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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1340393 
異議申立番号 異議2017-900193 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-16 
確定日 2018-05-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5932825号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5932825号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5932825号商標(以下「本件商標」という。)は,「WIGO」の欧文字を標準文字で表してなり,平成28年8月26日に登録出願,第12類「陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),動力伝導装置,制動装置,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として,同29年2月13日に登録査定,同年3月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下のとおりであって,現に有効に存続しているものである。
登録第2710075号商標(以下「引用商標」という。)
商標の態様 別掲のとおり
登録出願日:平成3年6月12日
優先権主張:1991年1月8日(フランス共和国)
設定登録日:平成7年9月29日
最新更新登録日:平成27年7月21日
書換登録日:平成18年1月18日
指定商品:第12類「自動車並びにその部品及び附属品(自動車のタイヤ,チューブを除く。)」

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号に該当することについて
(1)外観の類似
本件商標は,「WIGO」の英文字からなり,引用商標は,上記第2のとおり,「TWINGO」の英文字からなる。両商標は,文字列の中に本件商標を構成する4つの英文字「W」「I」「G」「O」を全てこの順に含む点で共通しており,しかも,両商標はともに「GO」で終わっている。文字からなる商標を見る需要者は,図形の外観上の類似の場合とは異なり,文字がアルファベットか否か,フォントの種類などにより文字と認識した上で,複数の英文字から構成された商標として認識する。その結果,いずれも英文字であって同じフォントで記載されている両商標は,紛らわしい印象を与え,全ての英文字が同じ順番で含まれるのであって,全体として外観上類似の印象を与える。
(2)称呼類似
本件商標は,「ウィゴー」,「ウィゴ」の称呼を生ずるのに対し,引用商標は「トゥインゴー」,「トゥインゴ」の称呼を生ずる。引用商標のうち「TWIN」の部分は外国風に発音されることから,最初の「ト(ゥ)」は弱く発音される。また,中間の「ン」の音も弱く発音される。結果的に,両商標は,共通する音「ウィ」及び「ゴー」を同一強音として有し,その結果,全体的印象が近似して聴覚されるものである。特に,日本語においては「ト(ゥ)」と「ン」は聞き取りにくい音になるので,「ウィゴー」と「トゥインゴー」を聞き分けることは難しく,いずれも「ウィ」と「ゴー」の音が耳に残り同一又は類似の音として認識される可能性が高い。さらに,音節に関しても,本件商標は音のかたまりとして「ウィ」と「ゴ」の2つのシラブルに分かれ,他方引用商標も音のかたまりとして「トゥイン」と「ゴ」の2つのシラブルから構成されているという共通性を有し,全体的に印象が近似して聴覚されるものである。
(3)観念類似
本件商標と引用商標は,いずれも主語と動詞からなる1つの文を構成しており,本件商標において主語にあたる言葉が「アイ」私であるのに対して,引用商標では主語にあたる言葉が「トゥイン」双子である点が相違するのみで,動詞はいずれも「ゴー」行くである。商標は,普通名称であれ造語であれ一般に名詞形であるにもかかわらず,本件商標と引用商標はいずれも一文を構成している点が珍しく,その点において両者は共通している。よって,本件商標「ウィゴー」と引用商標「トゥインゴー」は,あたかも商標として一連の関連する観念を表示したものとの印象を与えることになる。
(4)その他の商標
引用商標は,同様のつづり「TWINGO」と発音を有する商標登録第3337936号,商標登録第4106436号,商標登録第5891719号及び国際登録第1132236号の内の一つであり,いずれも同一の商標権者が所有するものである。よって,引用商標は,様々なバリエーションと共に登録商標によって国際的に保護されている商標の1つであって,このような商標については,類似の範囲について混同を生じることがないよう特に慎重に判断すべきものである。
(5)指定商品
本件商標と,引用商標はいずれも第12類「自動車並びにその部品及び附属品」等を指定商品とし,両商標は指定商品も類似又は同一である。
(6)小括
本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号に該当することについて
本件商標は,引用商標と類似し,指定商品も同一又は類似のものであるが,仮に両商標が類似の範囲にないとしても,引用商標の権利者の業務にかかる商品と混同を生じるおそれがある商標であることに相違はない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,前記第1のとおり,「WIGO」の欧文字を標準文字により表してなるところ,該文字は,辞書等に載録のないものであって,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。
そして,欧文字からなる造語の場合は,我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるのが自然であるから,本件商標からは該文字に相応して「ウィゴ」又は「ウィゴー」の称呼を生じるものである。
してみれば,本件商標は,その構成文字に相応して,「ウィゴ」又は「ウィゴー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,前記第2のとおり,「TWINGO」の欧文字からなる商標であるところ,該文字は,辞書等に載録のないものであって,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。
そして,欧文字からなる造語の場合は,我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるのが自然であるから,引用商標からは該文字に相応して,「トゥインゴ」又は「トゥインゴー」の称呼を生じるものである。
してみれば,引用商標は,その構成文字に相応して,「トゥインゴ」又は「トゥインゴー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標を比較してみるに,外観においては,両商標は,「WIGO」と「TWINGO」の文字からなるものであるところ,4文字又は6文字という文字数を異にするものであるところ,文字数の少ない構成にあって,2文字の有無は大きな差異となるものであり,さらに両者は「W」「I」「G」「O」の文字を共通にするものの,引用商標の第1文字目「T」及び第4文字目「N」の有無が相違するもので,外観上,十分に区別することができ,相紛れるおそれのないものである。
次に,称呼においては,本件商標からは,「ウィゴ」又は「ウィゴー」の称呼を,引用商標からは,「トゥインゴ」又は「トゥインゴー」の称呼を生じるところ,両者は,その音構成において明らかな差異を有するものであって,称呼上,明確に聴別されるものである。
そして,観念においては,本件商標と引用商標とは,共に特定の観念が生じないものであるから,両者は,観念上,比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,外観及び称呼において,相紛れるおそれがない非類似の商標というべきである。
(4)小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標の周知性について,申立人は,引用商標の権利者の業務にかかる商品と混同を生じるおそれがある商標であることを主張するのみであって,それに係る証拠の提出はないことから,引用商標が,我が国において,本件商標の登録出願時はもとより登録査定時においても,申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたという事実を見いだすことはできない。
したがって,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品「自動車並びにその部品及び附属品(自動車のタイヤ,チューブを除く。)」並びに関連商品を表示するものとして,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
そして,上記1(3)のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
してみれば,本件商標を,本件商標権者がその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が引用商標を想起又は連想することはなく,その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標


異議決定日 2018-05-17 
出願番号 商願2016-93510(T2016-93510) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W12)
T 1 652・ 262- Y (W12)
T 1 652・ 263- Y (W12)
T 1 652・ 261- Y (W12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 網谷 麻里子
薩摩 純一
登録日 2017-03-17 
登録番号 商標登録第5932825号(T5932825) 
権利者 トヨタ自動車株式会社
商標の称呼 ウイゴー、ウイゴ 
代理人 園田・小林特許業務法人 

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