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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X25
管理番号 1339314 
審判番号 取消2017-300191 
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-03-15 
確定日 2018-03-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第5197886号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5197886号商標の指定商品及び指定役務中,第25類「被服」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5197886号商標(以下「本件商標」という。)は,「ベビーシャワー」の文字を標準文字で表してなり,平成20年6月9日に登録出願,同年12月9日に登録査定され,第25類「被服,履物」及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として,同21年1月16日に設定登録されたものである。
本件審判の請求の登録日は,平成29年3月29日である。

2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定商品中,第25類「被服」について,継続して3年以上日本国内において使用されていないから,商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人が提出した乙第1号証及び乙第2号証からは,本件商標権者あるいはその使用権者が,本件商標が第25類の商品「被服」について,我が国において,本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)に使用していた事実は立証されていない。
ア 乙第1号証及び乙第2号証について
被請求人は,「赤ちゃんを中心としたすてきなコミュニティショップ“BABY SHOWER”百貨店向け事業計画案」と題する書面(乙1。以下「本件事業計画案」という。)及びその送付案内(乙2。以下「本件送付票」という。)を提出しているが,以下のとおり,いずれも本件商標の使用を示すものではない。
(ア)本件事業計画案(乙1)は,「03/02/2015」時点において,本件商標権者が本件事業計画案に記載された事業を行う計画を有していたことが推察される提案書にすぎず,本件事業計画案の表紙の記載や,本文中の「アメリカには,出産直前に生まれ来る赤ちゃんと母親のために『祝い品』を贈る“BABY SHOWER”という習慣があります。(中略)“BABY SHOWER”はそんなすてきな習慣をインターネットでアレンジして,もっと贈り物を気軽に贈り合えるよに,サポートするシステムです。」及び「“BEBY SHOWER”ブランドの衣料品や靴,化粧品等々の立ち上げなどについても検討する必要があります。」(かぎ括弧内は,いずれも原文のまま。)との記載などを鑑みれば,あくまで本件事業計画案は,株式会社我龍社(以下「我龍社」という。)に対して,百貨店に向けた上述のようなコンピュータシステム(インターネットウェブサイト)に関する事業計画を売り込む提案であったと看取でき,このようなものは本件商標の使用を示す証拠とはいえない。
(イ)本件送付票(乙2)は,本件商標権者が本件事業計画案を我龍社に送付した事実を推察させるにすぎず,本件送付票の題名や本文中に本件商標を表示することは,商標の使用に該当しない。
(ウ)本件事業計画案及び本件送付票は,後から容易に日付や内容等のデータが修正可能な客観性を欠く書面であり,このような証拠を本件商標の使用の根拠とすることはできない。
イ 結論
被請求人提出の証拠からは,本件商標権者が,平成27年2月から3月の間に,我龍社に対して,「BABY SHOWER」(ベビーシャワー)という名称のコミュニティショップに関するコンピュータシステム(インターネットウェブサイト)を百貨店に売り込む提案をした事実が推察されるにすぎず,本件要証期間内に,本件商標が商品「被服」について使用されていた事実を示す根拠とはならない。

3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
(1)答弁の内容
被請求人は,本件要証期間内に,使用の意思をもって事業計画を策定し,第三者と交渉及び共同事業を進めており,本件商標の使用に該当する。
ア 本件事業計画案(乙1)について
本件事業計画案は,平成27年3月2日に,本件商標権者が,本件商標をその指定商品「被服」に使用する事業計画を有していたことを示す書証である。その表紙に記載された「BABY SHOWER」の文字は,本件商標と実質的に同一の商標である。
そして,本件事業計画案の10葉目には,「8.販売戦略」の見出しの下,「実店舗を併用した販売戦略を計画」,「ベビー用品だけでなく母親の衣料や化粧品などの売上アップが期待できる」及び「“BABY SHOWER”ブランドの衣料品や靴,化粧品等々の立ち上げなどについても検討」などの記載があり,本件要証期間内に,本件商標を使用の意思を持ってその指定商品について使用する事業計画を有しており,商品の説明などに本件商標を実質的に使用していた。
イ 本件送付票(乙2)について
本件送付票は,平成27年2月4日に,本件商標権者が,本件商標を指定商品「被服」に使用する事業計画案を,第三者に送ったことを示す書証である。本件送付票には,本件商標をブランド名として,ベビー衣料やシューズなどの商品に使用する計画を立てている旨が記載されており,本件商標を被服について使用する事業計画の存在が示されている。
ウ 余論
本件商標権者は,本件商標を,その使用の意思をもって出願,登録したが,その事業形態から,単独で商標を使用するのではなく,百貨店など,多数のテナントを有する相手方との共同事業として,ベビーシャワーブランドの衣料への展開を事業計画の柱としている。実施にあたっては,共同事業者に,本件商標の通常使用権を許諾する予定である。
被請求人は,本件事業計画案(乙1)以外にも,本件商標を用いた事業計画を複数立案し,共同事業者との交渉,提携を進めている。
(2)商標法第50条第2項ただし書該当性(審尋に対する回答)
上記(1)のとおり,本件商標は,本件要証期間内に,使用の意思を持って事業計画を策定し,第三者と交渉及び共同事業を進めていた。これは,登録商標の使用に相当するものであるが,仮に使用に当たらないとしても,以下のとおり,不使用についての正当な理由がある場合(商標法第50条第2項ただし書)に該当する。
本件商標権者は,上記(1)ウで述べたとおり,共同事業者に,本件商標の通常使用権を許諾する予定である(乙3)。こうした商標の通常実施権の設定を伴う共同事業は,参加企業の意向があり,使用の意思をもって事業活動を進めても,実際の商品の発売にこぎ着けるまでには相当の年月を要する。
そして,特許庁が発行する審判便覧53-01によれば,商標法第50条第2項ただし書に規定する「正当な理由」に該当する場合として,「使用者に,請求人による審判請求の意思を知る以前から登録商標の使用について明確な使用計画があったとき」が掲げられている。
本件商標権者は,本件審判の請求の2年前から本件商標の使用について明確な使用計画を持っており,本件商標を使用していないことについて正当な理由があり,商標法第50条第2項ただし書の規定に該当する。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る証拠及びその主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 本件商標権者から我龍社に宛てた平成27年3月2日付け本件事業計画案には,その表紙には「“BABY SHOWER”」及び「百貨店向け事業計画案」の記載が,また,その文中には「8.販売戦略」の見出しの下,「“BEBY SHOWER”は,インターネットの双方向性を最大限に利用したショッピングシステム」,「ベビー用品だけでなく母親の衣料や化粧品などの売上アップが期待できる。」及び「“BEBY SHOWER”ブランドの衣料品や靴,化粧品等々の立ち上げなどについても検討する必要があります。」(審決注:かぎ括弧内は,いずれも原文のまま。)の記載がある(乙1)。
イ 本件商標権者から我龍社に宛てた平成27年2月4日付け本件送付票(乙2)には,「Comment:」欄に「ベビーシャワー事業計画案 1冊」と記載され,その文中には「商品は『ベビーシャワー』のブランド名を冠して販売する予定です。」及び「ベビー衣料やシューズ,離乳食など幅広い商品を網羅して,幅広く参加企業を募っていきたいと思います。」の記載がある。
(2)本件商標権者による本件商標の使用について
ア 上記(1)の認定した事実によれば,本件商標権者が主体となる「BABY SHOWER」(ベビーシャワー)と称するショッピングシステムに関する事業計画(本件事業計画案)が,本件要証期間内である平成27年3月の段階で我龍社との間で交渉されており,その取扱商品として「ベビー用品」,「母親の衣料」又は「ベビー衣料」などがあり得ることが示されているが,将来的に本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を表示した上記商品が製造,販売される可能性が示唆されているのみで,同時点で本件商標権者又はその使用権者によって,本件商標が付された上記商品が製造,販売されていたことをうかがわせる証拠はない。
イ 本件事業計画案(乙1)は単に事業計画の内容を示す書面で,本件送付票(乙2)も当該事業計画と関連する書面を取引先に送付する際に添付する送付票にすぎないため,いずれも同事業における取扱い予定商品と具体的関係を有する広告又は取引書類ではなく,その他に,本件審判の請求に係る指定商品に関する広告又は取引書類に本件商標が付されていたことを示す証拠はない。
ウ 本件送付票に表示された「ベビーシャワー」の片仮名は,本件商標とは同一文字からなる社会通念上同一の商標であり,また,本件商標「ベビーシャワー」から想起し得る欧文字は,通常,「BABY SHOWER」であるといえるから,本件事業計画案に表示された「BABY SHOWER」の欧文字は,本件商標とは,文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる社会通念上同一の商標である。
エ 以上のとおり,本件要証期間内に,本件商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって,本件審判請求に係る商品について,本件商標を付した製品が,製造又は販売されていたことや,本件審判の請求に係る指定商品に関する広告又は取引書類に本件商標を付して展示又は頒布等されていたことを示す証拠はなく,その他に,本件商標が使用されていたことは,本件全証拠によってもこれを認めるに足りる証拠はない。
(3)本件商標の使用をしていない正当な理由について
ア 商標法第50条第2項の登録商標をしていない「正当な理由」について
商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」とは,地震等の不可抗力によって生じた事由,第三者の故意又は過失によって生じた事由,法令による禁止等の公権力の発動に係る事由その他の商標権者,専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰することができない事由が発生したために,商標権者等において,登録商標をその指定商品又は指定役務について使用することができなかった場合をいうと解するのが相当である(参照:平成22年(行ケ)第10013号,平成22年12月15日,知的財産高等裁判所判決)。
イ 被請求人の主張について
(ア)被請求人は,本件商標権者は本件要証期間内から,将来的にベビー用品や衣料などを取り扱う「BABY SHOWER」と称するショッピングシステムに関する事業計画を企画し,共同事業者に本件商標の通常使用権を許諾するために交渉を行っており,共同事業者として参加する企業の意向もあり,実際の商品の発売にこぎ着けるまでには相当の年月を要することが,本件商標が要証期間内に使用されていない理由である旨主張する。
しかしながら,このような事情は,事業を企画,遂行するにあたって当然生じる事情にすぎず,本件商標権者や将来的に使用権者となるべき者とは無縁に生じているような事情でもなく,上記アのいずれの事由にも該当せず,その他に,上記アのいずれかの事由に該当するような事情の存在を認めるに足りる証拠もない。
(イ)被請求人は,商標法第50条第2項ただし書の「正当な理由」について,審判便覧53-01の記載を提示した上で,本件商標権者は要証期間内から本件商標の使用について明確な使用計画を持っていたため,同項ただし書の正当な理由に該当する旨主張する。
しかしながら,被請求人の提示する審判便覧53-01は,商標法第50条第3項ただし書にある,いわゆる駆け込み使用の正当理由に関するものであるから,その主張は根拠を欠く独自の見解であって,到底採択することはできない。
(ウ)したがって,被請求人の上記主張は,いずれも採用することはできない。
ウ 小括
以上のとおり,本件要証期間内に,本件商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって,本件審判請求に係る指定商品について,本件商標が使用されていないことについて,商標法第50条第2項ただし書に基づく正当な理由があることを認めるに足りる証拠はない。
(4)まとめ
以上のとおり,被請求人が提出した証拠によっては,被請求人が,本件要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件商標を本件審判の請求に係る指定商品について使用していないことについて,商標法第50条第2項ただし書に基づく正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって,本件商標は,商標法第50条の規定により,指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-01-22 
結審通知日 2018-01-26 
審決日 2018-02-06 
出願番号 商願2008-44778(T2008-44778) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (X25)
最終処分 成立 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
田村 正明
登録日 2009-01-16 
登録番号 商標登録第5197886号(T5197886) 
商標の称呼 ベビーシャワー、シャワー 
代理人 青木 篤 
代理人 特許業務法人明成国際特許事務所 
代理人 田島 壽 
代理人 下出 隆史 
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