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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項10号一般周知商標 登録しない W43 |
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管理番号 | 1340279 |
審判番号 | 不服2015-3135 |
総通号数 | 222 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-01-30 |
確定日 | 2018-05-11 |
事件の表示 | 商願2013-50903拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「南三陸キラキラ丼」の文字を標準文字で表してなり、第43類「南三陸産の海産物を使用した海鮮丼物の提供、南三陸産の具材を含む丼物を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成25年7月2日に登録出願されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、宮城県本吉郡南三陸町地域の飲食店が『丼物やどんぶりを使った料理の提供』の役務について使用し、南三陸商工会、南三陸町観光協会等が地域を挙げて宣伝広告活動を行うことにより、本願商標の登録出願前から取引者、需要者の間に広く認識されている商標『南三陸キラキラ丼』と同一又は類似する商標であって、かつ、前記役務と同一又は類似の役務に使用するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当するか否かについて、職権による証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成27年12月17日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。 なお、原審における平成25年10月11日付け刊行物等提出書で提出された証拠を、以下「刊行物資料○」と、平成25年12月12日付け上申書で提出された証拠を、以下「上申書甲○」と、また、当審において平成27年1月30日付け審判請求書で提出された証拠を、以下「請求書甲○」という。 4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨 請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、平成28年2月22日付け意見書を提出し、要旨以下のように主張した。 (1)証拠調べ通知書で通知された証拠については、東日本大震災前、同震災後、本願出願後の時期に分けて検討すべきであり、各期に行われた「南三陸キラキラ丼」に係るキャンペーンは、その名称を共通にしているが、活動の実態は全く別異のものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するか否かの判断は、震災後から本願商標の登録出願前の間の証拠に基づき判断すべきである。 そうすると、震災後から本願商標の登録出願前の間の証拠は、そのほとんどが被災者の復興のために設置された仮設商店街で「南三陸キラキラ丼」が復活したという紹介記事や報道であり、「南三陸キラキラ丼」が取引者や需要者の間でどれほど浸透しているのかを、量的に認識したり、推測することができるようなものではない。 したがって、これらの証拠によって、商標「南三陸キラキラ丼」が需要者の間で広く認識されている事実を立証できるものではない。 (2)震災後の復活「南三陸キラキラ丼」キャンペーンがスタートしてから本願商標の登録出願時までの間に、引用商標の使用期間があまりに短いことから、需要者の間に広くその認識が浸透するための時間が充分ではなく、その時間的不足を克服するような積極的な宣伝広告が行われたという証拠も存在しない。 したがって、証拠調べ通知書の証拠では、引用商標の周知性を認定することはできない。 よって、証拠調べ通知に挙げられた事実があるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。 5 当審の判断 商標法第4条第1項第10号において、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」は、商標登録を受けることができない旨規定されている。 また、商標法第4条第3項が「第1項第8号、第10号、第15号、第17号又は第19号に該当する商標であつても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は、適用しない。」と規定しているとおり、本願商標が、商標法第4条第1項第10号に該当するというためには、商標登録出願時及び審決時において、同号の所定の要件を満たさなければならない。 以上を踏まえて、以下、本願商標について、本号の該当性について検討する。 (1)「南三陸キラキラ丼」の周知性について ア 請求人の提出に係る証拠、刊行物等提出書、原審で示した証拠及び当審における職権調査並びに請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。 (ア)本願商標の登録出願前(東日本大震災(以下「震災」という。)前) a 宮城県本吉郡南三陸町地域の南三陸町飲食店組合に加盟する有志の飲食店(以下「提供店」という場合がある。)6店が、平成21年12月頃から平成22年2月の間に、町おこしのためのキャンペーンとして「南三陸キラキラいくら丼」の商標(以下「引用商標1」という。)を使用して「南三陸産の具材を含む丼物の提供」(以下「引用役務」という。)を始め、上記キャンペーンは、同期間に、東北地方紙である「河北新報」の記事に採り上げられたほか、旅行雑誌「東北じゃらん」2010年1月号にも紹介され、約3,300食を売り上げた(別掲2(1)に記載の上申書甲3、3(1)ア・オ・カ、4(1))。 b 平成22年3月から4月に、上記キャンペーンの「南三陸キラキラ丼」(以下「引用商標2」という。)シリーズ第2弾として、「南三陸キラキラ春つげ丼」の商標(以下「引用商標3」という。)を使用した引用役務が提供店7店により提供され、提供店一覧及び一般社団法人南三陸町観光協会(以下「観光協会」という。)を問合せ先として掲載したパンフレットが作成されると共に、このキャンペーンは、同期間に、「河北新報」で報道されて、約1,200食を売り上げた(別掲1(1)、2(1)に記載の上申書甲4、3(1)イ・オ)。 c 平成22年5月から8月には、「南三陸キラキラ丼」シリーズ第3弾として、「南三陸キラキラうに丼」の商標(以下「引用商標4」という。)を使用した引用役務が提供店7店により提供され、このキャンペーンは、同期間に、「河北新報」及び「三陸新報」の東北地方紙のみならず、「東京読売新聞」でも報道され、雑誌やインターネットで調べて来る宮城県仙台市や岩手県、近隣県等からの来店客をも取り込んで、約20,000食を売り上げるヒットとなった(別掲3(1)ウ?オ・キ)。 d 平成22年9月から10月には、「南三陸キラキラ丼」シリーズを締めくくる第4弾として、「南三陸キラキラ秋旨丼」の商標(以下「引用商標5」という。なお、引用商標1ないし引用商標5をまとめて「引用商標」という場合がある。)を使用した引用役務が提供店8店により提供され、このキャンペーンは、一連のキャンペーンの経緯に関する説明と共に、「例年9月からは観光客が減るが、秋旨丼を食べに訪れる客は増えているという。・・・9月以降は観光客数がまばらになるが、今年の来店客数は例年比で2割ほど増え、1日30食売り上げる日もある。」等と、「河北新報」及び「東京読売新聞」で報道された(別掲2(1)に記載の上申書甲6、3(1)カ・キ)。 e キャンペーンは2巡目に入り、平成22年10月から平成23年1月に行われた引用商標1を使用した引用役務の提供によるキャンペーンは、「河北新報」及び「東京読売新聞」で報道され、また、JR東日本と県内自治体による観光キャンペーンである「仙台・宮城【伊達な旅】キャンペーン」に参加し、「みやぎ観光ガイドブック 三陸エリア」に紹介された(別掲2(1)に記載の上申書甲7、4(2)に記載の上申書甲12、別掲3(1)ク・ケ)。 f 平成23年2月から4月に行われる引用商標3を使用した引用役務の提供によるキャンペーンは、東北地方紙のほか、「東京読売新聞」及び「日本農業新聞」でも報道され、町長、観光協会、及び観光関係者を含め、町ぐるみで取り組んでいる様子が紹介された(別掲3(1)コ?シ)。 g 引用商標1及び3ないし5を使用した引用役務の提供による「南三陸キラキラ丼」シリーズは、平成21年12月の提供開始から平成22年12月までに、年間45,000食を売り上げる町の名物となっていた(別掲3(1)シ・(2)オ、4(5))。 h 引用商標を使用した引用役務の提供店は、平成21年12月から平成23年3月までの期間において、当初の6店舗から8店舗に増えたが、宮城県本吉郡南三陸町地域の提供店であることには変わりがない(別掲1(1)に記載の刊行物資料12、2(1)に記載の上申書甲3・甲6、3(1)ア?カ・ク?シ、3(2)ウ、4(1))。 (イ)本願商標の登録出願前(震災後) a 平成21年12月頃から提供店が引用商標を使用して提供していた引用役務は、震災により中断していたが、宮城県本吉郡南三陸町中心部にできた仮設商店街「南三陸志津川福興名店街」(通称『南三陸さんさん商店街』。以下「仮設商店街」という。)のオープンに合わせ、提供店の店主や観光協会が中心となり復活に向けて動きだし、平成24年2月25日から4月に、震災前の提供店4店を含む9店(仮設商店街に入居する5店及び被災を免れたり店舗を移転して再開した4店)が、「『南三陸キラキラ丼』復活」と銘打って、引用商標2を使用したいくら中心の引用役務の提供を再開し、10,000食以上を売り上げた(別掲2(2)に記載の刊行物資料17第1葉目、3(2)ア?エ)。 b その後、平成24年4月29日から8月に引用商標4を使用した引用役務、平成24年11月から平成25年2月に引用商標1の商標を使用した引用役務、平成25年3月から4月に引用商標3を使用した引用役務、平成25年5月から8月に引用商標4を使用した引用役務が、それぞれ、宮城県本吉郡南三陸町地域を中心とする8ないし10店の提供店(キャンペーンに参加した菓子店1店を除く。)で提供された(別掲1(3)に記載の刊行物資料13・(4)に記載の刊行物資料14、2(1)に記載の上申書甲9・(2)に記載の刊行物資料17第3葉目、4(3)・(4))。 c 上記の平成24年2月から平成25年8月の間において、引用商標を使用した引用役務の提供店一覧を掲載したパンフレットが、平成24年11月2日付け、平成25年3月2日付け及び5月1日付けで作成され、これらには問い合わせ先として観光協会や南三陸商工会(以下「商工会」という。)の記載がある(別掲1(2)?(4))。 d 同じく平成24年2月から平成25年8月の期間において、仮設商店街のチラシに6回にわたり、引用役務について引用商標1、2及び引用商標4が使用されて宣伝された(別掲2(2)に記載の刊行物資料17第1・3・15・18・19・22葉目)。 e さらに、引用商標は、震災後から本願商標の登録出願(平成25年7月2日)までの間に、東北地方紙並びに「東京読売新聞」、「朝日新聞」及び「日本経済新聞」等の全国紙において15回にわたり採り上げられ、震災前に年間約45,000食を売り上げた町の名物であったことや、震災後の復興の目玉とされて平成24年には仮設商店街の飲食店だけで約10万人の客が来店し、復興に成功している仮設商店街の例として掲載された(別掲3(2)ア?オ・キ?タ)。 f 旅行雑誌「関東東北じゃらん」及び「じゃらん東北2013-2014完全保存版」、週刊誌「サンデー毎日」、情報誌「YELLOH!仙台・宮城」(「2013年冬・春」号)並びに雑誌「大人の休日倶楽部ミドル2013年4月号」には、引用商標を使用した丼及び提供店が紹介されている(別掲4(3)?(7))。 g 引用商標2を使用した引用役務は、テレビ放送においても、平成25年6月19日に仙台放送で「南三陸の名物グルメ!南三陸キラキラ丼」として紹介された(別掲5(2))。 (ウ)本願商標の登録出願後 a 本願商標の登録出願後においても、平成25年8月に引用商標4(別掲2(2)に記載の刊行物資料17第22葉目)、平成25年9月から10月に引用商標5(別掲1(5)に記載の刊行物資料15・上申書甲17、2(1)に記載の上申書甲10)、平成25年11月から平成26年2月に引用商標1(別掲1(6)に記載の上申書甲18、3(2)チ)、平成26年3月から4月に引用商標3(別掲5(4)前段)、平成26年9月から10月に引用商標5(別掲3(2)ナ・ヌ)、平成26年11月から平成27年2月に引用商標1(別掲5(4)後段)の各引用商標を使用した引用役務が、6回にわたり、提供店により提供されている事実が、引用商標を使用した引用役務の提供店一覧が掲載されたパンフレット、仮設商店街のチラシ、新聞記事及びウェブサイトの記載から認められる。 b 引用商標2及び3を使用した引用役務の提供店一覧が掲載されたパンフレットが、平成26年3月1日、平成27年5月1日及び11月1日にも発行され、問合せ先に観光協会又は同協会及び商工会が記載されている(別掲1(7)?(9))。 c 引用商標を使用した引用役務は、平成25年10月から平成27年10月の間に、全国紙及び地方紙(中部地方の地方紙を含む。)の12回にわたる記事並びに旅行雑誌「るるぶ仙台松島宮城’15」で、「仮設商店街『南三陸さんさん商店街』の駐車場は多くの県外ナンバーを含め、100台以上の車で埋め尽くされていた。・・・午後1時になっても地元産の魚介類をふんだんに乗せた名物『南三陸キラキラ丼』を提供する飲食店には行列が絶えなかった。・・・週末になると、この丼を目当てに県内外から観光客が足を運ぶ。」、「人気グルメのひとつ。」等と紹介された(別掲3(2)チ?フ、4(8))。 d 引用商標2を使用した引用役務は、平成26年11月に、一般社団法人・全国丼連盟主催の「第1回全国丼グランプリ」で最高賞の金賞及び「フード・アクション・ニッポンアワード2014』で審査委員特別賞を受賞した(別掲3(2)ネ・ノ)。 e 引用商標2を使用した引用役務の提供店2店が、それぞれ、平成26年11月に阪急うめだ本店で開催された「元気東北物産展」及び平成27年11月にそごう広島店で開催された「第19回宮城県の物産と観光展」に出店し、各デパートのチラシに引用商標2を表示して掲載された(別掲5(3)後段・(5))。 f なお、本願商標の登録出願後における引用商標を使用した引用役務の提供店は、請求書甲第15号証によれば、2015年(平成27年)1月30日に印刷された観光協会公式ホームページにおいて、「南三陸キラキラ丼」の見出しの下に、年4回の提供時期別に提供店が紹介され、その所在地は、宮城県気仙沼市の1店を除き、全て宮城県本吉郡南三陸町内(仮設商店街内含む)であり、その他の証拠(別掲1(5)・(6)に記載の刊行物資料15及び上申書甲17・18、2(1)に記載の上申書甲10、3(2)チ・ナ・ヌ)と併せみれば、宮城県本吉郡南三陸町地域を中心とする9店ないし10店であるといえる(キャンペーンに参加した菓子店1店を除く。)。 イ 上記アの事実を総合的に勘案すると、震災前である平成21年12月頃から、宮城県本吉郡南三陸町地域の提供店の団体が、町おこしのキャンペーンとして、引用商標1を使用した引用役務の提供を開始し、その後、引用商標1及び3ないし5を使用した引用役務の提供による上記キャンペーンを年に4回のシリーズで行うようになり、引用商標2は、引用商標1及び3ないし5を使用して提供された引用役務を総称する商標として使用されるようになったものといえる。そして、引用商標2は、提供店の団体、観光協会、商工会等が地域を挙げて、引用商標を使用した引用役務の提供店一覧を掲載したパンフレットの作成や新聞及び雑誌取材への対応等の宣伝広告活動を行った結果、本願商標の登録出願より前の震災前おいて、地方紙及び全国紙並びに雑誌等に多数掲載され、宮城県内のみならず県外からの利用客が増え、平成21年12月から平成22年12月の間に提供店が約45,000食を売り上げた。 その後、震災により、引用商標を使用した引用役務の提供は中断していたが、震災前からの提供店4店を含む9店の団体が、「『南三陸キラキラ丼』復活」と銘打って、引用商標2を使用した引用役務の提供を再開し、震災後に被災地の復興の様子を伝える報道が増えたことや、全国的に震災からの復興に関心が高かったことも相まって、引用商標を使用した引用役務の復活も、復興の成功例として東北地方紙及び全国紙、雑誌及びテレビ番組に採り上げられ、本願商標の登録出願より前の平成24年には、年間約10万人が引用商標2を総称とする引用役務を復興の目玉とする仮設商店街を訪れたことからすれば、引用商標2は、本願商標の登録出願時には、少なくとも宮城県及びその近隣県において、提供店の団体の業務に係る引用役務を表すものとして需要者の間で広く認識されていたといえるものである。 そして、平成25年8月から平成27年2月までに、6回にわたり、提供店の団体により引用商標を使用した引用役務が提供され、また、平成27年1月の観光協会公式ホームページに引用商標2を使用した年4回の引用役務の紹介が掲載された事実、並びに平成27年5月及び11月に引用商標2を使用した引用役務の提供店一覧を掲載したパンフレットが発行された事実からすれば、平成27年5月以降においても、提供店の団体による年4回のキャンペーンが継続されていることが推認される。 併せて、平成25年10月から平成27年11月の間に、引用商標2を使用した引用役務を求めて多くの県外ナンバーの車が仮設商店街を訪れたこと、引用商標2を使用した引用役務が2つの賞を受賞したこと、及び大阪府や広島県の物産展に提供店の内の2店がそれぞれ出店し引用商標2を使用した引用役務を提供したこと、並びにこれらの事実が全国紙及び地方紙(中部地方の地方紙を含む。)で12回にわたって報道されたこと等に鑑みれば、引用商標2は、現在においても、宮城県本吉郡南三陸町地域を中心とする提供店の団体が引用役務について使用する商標として需要者の間で広く認識され、その周知性は継続しているといえるものである。 (2)本願商標と引用商標2の類否について 本願商標と引用商標2とは、共に「南三陸キラキラ丼」の文字を表してなるものであるから、互いに同一又は類似する商標であること明らかである。 (3)本願の指定役務と引用商標2の使用に係る役務について 引用商標2は、上記(1)のとおり、「南三陸産の具材を含む丼物の提供」について使用するものといえる。 本願の指定役務は、引用商標2の使用に係る役務と同一又は類似の役務と認め得る「南三陸産の海産物を使用した海鮮丼物の提供、南三陸産の具材を含む丼物を主とする飲食物の提供」(第43類)である。 (4)小括 以上のとおり、本願商標は、宮城県本吉郡南三陸町地域を中心とする提供店の団体が引用役務を表示するものとして、本願商標の出願時及び現在において、需要者の間に広く認識されていた「南三陸キラキラ丼」と同一又は類似する商標であって、かつ、本願商標の指定役務は、上記提供店の団体である他人の業務に係る引用役務と同一又は類似する役務であるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (5)請求人の主張について ア 請求人は、震災前、震災後及び本願商標の登録出願後の各期に行われた「南三陸キラキラ丼」に係るキャンペーンは、その名称を共通にしているが、活動の実態は全く別異のものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するか否かの判断は、震災後から本願商標の登録出願前の間の証拠に基づき判断すべきである旨主張する。 しかしながら、本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当するか否かは、本願の登録出願時及び審決時において判断すべきものであり、また、その間の周知商標の使用者は必ずしも同一人に限られず、当該商品又は役務に係る業務の承継があった場合には承継した者が周知商標主になれる(東京高等裁判所昭和38(行ナ)第53号、昭和43年10月4日判決言渡)と解されるところ、上記(1)アに記載のとおり、引用商標2を総称とする引用役務の提供は、宮城県本吉郡南三陸町地域の提供店6店によって開始され、年4回の各キャンペーン又は震災前後において、キャンペーンに参加する提供店の多少の入れ替わりはあるものの、その提供店は、引用商標の使用開始時から平成27年まで一貫して、宮城県本吉郡南三陸町地域を中心とする提供店の団体であることに変わりはないことから、本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当するか否かの判断は、震災前を含めた該団体による使用の証拠に基づき判断すべきである。 そして、本願商標がその登録出願時及び現在において、宮城県本吉郡南三陸町地域を中心とする提供店の団体が引用役務について使用する商標として需要者の間で広く認識され、その周知性が継続しているといえることは、上記(1)イで述べたとおりである。 イ 請求人は、震災後から本願商標の登録出願前の間の証拠は、そのほとんどが被災者の復興のために設置された仮設商店街で「南三陸キラキラ丼」が復活したという紹介記事や報道であって、引用商標2の周知性について、量的に認識、推測することができるものではなく、また、震災後の復活「南三陸キラキラ丼」キャンペーンがスタートしてから本願商標の登録出願時までの間に、引用商標2の使用期間があまりに短いことから、需要者の間に広くその認識が浸透するための時間が充分ではなく、その時間的不足を克服するような積極的な宣伝広告が行われたという証拠も存在しないから、これらの証拠によって、引用商標2が需要者の間で広く認識されている事実を立証できるものではない旨主張する。 しかしながら、提供店の団体による引用商標2を使用した引用役務の提供は、上記アのとおり、震災前からの事業をも考慮すべきであることに加えて、該地域が震災により壊滅的な被害を受けたことは全国的に知られており、震災からの復興に全国的に関心が高まっていた本願商標の登録出願前後において、引用商標2を使用した引用役務が復活し、そのことが南三陸町地域の復興の目玉として仮設商店街のチラシ、提供店一覧のパンフレット、観光協会や仮設商店街の各公式ホームページ等に掲載されて宣伝されて、複数回にわたり新聞、雑誌、ガイドブック等に掲載されたこと、平成24年に年間約10万人が仮設商店街を訪れたこと、賞を受賞したこと、並びに関西及び中国地方での物産展のチラシに掲載されたこと等の事実は、引用商標2の周知性を判断する上で重要な証拠に値するものとみて差し支えないといえる。 ウ 請求人は、本願と同一の商標が、第30類の商品を指定商品として、引用商標2を総称とする引用役務の提供を行う別の当事者により登録されていることから(商標登録第5579047号)、本願も登録されるべきである旨を主張する。 しかしながら、本願商標と該登録例は、指定商品及び指定役務において相違し事案を異にするものであるから、同一に論ずることは適切ではなく、また、そもそも商標法第4条第1項第10号に係る判断は、当該商標の出願時及び査定時又は審決時において、その商標が使用される商品又は役務の取引の実情等を考慮し、本件の事案に即して本願商標と引用商標とを対比することにより、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例等の判断に拘束されるものではない。 エ よって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。 (6)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(証拠調べ通知において示した内容) 1 パンフレット(下線は、当合議体が付加。以下同じ。) (1)「南三陸キラキラ丼」と題するパンフレットに、「南三陸のA級食材たちが丼シリーズで登場!」及び「問合せ 南三陸時間旅行サポートセンター・・・一般社団法人南三陸町観光協会内・・・発信元:南三陸町(平成21年度情報発信力強化事業)」の記載があり、「南三陸の旬を味わえるお店はココ!!」として7店舗の飲食店が紹介されている(刊行物資料12)。 (2)2012年11月2日発行の「南三陸キラキラいくら丼」と題するパンフレットに、「キラキラ丼提供店」として9店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」及び「南三陸商工会」の記載がある(刊行物資料16)。 (3)2013年3月2日発行の「南三陸キラキラ春つげ丼」と題するパンフレットに、キラキラ丼提供店として10店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」及び「南三陸商工会」の記載がある(刊行物資料13、上申書甲15)。 (4)2013年5月1日発行の「南三陸キラキラうに丼」と題するパンフレットに、「キラキラ丼提供店」として11店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」の記載がある(刊行物資料14、上申書甲16)。 (5)2013年9月1日発行の「キラリンピック2013 南三陸キラキラ秋旨丼」と題するパンフレットに、参加店として11店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」及び「南三陸商工会」の記載がある(刊行物資料15、上申書甲17)。 (6)2013年11月1日発行の「南三陸キラキラいくら丼」と題するパンフレットに、「キラキラ丼提供店」として11店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」及び「南三陸商工会」の記載がある。 (上申書甲18、『ミヤギイーブックス』のウェブページに掲載http://static.miyagi-ebooks.jp/actibook_data/201312100800_minamisanriku_kirakira_ikura/_SWF_Window.html) (7)2014年3月1日発行の「南三陸キラキラ春つげ丼」と題するパンフレットに、「キラキラ丼提供店」として11店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」及び「南三陸商工会」の記載がある。 (「南三陸ホテル観洋」ウェブページに掲載http://www.mkanyo.jp/onsendayori/img-306091035-0002.jpg) (8)2015年5月1日発行の「南三陸キラキラ丼」 と題するパンフレットに、「キラキラ丼提供店」として9店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」及び「南三陸商工会」の記載がある。 (「南三陸さんさん商店街」ウェブページに掲載http://www.sansan-minamisanriku.com/wp-content/uploads/2015/06/09526b100735606981d05c877d98b330.pdf) (9)2015年11月1日発行の「南三陸キラキラ丼」 と題するパンフレットに、「キラキラ丼提供店」として9店舗の飲食店が紹介され、「お問い合わせ」に「一般社団法人南三陸観光協会」の記載がある。 (「南三陸町観光協会」ウェブページに掲載http://www.m-kankou.jp/kankou/wp-content/uploads/2012/10/22833540d36c35c663765f79251528d5.pdf) (10)「ガレキの中から立ち上がった仲間達 日々もどってくる魚達と共に町に生きる」と題する「南三陸町飲食店組合」のパンフレットに、「南三陸食べ歩きマップ」として、「南三陸キラキラ丼シリーズ応援キャラクター」の「イクラン」及び「キララン」の絵と共に、「キラキラ丼提供店」の印を付した11店舗を含む14店舗の飲食店が紹介され、「後援」として、「南三陸商工会」及び「一般社団法人南三陸観光協会」の記載がある(刊行物資料11)。 2 チラシ (1)平成22年1月、同年4月、同年8月、同年9月及び同年10月並びに同24年5月、同年11月及び同25年9月発行の南三陸ホテル観洋の「広報ひろば観洋情報誌」に、「南三陸キラキラ丼シリーズ」、「南三陸キラキラいくら丼」、「南三陸キラキラ春つげ丼」及び「南三陸キラキラ秋旨丼」の記載があり、各丼が紹介されている(上申書甲3?10、請求書甲10)。 (2)2012年2月、同年5月、同年8月及び同年12月並びに2013年12月、同年4月、同年5月、同年6月及び同年8月の「南三陸志津川福興名店街」のチラシに、「南三陸キラキラ丼」、「キラキラ丼」、「キラキラいくら(イクラ)丼」、「南三陸キラキラうに丼始まりました」等の記載がある(刊行物資料17)。 3 新聞記事 (1)東日本大震災以前 ア 2009年12月27日付け「河北新報」(朝刊)に、「キラキラいくら丼が登場/宮城・南三陸町にA級グルメ/2010年2月まで」の見出しの下、「南三陸町志津川地区のホテルや飲食店6店が、共同で『南三陸キラキラいくら丼』の提供を始めた。・・・同町は5月ごろからウニ丼を求める観光客でにぎわう。年間を通して南三陸の海の幸を楽しんでもらおうと、名産のタコを使った海鮮丼に続き、丼シリーズ第3段として考案した。・・・連絡先は南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 イ 2010年3月22日付け「河北新報」(朝刊)に、「宮城・南三陸町の春の味満載/「キラキラ丼」第2弾/メカブやサヨリ、ヒラ」の見出しの下、「南三陸町産の食材をふんだんに盛り込んだ『南三陸キラキラ春つげ丼』を、町内の飲食店が今月から提供している。昨年12月のいくら丼に続く『キラキラ丼』シリーズ第2弾で、計7店が腕を競う。・・・春つげ丼には前回参加の5店舗に加え、歌津、戸倉両地区からも1店舗ずつが参加した。・・・5月からはキラキラ丼第3弾としてウニ丼を売り出す予定だ。連絡先は南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 ウ 2010年4月28日付け「河北新報」(朝刊)に、「海の幸 おなかいっぱい/夏場へ旬迎える『キラキラうに丼』/宮城・南三陸」の見出しの下、「南三陸町の飲食店組合に加盟する7店が昨年12月から企画している『南三陸キラキラ丼』シリーズの第3弾として、『南三陸キラキラうに丼』が5月1日、お目見えする。・・・飲食店組合では、8月までの4カ月間で1万5000食の売り上げを目標にしている。・・・連絡先は南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 エ 2010年5月1日付け「東京読売新聞」(朝刊28頁)に、「[この街元気です]南三陸町飲食店組合 大型店では味わえないウニです!=宮城」の見出しの下、「『はやりのB級グルメならぬ、A級グルメで町を盛り上げたい』と話すのは、組合長の堀内博昭さん(59)。組合加盟の有志7店で、1日から一斉に豪華丼を売り出す。その名も『南三陸キラキラうに丼』。・・・志津川港で水揚げされたムラサキウニを使った丼での街おこしを考案した。」との記載がある。 オ 2010年5月16日付け「三陸新報」(1頁)に、「好評『キラキラ丼シリーズ』南三陸町」及び「多彩なメニュー提供 飲食店組合有志 地場産食材でまちおこし」の見出しの下、「南三陸町飲食店組合の有志が地場産食材を使って提供している『南三陸キラキラ丼シリーズ』が好評だ。『いくら丼』『春つげ丼』に続き、今月から売り出した『うに丼』は一日で百食が売れる店が出るなど、順調な滑り出しをみせている。・・・『キラキラ丼』シリーズの”火付け役”となったのは、南三陸ホテル観洋の女将・阿部憲子さん。・・・町が『タコ料理』で実績のある飲食店組合の有志に持ち掛け、『キラキラ丼』が誕生。シリーズの第一弾として昨年十二月、七店舗で『いくら丼』の販売がスタート。二月までの三カ月間で三千三百食を売り上げた。『春つげ丼』は三、四の二カ月で千二百食を売り上げた。・・・『雑誌やインターネットで調べてわざわざ食べに来た』という仙台、岩手からのお客さんが多く、・・・うに丼は以前から扱っていたが、参加店がリーフレットやパンフレットにまとまることでの効果も大きい。・・・テレビ局の取材も相次いでおり、今が旬の『ウニ』を食材にした丼には先週、三社が集中して取材に訪れた。・・・地域活性化や生産者の所得向上のカギを握る『キラキラ丼』への取り組みがまちおこしの手本となっている。」との記載がある(上申書甲2、請求書甲2)。 カ 2010年9月1日付け「河北新報」(朝刊)に、「丼にあふれる宮城・南三陸町の『秋』/『秋旨』きょうから提供/キラキラ丼」の見出しの下、「キラキラ丼第4弾・・・南三陸町の豊富な食材を使った『南三陸キラキラ丼』の第4弾の提供が1日、スタートする。昨年12月に始まった丼のラストを飾るのは『キラキラ秋旨(あきうま)丼』。食欲の秋本番を前に、南三陸のA級グルメシリーズが完結する。・・・南三陸キラキラ丼は、町飲食店組合に加盟する志津川地区の6店で取り組み始めた。現在は戸倉、歌津地区が加わり8店が提供する。昨年12月?ことし2月のいくら丼に始まり、春つげ丼(3、4月)、うに丼(5?8月)と続いた。7月末までに約1万8000食を売り上げ、大ヒットとなった。町飲食店組合の堀内博昭組合長(60)は『この1年でキラキラ丼は定着した。今後も食べに来る人を飽きさせないよう工夫を加えたい』と話す。・・・連絡先は南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 キ 2010年9月19日付け「東京読売新聞」(朝刊27頁)に、「秋の南三陸てんこ盛り 『キラキラ丼』人気=宮城」の見出しの下、「南三陸町の秋の味覚をふんだんに使い、今月から販売されている『南三陸キラキラ秋旨丼(あきうまどん)』が、ちょっとした話題になっている。例年9月からは観光客が減るが、秋旨丼を食べに訪れる客は増えているという。・・・9月以降は観光客数がまばらになるが、今年の来店客数は例年比で2割ほど増え、1日30食売り上げる日もある。秋旨丼は、同町の四季の食材を使い、昨年10月から始まった『南三陸キラキラ丼』シリーズを締めくくる第4弾。今年5?8月に販売したキラキラうに丼は、約2万食を売り上げるヒットになった。・・・高橋修副組合長(51)は、『南三陸の旬の味が詰まった秋旨丼を、各店を巡って楽しんでみて』と話している。問い合わせは南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 ク 2010年10月16日付け「河北新報」(朝刊)に、「8店がいくら丼競作/宮城・南三陸町/南三陸町飲食店組合加盟の8店舗が提」の見出しの下、「南三陸町飲食店組合加盟の8店舗が提供する『南三陸キラキラいくら丼』の試食会が、同町志津川の飲食店で行われ、関係者が志津川湾の秋の味覚を楽しんだ。・・・試食会に参加した佐藤仁町長は『それぞれの丼に個性があって何軒もはしごをしたくなるうまさに仕上がった』と太鼓判を押した。・・・町飲食店組合では1万5000食の販売を目標にしている。」との記載がある。 ケ 2011年1月7日付け「東京読売新聞」(朝刊22頁)に、「南三陸の飲食店 今年もいくら丼=宮城」の見出しの下、「南三陸町に水揚げされたサケから取れるイクラをふんだんに盛りつけた『南三陸キラキラいくら丼』が同町の飲食店8店で販売されている。南三陸の四季の食材を使う『キラキラ丼』シリーズの秋冬版で、各店それぞれ自慢の丼を今月末まで振る舞っている。・・・昨冬は1万食弱を販売するヒットに。・・・問い合わせは、南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 コ 2011年1月18日付け「東京読売新聞」(朝刊30頁)に、「春の食材ふんだんに 南三陸8店で創作丼=宮城」の見出しの下、「春の食材をふんだんに盛りつけた『南三陸キラキラ春つげ丼』が2月1日から販売される。南三陸町の四季をイメージした「キラキラ丼」シリーズの春版で、町飲食店組合の8店がそれぞれ趣向を凝らした創作丼を4月末まで振る舞う。・・・昨年10月から販売中のキラキラいくら丼は、約4万5000食を売り上げる人気丼になった。同組合は『沿岸で取れた新鮮な魚介類と、甘みがつまった春野菜を楽しんでほしい』とPRしている。問い合わせは、南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 サ 2011年1月20日付け「日本農業新聞」(35頁)に、「南三陸春告げやさい+魚介 オリジナル丼 今年も/宮城・南三陸町」の見出しの下、「南三陸町の町飲食店組合は、2月1日から『南三陸キラキラ春つげ丼』を販売する。・・・同組合の8店舗がオリジナルの丼をそれぞれ考案し、1300?2000円で提供する。同組合は地元食材をPRし、町を活性化させようと、昨年からこの丼の販売を始めた。・・・13日には同町内で試食会を開いた。佐藤仁町長やJTB東北の小林滋男社長、組合の店舗の店長ら15人が参加し、各丼の出来を確認。試食後、佐藤町長は『丼のネーミングが良く、どれも旬の食材がうまく共存している。南三陸地域の食材を一層PRしていきたい』と話した。・・・同日、リクルートが発行する旅行専門雑誌『じゃらん』の取材や、組合のPR用ポスターの写真撮影も行われた。」との記載がある。 シ 2011年1月20日付け「河北新報」(朝刊)に、「旬の魚介たっぷり/「キラキラ丼」新作試食会/宮城・南三陸町/南三陸町産」の見出しの下、「南三陸町産の食材を使った『南三陸キラキラ春つげ丼』の新作の試食会が13日、同町志津川の南三陸ホテル観洋で行われた。佐藤仁町長や観光関係者ら約30人が参加。町飲食店組合の8店舗が、タラやメカブなど旬の魚介類を使った自慢の丼を披露した。・・・南三陸キラキラ丼シリーズは2009年12月に販売が始まり、昨年12月末までで4万5000食を売り上げる大ヒット商品となった。・・・連絡先は南三陸時間旅行サポートセンター」との記載がある。 (2)東日本大震災以降 ア 2012年2月23日付け「河北新報」(朝刊)に、「東日本大震災/再び輝け、宮城の食/『南三陸キラキラ丼』復活/25日から」の見出しの下、「南三陸町産の海産物など地元食材を使った『南三陸キラキラ丼』が、25日に復活する。東日本大震災前は1年間に4万5000食を売り上げたヒット商品に、飲食店主らは『丼で町を再び盛り上げたい』と震災からの復興を託す。キラキラ丼は、2009年12月に販売が始まった。四季の食材に合わせて、ウニ丼やイクラ丼など4シリーズを展開。店独自の味を提供していたが、津波で7店が流失し、関係者にも犠牲者が出た。昨年、志津川で仮設商店街設置の話が持ち上がり、店主や町観光協会が中心となって復活に向けて動きだした。同町志津川御前下の仮設商店街『南三陸志津川福興名店街』がオープンする25日の販売開始を決めた。販売するのは、新たに参加する店を含め、仮設商店街で5店、被災を免れたり店舗を移転して再開したりした4店の計9店。・・・仮設商店街で飲食店を再開する町飲食店組合の高橋修組合長(53)は『海も少しずつ回復し、地元で捕れた魚が使えるようになった。キラキラ丼の再開で、商店街の復活にも弾みが付く』と話した。 」との記載がある。 イ 2012年2月26日付け「東京読売新聞」(朝刊33頁)に、「南三陸キラキラ丼 復活 志津川の仮設商店街など=宮城」の見出しの下、「東日本大震災で大きな被害を受けた南三陸町で25日、イクラやタコなど旬の海産物を使った『南三陸キラキラ丼』が復活した。・・・キラキラ丼は、震災前に年間約4万6000食が売れていたヒット商品。・・・販売を再開したのは、この日、町中心部でオープンした仮設商店街『志津川福興名店街』などの9店。」との記載がある。 ウ 2012年3月1日付け「東京読売新聞」(朝刊4頁)に、「宮城へ行こう (上) 南三陸キラキラ丼 季節の味の競い合い復活」の見出しの下、「魚介類を中心とした宮城県南三陸町産の食材を丼ものに仕立てた「南三陸キラキラ丼」が二十五日に復活し、人気を集めている。町観光協会によると「キラキラ丼」は、二〇〇九年十二月に町内六店舗が始めた。・・・年間四万五千食を売る人気ぶりだった。東日本大震災で店の大半が被災し、取り組みは中断していたが、町復興の願いを込めて再開を決めた。価格は千五百円前後で、当面はイクラが中心の盛りつけ。同日にオープンした仮設商店街の五店舗と、それ以外の四店舗が味を競い合う。」との記載がある。 エ 2012年4月25日付け「河北新報」(朝刊)に、「でかけよう 伊達な旅・宮城(5)/南三陸町・潮騒フェア/キラキラ丼、感」の見出しの下、「東日本大震災前、南三陸町では5月に多くのまつりが開かれていた。会場の多くは被災したり仮設住宅が建てられたりしたが、新しくできた仮設商店街でさまざまなイベントが計画されている。・・・仮設商店街に店を構える飲食店の目玉は、ことし2月に復活した『南三陸キラキラ丼』。販売再開からすでに1万食以上を売り上げた。29日からは旬を迎える地元のウニを使った『キラキラうに丼』が販売される。・・・キラキラ丼を提供する町飲食店組合の高橋修組合長(53)は『いろいろな具材が載る丼は農家や漁業者、板前の思いが一つに込められている。町を支援する人たちに南三陸のうまいものを提供することで恩返しをしたい』と話す。・・・連絡先は南三陸町観光協会」との記載がある。 オ 2012年7月21日付け「日本経済新聞」(夕刊4頁)に、「『復興商店街』訪ね津波被災地応援??再起を願い、海の幸味わう(お出かけナビ)」の見出しの下、「鮮やかなオレンジ色のウニが一面にのったどんぶりを前に、注文した家族連れの顔がみるみるほころぶ。休日の宮城県南三陸町の『南三陸志津川福興名店街』(通称「南三陸さんさん商店街」)でよく見られる光景だ。・・・ウニ丼は、震災前に年間4万5千食を売り上げた町の名物『南三陸キラキラ丼』の一つ。地元産のイクラ、ウニ、鮮魚など季節ごとに具材を変えて1年に4シリーズを展開しており、今年2月の名店街オープンと同時に再開した。」との記載がある。 カ 2012年10月25日付け「朝日新聞」(夕刊6頁全面広告)に、「ニッポンナビ」及び「宮城県」の見出しの下、「南三陸の幸が復活 キラキラ丼にクラクラ 南三陸の各店が地元の海の幸をふんだんに使った『キラキラ丼』。震災前は年間4万6千食を売り上げた丼が、復興商店街などで復活した。・・・南三陸町観光協会」との記載がある(刊行物資料7)。 キ 2012年10月28日付け「河北新報」(朝刊)に、「東日本大震災/3・11 記憶 あなたを忘れない/宮城県南三陸町飲食店組」の見出しの下、「宮城県南三陸町には東日本大震災前、約30店の飲食店があった。うち17店(当時)でつくる町飲食店組合は震災で、組織を束ねる組合長を失った。堀内博昭さん=当時(60)。同町志津川の旧町役場近くで中華料理店『ときわ』を営み、2008年4月から組合長を務めた。・・・09年12月から組合の6店舗で、いくらやアワビなど町で採れる四季折々の旬の食材を丼にして提供する南三陸キラキラ丼の販売を始めた。年間約4万5000食を売り上げ、町を代表する名物になった。・・・昨年7月、仮設商店街などで営業を再開した11店舗で組合は再出発。ことし2月にキラキラ丼を復活させた。現組合長の高橋修さん(54)は『堀内さんが築いた飲食店の絆を大切にし、農家や漁業者と手を携えて南三陸の食材をPRし、町の再生に力を尽くしたい』と語る。」との記載がある。 ク 2012年11月14日付け「河北新報」(朝刊)に、「東日本大震災/支援に感謝、名物どうぞ/仙台できょう宮城・南三陸町福興市」の見出しの下、「南三陸町の商工業者が昨年4月から月1回開いている『福興市』が14日、仙台市青葉区の勾当台公園で開かれる。・・・町内の飲食業者や水産加工業者などが24のブースで、名物の南三陸キラキラいくら丼や海鮮串焼きを販売する。」との記載がある。 ケ 2012年11月15日付け「東京読売新聞」(朝刊28頁)に、「南三陸の復興市=宮城」の見出しの下、「南三陸町の被災した商工業者らが町特産の海産物を販売する『復興市』が14日、仙台市青葉区の勾当台公園で開かれた。・・・町内の飲食店や水産加工業者などが21のブースを出店し、名物の南三陸キラキラいくら丼やかまぼこコロッケ、海鮮塩焼きそばなどを販売した。」との記載がある。 コ 2013年1月8日付け「毎日新聞」(地方版19頁)に、「再生・食deルネサンス:被災地を元気に/7 「南三陸キラキラ丼」復活 /宮城」の見出しの下、「南三陸町の復興仮設商店街『南三陸さんさん商店街』内にある海鮮料理店『志のや』店主の高橋修さん(54)は、故人に思いをはせる。・・・高橋さんの発案で、震災前に町内の複数の店が提供していた『南三陸キラキラ丼』を昨年2月に復活させた。地元海産物などをふんだんに使った名物丼は、被災地に多くの観光客を呼び込む力になっている。キラキラ丼は『新鮮なネタで、どんぶりの上がキラキラしている』のが名前の由来で、季節ごとにテーマを決め、各店がそれぞれの丼を提供する。・・・昨年の3、4月はワカメやメカジキなどの『春告げ丼』、8月までは『ウニ丼』、10月までは戻りガツオなどの『秋旨(うま)丼』、11月?今年2月は『イクラ丼』をテーマにした。発案のきっかけは08年春。観光PRでウニ丼を1000円で提供したところ、新鮮さと安さから人気が出た。不景気で客足が遠のいていた状況を打破するため『町ぐるみでやったら面白い』と、町の飲食店組合に提案。09年12月、同町内の中華料理店やそば屋など8店が始め、1年間で計約4万6000食を売り上げるという、人気の品になっていた。しかし、東日本大震災による津波で、海から約1・5キロ離れていた高橋さんの店舗兼自宅が流され、他の多くの店舗も被災した。・・・昨年2月25日のさんさん商店街のオープンと同時に、町全体でキラキラ丼も復活させた。廃業した店もあったが、現在は同商店街の5店を含め、町内の11店がキラキラ丼を提供する。・・・キラキラ丼提供店などの問い合わせは同町観光協会」との記載がある。 サ 2013年2月11日付け「朝日新聞」(朝刊37頁)に、「(防災 復興)仮設商店街、再建遠く 特需去り、『客は1日3人』」の見出しの下、「飲食店など30店が入る宮城県南三陸町の『さんさん商店街』。土日の昼には大型バスが相次ぎ、団体客でにぎわう。昨年は飲食店の客だけで約10万人を数えた。繁盛しているのは共通メニュー『南三陸キラキラ丼』の存在が大きい。飲食店7店のうち4店で扱う海鮮丼で、地魚やイクラなど三陸の海産物をふんだんに盛る。安いものでも1500円だが、客の4割が注文する人気メニューだ。『『南三陸行ってキラキラ丼でも食って帰るか』ってお客さんが結構いるのがありがたい』。商店街組合長の高橋修さん(54)はイメージの定着を喜ぶ。だが、こうしたにぎわう仮設商店街はわずかだ。」との記載がある。 シ 2013年2月16日付け「河北新報」(朝刊)に、「2013仙台・宮城DC/復興支援、周遊観光を展開/推進協がイベント概要」の見出しの下、「仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会は15日、4?6月に開催する大型観光宣伝『仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)』の概要を発表した。東日本大震災の被災地で教訓を語り継ぐ事業、復興ぶりを見てもらう周遊観光を展開。・・・仮設商店街を回るバスも走らせ、買い物や『南三陸キラキラ丼』など復興グルメを堪能してもらう。」との記載がある。 ス 2013年4月1日付け「河北新報」(朝刊)に、「きょうから仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(5)/ご当地丼、各」の見出しの下、「◎南三陸キラキラ春つげ丼(宮城・南三陸町)/GWからウニも満載【南三陸町観光協会0226(47)2550】昨年2月に復活した南三陸キラキラ丼の4月からのメニュー。ヒラメやマグロ、タコなど旬の魚介類やメカブ、甘みがある南三陸春告げ野菜を使い、各店で特徴を出している。大型連休からは地元のウニが満載の「うに丼」が始まる。町飲食店組合組合長の高橋修さん(54)は『農漁業と一緒に丼で町を再興させたい』。南三陸さんさん商店街(5店)のほか、南三陸町と気仙沼市本吉町の10店で提供。」との記載がある。 セ 2013年4月26日付け「東京読売新聞」(朝刊31頁)に、「新鮮うに丼 ツアー客はキラキラ=宮城」の見出しの下、「南三陸町内で27日から販売が始まる『南三陸キラキラうに丼』のお披露目会が25日、同町志津川の仮設商店街『南三陸さんさん商店街』で行われた。・・・町飲食店組合の加盟店は、季節の変わり目ごとに年4回、町特産の海産物を使った『キラキラ丼』を提供しており、8月末まではうに丼の期間。このうち7店が、それぞれ工夫を凝らしたうに丼をふるまった。」との記載がある。 ソ 2013年5月18日付け「朝日新聞」(夕刊10頁)に、「被災地、思い続ける 南三陸町の仮設商店街、東京・巣鴨に出店 大正大が運営協力」の見出しの下、「さんさん商店街は昨年2月、同町志津川地区の津波浸水地にできた。プレハブ造りの30店舗が並ぶ。旬の魚介類を載せた『南三陸キラキラ丼』が、被災地を訪れた人に人気だ。」との記載がある。 タ 2013年5月19日付け「朝日新聞」(朝刊21頁)に、「南三陸の仮設商店街、東京出店 大正大が運営協力 被災地への思い刻む /宮城県」の見出しの下、「さんさん商店街は昨年2月、同町志津川地区の津波浸水地にできた。プレハブ造りの30店舗が並ぶ。旬の魚介類を載せた『南三陸キラキラ丼』が、被災地を訪れた人に人気だ。」との記載がある。 チ 2013年10月31日付け「東京読売新聞」(朝刊32頁)に、「地元の味 召し上がれ 南三陸町 イクラたっぷり丼=宮城」の見出しの下、「南三陸町の町飲食店組合(高橋修組合長)は11月1日から、県内有数の生産量を誇る町特産のイクラをたっぷり使った『南三陸キラキラいくら丼』を、『志のや』など加盟する11店舗で販売を始める。四季折々の旬の海産物をのせた『キラキラ丼』シリーズの最新作で、来年2月末までの期間限定だ。キラキラ丼は2008年から、町内の飲食店で販売を始めた人気商品で、季節ごとにウニやイクラ、タコなどメーンの食材を変えている。震災で一時販売が途絶えたが、昨年2月に販売を再開した。」との記載がある。 ツ 2014年3月10日付けの「中日新聞」(朝刊18頁)及び「東京新聞」(朝刊12頁)に、「東日本大震災3年 三つ星!復興商店街」の見出しの下、「南三陸さんさん商店街・・・飲食店や小売店など三十店余が集まる。このうち六店舗が提供しているのが『南三陸キラキラ丼』。夏はウニ、冬はイクラなどと、季節ごとに決まった地元の食材を使う丼だが、組み合わせて使う他の食材や、味付けは各店に任されており、食べ比べるのも楽しい。」との記載がある。 テ 2014年3月12日付け「日刊工業新聞」(26頁)に、「東日本大震災3年/宮城県『南三陸さんさん商店街』-“福興”へよみがえる」の見出しの下、「東日本大震災で壊滅した宮城県南三陸町で、小さな商店街がよみがえった。『南三陸さんさん商店街』。・・・大型連休時に約10万人以上を呼び込んだほどの集客力を誇る。・・・商店街の目玉は四季折々の海産物。すし屋などの各店舗が腕を振るってつくる『南三陸キラキラ丼』は新名物になっている。現在のテーマはシラスやホタテ、カキ、ワカメなどの春の魚介類と春野菜を使った『春つげ丼』で、4月30日まで提供する。週末になると、この丼を目当てに県内外から観光客が足を運ぶ。」との記載がある。 ト 2014年6月10日付け「朝日新聞」(朝刊26頁)に、「(味自慢)タコカレー 宮城・南三陸町 被災地の特産、『多幸』の願い /東北・共通」の見出しの下、「『タコカレー』が、宮城県南三陸町で静かな人気を呼んでいる。志津川地区の仮設商店街『さんさん商店街』で和食料理店『志のや』を営む高橋修さん(55)が考案。名物『南三陸キラキラ丼』に並ぶ定番メニューにしようと、昨年春、岩手県大船渡市であった復興グルメのイベントに出品したのがきっかけだ。」との記載がある。 ナ 2014年9月5日付け「東京読売新聞」(朝刊28頁)に、「食欲の秋 最新キラキラ丼 来月末まで販売 南三陸と気仙沼=宮城」の見出しの下、「南三陸町の町飲食店組合は、カツオやイクラ、ホタテなど旬の海の幸をたっぷり盛りつけた『南三陸キラキラ秋旨丼』の販売を始めた。南三陸町と気仙沼市の計9店舗で、10月末までの期間限定だ。四季折々の季節の海産物を使った『キラキラ丼』シリーズの最新作で、価格は税込み2000円前後。」との記載がある。 ニ 2014年9月15日付け「FujiSankei Business i.」(13頁)に、「東日本大震災3年半 にぎわい維持へ決意新た」の見出しの下、「かつて漁業で栄えた宮城県南三陸町は、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた。・・・お盆のまっただ中、その一角にある仮設商店街『南三陸さんさん商店街』の駐車場は多くの県外ナンバーを含め、100台以上の車で埋め尽くされていた。・・・午後1時になっても地元産の魚介類をふんだんに乗せた名物『南三陸キラキラ丼』を提供する飲食店には行列が絶えなかった。夫としゅうとめと3人でさいたま市から来たという会社員、村中恵さん(56)。栗駒高原に行く途中、車でわざわざ1時間も掛けて寄り道した。『うに丼が食べたくて。夫が会社の同僚にここを勧められた』と話す。」との記載がある。 ヌ 2014年10月11日付け「東京読売新聞」(朝刊32頁)に、「[被災地から 被災地へ]10月11日=東京」の見出しの下、「◆南三陸キラキラ秋旨丼(あきうまどん)を販売 宮城県南三陸町の町飲食店組合加盟の9店では、戻りガツオやアワビ、アナゴなど秋が旬の素材をふんだんに盛りつけた『秋旨丼』(税込み2000円前後)を味わえる。・・・同町では、季節ごとに旬の海産物を盛りつけた丼を『南三陸キラキラ丼』として提供。夏はウニ丼、冬はイクラ丼が楽しめ、観光客の間で話題になっている。・・・秋旨丼の提供店は観光協会ホームページ」との記載がある。 ネ 2014年11月13日付け「東京読売新聞」(朝刊32頁)に、「全国丼GP 県内3点金賞 『南三陸キラキラ丼』など=宮城」の見出しの下、「全国各地の優れた丼を表彰する『第1回全国丼グランプリ』で、県内から『南三陸キラキラ丼』(南三陸町)など3点が最高賞の金賞に輝いた。大会は、丼の愛好家でつくる一般社団法人・全国丼連盟(東京都)が主催した。『牛丼』『海鮮丼』など11部門に計1347点の応募があり、連盟員約1500人のインターネット投票で金賞を決めた。『ご当地丼部門』には129点の応募があり、県内の『南三陸キラキラ丼』と『とよま油麩(あぶらふ)丼』(登米市)を含む10点が金賞を受賞した。」との記載がある。 ノ 2014年11月28日付け「河北新報」(朝刊)に、「交差点/<南三陸の食 全国に発信>/食料自給率向上につながる活動を表彰する『フード・アクション・ニッポンアワード2014』で、宮城県南三陸町の飲食店が提供する『南三陸キラキラ丼』が審査委員特別賞を受け」の見出しの下、「食料自給率向上につながる活動を表彰する『フード・アクション・ニッポンアワード2014』で、宮城県南三陸町の飲食店が提供する『南三陸キラキラ丼』が審査委員特別賞を受けた。南三陸ホテル観洋おかみの阿部憲子さん(52)は『南三陸の食の素晴らしさを全国にアピールできた』と喜ぶ。キラキラ丼は旬の食材を使い、季節ごとに装いを変える。」との記載がある。 ハ 2014年12月3日付け「電気新聞」(5頁)に、「宮城・南三陸町の海鮮丼『キラキラ丼』、11月から『いくら丼』に」の見出しの下、「南三陸町観光協会がPRする海鮮丼『南三陸キラキラ丼』。季節ごとに旬の食材を盛り込む豪華な丼で、冬季の11月からは『いくら丼』が始まった。同町志津川地区にある、2012年オープンの仮設商店街『南三陸さんさん商店街』でも「キラキラ丼」を出す店は多い。・・・今年6月に発足した一般社団法人の全国丼連盟が主催した『第1回全国丼グランプリ』で、『南三陸キラキラ丼』はご当地丼部門で金賞を受賞した。南三陸町観光協会はこれを記念して、ピンバッジをプレゼントするキャンペーンを年末まで行っている。ちなみに、他の季節は『春つげ丼』(3?4月)、『うに丼』(5?8月)、『秋旨丼』(9?10月)。『いくら丼』は翌年2月まで楽しめる。」との記載がある。 ヒ 2014年12月20日付け「東京読売新聞」(朝刊32頁)に、「宮城どんぶり同盟 ご当地丼をPR=宮城」の見出しの下、「県内のご当地丼を盛り上げようと、登米市の「とよま油麩(あぶらふ)丼の会」と、南三陸キラキラ丼を提供する南三陸町飲食店組合が19日、「宮城どんぶり同盟」を結成した。・・・『全国丼グランプリ』で油麩丼とキラキラ丼が、ご当地丼部門でともに金賞に輝いたことがきっかけになった。・・・南三陸町飲食店組合の高橋修組合長は『丼マップを作るなどして南三陸の復興を進めたい』と語った。」との記載がある。 フ 2015年10月31日付け「東京読売新聞」(朝刊32頁)に、「[みやぎ・こだわりの名店]すし店『鮨処えんどう』=宮城」の見出しの下、「◇すし店『鮨処(すしどころ)えんどう』 気仙沼市・・・震災前まで南三陸町にも店舗があったことから、ウニやイクラなど旬の海の幸がのった『南三陸キラキラ丼』を出すなど、メインのすし以外の料理も充実している。」との記載がある。 4 雑誌、ガイドブック等 (1)2010年1月号の「東北じゃらん」に、「誕生!南三陸キラキラいくら丼」の紹介があり、提供店として6店舗の飲食店が掲載されている(請求書甲11)。 (2)平成22(2010)年10月?12月の「仙台・宮城【伊達な旅】キャンペーン」「みやぎ観光ガイドブック」「三陸エリア」(仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会 三陸地域部会)には、「南三陸」の項目で「南三陸キラキラ丼シリーズ」が紹介され、「問い合わせ」として、「南三陸時間旅行サポートセンター」が記載されている(上申書甲12)。 (3)2012年7月号の「関東東北じゃらん」((株)リクルートホールディングス発行77頁)に、「仮設商店街『南三陸さんさん商店街』が2月25日にオープン。これと同時に、南三陸名物のキラキラ丼も待望の復活!」及び「夏のキラキラ丼も2年ぶり。飲食店や観光協会、漁協、農協などが一丸となり、極上のウニ丼をめざしました。」との記載があり、「南三陸キラキラうに丼が食べられるお店」として8店舗の飲食店が紹介されている(刊行物資料9)。 (4)2013年1月20日発行の週刊誌「サンデー毎日」(毎日新聞出版発行)に、「南三陸といえば、四季折々の地の食材を使った『キラキラ丼』が名物。『南三陸キラキラいくら丼』は11月から2月までの限定で各店が腕を競っており、『はしもと』では、自家製のイクラとサーモンのお刺し身が乗った丼の他、鮭の竜田揚げなどが付く”親子の味”で勝負する。」との記載がある(刊行物資料10)。 (5)「2013年冬・春」号の情報誌「YELLOH!仙台・宮城」に、「南三陸キラキラ丼など復興支援の元気をご紹介」及び「復活!南三陸キラキラ丼・・・旧志津川町や歌津町などのエリアに仮設商店街がお目見えし、徐々に人々の賑わいが帰ってきました。昨年2月にオープンした『南三陸さんさん商店街』。・・・今回、是非ご紹介したいのが仮設商店街で食することができる『南三陸キラキラ丼』の復活!世界三大漁場と称される三陸産の海産物など地元食材にこだわった逸品で、震災前は1年間に4万5000食を売り上げたヒット商品です。・・・お問い合わせ/南三陸観光協会」との記載がある(刊行物資料8)。 (6)平成25(2013)年3月11日発売の「じゃらん東北2013-2014完全保存版」((株)リクルートホールディングス発行)において、「南三陸ホテル観洋」の広告頁中に、「四季折々の味覚が詰まった南三陸キラキラ丼シリーズ」として、「南三陸キラキラいくら丼」、「南三陸キラキラ春つげ丼」、「南三陸キラキラ秋旨丼」及び「南三陸キラキラうに丼」が紹介されており、また、宮城県沿岸部の紹介頁(116頁)に、「南三陸町 南三陸ホテル観洋 レストランシーサイド・海フードBBQ 南三陸町の旬の食材を使った『南三陸キラキラ丼』は春夏秋冬の時期に合わせて登場する。」との記載があり、「キラキラいくら丼」、「キラキラ春つげ丼」、「秋旨丼」及び「キラキラうに丼」が紹介されている。 (7)2013年3月25日発行の「大人の休日倶楽部ミドル2013年4月号」(東日本旅客鉄道株式会社発行)に、「センスの高さが示すのは商店街が抱く希望の純度-南三陸町・女川町」の見出しの下、丼の写真の説明として、「4_『松原食堂』の南三陸キラキラ春つげ丼・・・※5/1より南三陸キラキラうに丼に変更予定」との記載がある(刊行物資料6)。 (8)2014年4月1日発行の「るるぶ仙台松島宮城’15」(JTBパブリッシング発行95頁)に、「南三陸」の見出しの下、「タコやカキで知られる志津川地区や歌津地区は、仮設商店街を中心に復興が進む。旬の魚介を使った南三陸キラキラ丼は人気グルメのひとつ。」と記載され、「南三陸キラキラうに丼」が紹介されている。 5 インターネット情報 (1)「仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会」のウェブサイトにおいて、「2010年のニュース」の項目中に、「南三陸町キラキラ丼シリーズ、『キラキラうに丼』がスタートしました!!」の見出しの下、「南三陸のA級食材たちが丼シリーズで登場する『南三陸キラキラ丼』!5月から8月までの期間では『キラキラうに丼』が味わえます。旬の地場産品だからこそ味わえる鮮度と価格!甘くて旨味たっぷりの南三陸のうにがど?んとのった丼を是非ご賞味ください詳しくは、南三陸町観光協会のホームページをご覧ください。」との記載がある。 (http://www.sendaimiyagidc.jp/topic/index_2010.php) (2)「アサヒビール株式会社」のウェブサイトにおいて、「とうほく食文化応援団?宮城に乾杯!?」の見出しの下、仙台放送で2013年6月19日に放送された「南三陸の名物グルメ!南三陸キラキラ丼」の紹介があり、「今回は『キラキラ丼』の中でも一番の人気を誇る『キラキラうに丼』をご紹介いたします。中でも『うに丼』は大人気で連休には行列ができるほどの賑わいを見せています。」の記載があります。 (http://www.asahibeer.co.jp/area/02/04/shokubunka2013/contents09.html、請求書甲6) (3)南三陸観光協会公式ホームページにおいて、「南三陸キラキラ丼」の頁には、「キラキラ春つげ丼」、「キラキラうに丼」、「キラキラ秋旨丼」、「キラキラいくら丼」の提供時期と提供店舗等の紹介があり(http://www.m-kankou.jp/bowl/、請求書甲15)、また、「お知らせ」の項目において(http://www.m-kankou.jp/archives/category/news/)、2013年2月27日、同年4月24日、同年5月2日、同年11月1日、2014年1月17日、同年7月5日、同年9月9日、同年11月13日、2015年2月21日、同年4月30日、同年8月23日及び同年10月24日付けで「南三陸キラキラ丼」に関する紹介記事が掲載されている。 特に、上記の2014年11月13日付けの「お知らせ」には、「南三陸キラキラ丼県外初進出!!阪急うめだ本店 東北物産店出店!!」との見出しの下、「先日開催されました第1回全国丼グランプリご当地丼部門で見事金賞を受賞しました南三陸キラキラ丼が・・・!この度、南三陸を飛び出し県外初出店!!!今回は南三陸キラキラ丼提供店を代表して弁慶鮨さんが出店いたします」との記載があり、当該「東北物産展」のチラシに「弁慶鮨 南三陸キラキラ丼」が紹介され、「南三陸キラキラ丼」ののぼりの写真も掲載されている(http://www.m-kankou.jp/archives/14297/)。 (4)観光庁及び東北物語事務局が運営している「東北物語」のウェブサイトにおいて、「開催日時 2014年3月1日(土)?4月30日(水)午後6時00分」として、「南三陸キラキラ春つげ丼』提供開始!」の見出しの下、「開催場所南三陸町内各店舗にて」、「4季毎に旬な食材を使い四季毎に4種の丼を提供している、南三陸町の名物丼ぶり『南三陸キラキラ丼』。先月までのキラキラいくら丼に代わり、今月3月1日からキラキラ春つげ丼の提供が開始されました!」との記載があり(http://tohoku-monogatari.org/spot/?lid=63043、請求書甲7)、また、「開催日時 2014年11月1日(土)?2月28日(土)」として、「南三陸キラキラいくら丼」の見出しの下、「南三陸キラキラ丼は、南三陸町が誇る地元のA級グルメ。春は“春つげ丼”、夏は“うに丼”、秋は“秋旨丼”、冬は“いくら丼”と四季毎に異なる丼を楽しむことができます。」との記載があります(http://tohoku-monogatari.org/spot/?lid=67338)。 (5)「そごう広島店」のウェブサイトにおいて、「デジタルカタログ」の「今週のお知らせ」(https://www.sogo-seibu.jp/hiroshima/digital_catalog/)からリンクされた2015年11月26日付け「SOGO PRESS」の「デジタルチラシ」中に、「『第19回 宮城県の観光と物産展』」、「イートイン」及び「南三陸さんさん商店街一押し。『キラキラ丼』が初登場。三陸産イクラを醤油ダレに漬け込みました。・・・[南三陸町]創菜旬魚 はしもと/キラキラ丼・・・南三陸さんさん商店街 宮城県南三陸町の志津川地区にオープンした仮設の商店街。地元のグルメ店が軒を連ね、巨大なフードコートなど連日多くの観光客でにぎわう話題の商店街です。」との記載がある (http://e-catalog.sogo-gogo.com/514/20151124/001/index.html?shopId=3718&chirashiId=9457552294357)。 また、上記催事について、「南三陸町さんさん商店街」のウェブサイトにおいても、「イベント」の項目中に、2015年11月25日付けで「『創菜旬魚はしもと』の南三陸キラキラ丼が、そごう広島店に登場します!!」の見出しの下、「弁慶鮨が大阪の阪急うめだ本店での『元気 東北物産展』に出店し、昨日で無事に終了いたしました。続いて創菜旬魚はしもとが、広島のそごう広島店で開催される『第19回 宮城県の物産と観光展』に出店します」との記載があり(http://www.sansan-minamisanriku.com/archives/pick-up/4501.html/)、上記「デジタルチラシ」と同じチラシが掲載されている (http://www.sansan-minamisanriku.com/wp-content/uploads/2015/11/f91a2cd72490cd55791c1fba24084c7b.pdf)。 |
審理終結日 | 2016-07-25 |
結審通知日 | 2016-08-19 |
審決日 | 2016-09-13 |
出願番号 | 商願2013-50903(T2013-50903) |
審決分類 |
T
1
8・
25-
Z
(W43)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 海老名 友子 |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
田中 幸一 藤田 和美 |
商標の称呼 | ミナミサンリクキラキラドン、ミナミサンリクキラキラドンブリ、ミナミサンリクキラキラ、キラキラドン、キラキラドンブリ、キラキラ |
代理人 | 大津 洋夫 |