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審決分類 審判 査定不服 商品と役務の類否 登録しない W1618
審判 査定不服 観念類似 登録しない W1618
審判 査定不服 外観類似 登録しない W1618
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W1618
管理番号 1339268 
審判番号 不服2017-13979 
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-21 
確定日 2018-03-19 
事件の表示 商願2016-52646拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「シンクスモール」の片仮名を標準文字で表してなり,第16類「紙類,文房具類」及び第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,皮革製包装用容器,洋傘袋」を指定商品として,平成28年5月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5694673号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成25年12月20日登録出願,第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同26年8月15日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,「シンクスモール」の片仮名を標準文字で表してなるところ,全体として特定の意味を有する成語ではなく,その構成も間隔や区切りなく横一連に表してなることから,特定の意味を有する語を組みあわせたものとは直ちに認識,把握できないため,全体として特定の意味を有しない造語を表してなるものと認識,理解されるものであり,その構成文字に相応して「シンクスモール」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は,左側に略「S」字状の構成よりなる太線を,外縁が円形となるように描いた黒塗りの図形を配し,その右側に1字程度の間隔を空けて,「SYNCSMALL」(「A」の文字は,中央上部に頂点を有する山型線の内部に三角形を配するように図案化されている)の欧文字を黒字で横書きしてなるところ,左側の図形部分と右側の文字部分は,間隔を空けて配置されており,それぞれの構成態様(図形と文字)及び大きさの相違から,両者は視覚上分離して認識,看取されるものである。また,左側の図形部分は,右側の文字部分の頭文字「S」を図案化して併記した可能性を示唆するとしても,その図案化の程度が顕著であるため,これより直ちに特定の称呼及び観念が生じるものではないというべきであるから,右側の文字部分と特段の称呼及び観念上のつながりはみられない。
そうすると,引用商標は,その図形部分及び文字部分を,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく,その構成中の図形部分及び文字部分のそれぞれを要部として抽出し,これを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。
そして,引用商標の右側の文字部分は,中央上部に頂点を有する山型線の内部に三角形を配した図案化した部分を含んでなるところ,当該図案化部分は,他の文字と横一連に連続して,同じ大きさで,一体的に配置されており,その構成上の特徴も,欧文字「A」を構成する山型線及び中央横線に相当する特徴を備えていることから,全体として「SYNCSMALL」の文字を表してなると容易に理解できる。
そのため,引用商標の要部である文字部分からは,その構成文字に相応して「シンクスモール」の称呼が生じ,特定の意味を有する語とも認識できないため,特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の要部である文字部分を比較すると,称呼においては「シンクスモール」の称呼を共通にするが,いずれも特定の観念は生じないため,観念においては比較できない。また,両者の外観は,図案化した文字の有無や文字種(片仮名と欧文字)に相違があるものの,引用商標の文字部分を片仮名で表記したものが本願商標に相当し,実際の取引においては,欧文字で表した商標を片仮名で表記するなど,相互に置き換えた表記も一般的に行われていることや,本願商標が平易な書体からなるものであって,本願商標の外観は,取引者,需要者に対し,特段印象付けられるものではないことからすると,両者の外観における差異は,取引者,需要者に対し,特段印象付けられるものではない。
そうすると,本願商標と引用商標の要部である文字部分は,称呼を共通にし,観念においては比較できないものの,外観における差異も特段印象付けられるものではないから,これらを総合的に勘案すれば,両者に時と所を異にして接するときは,誤認混同を生じるおそれがあるというのが相当である。
そのため,本願商標は,引用商標とは,その要部の比較において相紛らわしい商標であり,互いに類似する商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定商品中,第16類「紙類,文房具類」並びに第18類「かばん類,袋物」及び「携帯用化粧道具入れ,洋傘袋」は,それぞれ引用商標の指定役務中,第35類「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,それぞれ取り扱い及び販売される商品において共通するため,商品の販売及び役務の提供が同一業者によって行われるのが通常で,その商品の販売場所と役務の提供場所,需要者の範囲も一致することから,それぞれの商品と役務の間に出所の混同を生じるおそれがあるものであり,相互に類似するものと認められる。
(5)請求人の主張について
請求人は,本願商標と引用商標は類似しない旨を主張し,その証拠として甲第1号証ないし甲第200号証を提出するところ,以下のとおり,いずれの主張も採択できない。
ア 請求人は,引用商標の具体的な取引においては,「S」の文字を模した図形部分と「SYNCS」の文字部分は赤色,「MALL」の文字部分は黒色を主体として表されており(甲3),このような具体的な取引状況を鑑みれば,引用商標は図形部分を含めた一体不可分の商標と認識されるものであるし,小売等役務の具体的な取引状況を鑑みれば,商標の類否は外観を重視すべきであるといえるから,本願商標と引用商標は,「S」の文字を模した図形部分の有無に明らかな差異があるため,両商標は類似するとはいえない旨主張する。
しかし,商標法第4条第1項第11号は,商品又は役務の出所の混同を防止し,先願で,かつ,先登録の商標権が設定されている場合にこれと抵触する商標の登録を認めない旨を規定したものであり,請求人の主張する引用商標の具体的な取引における色彩の塗り分けは,引用商標からは直接確認できず,当該取引の実情は,今後も変化する余地のある,現在の取引の実情の一側面にとどまるものであるから,上記(3)のとおり,引用商標について,その構成中「SYNCSMALL」の文字部分を引用商標の要部と認定して,本願商標との類否を判断することに,特段の問題はない。
イ 請求人は,本願商標は,「THINK」と「SMALL」の英語を片仮名表記したものと直感でき,その称呼は「シンク・スモール」の2音節の称呼となる一方で,引用商標の文字部分は,具体的な取引の実情における色彩の塗り分けなどから,「SYNCS」と「MALL」の欧文字よりなることは容易に推察できるため,その称呼は「シンクス・モール」となるため,両者は語調,語感が異なり聴別可能で,称呼において類似しない旨主張する。
しかし,本願商標及び引用商標には,請求人主張のような音節の有無を直ちに理解させるような構成上の特徴や記号などもないため,そのような音節を前提として両者の称呼を比較することは適切ではなく,上記(3)のとおり,両者から生じる称呼が共通するものと認定して,両商標の類似を判断することに,特段の問題はない。
(6)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似し,その指定商品も,引用商標の指定役務と類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (引用商標)



審理終結日 2018-01-22 
結審通知日 2018-01-26 
審決日 2018-02-06 
出願番号 商願2016-52646(T2016-52646) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W1618)
T 1 8・ 265- Z (W1618)
T 1 8・ 263- Z (W1618)
T 1 8・ 261- Z (W1618)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子豊島 幹太山本 敦子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
阿曾 裕樹
商標の称呼 シンクスモール 
代理人 岡田 全啓 

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