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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
管理番号 1338385 
異議申立番号 異議2017-900274 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-08 
確定日 2018-03-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5954938号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5954938号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5954938号商標(以下「本件商標」という。)は,「Chako’s」の文字を横書きしてなり,平成28年12月15日に登録出願,同29年5月11日に登録査定,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第25類「被服,履物,仮装用衣服」を指定商品として,同年6月16日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の3件であり,いずれも登録商標として現に有効に存続しているものである(以下,これら3件の商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 国際登録第613333号商標(以下「引用商標1」という。)は,「CHACOK」の欧文字を横書きしてなり,2014年(平成26年)8月1日に国際商標登録出願(事後指定),第18類「Leather and imitation leather, articles made thereof, not included in other classes; skins, hides and pelts; trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks; whips, harness and saddlery.」及び第25類「Clothing including boots, shoes and slippers.」を指定商品として,平成27年12月11日に設定登録されたものである。
2 登録第2018923号商標(以下「引用商標2」という。)は,「CHACOK」の欧文字を横書きしてなり,昭和60年12月3日に登録出願,第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年1月26日に設定登録され,その後,平成21年1月21日に指定商品を第14類「身飾品(『カフスボタン』を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品」,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(『造花の花輪』を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録第5777504号商標(以下「引用商標3」という。)は,「CHACOK」の欧文字を標準文字で表してなり,平成26年10月16日に登録出願,第35類「被服・履物・帽子・宝飾品・サッシュ・スカーフ・ミトン・ベルトの小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服・履物・帽子・宝飾品・サッシュ・スカーフ・ミトン・ベルトの販売を目的とした、各種通信媒体による商品の紹介,広報活動の企画,広告,広告場所の貸与,広告物の配布,ダイレクトメールによる広告,広告物の更新,コンピュータデータベースへの情報構築,商業又は工業の管理に関する助言,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,フランチャイズ事業の管理,フランチャイズの設立及び運営に関する事業についての助言,被服に関するフランチャイズについてのマーケティングに関する助言,事業の管理・組織及びフランチャイズとして商業的な会社を経営するためのコンサルティング,市場分析,取引相手先の商業及び事業に関する情報の提供,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,コンピュータデータベースへの情報編集,広告用具の貸与」を指定役務として,同27年7月10日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。なお,甲号証において,枝番号を有するもので,枝番号のすべてを引用する場合は,枝番号の記載を省略し,甲各号証の表記にあたっては,「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)商標の類否の検討
本件商標は,「Chako’s」の欧文字をごく一般的な書体にて一連に横書きしてなるものである。一方で,引用商標は,「CHACOK」の欧文字をごく一般的な書体にて一連に横書きしてなるものである。
本件商標と引用商標を比較した場合,第1文字目「C」,第2文字目「h/H」,第3文字目「a/A」,第5文字目「o/O」において,大文字・小文字の差異はあるものの,構成文字が共通している。そして,本件商標の冒頭の5文字「Chako」と,引用商標の冒頭の5文字「CHACO」は,ともに「チャコ」の称呼を生じる。
本件商標と引用商標とは,記号「’」を除けば,共に6文字の欧文字から構成されるところ,全体6文字中の4文字が共通しており,とりわけ,看者の目に付きやすい語頭の3文字において共通しているから,外観上相紛らわしい。
本件商標は,全体として「チャコズ」の称呼を生じるか,または,所有格を表示する「’s」を除いた「Chako」部分から独立した「チャコ」の称呼を生じる。一方で,引用商標は,通常の日本人の語学力に照らせば,英語風またはローマ字風に発音するのが自然であり,「チャコク」及び「チャコック」の称呼を生じる。両商標から生じる称呼を比較すると,全体が2ないし3音程度の短い称呼である中で,商標の類否を決定する上で重要な語頭において「チャコ」の音を共通にしている。それゆえ,両商標は,称呼上相紛らわしい。
本件商標及び引用商標は,いずれも特定の観念を認識させない造語であるから,観念により本件商標と引用商標を区別することは困難である。
本件商標及び引用商標の指定商品等の分野(かばん類,袋物,被服,履物等)に関し,それらがごく一般的な身の回り品であることを考慮すると,需要者は購入等に際し,常に高度の注意力を持って商標を観察するとは限らない。
本件商標及び引用商標はいずれも造語として,特定の観念を認識させないものであるところ,比較的注意を引きやすい語頭部分において外観及び称呼を共通にする両商標は,出所混同のおそれがある。
以上のとおり,両商標は,外観,称呼及び観念を総合して全体的に観察した場合,相紛らわしく,類似する。
(2)指定商品及び指定役務の類否の検討
本件商標は,その指定商品に,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第25類「被服,履物」を含んでおり,かかる商品は,引用商標1の第18類「Leather and imitation leather, articles made thereof, not included in other classes; trunks and suitcases」及び第25類「Clothing including boots, shoes and slippers」,引用商標2の第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」,及び引用商標3の第35類「被服・履物・帽子・宝飾品・サッシュ・スカーフ・ミトン・ベルトの小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の指定商品及び指定役務と同一又は類似の関係にある。
(3)小括
以上より,本件商標は引用商標と類似の商標であり,かつ,その指定商品及び指定役務も抵触する関係にあるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
(1)引用商標の周知性
引用商標は,少なくとも本件商標の登録出願時には,服飾関連のファッション業界において,申立人の展開するファッションブランドを表示する商標として,我が国を含む世界各国において周知性を獲得していた。
ア 申立人のブランド「CHACOK」について
申立人が展開するファッションブランド「CHACOK」(以下「申立人ブランド」という。)は,1971年に,フランスにおいてデザイナーであるArlette Decockにより設立されたブランドで,1974年には,服飾の新作発表の一大イベントであるパリ・コレクション(パリコレ)にデビューし,フランスを中心に世界に向けて展開されている女性向けのファッションブランドである。
1980年代以降,フランスの他に,モントリオール(カナダ),東京(日本),シカゴ(米国),ロンドン(英国)など,フランスの12店舗を含めて,世界で約20のブランド直営店舗を構えている(甲5?甲8)。
申立人ブランドの名の下に製造・販売されている具体的な商品は,色彩・模様が鮮やかな個性的デザインのハイエンドな女性向けの被服及びかばん類等である(甲9)。
申立人ブランド及びその商品は,「ELLE」及び「Vogue」等の有名な女性向けファッション雑誌に取り上げられており,当該雑誌において広告宣伝も行われている(甲8)。
申立人ブランドの2017年における雑誌掲載情報をまとめた資料(甲10),申立人のオフィシャルウェブサイト上に掲載されている「PRESS REVIEW」のページ(甲11)及び2016年2月から2017年10月までの間に,申立人ブランドの商品が掲載された雑誌(甲10,甲11)から,申立人ブランドの商品が,多くの有名なファッション雑誌に紹介されている。
申立人ブランドの商品は,世界的に有名な女優やダンサー,モデル等を起用して広告宣伝されており(甲12),世界全体における申立人ブランドの年間の広告宣伝費は,2012年から2016年の5年間について,平均8880万円となっており,多額の広告宣伝費用が投下され,広告宣伝活動が行われている。
現在では,申立人ブランドは,FacebookやInstagram等のソーシャルネットワークサービスを活用した情報発信も積極的に行っている(甲8,甲14)
イ 我が国におけるブランドの展開
我が国では,東レ・ディプロモード株式会社(以下「東レ・ディプロモード社」という。)が申立人ブランドの取り扱いを行っている(甲6,甲15)。そして,東京都中央区銀座には東レ・ディプロモード社が運営する申立人ブランドの直営店舗があり,2016年4月7日には,ブランドイメージの刷新に併せてリニューアルオープンをしている(甲15,甲16)。
申立人ブランドの商品は,銀座の直営店舗の他にも,百貨店や専門小売店舗(ブティック)においても扱われている。専門小売店舗では,申立人の商品を積極的に扱い,自社でファッションショーを開くなど,その魅力を顧客に発信しようとする取り組みに力を入れている小売事業者が見られる(甲17)。また,他にも,ブログにおいて申立人ブランドの商品に関する情報発信を積極的に行っている複数の小売事業者が見られる(甲18)。
ウ 我が国における売上金額
我が国における,申立人ブランドの年間の売上金額は,2012年から2016年までの平均は,約1億1753万円であり(甲13),我が国において申立人ブランドのファッション商品は高い売上金額を誇っている。
エ 我が国におけるブランドコレクションの紹介
申立人ブランドは,2016年から若手のデザイナーをアートディレクターとして起用し,新しいデザインチームのもとに,ブランドイメージを刷新しており,注目を集めている。我が国でも,東レ・ディプロモード社のウェブサイト上において,2016年コレクションの紹介や銀座の直営店舗のリニューアルなど,刷新された申立人ブランドに関する情報が発信されている(甲19)。
また,ブランドイメージが刷新された2016年春夏及び秋冬コレクションについて詳しく紹介している業界紙,ウェブニュース及びウェブマガジンの記事などが見られる(甲20)。
このように,ブランドイメージを刷新した申立人ブランドとその最新のコレクションは,我が国においても注目を集めている。
オ まとめ
以上のとおり,申立人ブランドは,フランス発の女性向けのハイエンドなファッションブランドとして,45年以上の長い歴史を有しており,世界に直営店舗を有し,現在でも有名なファッション雑誌にその商品が取り上げられるなど,世界的に人気が高く,注目を集めており,需要者に広く知られたものである。
ゆえに,引用商標は,我が国内において,申立人ブランドの商品を表示する商標として,需要者の間に広く認識されている。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する理由
ア 引用商標の周知性について
上記2(1)のとおり,引用商標は,申立人の展開するファッションブランドの商品を表示する商標として,本件商標の登録出願時には既に,日本国内における需要者の間で周知となっていたものである。そして,申立人ブランドにおいては現に,少なくとも「被服」及び「かばん類」が取り扱われている(甲9)。
イ 商標の類否について
上記1(1)のとおり,本件商標と引用商標は,互いに相紛らわしく,類似する商標というべきである。
ウ 商品の類否について
本件商標は,その指定商品に,第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服」を含んでおり,かかる商品は,引用商標がファッションブランドの表示として周知性を獲得している商品と同一又は類似の関係にある。
エ 小括
以上より,本件商標は申立人が展開するファッションブランドの商品を表示するする商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と類似する商標であって,申立人のファッションブランドの商品と,本件商標の指定商品は類似するから,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由
ア 引用商標の周知性について
上記2(1)のとおり,引用商標は,申立人の展開するファッションブランドの商品を表示する商標として,本件商標の出願時には既に,日本国内における需要者の間で周知となっていた。
申立人ブランドにおいては現に,少なくとも被服及びかばん類が取り扱われているが(甲9),ファッションブランドにおいては,その他にも,関連する服飾商品・雑貨(例えば,履物や身飾品など)が広く扱われるのが一般的である。
混同を生じるおそれ
本件商標と引用商標とを比較すると,両商標は,比較的注意を引きやすい語頭部分において外観及び称呼を共通にする。
本件商標の指定商品は,いずれも,申立人ブランドにおいて現に取り扱われている商品(被服やかばん類)と関連性が高く,さらには,申立人が服飾関連商品として実際に取り扱う可能性のある商品である。
引用商標の周知性の程度,本件商標と引用商標の類似性の程度,商品間の関連性の程度に鑑みれば,本件商標がその指定商品に使用された場合には,需要者は,申立人の業務に係る商品と誤認し,又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認して,商品の出所について混同するおそれがあるというべきであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 申立人は,1971年(昭和46年)にフランス・コートダジュールで,デザイナーのアーレット・デコックが設立し,フランスを中心にシカゴ,モントリオール及びロンドンなどに20店舗(直営店)を構えていること(甲5,甲6,甲15)。
イ 引用商標は,女性向けの被服・かばん類に使用され,2016年(平成28年)及び2017年(平成29年)に英文又は仏文により作成された商品カタログが申立人のオフィシャルサイトに掲載され,「ELLE」及び「Vogue」等の女性向けファッション雑誌に取り上げられる等,広告宣伝されたこと(甲9?甲11)。
ウ 引用商標に係る商品の広告宣伝は,女優やダンサー,モデル等を起用し(甲12),英文又は仏文によりFacebookやInstagram等のソーシャルネットワークサービスを活用して情報発信を行っていること(甲14)。
エ 我が国では,東レ・ディプロモード社が引用商標に係る商品の取り扱いを行い(甲6,甲15),平成28年4月8日に東京の銀座に専門に取り扱う直営店を出店し(甲15,甲16),直営店舗の他にも,別府市,浜松市,北九州市,徳島市及び帝国ホテルのアーケードに所在する専門小売店舗(ブティック)においても引用商標に係る商品が取り扱われていること(甲6,甲17,甲18)。
オ 我が国における申立人の引用商標に係る商品の年間の売上金額は,2012年(平成24年)から2016年(平成26年)について,平均約1億1753万円だが,毎年売上金額は下降しており,2016年(平成28年)には約4781万円となっており,申立人グループの広告宣伝費は,2012年(平成24年)から2016年(平成26年)までの年度平均が,約8880万円であること(甲13)。
カ 東レ・ディプロモード社のウェブサイト上において,引用商標とともに,引用商標に係る商品及び店舗の情報並びに動画等が発信され(甲19),また,引用商標とともに,2016年春夏及び秋冬コレクションについて紹介している業界紙,ウェブニュース及びウェブマガジンの記事などが見られること(甲20)。
(2)上記(1)の事実よりすれば,以下のとおり判断することができる。
ア フランス在の申立人は,引用商標「CHACOK」(シャコック)を使用した女性向けの被服・かばん類を取り扱っており,引用商標に係る商品は,海外の女性向けファッション雑誌に取り上げられ,また,女優やダンサー,モデル等を起用して広告宣伝し,ソーシャルネットワークサービスを活用して情報発信もした。
しかしながら,これらは,全て英文又は仏文により作成されたもので,これらの雑誌及びモデル等を起用し広告宣伝に係る情報が,我が国の需要者の認識に与える影響は明らかではない。
イ 我が国における引用商標に係る商品の年間の売上額は,5年間の平均で約1億2千万円程度で,直近の売上額では約5千万円程度であり,グループ全体の広告宣伝費も,年間平均で約9千万円程度と,売上額,広告宣伝費のいずれも多いとはいい難い。
ウ 申立人の引用商標に係る商品は,我が国において,東京銀座の直営店のほか専門小売店舗においても取り扱われているとしても,その店舗数は,限定的であり,また,直営店の運営会社や販売店などを通じて,引用商標に係る商品等に関する情報が発信され,業界紙等で紹介されているが,申立人が提出した証拠からはファッション雑誌などを通じた宣伝広告の具体的な回数及び内容等は,明らかではない。
エ その他,引用商標が,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国において,周知・著名性を獲得していたと認めるに足りる客観的証拠は見いだせない。
オ 以上からすると,申立人が提出した甲各号証の証拠によっては,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標が,申立人の業務に係る商品を表示する商標として,我が国の需要者の間で広く認識されていたものということはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,「Chako’s」の文字を横書きしてなるところ,その構成文字は一般的な辞書には掲載されておらず,一種の造語として認識されるものである。一般的に,特定の意味を有さない欧文字からなる造語にあっては,我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ文字読みで称呼するのが自然であるから,本件商標は,その構成文字に相応して「チャコズ」の称呼を生じるものである。
そして,本件商標は,「Chako」と「s」の間に「’」(アポストロフィ)が表されていることから,視覚上「Chako」と「s」とに分離して認識されるといえるものであり,また,「’s」の部分は,英語の名詞の所有格を示す語尾であるという以上に何かを特定するものではなく,「Chako」の語が辞書等に掲載が見受けられず,特定の意味を有しない造語と認識されるものであるから,本件商標は,当該文字部分に相応して,「チャコ」の称呼をも生ずるものであって,特定の観念は生じないものと認められる。
(2)引用商標
引用商標は,「CHACOK」の欧文字からなるところ,その構成文字が辞書等に掲載が見受けられず,特定の意味を有しない造語と認識されるものであるから,「チャコク」,「チャコック」及び「シャコック」の称呼を生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観
本件商標と引用商標の外観について比較すると,両者は,共に6文字ないし7文字という比較的短い文字構成にあって,前半の「Cha」と「CHA」の文字を共通にするものの,後半の「ko’s」と「COK」の文字部分において相違するものであるから,これらを時と所を異にして離隔的に観察しても,外観上互いに紛れるおそれはない。
また,本件商標中の「Chako」の欧文字部分と引用商標の外観について比較しても,後半の「ko」と「COK」の文字部分において相違するものであるから,外観上互いに紛れるおそれはない。
イ 称呼
本件商標より生ずる「チャコズ」及び「チャコ」の称呼と引用商標より生ずる「チャコク」及び「チャコック」の称呼とを比較すると,両称呼は,2音ないし4音という短い音構成からなり,語頭における「チャコ」の音を共通にするものとしても,語尾において「ズ」,「ク」,又は「ック」の音の相違又はそれらの音の有無に差異があるもので,それら差異音が比較的短い音構成よりなる両商標の称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを称呼するときは,全体の語調,語感が相違し,十分に聴別できるものである。
また,本件商標より生ずる「チャコズ」及び「チャコ」の称呼と引用商標より生ずる「シャコック」の称呼とを比較すると,両称呼は,構成音が相違し,十分に聴別できるものである。
ウ 観念
本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を生じないため,観念において比較することはできない。
エ そうすると,本件商標と引用商標は,観念において比較できないとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから,十分に区別することができる非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,両商標の指定商品が同一又は類似であるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表すものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
そして,本件商標と引用商標とは,上記2のとおり,相紛れるおそれのない,非類似の商標である。
そうすると,本件商標の指定商品と引用商標に係る商品とが関連性を有し,引用商標が造語であり独創性を有するとしても,引用商標が周知,著名ともいえず,本件商標とも相紛れるおそれのない非類似の商標であることを踏まえると,本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想,想起するようなことはないというべきであり,当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれはない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-02-26 
出願番号 商願2016-146695(T2016-146695) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W1825)
T 1 651・ 261- Y (W1825)
T 1 651・ 262- Y (W1825)
T 1 651・ 263- Y (W1825)
T 1 651・ 25- Y (W1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 早川 文宏
阿曾 裕樹
登録日 2017-06-16 
登録番号 商標登録第5954938号(T5954938) 
権利者 磯崎 弥子
商標の称呼 チャコズ、チャコ 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
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