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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W32
管理番号 1340376 
異議申立番号 異議2017-900269 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-01 
確定日 2018-04-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5952397号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5952397号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5952397号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「武蔵野ブルワリー」の文字を横書きしてなり、平成28年9月21日に登録出願、第32類「ビール」を指定商品として、同29年4月21日に登録査定、同年6月9日に設定登録、同年7月4日に本件商標に係る商標掲載公報が発行されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成29年9月1日付け商標登録異議申立書において、本件商標は、商標法第3条1項第3号、同項第4号、同法第4条第1項第15号及び同項第16号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する理由
本件商標を構成する「武蔵野」の文字は、埼玉県川越以南、東京都府中までの間に広がる地域を示す著名な地域名であり、「ブルワリー」の文字は、「ビールの醸造所」といった意味を有することから、本件商標は全体として、「武蔵野地域に所在する醸造所・ビール工場」ほどの意味を容易に理解させるものである。
そうすると、本件商標は、単に商品の産地を表したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「武蔵野地域に所在する醸造所・ビール工場で製造、出荷されたビール」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第4号に該当する理由
本件商標は、著名な地理的名称である「武蔵野」の語と、業種名である「ブルワリー」を結合したものであり、「ありふれた名称」に該当し、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号に該当する理由
申立人は、「武蔵野ブルワリー」という名称のビール工場を長年にわたり操業し、当該ビール工場にて多くのビールを製造、出荷してきた。
その結果、「武蔵野ブルワリー」の名称は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている。
そうすると、上記申立人の商標と類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 取消理由の通知
当審において、本件商標の商標権者に対し、「本件商標は、商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨の取消理由を平成29年12月25日付けで通知した。

4 商標権者の意見
上記3の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、別掲1のとおり、「武蔵野ブルワリー」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものであって、その指定商品を第32類「ビール」とするものである。
ところで、申立人の提出に係る証拠及び当審における職権による調査(別掲2)によれば、本件商標の登録査定時において、「武蔵野」の文字は、「関東平野の一部。埼玉県川越市以南、東京都府中市までの間に拡がる地域」を意味する語として、また、「ブルワリー」の文字は、「ビール醸造所」の意味を有する外来語として、一般に慣れ親しまれていたものといえる。そして、我が国において、「○○ブルワリー」(「○○」には、地名等を表示する文字が入る。)との名称からなる醸造所が少なからず存在し、ビールが製造されている実情があり、加えて、武蔵野の醸造所においても、ビールが製造されていることが認められる。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本件商標から、「武蔵野の醸造所」ほどの意味合いを容易に看取し、その商品が「武蔵野の醸造所で製造されたビール」であることを理解し、認識するにとどまるとみるのが相当であるから、本件商標は、単に商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)まとめ
上記(1)のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
本件商標

別掲2
(1)「武蔵野」の文字について
「広辞苑 第六版」(株式会社岩波書店発行)の「むさしの【武蔵野】」の項に、「ア関東平野の一部。埼玉県川越以南、東京都府中までの間に拡がる地域。広義には武蔵国全部。イ東京都中部の市。吉祥寺を中心とする中央線沿線の衛星都市。人口一三万八千。」の記載がある(甲2の1)。
(2)「ブルワリー」の文字について
ア 「ブルワリー」の文字について、一般的な辞書類に以下の記載がある。
(ア)「大辞林 第三版」(株式会社三省堂発行)の「ブルワリー【brewery】」の項に、「ビールなどの醸造所。ブリュワリー。」の記載がある。
(イ)「現代用語の基礎知識2016」(甲3の2)及び「現代用語の基礎知識2017」(いずれも自由国民社発行)の「ブルワリー[brewery]」の項に、「主にビールの醸造所。ブルワー(brewer)は醸造者。」の記載がある。
イ 「ブルワリー」の文字について、インターネット上及び新聞記事上において、以下の使用がある。
(ア)「国税庁 東京国税局」のウェブサイトにおいて、「地ビール等を楽しむ」の見出しの下、「世界で飲まれているビール。・・・日本の地ビールや地発泡酒は、まだ、歴史は浅いですが、それぞれのブルワリーで精魂込めて特色のあるビールや発泡酒を造っています。レストランを併設しているブルワリーも多いので、それぞれの味をお楽しみ頂けるのではないでしょうか。」との記載(甲3の3の1葉目)とともに、「東京都のブルワリー」として26か所、「神奈川県のブルワリー」として21か所、「千葉県のブルワリー」として6か所、「山梨県のブルワリー」として6か所の地ビール等の製造場が紹介されている。
(東京都のブルワリー:甲3の3の2葉目?3葉目)
(神奈川県のブルワリー:
https://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/beer/kanagawa/kanagawa.htm)
(千葉県のブルワリー:
https://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/beer/chiba/chiba.htm)
(山梨県のブルワリー:
https://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/beer/yamanashi/yamanashi.htm)
(イ)上記(ア)の「東京都のブルワリー」一覧の順号3に品川区東品川在の「ティー・ワイ・ハーバーブルワリー」、順号11に台東区西浅草在の「カンピオンエール浅草ブルワリー」、順号14に北区上十条在の「十条すいけんブルワリー」の記載がある(甲3の3の2葉目?3葉目)。
(ウ)2017年3月25日付け中国新聞において、「宮島に地ビール醸造所 地元企業10月開業へ 観光客に出来たて提供 廿日市」の見出しの下、「世界遺産の島・宮島(廿日市市)に初のビール醸造所が建設される。地ビール製造の宮島ビール(同)が地元の井戸水を使い、フルーティーな香りのバイツェンや苦みが特徴のペールエールなどを生産。・・・延べ約500平方メートルの『宮島ブルワリー』を建てる。500リットル入りのタンク8基などの醸造施設を1階に配置。」の記載がある。
(エ)2016年9月4日付け読売新聞において、「[ひと模様]金沢唯一の醸造所で地ビール造り 鈴森由佳さん29=石川」の見出しの下、「金沢市片町から犀川大橋を渡って右手にある築120年以上の町家の1階を間借りし、昨夏から金沢で唯一のビール醸造所『金澤ブルワリー』を始めた。工場に改装した10畳ほどのスペースには、たるやビールを発酵させるタンクなどが所狭しと並ぶ。」の記載がある。
(オ)2016年7月30日付け朝日新聞において、「羽生の地ビール『こぶし花』金賞 アジア・ビアカップで2銘柄 /埼玉県」の見出しの下、「醸造所『羽生ブルワリー』は市の農林公園キヤッセ羽生に01年に誕生。『こぶし花』」のブランドでビールや発泡酒を7銘柄製造している。」の記載がある。
(3)「武蔵野」を産地とする商品「ビール」について
ア 申立人のウェブサイトにおいて、東京都府中市矢崎町3-1在の「<天然水のビール工場>東京・武蔵野ブルワリー」の紹介がある(甲5の1)。
イ 「CHOFU CRAFT BEER WORKS」のウェブサイトにおいて、東京都調布市在の調布ビアワークスについて、「調布市初のマイクロブリュワリーです。世界で一つだけの新しい味わいを目指して私達の造るビールを『Hand Work BEER』と呼んでいます。」との紹介がある(甲5の2)。
ウ 「Beer Factory KAMIKAZE」のウェブサイトにおいて、東京都立川市在の「Beer Factory KAMIKAZE(ビール工場 ファクトリーカミカゼ)」について、「?階下のビール工場を観ながらできたてのビールをどうぞ?」及び「カミカゼビールは副材料を一際使用していないモルト100%のピュアな生ビール。」との紹介がある(甲5の3)。


異議決定日 2018-03-12 
出願番号 商願2016-108478(T2016-108478) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W32)
最終処分 取消 
前審関与審査官 駒井 芳子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 原田 信彦
松浦 裕紀子
登録日 2017-06-09 
登録番号 商標登録第5952397号(T5952397) 
権利者 株式会社スイベルアンドノット
商標の称呼 ムサシノブルワリー 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 片山 礼介 
代理人 柳生 征男 
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