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審決分類 審判 一部無効 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W35
管理番号 1341152 
審判番号 無効2017-890043 
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-07-19 
確定日 2018-05-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第5681047号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5681047号商標の指定役務中、第35類「広告業」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5681047号商標(以下「本件商標」という。)は、「ささげ」の文字を標準文字により表してなり、平成25年11月11日に登録出願、第35類「広告業,商品の販売に関する情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集,商品の通信販売の事務の代行,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同26年6月2日に登録査定、同年6月27日に設定登録され、その後、商標登録の一部取消し審判により、上記指定役務中の「広告業」以外の指定役務について、取り消すべき旨の審決がされ、同30年1月12日にその確定審決の登録がされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を提出した。
1 無効事由
本件商標は、その指定役務中の「広告業」の内の「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」に係る役務について、商標法第3条第1項第1号ないし同第2号に該当し、前記役務以外の「広告業」について、同法第4条第1項第16号に該当するから、同法第46条第1項第1号により、前記役務についての登録は無効にすべきものである。
(1)請求人は、Electronic Commerce(電子商取引、以下「EC」という。)サイトの運用とそれに伴うバックオフィス業務を主たる事業内容として2006年4月に設立された法人であり、より具体的には、インターネット通販における商品情報の制作、ECサイトのランディングページの作成を中心とするWebページのデザインと制作、商品説明のための動画作成、及び商品データの運用・管理などの業務を行っている。
(2)本件商標であり、請求人の名称にも含まれている「ささげ」という用語については、次のような由来がある。
2005年当時、大手アパレル通販サイトのF社において、商品情報の制作に不可欠な作業である「撮影」・「採寸」・「原稿作成」を総称する用語として、それぞれの作業名の頭音をとった「ささげ」という略称が発案されて使用され始めた。この「撮影」とは、画像の加工も含む商品を様々な方法で撮影する作業であり、「採寸」とは、アパレルなどの商材において、実物をメジャーで測り着丈などの各サイズをデータ化し、また原産国や素材などの情報を転記する作業であり、「原稿作成」とは、写真では伝わらない商品スペックなどを消費者に伝達するために、商品毎にその特徴や良さをアピールする文書を作る作業である。
そして、2006年に入ると、F社ではアパレルネット通販における商品数の大幅な増大に伴い、同通販に特化した「撮影」・「採寸」・「原稿作成」の一貫作業体制(以下「ささげ」体制という。)の構築が急務となり、当時、同社から相談を受けていた請求人の代表取締役等が株式会社ささげ屋を設立し、倉庫に商品が着荷した後、できるだけ早く販売開始できるように倉庫内に「ささげ」体制を構築するようにした。
それまでは、EC運営者から業務委託されたフリーのカメラマンがスタジオを借りて1日30商品程度の撮影のみを行うことが主流であったが、請求人が前記「ささげ」の業務をワンストップで実行できる「ささげ」体制を構築したことにより、大きなコストダウンとスピードアップが実現でき、1ラインで1日70商品以上の処理量を実現できるようになった。
また、カタログ通販などのようにDTP(Desktop Publishing)ベースで商品撮影を行ってきた企業による撮影は、解像度など写真データのクオリティーが求められる紙媒体特有の先入観により、インターネットのWebページでは不必要なスペックを基準としてしまう傾向が強く、コスト高になることが多かったが、インターネット通販に特化した「ささげ」体制ではそのような不合理も解消できた。
(3)その後のインターネット通販市場の飛躍的拡大に伴い、フルフィルメント(受注・物流・決済・返品)の中から「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」を「ささげ」業務として切り出して専門的に捉える考え方が標準化していき、特に、アパレル通販業界においては、商品数が多く、ファッション性の高い商品を取り扱うことから、「ささげ」業務に係るコスト比率が高くなるため、いち早くその傾向がみられた。
さらに、2011年には、SNSの大手企業がECを開始し、モール系ネット通販の大手企業とSNSとが連携するなど、ネット通販市場が多角化して商品の処理量がさらに増大してきたことから、フルフィルメントのほとんどを請け負う企業も多くなったが、「ささげ」業務の遂行部門を持たない、又は大量の「ささげ」業務を処理し切れない企業も少なくなく、「ささげ」業務がフルフィルメントから切り出されて、請求人のように「ささげ」業務に特化したサービスを提供している専門企業に委託されることも多くなっている。
(4)以上のようなインターネット通販の拡大・多角化の変遷の中で、上記由来をもつ「ささげ」の用語は、「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」という業務を簡単で馴染み易い単語で総称することができ、その使い勝手のよさから物流業界において前記業務を示す用語として広く一般的に用いられるようになり、遅くとも、本件商標が登録査定に至った2014年6月2日より前には、インターネット通販業界や物流業界において「ささげ」といえば前記業務の一般的名称であると認識されるに至っていた。
また、上記由来で説明したように、「ささげ」の語自体は「撮影」・「採寸」・「原稿作成」の各作業名の頭音をとった造語であり、もともとは自他役務識別標識たり得たものであるが、「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」に係る業務について、ネット通販業界や物流業界の業者間で普通に使用されるようになった結果、遅くとも、前記2014年6月2日より前には、自他役務識別性を喪失した商標になっていた。
(5)本件商標である「ささげ」の用語は、その登録査定日より前に、「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」という役務について普通名称になっており、また慣用商標になっていた(甲2?甲5)。
ア 甲第2号証の1ないし12は、インターネット上に表示されていた請求人の過去のホームページの画像を、インターネット上で運営されている「INTERNET ARCHIVE WAYBACK MACHINE」(以下「IAWM」という)を利用して、2011年11月10日から2015年2月21日までの期間内で適当な間隔をおいて検出・収録したものである。
2010年頃より前において、「ささげ」が「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」に係る業務を示す用語であることは、すでにネット通販業界や物流業界において広く知られていたが、請求人は、それらの業界の中にあって、2006年に「ささげ」体制をいち早く構築した先駆者であって法人名にも「ささげ」を含むこと、2010年頃には前記業務に係る業界ではすでに老舗的な存在になっていたことから、甲第2号証の1ないし12に見受けられるように、運営しているWebサイトの中では、常に「ささげ」の意味を解説しながら、業務内容の詳細な解説や宣伝などを掲載した体裁をとっている。
イ 甲第3号証の1ないし16は、請求人以外の者であって、インターネット通販や物流の関連業者が運営しているインターネット上の過去のWebサイトの画像を、IAWMを利用して、2011年10月28日から2014年5月16日までの期間で検出・収録したものである。
このように、請求人以外のインターネット通販や物流の関連業者においても、本件商標の登録査定日より前に、すでに「ささげ」が「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」に係る役務を表す一般名称であるという認識が確実に定着しており、各Webサイトにおいて当然のことのように使用されていることから、「ささげ」は前記役務について普通名称になっていると共に慣用商標にもなっており、自他役務識別力を消失していることは明白である。
ウ 甲第4号証の1ないし12は、2009年度から2013年度に発行された通販新聞において「ささげ」を含む記事を掲載しているページを縮刷版からコピーしたものである。
通販新聞は、わが国唯一の通販市場の週刊専門紙であり、物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向などを詳しく報道している。その、発行部数は2万9,000部、媒体サイズはブランケット判(新聞大判)8ページ(特集号は増ページ)、購読先としては、通販実施業者が40%、商品納入業者が30%、通販関連業者が20%、その他が10%であり、発行日は毎週木曜で年間48回発行している。
このように、通販市場の専門紙として相当の発行部数を誇る通販新聞においても、「ささげ」が商品情報の制作に不可欠な作業である「撮影」・「採寸」・「原稿作成」を総称する一般的名称であることを前提として、記事の中で「ささげサービス」、「ささげ業務」、「『ささげ』のデータ」、「ささげ部隊」などの用語が用いられており、このことからも、本件商標の登録査定日より前に、「ささげ」が「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」に係る役務について普通名称になっており、また同時に慣用商標にもなっていることは明白である。
エ 甲第5号証は、「2015年のEC業界を総まとめ!!/最新 EC業界大図鑑」(株式会社文芸社)からの抜粋であり、その180?181頁には通販物流・物流コンサルティング・物流システム構築支援の事業を行っている株式会社イー・ロジットの通販物流事業部へのインタビュー記事が掲載されており、「これからの物流は開放性と人がキーワード」の見出しの欄の中では、2011年からフルフィルメントサービスをスタートさせたという記事に続いて、「中でも、撮影代行、いわゆる『ささげ(撮影、採寸、原稿)サービス』はアパレルショップの方に高い評価を得ています。」という記事が掲載されている。
また、同書における巻末のEC業界用語集には「ささげ(撮影、採寸、原稿)」が「さ」行の用語としてリストアップされており、その詳細な意味が解説されている。
同書は、奥付に表記されているとおり、2015年12月15日初版第1刷発行であるが、前記記事内容から「ささげサービス」が2011年から実施されていることは明らかであり、EC業界用語集に関しても、甲第3号証の2に示されるように、同書の編集著作者であるミカタ株式会社が運営しているWebサイトの「EC物流倉庫ナビ」から導かれる「物流倉庫・通販物流に関する用語集」において「ささげ」を同意義で解説していることからみれば、「ささげ」に関しては2012年11月15日より前に業界用語として定着していたものをまとめたと推認される。
(6)以上のとおり、「ささげ」の用語は、インターネット通販業界や物流業界において、本件商標の登録査定日より前に、「インターネットによる商品の通信販売における撮影・採寸・原稿作成による商品の広告情報の制作」に係る役務についての普通名称になっており、また前記役務についての慣用商標になっていた。
そして、前記役務は本件商標の指定役務中の広告業に含まれるものである。
一方、「ささげ」の用語が前記状態になっていたことから、広告業中の前記役務以外の役務について「ささげ」が商標として使用された場合には、その役務の需要者において役務の質(内容)の誤認を招くおそれがあったことは明らかである。
2 まとめ
したがって、本件商標は、その指定役務中の「広告業」について、商標法第3条第1項第1号ないし同第2号及び同法第4条第1項第16号に該当するにもかかわらず商標登録がされたものである。

第3 無効理由通知
当審において、商標権者に対し、その指定役務中「広告業」について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである旨の無効理由通知を平成29年12月27日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

第4 被請求人の主張
前記第3の無効理由通知に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第5 当審の判断
1 「ささげ」の文字について
(1)本件商標は、前記第1のとおり「ささげ」の文字からなるところ、請求人提出の証拠によれば、以下のとおりである。
ア インターネット情報について
(ア)請求人のウェブサイト(甲2の1?甲2の8)には、「撮影から運営まで“売れる!”(売れる)ネット通販を実現します。」の表題の下、「ネット通販を成功させるキーワード“ささげ”」として「ささげ屋の社名の由来は、『撮影』『採寸』『原稿』の頭文字、これらの業務を『ささげ業務』と呼びます。」の記載、同ウェブサイト(甲2の9、甲2の10)には、「ささげ業務」の項に「『売れる』商品ページを心をこめて作ります。販売商品に最適な撮影、採寸、原稿パターンをご提案します。」の記載がある。
(イ)「物流倉庫・通販物流の用語集【EC物流倉庫ナビ】」のウェブサイト(甲3の2、甲3の11)には、物流用語集として、「ささげ」の項目があり、「『ささげ』とは、撮影(さつえい)・採寸(さいすん)・原稿(げんこう)の頭文字を取った言葉で、商品写真撮影、採寸、原稿作成などをまとめて指して呼ぶ用語です。ECの普及に伴って倉庫内で写真撮影と採寸を行う物流倉庫も増えており、アパレル・ファッション分野で特にニーズの高いサービスとなっています。」の記載がある。
(ウ)「通販新聞」のウェブサイト(甲3の3)には、「ファッションウォーカー、フルフィル再構築に着手」(2011年7月21日)の見出しの下、「ファッション通販サイトを運営するファッションウォーカーは、競争力強化を目指してフルフィルメント体制の再構築に乗り出している。・・・同社はアパレル商材の採寸や撮影、原稿書きといった『ささげ業務』について・・・内製化した。・・・内製化によってささげ業務を細分化してメーカーECの支援メニューに追加。」の記載がある。
(エ)「格安通販 物流代行」のウェブサイト(甲3の4)には、「当社の物流代行はここが違います!」として「『ささげ業務』をもっと効率的に」の項目の中で「弊社独自のささげ支援ASPなら商品写真の準備が高品質&安価」の記載、及び右欄にある「ささげ支援システム」の表題の下、「ささげ1型の直接人件費を1000円以下にするASPサービス」の記載がある。
(オ)「ささげ改善とささげ効率化」のウェブサイト(甲3の5及び甲3の14)には、「ささげ支援システム」の表題の下、「撮影、採寸、原稿の作成を支援するシステムをASPでご提供します。」の記載がある。
(カ)「アパレルウェブ」のウェブサイト(甲3の6)には、「三越伊勢丹 ネット売上高200億円へ 9月にEC専用物流センター開設」(2013/09/03)の見出しの下、「撮影スタジオを併設し、倉庫内でのささげ(採寸/撮影/商品説明原稿)業務も可能にする。・・・倉庫内でささげ業務(採寸/撮影/商品説明原稿)が完結する環境を整えた。」の記載がある。
(キ)「東王商事」のウェブサイト(甲3の7)には、「物流アウトソーシング サービス一覧」の中の「タグ付け採寸」の項に「ささげサービス(撮影・採寸など)のご対応可能です!・・・ささげサービスでトータル物流をご提案いたします。」の記載がある。
(ク)「インフォマークス株式会社」のウェブサイト(甲3の8)には、「『ささげ』とは」の項に「撮影、採寸、原稿の頭文字をとったのが『ささげ』です。出品に欠かせない作業であり、出品しないことには受注もできないので、一刻も早く行うことが収益に直結します。」の記載がある。
(ケ)「イマージュソリューションズ」のウェブサイト(甲3の9)には、「ささげ支援」の表題の下、「ささげ(ECコンテンツ作成)支援ASP」の項に「・・・画像自動変換・自動リネーム機能や、採寸情報や原稿の入力を補助し、ささげ業務全体の進捗管理の機能を備えたささげ支援ASPサービスです。」、「機能/特徴」の項に「●ささげ業務の進捗管理/今日中に終了が必要な残り業務のリストや誰が何時行った作業なのかなど進捗が『採寸』『撮影』『原稿』毎に一目でわかります。」の記載がある。
(コ)「スクロール360」のウェブサイト(甲3の10)には、「物流代行サービス」の表題の下、「最新設備の物流代行専用物流センター『スクロール ロジスティクス センター磐田』」の紹介文に「ささげサービス(撮影・採寸・原稿など)の開始」の記載がある。
(サ)「通販新聞」のウェブサイト(甲3の12)には、「ZOZOTOWNを追う2社の次の一手は?事業提携で次のステージへ」(2012年11月29日)の見出しの下、第3頁目の「楽天BAに出店/連携強化を模索」の表題の下「・・・出店するブランドのささげ業務(撮影、採寸、原稿)を一括してスタイライフが請け負うなど・・・」の記載がある。
(シ)「ECトータルアウトソーシングのCSKプレッシェンド」のウェブサイト(甲3の13)には、「『ささげ』もお任せのECトータルアウトソーシング」の項に「コンテンツ制作は採寸・撮影・原稿作成の頭文字をとって『ささげ』とも呼ばれています」の記載がある。
(ス)「通販発送代行サービスEC-CREATOR」のウェブサイト(甲3の15)には、「撮影代行・原稿作成・採寸」の項に「撮影、採寸、原稿の頭文字をとったのが『ささげ』です。」の記載がある。
イ 通販新聞の記事について
(ア)2009年(平成21年)10月1日発行(甲4の1)には、「スクロール360/新物流センターが稼働/3年後の全社出荷額1000億円に」の見出しの下、「センターの開業にあわせて、・・・商品の撮影や画像修正、マスターの登録などを行う『ささげサービス』を導入した。」の記載がある。
(イ)2011年(平成23年)7月28日発行(甲4の2)には、「ファッションウォーカー/フルフィル再構築に着手/撮影業務など内製化/EC支援も強化へ」の見出しの下、「同社はアパレル商材の採寸や撮影、原稿書きといった『ささげ業務』について・・・内製化した。」の記載があり、「ささげ業務」に関して説明されている。
(ウ)2012年(平成24年)10月11日発行(甲4の3)には、「ファッション・コ・ラボ/EC受託事業を強化/パッケージ化し料金体系明確に/ウェブ販促も包括」の見出しの下、「・・・通販サイトの構築・運営に必要なサイト制作や商品マスター登録、ささげ(撮影・採寸・原稿)業務、コンテンツ制作、商品発送・・・」の記載がある。
(エ)2012年(平成24年)10月18日発行(甲4の4)には、「東急モールズデベロップメント/通販強化で新サイト開設/実店舗にない商品を販売/優良店発掘の場にも」の見出しの下、「新サイトの運営形態は・・・『楽天市場』などと同様に、ささげ(撮影・写真・説明)業務などを含め・・・」の記載がある。
(オ)2012年(平成24年)11月22日発行(甲4の5)には、「自社通販サイトをオープン/ファイブフォックス」の見出しの下、「・・・商品の写真撮影や採寸、ライティングなど、ささげ業務は丸井側に委託してスタートしている。」の記載がある。
(カ)2012年(平成24年)12月13日発行(甲4の6)には、「スタイライフ/ECに特化し成長描く」の見出しの下、「・・・『楽天ブランドアベニュー』に出店するブランドのささげ業務(撮影、採寸、原稿)を一括してスタイライフが請け負うなどの取り組み・・・」の記載がある。
(キ)2012年(平成24年)12月13日発行(甲4の7)には、「通販売上は27%増の20億円強に/コメ兵の中間業績」の見出しの下、「同社では、写真撮影やライティングといった『ささげ業務』のオペレーション向上に継続的に取り組み、・・・」の記載がある。
(ク)2013年(平成25年)3月21日発行(甲4の8)には、「有力各社次の一手は?」のコラムに「スタイライフ/再成長へ『まず自力で』/楽天流マーケ施策で成果/1?3月の業績好転」の見出しの下、「・・・同サイト全体の撮影やライティングといった“ささげ”業務と物流業務を・・・」の記載がある。
(ケ)2013年(平成25年)6月27日発行(甲4の9)には、「マガシーク/ワールド商材の取扱い本格化/『タケオキクチ』など45ブランド」の見出しの下、「・・・マガシークはワールドから商品画像をはじめ採寸情報、商品のコメントといった『ささげ』のデータ提供を受ける。」の記載がある。
(コ)2013年(平成25年)8月1日発行(甲4の10)には、「ネット販売市場でM&A活発化」の見出しの下、「・・・撮影やライティングといった“ささげ”と物流業務をスタイライフの倉庫に移管。」の記載がある。
(サ)2013年(平成25年)8月8日発行(甲4の11)には、「三越伊勢丹HD/ゾゾの運営支援サイト閉鎖/紳士服のECを自社に集約」の見出しの下、「新倉庫の稼動後はささげ部隊も配置し、商品アップまでのスピードを上げる考え。」の記載がある。
(シ)2013年(平成25年)10月3日発行(甲4の12)には、「ワールド/ECモールへの出店強化/商品データ・在庫を連携」の見出しの下、「通常、ファッション通販モールは、ささげ業務や物流業務を内製化しているため・・・」の記載がある。
ウ 書籍の記載について
「2015年のEC業界を総まとめ!! 最新 EC業界大図鑑」(2015年12月15日 株式会社文芸社発行:甲5)には、株式会社イー・ロジットの通販物流事業部へのインタビュー記事の頁に「2011年からスタートさせたフルフィルメントサービスでは、発送代行から受注代行、カスタマー代行、撮影代行、サイト構築支援、薬事対応など各対応サービスを用意しています。中でも、撮影代行、いわゆる『ささげ(撮影、採寸、原稿)サービス』はアパレルショップの方に高い評価を得ています。」の記載、及び「EC業界用語集」の「さ」の欄には、「ささげ(撮影、採寸、原稿)」の項があり、「『ささげ』とは、撮影(さつえい)・採寸(さいすん)・原稿(げんこう)の頭文字を取った用語。商品写真撮影、採寸、原稿作成など、ECショップで商品販売にするにあたり、必要となる代表的な作業のこと。ECの普及に伴って倉庫内で写真撮影と採寸を行う物流倉庫も増えており、アパレル・ファッション分野で特にニーズの高いサービスとなっている。」と記載されている。
(2)上記(1)によれば、インターネット通販の拡大、多角化の変遷の中で、インターネット通販業界や物流の関連業者において、「ささげ」の語は、「撮影、採寸、原稿作成」を指す語として遅くとも2011年には使用され、ささげ業務、ささげ支援等、ささげ(撮影、採寸、原稿)に関するサービスを提供しているものといえる。
そして、請求人をはじめとするインターネット通信販売に係る商品の広告制作を行っている業界において、「ささげ」の語は、「撮影、採寸、原稿作成」という広告制作の一連の作業を表すものとして認識され、普通に使用されているというべきである。
そうとすると、「ささげ」の語は、本件商標の登録査定前から、広告業界において、インターネットによる商品の通信販売に係る「撮影、採寸、原稿作成」という広告制作の一連の作業を表すものとして、取引者、需要者に認識されていたといえるものである。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、前記第1のとおり、「ささげ」の平仮名からなるものである。
そして、上記1のとおり、「ささげ」の語は、広告業界において、インターネットによる商品の通信販売に係る「撮影、採寸、原稿作成」という広告制作の作業を表すもの、すなわち、広告物の制作方法を表すものとして本件商標の登録査定前から使用されているものであるから、これをその指定役務中「広告業」について使用しても、広告制作の一連の作業を表すにすぎず、単にその役務の質を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。
したがって、本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務である「広告業」について、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
3 結語
以上のとおり、本件商標は、その指定役務中、「広告業」についての登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、その余の無効理由について言及するまでもなく、同法第46条第1項第1号に基づき、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-03-15 
結審通知日 2018-03-20 
審決日 2018-04-06 
出願番号 商願2013-87977(T2013-87977) 
審決分類 T 1 12・ 13- Z (W35)
最終処分 成立 
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
山田 正樹
登録日 2014-06-27 
登録番号 商標登録第5681047号(T5681047) 
商標の称呼 ササゲ 
代理人 永井 利和 
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