。
したがって「ポアレ」のみの使用であっても,本件商標と社会通念上同一の商標の使用といえる。
なお,上記乙号証において,「MA POIRAY」と表示されている場合があるが,「MA」とはフランス語で「私の」という意味を有する修飾語にすぎず,指定商品との関係で「POIRAY」の部分のみが要部となり,商標として使用されていることは明らかである。
したがって,本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標は,その指定商品に明確に付されており,また,付したものが譲渡され,さらに,指定商品に関する取引書類に付して頒布等されている。
8 要証期間による本件商標の使用
以上より,被請求人ないし通常使用権者が,要証期間に日本国内において本件商標及び本件商標と社会通念上同一と認められる商標を,取消請求商品について,商標法第2条第3項第1号,同項第2号,同項第8号にいう使用をしていることは明白である。
第4 当審における審尋
審判長は,被請求人に対し,平成29年8月7日付けで,合議体の暫定的見解を示し,請求人が提出した審判事件弁駁書に対する意見,乙第10号証ないし乙第12号証の訳文,及び,提出した乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行ったが,かかる審尋に対し,被請求人は,何ら回答していない。

第5 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(1)プレスリリース(ニュースリリース)における使用について
乙第1号証の1及び2は,ややデザイン化された「AVALON」の欧文字が表示された2016年6月及び同年8月のニュースリリースの写しであるところ,これらには,
ア 「Poiray PARIS」の表示と,「Poiray(ポアレ)よりスカーフをストラップにする My Scarf Collection 登場」の見出しの下,パリのスカーフブランド「Ines de Parcevaux」(イネス・ド・パルスボー)とのコラボレーションにより,「ポアレバックル」を開発した旨の記載がある。
イ 中程には,「Ma Poiray」の欧文字が表示された「Ines de Parcevaux」のスカーフの写真と,腕時計のバックルにスカーフを通して身に付けた写真が掲載されている。
ウ 【価格】には,「バックルとスカーフのセット 30,000円」の記載があり,乙第1号証の2の【価格】には,それぞれ単体の価格も記載されている。
エ 当該書面の下部には,【掲載時の読者お問い合わせ先】として「ポアレブティックニューオータニ店」の記載,及び【このリリースに関するお問い合わせ先】として「株式会社アバロン」の記載がある。
オ 上記アないしエによれば,当該ニュースリリースにおいて,要証期間に,掲載時の読者問い合わせ先を「ポアレブティックニューオータニ店」とする,「Ma Poiray」の文字が表示された商品「スカーフ」が掲載されたことが認められる。
しかしながら,乙第1号証の1及び2のニュースリリースが,要証期間に,実際に新聞,雑誌等に掲載された事実は示されておらず,当該リリースに関する問い合わせ先である「株式会社アバロン」及び掲載時の読者問い合わせ先である「ポアレブティックニューオータニ店」と本件商標権者との関係を確認することができない。
さらに,乙第1号証の1及び2に掲載されているスカーフは,「Ines de Parcevauxのスカーフ」と説明されていることからすると,当該スカーフに「Ma Poiray」の欧文字を表示した者は,「Ines de Parcevaux」であって,本件商標権者ということもできない。
(2)雑誌における使用について
乙第2号証の1は,雑誌「25ans/ヴァンサンカン」の2016年9月号(174頁)の写し,同号証の2は,「Chronos Femme」の2016年第28号(36頁)の写しとするものであり,これらには,「Poiray」の表示の下,腕時計のバックルにスカーフを通した写真が掲載され,パリのスカーフブランド「イネス・ド・パルスボー」とのコラボレーションによるものとの説明と,腕時計及びスカーフそれぞれ単体の価格が記載され(乙2の1),記事の下部に「ポアレブティック ニューオータニ店」の記載がある。
上記によれば,要証期間に,「Poiray」の表示の下,問い合わせ先を「ポアレブティック ニューオータニ店」とする,「イネス・ド・パルスボー」の商品「スカーフ」に関する広告が,雑誌に掲載されたものと認められる。
しかしながら,これらの雑誌に上記各商品を掲載した者といえる,商品の問い合わせ先の「ポアレブティックニューオータニ店」と,本件商標権者との関係が明らかではないから,本件商標権者が,商品「スカーフ」の広告に「Poiray」の文字を表示したものということができない。
(3)ウェブサイトにおける使用について
乙第3号証は,2016年7月5日付けの「the ウェディング」のウェブサイトであるところ,これには,腕時計のバックルにスカーフを通して身につけた写真及び「Ma Poiray」と表示されたスカーフの写真が掲載され,「お問い合わせ先」として「ポアレブティック ニューオータニ店」の記載がある。
上記によれば,要証期間に,問い合わせ先を「ポアレブティック ニューオータニ店」とする,「Ma Poiray」の文字が表示された商品「スカーフ」の広告が,ウェブサイトに掲載されたものと認められる。
しかしながら,当該ウェブサイトは,いかなる者によるものであるかが明らかではなく,また,当該ウェブサイトに記載された商品の問い合わせ先の「ポアレブティックニューオータニ店」と,本件商標権者との関係も明らかではないから,本件商標権者が,商品「スカーフ」の広告に「Poiray」の文字を表示してウェブサイトに掲載したものということができない。
(4)店舗における使用について
乙第4号証ないし乙第7号証は,百貨店及びブティック等の店内の写真とするものであるところ,これらには,ショーケースに腕時計やアクセサリーと共にスカーフが展示されており,これらのうち,乙第4号証ないし乙第6号証は,ショーケース付近に「Poiray」の文字が表示されている。
乙第4号証ないし乙第6号証の写真によれば,「Poiray」の表示の下,商品「スカーフ」が展示されていることが認められる。
しかしながら,いずれの証拠も,写真の撮影者,撮影日及び撮影場所が不明であって,また,各写真のスカーフが,本件商標権者により,譲渡又は引き渡しのために展示されているものであるかを確認することもできない。
また,乙第7号証は,ショーケースにスカーフが展示されているのみで,「Poiray」の文字が表示されていることを確認することができない。
(5)商品カタログ・商品説明書における使用について
乙第8号証は,本件商標権者が発行したとするスカーフの商品カタログであるところ,各葉の下部に「Poiray PARIS」の欧文字が表示され,2葉目ないし4葉目には「190001」ないし「190006」とする商品「スカーフ」が掲載されている。
また,乙第9号証は,本件商標権者が作成したとするスカーフの着用方法に関する商品説明書であるところ,その1葉目には,スカーフの着用方法を説明した写真が掲載され,2葉目の左には「Poiray PARIS」の欧文字が表示され,右には「Ines de Parcevaux」の表示がある。
上記によれば,「Poiray PARIS」の欧文字が表示されたカタログ(乙8)に商品「スカーフ」が掲載され,商品説明書(乙9)に,スカーフの着用方法が紹介されていることが認められる。
しかしながら,上記カタログ及び商品説明書の作成時期,作成者が明らかでなく,また,これらが,要証期間に我が国において,本件商標権者により頒布された事実を確認することができない。
(6)納品書等における使用について
ア 乙第10号証及び乙第11号証は,本件商標権者の日本代理店に,商品「スカーフ」(「FOULARD」シリーズ)が納品されたことを示す納品書とするところ,乙第10号証には,その左上に「Poiray PARIS」の欧文字が表示され,表中には「190001」ないし「190006」及びこれらに「FOULARD・・・」の記載,「DATE」の項に「18/02/2016」の記載,及び下部に「・・・POIRAY INTERNATIONAL S.A.S.・・・」の記載がある。
そして,乙第11号証は,乙第10号証と同様の表示等と,その表中には「190501」,「190505」及び「190507」等の記載があり,「DATE」の項に,「21/06/2016」の記載がある。
被請求人は,同号証について,被請求人が納品書に「Poiray」を明記した上で,「FOULARD」シリーズ商品(乙8)を被請求人の日本代理店に納品していることを示している旨主張している。
しかしながら,乙第10号証(訳文の提出はない)は,その記載内容からすれば,「Poiray PARIS」の欧文字が表示された「FOULARD」(スカーフ:乙8)に関する書面であることが推認されるとしても,かかる商品が掲載された商品カタログ(乙8)の作成者が明らかではなく,また,乙第10号証の下部に記載されている「POIRAY INTERNATIONAL S.A.S.」と本件商標権者との関係は不明であり,同号証を「POIRAY JAPON」が受け取った事実を確認することができない。
なお,乙第11号証の表中の「190501」,「190505」及び「190507」等の商品は,いかなる商品であるかを確認することができない。
イ 乙第12号証は,「Ines de Parcevaux」という輸出者が,本件商標権者の日本代理店に,商品「スカーフ」を納品したことを示す納品書とするところ,その上部には,「Ines de Parcevaux」の記載があり,「EXPORTER」としてFranceの「Sophie de Parcevaux」記載,及び「BILLIG & DELIVERY ADDRESS」としてJapanの「POIRAY JAPON」の記載があり,中程の表中には,3カ所に「・・・SCARF “MA POIRAY”」の記載及びその下部には「29th march 2016」の記載がある。
被請求人は,同号証について,「『MA POIRAY』という標識が付されたスカーフが,『Ines de Parcevaux』という輸出者により,被請求人の日本代理店に納品されていることを示しており,このことから,『MA POIRAY』と本件商標が付された被請求人のスカーフが,日本への輸出のため被請求人によって輸入者に譲渡されている」旨主張している。
しかしながら,乙第12号証(訳文の提出はない)は,「Ines de Parcevaux」と表示された「Sophie de Parcevaux」から「POIRAY JAPON」に宛てた,要証期間に含まれる2016年3月29日付けの「MA POIRAY」のSCARF(スカーフ)に関する書面であることが推認されるとしても,両者と本件商標権者との関係は不明であり,同号証を「POIRAY JAPON」が受け取った事実を確認することができない。
また,乙第12号証からは,少なくとも2016年3月29日に「Ines de Parcevaux」の「MA POIRAY」とする商品「SCARF(スカーフ)」が,「Sophie de Parcevaux」から「POIRAY JAPON」に引き渡されたであろうことが推認されるものの,かかる商品に本件商標が付されていたこと及び本件商標権者の商品「スカーフ」であることを確認することができず,かかる商品が,本件商標権者により我が国に輸入され,「POIRAY JAPON」に譲渡された事実を確認することもできない。
(7)まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間に日本国内において,本件商標権者,通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが,取消請求商品のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができない。
また,被請求人は,取消請求商品について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
2 むすび
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中,第17類「被服(運動用特殊被服を除く)」について,商標法第50条第1項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-12-13 
結審通知日 2017-12-18 
審決日 2018-01-10 
出願番号 商願昭60-83192 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (117)
最終処分 成立 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 平澤 芳行
小林 裕子
登録日 1987-09-21 
登録番号 商標登録第1987841号(T1987841) 
商標の称呼 ポイレー、ポアレ 
代理人 田島 壽 
代理人 外川 奈美 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 青木 篤 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ