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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服201712018 審決 商標
不服2017650069 審決 商標
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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W35
管理番号 1340334 
審判番号 不服2017-9947 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-05 
確定日 2018-05-09 
事件の表示 商願2016-37821拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「すべてはお客様の「ありがとう!」のために」の文字を標準文字で表してなり,第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成28年4月1日に登録出願され,その後,指定役務については,原審における同年12月12日受付の手続補正書により,第35類に属する別掲1の役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は,「すべてはお客様の「ありがとう!」のために」の文字を標準文字で表してなるところ,これは,「すべてはお客様のありがとうのためにするという主義」ほどの意味合いを理解させるものであり,また,当該文字が,宣伝,広告に広く使用されている実情にあることからすれば,これに接する取引者,需要者は,当該文字が強く印象されて,その指定役務との関係において,「すべてはお客様のありがとうのためにするという主義のもとで提供されるもの(役務)」ほどの意味合いを表したものと理解し,把握するというのが相当である。そうすると,本願商標をその指定役務に使用しても,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲2の事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,意見を申し立てる機会を与えるべく,相当の期間を指定して,平成29年11月6日付けで証拠調べの結果を通知したところ,請求人は,同年12月25日に意見書を提出した。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,前記1のとおり,「すべてはお客様の「ありがとう!」のために」の文字を標準文字で表してなるものであり,いずれも平易でありふれた文字で構成されているから,文字どおり,「すべてはお客様のありがとうのために」ほどの意味合いを理解させるものである。
そして,別掲2で摘示した事実によれば,本願商標とほぼ同一の構成からなる文字が,様々な業界において,企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)として使用されている実情が認められる。
してみれば,本願商標をその指定役務について使用すると,これに接した需要者は,当該役務の提供者の経営理念等をうたった標語の一種として認識,理解するにとどまるものである。また,本願商標は標準文字で表してなるから,その態様上顕著な特徴は認められない。そうすると,本願商標は,役務の出所識別標識としては機能しないというのが相当である。
したがって,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,本願商標は,その後に「何をしているのか」という文章が省略された不完全な文章であり,構成各文字の意味合いも具体的ではないことからすると,本願商標が直ちに特定の役務の具体的内容や特徴等を宣伝するためのキャッチフレーズ,あるいは,企業の理念等を表現するためのスローガンとして常に理解,認識されるとは認め難く,また,本願商標がその指定役務の質等を表したキャッチフレーズ,企業の理念等の標語に類するものとして普通に使用されている事実を見いだし得ないことから,本願商標は,自他役務の識別標識としての機能を果たし得る旨主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたとおり,本願商標から看取される意味合い,並びに,別掲2で摘示したとおり,本願商標とほぼ同一の構成からなる文字が,様々な業界において,企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)として使用されている実情が認められることからすれば,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,これを当該役務の提供者の経営理念等をうたった標語の一種として認識,理解するものであるというのが相当である。
さらに,キャッチフレーズやスローガンは,看者に伝えたい内容を短時間で強い印象として残すべく,より少ない単語で簡潔に表現するよう趣向を凝らす場合が少なくないのであって,文法的に整っている,いないが問題となるものではない。また,企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)中に具体的な役務の内容や質を示す単語が存在しなくとも,具体的,抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが,結果的にはその取扱いに係る役務に対する信頼感の向上にもつながることが,もとより企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)の意図するところというのが相当である。
したがって,請求人の主張は,採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標の指定役務)
第35類 広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,財務書類の監査・証明に関する情報の提供,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,新聞記事情報の提供,自動販売機の貸与,衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供

別掲2(証拠調べ通知書で通知した事実)
(1)株式会社ジェイトレスのウェブサイト
「PHILOSOPHY」の項に,「ジェイトレスが掲げる5つの経営理念についてご紹介します。」及び「全ては,お客様の『ありがとう』のために。」との記載がある。
https://www.j-tres.com/
(2)RAINBOW DREAMのウェブサイト
「私たちの原点」の項に,「私たちは多くのお客様にも育てて頂きました。そして,多くの感動と喜びを分かち合う事が出来ました。だからこそ,育ててもらった恩返しに,私たちは一人でも多くの企業の繁栄に貢献したい,ワクワクする企業創りをしたい。そんな思いからこの会社を設立しました。?全てはお客様のありがとうのために?」との記載がある。
http://www.rainbowdreamhp.com/service.html
(3)リクナビのウェブサイト
「株式会社ジーンズ・カジュアルダン」の紹介ページ中,「仕事内容」の項に,「すべてはお客様の『ありがとう』のため,接客のプロとして働く」との記載がある。
https://job.rikunabi.com/2019/company/r213420002/
(4)マイナビのウェブサイト
「ホットマン(株)」の紹介ページ中,「会社データ プロフィール」の項に,「すべては『お客様のありがとうのために』?。高い品質とサービスでお応えするモノづくり集団です!」との記載がある。
https://job.mynavi.jp/18/pc/search/corp94853/outline.html
(5)株式会社YPPのウェブサイト
「<会社概要>」のページ中,「理念:すべてはお客様のありがとう!のために」との記載がある。
https://ypp-agc.jimdo.com/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81/
(6)社会保険労務士・行政書士オフィスサワダのウェブサイト
「<事務所概要>」のページに,「<当事務所の4つの誓い>」の項に,「すべては,お客様の『ありがとう』のために・・・・・・!」との記載がある。
https://www.sg-consul.com/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E6%A6%82%E8%A6%81/
(7)最所産業株式会社のウェブサイト
「ご挨拶」の項に,「設立当初と何ひとつ変わっていないものもあります。 それは『お客様に喜んでいただくことが当社の存在理由である』 という信念です。(中略)すべては『お客様のありがとうのために』どうぞこれからの『最所産業グループ』にご期待ください。」との記載がある。
http://www.saisho.co.jp/
(8)協同組合ベイタウン尾道のウェブサイト
「尾道食糧企業組合」の紹介ページ中,「コメント」の項に,「皆様の暮らしに寄り添い半世紀以上お米をはじめ,毎日の食生活の安心をお届けし,プロパンガス,灯油,リフォームなど快適な住環境のお手伝いをさせていただいております。これからも,皆様の生活に必要なあらゆる商品をお届けいたします。すべては,お客様の『ありがとう』のために。」との記載がある。
http://www.baytown.or.jp/?page_id=292
(9)ANNE SHIRLEY アンシャーリーのウェブサイト
「STAFF」の項に,「全てはお客様の『ありがとう』のために」及び「常にお客様に満足していただくために,日々の努力は怠りません。」との記載がある。
http://anne-shirley.com/
(10)KOSEのウェブサイト
「お客様相談室の信条と役割,それを支えるシステムについて」のページに,「全ては,お客様の『ありがとう』のために」との記載がある。
https://www.kose.co.jp/jp/ja/inquiry/principle/
(11)熊本製粉株式会社のウェブサイト
「ごあいさつ」のページに,「『すべてはお客様の“ありがとう”のために』」との記載がある。
http://www.bears-k.co.jp/company/topmessage/
(12)株式会社秋田ふれあいのウェブサイト
「ご挨拶」のページ中,「経営方針・活動方針」の項に,「すべては『お客様のありがとう』のために」及び「すべてはお客様のために・・・それが私たちの思いです。」との記載がある。
http://www.fureaihoken.com/about-ishii.html
(13)株式会社ダイコクのウェブサイト
「ダイコクの思い」のページ中,「PHILOSOPHY 社是」の項に,「すべてはお客様の“ありがとう”のために。」及び「ダイコクは,常にすべての人々の幸せを考え,お客様の“ありがとう”のために様々な挑戦を行っています。」との記載がある。
http://www.daikoku-grp.co.jp/concept/
(14)阪井運送株式会社のウェブサイト
「会社紹介」のページ中,「経営理念」の項に,「すべてはお客様の『ありがとう』のために,私たちは挑戦し続ける。」との記載がある。
http://www.sakai-express.co.jp/company
(15)株式会社小牧旅行社のウェブサイト
同社の「営業理念」の項に,「すべては,お客様の『ありがとう』のために!」との記載がある。
http://km-travel.jp/
(16)株式会社三井開発のウェブサイト
「VISION&MISSION&ACTION」の項に,「すべてはお客様の『ありがとう』のために。」との記載がある。
http://mitsui-kaihatsu.co.jp/visionmission/
(17)リクナビのウェブサイト
「JR九州ビルマネジメント株式会社」の紹介ページ中,「企業理念」の項に,「『すべては,お客様の「ありがとう」のために。』」及び「JR九州ビルマネジメント株式会社(JBM)は,地域のお客さまにとって魅力ある空間を創造しJR九州が所有する不動産資産の価値を向上させることを目指しており,また,『お客さま』『お取引先』『地域社会』との対話を通じて,九州の発展に寄与する企業として成長を続けていきたいと考えています。」との記載がある。
https://job.rikunabi.com/2019/company/r235110064/
(18)土曜引越センターのウェブサイト
「土曜引越センターのスローガン」の項に,「すべては,お客様の『ありがとう』のために。」との記載がある。
http://www.do-you-hikkoshi.jp/



審理終結日 2018-03-07 
結審通知日 2018-03-12 
審決日 2018-03-28 
出願番号 商願2016-37821(T2016-37821) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 冨澤 武志
大森 友子
商標の称呼 スベテワオキャクサマノアリガトウノタメニ、スベテワオキャクサマノアリガトーノタメニ、アリガトー 
代理人 佐藤 富徳 

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