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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
管理番号 1339337 
異議申立番号 異議2017-900354 
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-24 
確定日 2018-03-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5977168号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5977168号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5977168号商標(以下「本件商標」という。)は、「EARTH BOTTLE」の文字を標準文字で表してなり、平成29年2月17日に登録出願、第3類「ヘアトリートメント,ボディオイル,化粧水,乳液,入浴剤(医療用のものを除く。),化粧品,シャンプー,ボディソープ,せっけん類,食器用洗剤,洗濯洗剤,歯磨き,洗濯用柔軟剤,室内用芳香剤」及び第5類「スプレー式室内消臭剤」を指定商品として、同年8月7日に登録査定、同年9月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
なお、申立人が引用する登録商標のうち、登録第243638号商標は、当審において職権をもって調査したところ、平成25年5月24日に存続期間が満了し、その商標権の登録の抹消の登録が同26年2月19日にされている。
(1)「アース」の文字若しくは「EARTH」の文字からなる又は「アース」の文字若しくは「EARTH(Earth)」の文字を構成中に含んでなる登録商標(登録番号順)
登録第248908号商標、登録第258476号商標、登録第270496号商標、登録第369817号商標、登録第369818号商標、登録第1085293号商標、登録第1380942号商標、登録第1380943号商標、登録第1611673号商標、登録第1668872号商標、登録第1668873号商標、登録第1668874号商標、登録第1674260号商標、登録第1674261号商標、登録第1674262号商標、登録第1674263号商標、登録第1878463号商標、登録第1878465号商標、登録第1886824号商標、登録第1886825号商標、登録第1886826号商標、登録第1886827号商標、登録第2235736号商標、登録第2353757号商標、登録第2353758号商標、登録第2488180号商標、登録第2691798号商標、登録第3234062号商標、登録第4061824号商標、登録第4445611号商標、登録第4454745号商標、登録第4556141号商標、登録第4556142号商標、登録第4685834号商標、登録第5498279号商標及び登録第5548584号商標は、いずれも願書に記載のとおりの構成からなり、それぞれの登録出願日、指定商品又は指定役務及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである。
(2)図案化した地球のみからなる登録商標
登録第1365189号商標は、別掲のとおりの構成からなり、その登録出願日、指定商品及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである。
以下、上記(1)及び(2)の登録商標をまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第133号証を提出した。
(1)申立人の会社沿革
申立人の創業は、明治25年4月に大阪においてされ、申立人は、大正14年に株式会社へ組織変更をした。申立人は、昭和4年に本邦特産である除虫菊を主成分とする家庭用殺虫剤「アース」の製造を開始し、昭和15年に殺虫剤「アース」の姉妹品としての蚊取線香「アース渦巻」の製造を開始し、昭和28年に自噴式殺虫剤「アースエアゾール」の製造を開始した。
そして、申立人は、昭和39年に自己の商号を商標と同じ「アース製薬株式会社」に変更をし、昭和40年に電気蚊取器「電子アース」及び電気蚊取マット「アースマット」の製造を開始した。
さらに、申立人は、昭和45年に大塚グループに編入して、各種医薬品及びゴキブリ捕獲器「ごきぶりホイホイ」、加熱蒸散型殺虫剤「アースレッド」、液体電子蚊取器「アースノーマット」、ジェット噴射式殺虫剤「アースジェット」、入浴剤「バスロマン」、芳香洗浄剤「セボン」、口中清涼剤「モンダミン」と次々にユニークなヒット商品を生み出し、その商品の優秀性等とあいまって、「アース」は、我が国において、周知著名な商標となっている(甲2?甲9)。
(2)商標使用の状況
申立人は、上記(1)のとおり、相当に古くして、かつ、広範囲にわたる実績を有するものであり、その創業当初から「アース」、「EARTH」を多くの商品に使用し、新聞や雑誌等で宣伝しており、現在に至っている(甲10?甲64)。
そして、「アース」及び「EARTH」は、少なくとも本件商標の登録出願日(平成29年2月17日)以前において、申立人の製造、販売する商品であることが全国で広く知られて周知著名な商標となっている。
(3)本件商標の分析
本件商標は、「EARTH BOTTLE」の文字を横書きしてなるところ、申立人の商標、商号と類似であることは明白であり、これについてなんら異論を挟む余地はない。
(4)本件商標と引用商標との比較
本件商標は、申立人の有する引用商標とは明らかに類似たるを免れないものである。
本件商標の「EARTH」と「BOTTLE」の間には明らかに空間を有しており、前部の「EARTH」と後部の「BOTTLE」に分断される。後部の「BOTTLE」は、「瓶、ボトル」の意味であり、本件商標の指定商品との関係では、単なる容器、入れ物を表わす言葉で識別性を有しないものであり、本件商標は、前部の「EARTH」がメインとなることは明白である。
また、特許庁における審査事例からも明らかである(甲105?甲107)。
したがって、一般の需要者は、本件商標の前部の「EARTH」を見たり聞いたりして、申立人と何らかの関連性があるかのように認識する。
(5)申立人に係る過去の異議事件
申立人は、過去において、「アース」の文字又は「EARTH」の文字との結合商標について登録異議の申立てをしてきたところ、その申立てに係る決定においては、申立人の著名商標である「アース」及び「EARTH」との関係で申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある旨認定されている(甲108?甲133)。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第3類「ヘアトリートメント,ボディオイル,化粧水,乳液,入浴剤(医療用のものを除く。),化粧品,シャンプー,ボディソープ,せっけん類,食器用洗剤,洗濯洗剤,歯磨き,室内用芳香剤」及び第5類「スプレー式室内消臭剤」(以下「登録異議の申立てに係る指定商品」という。)について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、商標登録を受けることのできないものである。

4 当審の判断
(1)「アース」の文字及び「EARTH」の文字に係る周知性について
申立人は、創業当初から現在に至るまでの間、「アース」、「EARTH」を多くの商品に使用し、新聞や雑誌等で宣伝していることから、「アース」及び「EARTH」は、少なくとも本件商標の登録出願日以前において、申立人の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして、全国で広く知られた著名商標となっている旨主張し、その主張に係る証拠として、甲第10号証ないし甲第64号証を提出している。
そこで、甲第10号証ないし甲第64号証をみると、これらは、昭和62年6月から平成28年5月までの間に発行された新聞や雑誌に掲載された申立人の業務に係る商品の広告であるところ、当該広告に係る商品の多くは、「家庭用殺虫剤」であり、また、当該広告において、商品の出所を表すものとして用いられているのは、「アース」の文字からなる商標であって、「EARTH」の文字からなる商標を用いているものは見当たらない。
その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願時(平成29年2月17日)及び登録査定時(同年8月7日)において、「EARTH」の文字からなる商標が、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていると認めるに足る事実は見いだせない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「アース」の文字からなる商標は、申立人の業務に係る商品「家庭用殺虫剤」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標といえるものの、「EARTH」の文字からなる商標については、そのような商標とはいえない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 本件商標は、「EARTH BOTTLE」の文字を書してなるところ、当該文字は、同じ書体及び大きさをもって、視覚的にまとまりよく表されており、また、その構成全体から生じる「アースボトル」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものであり、さらに、本件商標は、平易な英語からなるから、その構成全体から「地球の瓶」ほどの観念を容易に生じるものである。
上記のとおり、本件商標の構成並びに本件商標から生じる称呼及び観念からすれば、本件商標は、その構成全体を一体のものとして看取、理解されるといえるものであり、殊更、その構成中の「Earth」の文字部分のみが分離して看取されることはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、「アースボトル」の称呼のみを生じ、「地球の瓶」ほどの観念を生じるものである。
イ 引用商標は、上記2(1)のとおりの構成からなる商標及び別掲のとおりの構成からなる商標であるところ、これらのうち、申立人が自己の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている旨主張する商標は、「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標である。
しかしながら、上記(1)のとおり、「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標のうち、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(家庭用殺虫剤)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものは、前者のみである。
そうすると、本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性を判断するに当たり、本件商標との比較の対象となるのは、「アース」の文字からなる商標というべきであるところ、当該商標は、「アース」の称呼を生じ、「(家庭用殺虫剤のブランドとしての)アース」といった観念を生じるものである。
ウ 上記ア及びイを踏まえ、本件商標と「アース」の文字からなる商標とを比較すると、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、「EARTH BOTTLE」の文字を書してなり、「アースボトル」の称呼を生じ、「地球の瓶」ほどの観念を生じるものである。
他方、引用商標は、上記2(1)のとおり、「アース」の文字若しくは「EARTH」の文字からなる又は「アース」の文字若しくは「EARTH(Earth)」の文字を構成中に含んでなる商標及び別掲のとおり、図案化した地球のみからなる商標であるが、それぞれの外観、称呼及び観念を総合勘案してみても、本件商標との比較において、相紛れるおそれがあると認めるに足るものは見いだせない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標が、少なくとも本件商標の登録出願日以前において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、全国で広く知られて周知著名な商標となっていることを前提として、本件商標に接する一般の需要者は、本件商標の構成中の「Earth」の文字部分を見聞きして、申立人と何らかの関連性があるかのように認識するとして、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張する。
しかしながら、申立人による上記主張に関し、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(家庭用殺虫剤)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていたと認められる商標は、上記(1)のとおり、「アース」の文字からなる商標のみであるし、当該商標と本件商標とを比較しても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものというべきであることは、上記(2)のとおりである。
そうすると、本件商標は、これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、需要者をして、申立人の業務に係る商標(「アース」又は「EARTH」の文字からなる商標)を連想、想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(申立人が引用する登録第1365189号商標)



異議決定日 2018-03-20 
出願番号 商願2017-19193(T2017-19193) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W0305)
T 1 652・ 25- Y (W0305)
T 1 652・ 261- Y (W0305)
T 1 652・ 263- Y (W0305)
T 1 652・ 262- Y (W0305)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小田 昌子 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 中束 としえ
大森 健司
登録日 2017-09-01 
登録番号 商標登録第5977168号(T5977168) 
権利者 カラーズ株式会社
商標の称呼 アースボトル、アース、ボトル 

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