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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1339343 
異議申立番号 異議2017-900337 
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-06 
確定日 2018-04-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5971008号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5971008号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5971008号商標(以下「本件商標」という。)は、「幼児食アドバイザー」の文字を標準文字により表してなり、平成28年8月3日に登録出願、第41類「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務として、同29年7月27日に登録査定、同年8月10日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
1 引用商標
申立人が自己又は申立人の運営する団体の業務に係る役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」について使用しているとする商標は、「幼児食アドバイザー」の文字からなるものである(以下「引用商標」という。)。
2 商標法第4条第1項第10号について
(1)申立人の商標使用について
申立人は引用商標を、引用商標に係る講座の役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」にて、2010年12月頃に引用商標に係る講座の広告宣伝を始めて以来、現在まで使用をしている(甲2?甲4)。
具体的には、申立人の運営する団体の出所表示として引用商標に係る講座のテキストすなわち役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」に引用商標を2010年12月頃から現在に至るまで使用をしている(甲2)。
また、申立人が甲第2号証の発行所であるので、申立人は申立人の出所表示として役務「書籍の制作」に引用商標を2010年12月頃から現在に至るまで使用をしている(甲2)。
さらに、甲第3号証におけるセミナーは、引用商標に係る講座の会員向けセミナーであるので、申立人の出所表示として役務「セミナーの企画・運営又は開催」に使用していることは明らかであり、引用商標を2010年12月頃から現在に至るまで定期的に使用をしている。
さらに、甲第4号証における認定証は、幼児食アドバイザーの資格を申立人の運営する団体が認定し付与するものであり、申立人の出所表示として役務「資格の認定・付与」に引用商標を2010年12月頃から現在に至るまで使用をしている。
(2)引用商標の周知性について
ア 新聞雑誌における広告
甲第6号証は、新聞雑誌における2010年12月頃から本件商標の出願(2016年8月3日)前までの、申立人の引用商標に係る講座に対する新聞・雑誌での広告出稿の媒体名称と出稿年月日の一覧、甲第7号証は、新聞の媒体名称毎の発行部数、甲第8号証は、雑誌の媒体名称毎の発行部数である。甲第6号証及び甲第7号証により全国紙及び地方紙・ブロック紙により、一般的新聞購読者に対して北海道から沖縄まで広く、かつ、多くの部数で新聞広告されていることが判る。
さらに甲第6号証及び甲第8号証により、引用商標に係る講座の主な受講対象者である幼児を有する母親(特定需要層)が購読する雑誌を対象に、多くの部数で雑誌広告されていることが判る。
甲第7号証からは、例えば読売新聞の全国版は一日で約880万部(朝刊)、毎日新聞の全国版は一日で約300万部(朝刊)の発行部数であることなどが判り、新聞広告により、多くの一般的新聞購読者に、引用商標とその出所を知られているといえる。
甲第9号証は、第三者である株式会社デイリー通信社が調査した日本における新聞広告の出稿量上位100社ランキングであって、申立人の2013年は第33位、2014年は第35位、2015年は第39位の出稿量となっており、申立人の新聞広告出稿量(甲6、甲7)はかなり多い部類に入り、このことからも多くの一般的新聞購読者に、引用商標とその出所を知られているといえる。
さらに、甲第10号証は、新聞広告の一例、甲第11号証は、雑誌広告の一例である。
これらの広告により、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が少なくとも「技芸・スポーツ又は知識の教授」であることが判る。また、甲第10号証により実際に、2010年12月頃から本件商標の出願前までの間に毎年及び継続的に、全国紙の全国版により北海道から沖縄まで広く、かつ、地域によっては全国紙より購読率が高い場合のある地方紙などにより全国を網羅的に、引用商標に係る講座の広告がされ、引用商標に係る講座の存在を知らしめていたことが判る。また、甲第11号証により実際に、2010年12月頃から本件商標の出願前までの間に毎年及び継続的に、発行部数が多く(甲8)全国的に著名な雑誌により広域の特定需要層に、引用商標に係る講座の広告がされ、引用商標に係る講座の存在を知らしめていたことが判る。
甲第12号証は、その他の広告の一例である。
甲第12号証1頁目と同2頁目は電車広告の一例であって、電車広告は少なくとも2014年11月1日から2015年10月31日までの1年間の期間に都営地下鉄新宿線、浅草線、三田線の路線にて電車広告されており、都内の多くの者が広告を目にする機会があるので、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が少なくとも「技芸・スポーツ又は知識の教授」であることが、電車広告により多くの都内の一般需要者に知られたことが判る。
甲第12号証3頁目ないし同5頁目はCPC広告の一例であって、本件商標の出願前の2016年7月一カ月間で、引用商標に係る講座の広告が「Yahoo」と「Google」併せて36万件強、同5頁目に示すような内容で広告されている。引用商標に係る講座のCPC広告は、日本の代表的な検索エンジンである「Yahoo」と「Google」とで2010年12月頃から行われており、CPC広告開始から本件商標の出願前までの間に、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が少なくとも「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授」であることが、CPC広告により多くの特定需要者に知られたことが判る。
イ 引用商標に係る講座の講座案内
引用商標に係る講座は、HPなど(甲13)や、資料請求者や申立人の企画する他講座受講者への講座案内(甲14)などにおいて講座案内される。
HPなどの閲覧数は甲第15号証に示され、限定された調査期間ではあるが総計約29万回にも及ぶ。また、甲第16号証は資料請求者の一覧であって、請求者の居住地(都道府県)と請求者数、その男女比、年代別比も示されている。甲第14号証の内、申立人の企画する他講座受講者への講座案内の発送数は、本件商標の出願前までで総計8,081件である。甲11号証及び甲第15号証により、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」であることが、多くの需要者層に知られたことが判る。
また、甲第14号証及び甲第16号証により、引用商標に係る講座の需要者層はほぼ30代中心の女性であることがわかり、幼児食を学びたい需要層はこのような特定需要者層であって、この特定需要層に限定して周知性を判断すればよい事が判る。さらに、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,書籍の制作」であることが、多くの特定需要者層に知られたことが判る。
ウ 他社による引用商標に係る講座の紹介
甲第17号証は、他社による引用商標に係る講座の紹介の一例の写しであって、この一例は講座比較サイト「ウーモア」によって紹介されたものである。上記サイトの内容は2017年11月13日に更新されたものであるが、大きくは変わらない内容が2016年5月25日に掲載されていたことが推定される。
この紹介は、申立人又は申立人の運営する団体とは資本的・組織的に関連性の無い他社(株式会社ウェルクス)によってなされていることにより、多くの特定需要者に、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,書籍の制作」であることを知られたことが判る。
エ 社員教育としての引用商標に係る講座の提供
甲第18号証は、引用商標に係る講座が、特に引用商標に係る講座に関連する業務を行う企業の社員教育用に採用された実績企業の一覧を示すパンフレットである。公開経営指導協会という法人向け社員教育を提供している公益法人を通じて申立人が需要者に引用商標に係る講座を提供している。甲第18号証によっても引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が少なくとも「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授」であることが公開経営指導協会を通じて実績企業一覧の企業の社員に相当数知られたことが推定される。
オ 企業内の資格奨励制度その他に用いられる雑誌による紹介
甲第19号証は、申立人とは他人である一般企業内の資格奨励制度その他に用いられる雑誌「キャリアナビゲータ」の写し及び「キャリアナビゲータ」の活用事例である。「キャリアナビゲータ」は、毎年1万部発行され、一般企業内の資格奨励制度用や、大学・短大・専門学校、ハローワークなどに配布されている。また、引用商標に係る講座は、食育関連の資格を取得するための講座であって、一定基準の基で優良講座として認定を受け、優良講座として紹介されており、かつ、企業向け社内研修実施社としても紹介されている。優良講座として紹介されることにより注目度が高まり、優良講座と紹介されない場合よりも読まれる可能性が高くなる。甲第19号証の「キャリアナビゲータ」は2016年発行のものであるが、2014年及び2015年においても同様の内容でその年の「キャリアナビゲータ」に引用商標に係る講座が掲載されている。更に、「キャリアナビゲータ」は個人で購入するものではなく閲覧用として、企業内や大学等・ハローワークで1部を使いまわし読みされるものである。すなわち、「キャリアナビゲータ」の年間発行部数よりも「キャリアナビゲータ」を年間で読んだ人数の方が圧倒的に多くなる性質のものである。
よって甲第19号証により、引用商標の講座が申立人又は申立人の運営する団体の出所表示であって、その役務が「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」であることが、多くの需要者層に知られたことが判る。
(3)商標法第4条第1項第10号の適用について
本件商標の商標権者と申立人又は申立人の運営する団体とは他人である。
引用商標は、申立人又は申立人の運営する団体の業に係る役務を表示するものである。
引用商標は、申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務を表示するものとして幼児食について学びたい需要層(幼児を有する30代を中心とする女性といったような特定需要層)の間に本件商標の出願前において広く認識されている商標である。
本件商標と引用商標とは同一である。
本件商標に係る役務と、特定需要者の間に広く認識されている引用商標に係る役務とは、役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」において一致する。
以上により、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして本件商標の出願前において幼児食について学びたい需要層の間に広く認識されている引用商標と同一の商標であって、その役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」について使用をするものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人が2010年12月頃から現在に至るまで役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」について本件商標と同一の引用商標を使用することにより、本件商標の出願前において申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務を表示するものとして、幼児食について学びたい需要層の間に広く認識されている商標である。
よって、本件商標の商標権者が引用商標と同一の本件商標を、役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」について使用した場合には、申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
さらに、引用商標は、役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」について、本件商標の出願前において申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務を表示するものとして、幼児食について学びたい需要層の間に広く認識されている商標であるから、本件商標の商標権者が引用商標と同一の本件商標を、役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」と役務間で関連性のある役務「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」について使用した場合には、幼児食について学びたい需要層が、申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務であると誤認し、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
具体的には、申立人は引用商標を使用して役務「書籍の制作」を行っていることから(甲2)、本件商標の商標権者が、本件商標を使用して役務間で関連性のある役務「電子出版物の提供、図書及び記録の供覧、図書の貸与」を行ったことが、幼児食について学びたい需要層により、申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務であると誤認される可能性がある。また、申立人の企画する幼児食アドバイザー養成講座セミナー(甲3)において、真空調理の紹介や交流会などの興行を行っていることからも、本件商標の商標権者が、本件商標を使用して役務「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を行ったことが、幼児食について学びたい需要層により、申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務であると誤認される可能性がある。申立人は、通信教育により役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」を行っており(甲2)、かつHPでも講座紹介していることから(甲13)、本件商標の商標権者が、本件商標を使用して役務間で関連性のあるeラーニングなどの役務「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く.)」を行ったことが、幼児食について学びたい需要層により、申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務であると誤認される可能性がある。
さらに、申立人は多角経営を行っていることから、たとえ申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務であると誤認しなくても、申立人の関連事業又は関連会社の業務に係る役務であると誤認し、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
また、本件指定役務の需要者は幼児食について学びたい需要層と推定され、役務についての需要者の共通性があり、かつ、本件商標の商標権者が幼児食アドバイザー養成講座を開講し本件商標を使用し始めたのは2017年2月からであるといった取引の実情(甲20)を鑑みれば、本件商標の出願時及び査定時においてその役務の出所について混同を生ずるおそれがあるのは明らかである。
以上より、本件商標が本件指定役務「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く.),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」に使用された場合、その役務の需要者が申立人の業務に係る役務と出所について混同するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。

第3 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人は、引用商標は、「資格の認定・付与,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」について、本件商標の出願前において申立人又は申立人の運営する団体の業務に係る役務を表示するものとして、幼児食について学びたい需要層の間に広く認識されている商標である旨主張し、甲各号証を提出しているので、以下、検討する。
ア 甲第2号証は、申立人を発行所とする「幼児食アドバイザー養成講座のテキスト及びガイドブック」であり、2017年3月に第8刷発行されたものである。
そして、申立人の主張によれば、過去に発行されたテキストについても、発行日以外の部分については、上記テキストと同一内容であるというものである。しかし、該テキスト及びガイドブックの作成部数、配布先、配布方法等は明らかでない。
イ 甲第3号証は、申立人のウェブサイトであり、これには、2015年5月23日に行われた「幼児食アドバイザー養成講座」の会員向けセミナーに関する記事が掲載されているが、その記事によれば、当該講座の会員向けセミナーの開催は、1年ぶりのことである。
ウ 甲第4号証は、申立人作成の幼児食アドバイザーの「養成講座修了認定証」であり、その記載内容によれば、当該認定証は、幼児食アドバイザー養成講座の全課程を修了したことを証するものである。しかし、その作成枚数、作成日、配布枚数や当該講座の受講者数、修了者数等は明らかでない。
エ 甲第5号証は、申立人のウェブサイトであり、これの株式会社日本フローラルアート会社概要には、実施団体名の欄に「東京カルチャーセンター」の記載があり、また、末尾には、該カルチャーセンターは、申立人が運営している旨の記載がある。
オ 甲第6号証は、CD-ROMであって、これには、2010年12月10日から2016年7月28日までの「幼児食アドバイザー養成通信講座 新聞雑誌媒体出稿一覧」及び2017年9月30日現在の「幼児食アドバイザー養成通信講座WEB媒体出稿一覧」が格納されているところ、新聞雑誌媒体出稿数は、西日本新聞、神奈川新聞、サンケイスポーツ、日本農業新聞、毎日新聞、東京新聞、レタスクラブ、おはよう奥さん、すてきな奥さん等への931件であり、WEB媒体出稿数は、「Google」、「Yahoo!Japan」等への16件であることが確認できる。
カ 甲第7号証及び甲第8号証は、新聞、雑誌の発行部数一覧である。
キ 甲第9号証は、日本デイリー通信社のウェブサイトであり、これの新聞雑誌広告出稿量上位100社ランキングの新聞2014年通年(1月?12月)には、順位35位に、同じく新聞2015年通年(1月?12月)には、順位39位に、広告主名として「東京カルチャーセンター」の記載がある。しかし、該広告出稿量には、引用商標に係る広告が含まれているのかは不明である。
ク 甲第10号証は、新聞広告例の写しであり、2010年(平成22年)12月15日付け毎日新聞、2011年(平成23年)3月10日付け毎日新聞、2012年(平成24年)10月31日付け読売新聞など、各新聞の下部欄には、「幼児食アドバイザー養成通信講座」の広告が掲載されているところ、該文字構成は、縦書きに「幼児食」の文字を大きく表し、その下に「アドバイザー」及び「養成通信講座」の文字を縦二列に配してなるか、横書きに「幼児食」の文字を大きく表し、その右横に「アドバイザー」及び「養成通信講座」の文字を上下二段に配してなるものである。また、該広告は、他社の書籍等の広告と共に掲載されている。
ケ 甲第11号証は、雑誌(「レタスクラブ2011年1/10号」、「家の光2011年7月号」、「サンキュ!2012年5月号」、「レタスクラブ2013年3/25号」、「女性セブン2014年12月18日号」、「ESSE2015年6月号」、「オレンジページ2016年2/2号」、「レタスクラブ2016Vol.848 7/8臨時増刊号」)の広告例の写しであり、これらには、「幼児食アドバイザー養成」、「幼児食アドバイザー養成講座」、「幼児食アドバイザー」の記載があることが確認できるが、それらは、他の複数の養成講座と共に掲載されている。
コ 甲第12号証は、電車広告の一例であり、申立人の主張によれば、当該電車広告は、2014年11月1日から2015年10月31日までの期間に、都営地下鉄新宿線、浅草線、三田線の路線にて電車広告されたものとされるが、そのことを裏付ける証拠の提出はない。
また、「CPC広告表示回数一覧」として、2016年7月1日?2016年7月31日の「YAHOO!JAPAN」及び「Google」のCPCの例を挙げているが、いずれもキーワードに「幼児食アドバイザー」以外の文字も含んだ数値であり、「幼児食アドバイザー」の文字単独での表示回数は、それ程多いものではない。
サ 甲第13号証は、申立人のウェブサイトの写しであり、これには、「幼児食アドバイザー養成講座」に関する案内が掲載されているが、その掲載日は不明である。
シ 甲第14号証は、申立人作成の「幼児食アドバイザー養成通信講座」(該文字全体の構成は、「幼児食」の文字を大きく表し、その右横に「アドバイザー」及び「養成通信講座」の文字を上下二段に配してなるものである。)と題するパンフレットであるが、その作成枚数、作成日、配布方法等は不明である。
ス 甲第15号証は、「幼児食講座のWEBページPV数/訪問数」であり、その総計は、PV数が約29万、ページ別訪問数が約21万であることが確認されるが、当該WEBページの掲載内容は確認することができず、その数の多寡についても比較すべき客観的な証拠の提出はないから評価することができない。
セ 甲第16号証は、引用商標に係る講座資料請求者名簿であるところ、これによれば講座資料請求者の総数は28,066名であり、男女別では、女性の比率が94.96%であり、年代別比率では、30代が43.65%を占めていることが確認できる。
ソ 甲第17号証は、他社のウェブサイトによる申立人の「幼児食アドバイザー」に係る資格の紹介例である。
タ 甲第18号証は、申立人の主張によれば、「幼児食アドバイザー養成講座」が社員教育用に採用された実績企業の一覧を示すパンフレットであるが、その作成日、作成部数、配布先、配布方法等は不明である。
チ 甲第19号証は、申立人の主張によれば、企業内の資格奨励制度その他に用いられる雑誌(キャリア・ナビゲータ2016)であり、そこの食育関連資格欄の講座名には、複数の養成講座と共に「幼児食アドバイザー養成講座」の記載があること、また、これには、「キャリアナビゲーターは全国の大学・短大、ハローワークに無料にて発送しており、その他企業等からの引き合いに応じて随時追加発送しております。」の記載及び「発行部数 10,000部」、「発行時期 毎年1月(年1回発行)」の記載がある。
ツ 甲第20号証は、商標権者のウェブサイトの写しであり、これには「幼児食アドバイザー」の通学講座を2017年2月4日に開講する旨の記載がある。
(2)上記アないしツによれば、申立人は、「幼児食アドバイザー養成講座における知識の教授,幼児食アドバイザー養成講座における通信教育,幼児食アドバイザー養成講座(セミナー)の開催」に関する役務の提供(以下、「申立人役務」という。)を行っているといえるが、引用商標の周知性については、以下のように判断できる。
申立人は、2010年(平成22年)12月15日付け毎日新聞に「幼児食アドバイザー養成通信講座」に関する広告を掲載しているから、遅くともその頃には、当該養成講座を開講しており、また、申立人は、その後においても毎年、「幼児食アドバイザー養成通信講座」に関する広告を新聞、雑誌等に相当数掲載しているものである。
そして、各新聞における当該広告の文字構成は、縦書きした「幼児食」の文字を大きく顕著に表し、その下に「アドバイザー」及び「養成通信講座」の文字を縦二列に配してなるか、横書きした「幼児食」の文字を大きく顕著に表し、その右横に「アドバイザー」及び「養成通信講座」の文字を上下二段に配してなるものであり、「幼児食」の文字が他の文字に比して特に目立つように表されている。しかし、これは一連一体の商標と認められる引用商標の構成と一致するものではない。
また、新聞、雑誌への広告は、いずれも他の複数の書籍広告、養成講座や通信講座の広告等と共に掲載されているものであって、他の広告や同種の多くの役務と比較して申立人役務を印象づける方法により掲載されているというものではなく、「幼児食アドバイザー」の文字が特に着目されるような掲載方法がとられているものでもない。
加えて、申立人役務に関する受講者数、修了者数、売上高、市場占有率(マーケットシェア)、宣伝広告等の実態(カタログ、宣伝販促チラシ等の配布部数及び配布地域等)を具体的及び量的に把握し得る証左は何ら提出されていない。
その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、引用商標が、本件商標の登録出願日(平成28年8月3日)前に、申立人役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていたと認めるに足る事実は見いだせない。
以上を踏まえれば、引用商標が申立人の業務に係る役務を表すものとして、本件商標の登録出願時において、我が国及び外国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないものである。
2 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は、前記第1及び第2の1のとおり、共に「幼児食アドバイザー」の文字からなるものであるところ、その構成文字に相応して「ヨージショクアドバイザー」の称呼を生じるものであり、特定の観念が想起されるとはいえないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるとしても、その綴り字を同じくするものであるから外観において同一といえ、かつ、その称呼も共通にする類似の商標というべきものである。
3 本件商標の指定役務と引用商標の使用に係る役務との類否について
本件商標の指定役務は、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」を含むものであり、一方、引用商標の使用に係る申立人役務は、「アドバイザー養成講座における知識の教授,アドバイザー養成講座における通信教育,アドバイザー養成講座(セミナー)の開催」であるから、本件商標の指定役務と引用商標の使用に係る申立人役務は、提供の目的、手段、業種、需要者等を共通にする同一又は類似の役務ということができる。
4 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものというためには、引用商標が、申立人役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることが求められるところ、上記2及び3のとおり、本件商標と引用商標とが同一又は類似の商標であり、本件商標の指定役務と引用商標の申立人役務とが類似するとしても、引用商標は、上記1のとおり、我が国において本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知性を獲得していたものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第15号該当性について
商標法第4条第1項第15号は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、取引者、需要者の利益を保護することを目的とするものであるから、保護されるべき商標が周知著名であることを要すると解されるところ(知的財産高等裁判所 平成18年12月19日判決 平成18年(行ケ)第10106号)、上記1の認定によれば、我が国において本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知著名性を獲得していたものと認めることはできないから、商標権者が、本件商標をその指定役務について使用したとしても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該役務が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同を生じるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-03-26 
出願番号 商願2016-83330(T2016-83330) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W41)
T 1 651・ 25- Y (W41)
最終処分 維持 
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
鈴木 雅也
登録日 2017-08-10 
登録番号 商標登録第5971008号(T5971008) 
権利者 一般社団法人母子栄養協会
商標の称呼 ヨージショクアドバイザー、ヨージショク、アドバイザー 
代理人 荒川 卓哉 
代理人 金倉 喬二 
代理人 矢島 弘文 
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