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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W182528
管理番号 1340318 
審判番号 不服2017-13549 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-12 
確定日 2018-06-01 
事件の表示 商願2015-74997拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「HV POLO」の欧文字を標準文字で表してなり,第18類,第25類及び第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年8月5日に登録出願されたものである。
その後,原審における平成27年12月1日付けの手続補正書及び同29年4月7日付けの手続補正書により,その指定商品は,最終的に,第18類「ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用のむち,ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用の馬具類,ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用のくら,ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用の馬用装着具」,第25類「ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用の運動用特殊衣服,ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用の乗馬靴,ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用の帽子」及び第28類「ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用の運動用具」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由
本願商標は,「HV POLO」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「HV」の文字と「POLO」の文字が1文字分のスペースを介して表されているため,「POLO」の文字部分が視覚上分離して観察される。
「POLO」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は,ラルフ・ローレン氏のデザインに係る被服等の商品を表示するものとして,我が国における取引者,需要者の間に広く認識されているものであって,周知著名性の程度が高い商標であると認められ(最高裁判所平成12年(行ヒ)第172号判決;知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)第10300号判決),その状態が変化したというべき特段の事情は認められないから,現在においても継続している。
そうすると,本願の指定商品がポロ競技・馬術・乗馬又は競馬用の商品であるとしても,上記のとおり,「POLO」の文字部分が視覚上分離して観察されること,及び引用商標の周知著名性の程度が高いことを踏まえると,本願商標は,その指定商品に使用するときは,これに接する取引者,需要者をして,引用商標を連想し,あたかもラルフ・ローレン氏又は同氏と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)ラルフ・ローレンの使用に係る引用商標について
ア 原審は,引用商標について,過去の判決における認定,判断を根拠に,ラルフ・ローレン氏のデザインに係る被服等の商品を表示するものとして,周知著名性の程度が高い旨を認定しているものの,過去の判決以外に具体的な証拠を明らかにしていない。
イ 当審において職権調査をしたところ,以下のような事実を見いだすことができた。
(ア)英和辞典(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)の「polo」の項には,「ポロ(馬上球戯;打球づちで木製のボールをゴールに入れる)」の記載がある。
(イ)商品名辞典(「英和商品名辞典」研究社,1990年発行)の「Polo」の項には,「米国のデザイナーRalph Laurenがデザインした革製品(バッグなど)」の記載があり,「POLO by Ralph Lauren」の項には,「米国のデザイナーRalph Lauren(1939-)がデザインした紳士物衣料品。通例Poloと略されて呼ばれる。」と紹介されている。
(ウ)「VOGUE JAPAN」のウェブサイトの「ポロラルフローレン/POLO RALPH LAUREN」の項には,「POLO RALPH LAURENの愛称として,ラルフやポロと呼ばれることが多くある。・・・商品ラインナップとして,代表的なのがポロラルフローレン(POLO RALPH LAUREN)だ。」の記載がある(https://www.vogue.co.jp/tag/brand/polo-ralph-lauren)。
(エ)「ファッションブランド人気度ランキング」(日本経済新聞社,2010年6月25日発行)の「衣料品の人気度ランキング」には,「バーバリー」,「ユニクロ」に続いて3位に「ラルフ ローレン」が位置づけられており,「属性別の人気度でも,男女の双方でトップ5に入ったうえ,年代別でも20代以外の各層でトップ3に入るなど広い支持があるようだ。」の記載がある。
ウ 上記の認定事実によると,「POLO」の語は,「ポロ」(馬上球戯)の意味を有する英語であるが,我が国でも幅広い年代層に親しまれ,人気が高い,米国のデザイナー,ラルフ・ローレン氏がデザインした衣料品又は革製品の商品名に通じる略称でもある。
そのため,引用商標は,同デザイナーのデザインした衣料品の略称として,本件商標の登録出願日には,我が国の衣料品を取り扱う業界の取引者,需要者の間において,相当程度知られていたといえる。
(2)本願商標と引用商標の類似性の程度
本願商標は,「HV POLO」の欧文字を標準文字で表してなるところ,その構成中に1文字分のスペースが空けられているものの,構成文字が同じ書体,大きさで横一連に表されていることから,視覚上まとまりよく認識されるものだから,その構成文字に相応して「エイチブイポロ」の称呼が生じるが,全体として既成語ではないことから,特定の観念は生じない。
他方,引用商標は,「POLO」の欧文字よりなるところ,その構成文字に相応して「ポロ」の称呼が生じ,「ポロ(馬上球戯)」の観念が生じる。
本願商標と引用商標を比較すると,その外観については,語頭の「HV」の文字の有無から容易に異なる文字を表してなるものと認識でき,また,称呼については,語頭の「エイチブイ」の有無に相違があるため,全体の構成音及びその音数の差異により,外観及び称呼のいずれにおいても相紛れるものではない。また,観念については,本願商標からは特定の観念を生じないため,比較できない。
そうすると,本願商標と引用商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似しないから,互い相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(3)本願の指定商品と引用商標の使用に係る商品の関連性の程度
本願の指定商品は,上記1のとおり,「ポロ競技・馬術・乗馬・競馬用」の商品であるところ,これらはもっぱら,馬の身につける用具や,乗馬をする際に使用する専門的な衣服,靴又は運動用具であり,乗馬専門品と関連する専門業者を通じて製造,販売されているもので,その需要者も,乗馬競技の関係者や愛好家といえる。
他方,引用商標の使用に係る商品は,主に「衣料品」であるところ,主として身体に装うことにより日常的に使用する商品であり,いわゆるファッション業界におけるメーカーや小売店を通じて製造,販売されているもので,その需要者は一般需要者といえる。
そうすると,本願の指定商品は,引用商標の使用に係る商品とは,性質,用途又は目的において差異があり(乗馬用と日常のファッション用),その製造者や流通経路にも差異があり(乗馬用品の専門業者とファッション関連業者),その需要者層も大部分において重複しないから(乗馬競技の愛好家と一般需要者),両商品の関連性の程度は低く,需要者層も概ね共通しないといえる。
(4)本願商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
本願商標は,上記(2)のとおり,引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であり,引用商標は,造語でもないため独創性の程度は高くなく,上記(3)のとおり,本願の指定商品と引用商標の使用に係る商品は,性質,用途又は目的における関連性の程度は低く,需要者層も概ね共通しないため,上記(1)のとおり,引用商標が,ラルフ・ローレン氏のデザインした衣料品の略称として相当程度知られているとしても,本願商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断すれば,本願商標に接する需要者,取引者が,本願商標の構成中「POLO」の文字部分のみに注目してラルフ・ローレン氏又は同氏のデザインに係る業務と関連付けて認識するおそれは極めて低く,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2018-05-21 
出願番号 商願2015-74997(T2015-74997) 
審決分類 T 1 8・ 271- WY (W182528)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小松 里美山田 啓之 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 平澤 芳行
阿曾 裕樹
商標の称呼 エイチブイポロ、エッチブイポロ、ポロ 
代理人 中村 仁 
代理人 土生 真之 
代理人 大塚 啓生 
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