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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09384145
審判 全部申立て  登録を維持 W09384145
審判 全部申立て  登録を維持 W09384145
管理番号 1338378 
異議申立番号 異議2017-900169 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-22 
確定日 2018-03-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5924267号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5924267号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5924267号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年10月4日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,ダウンロード可能な電子計算機用ゲームプログラム,ダウンロード可能なスマートフォン及び携帯情報端末用ゲームプログラム,ダウンロード可能なスマートフォン及び携帯情報端末用プログラム,ダウンロード可能なコンピュータプログラム,電子応用機械器具及びその部品,携帯電話機用のケース又はカバー,携帯電話機用附属品,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,ダウンロード可能な画像・映像・映画,録画済みDVD・ビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,アプリケーションソフトウェア,コンピュータプログラム,静止画及び動画を記録した記憶媒体」並びに第38類、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同29年1月31日に登録査定、同年2月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1333350号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2016年(平成28年)4月28日にTrinidad and Tobagoにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年10月28日に国際商標登録出願、第9類「Computer hardware; computer peripherals; wearable computer hardware; wearable computer peripherals; computer hardware and peripherals for remotely accessing, capturing, transmitting and displaying pictures, video, audio and data; downloadable computer software, namely, software for setting up, configuring, and controlling wearable computer hardware and peripherals; downloadable computer software and software applications for use in uploading, downloading, capturing, editing, storing, distributing and sharing photographic and video content and other digital data via global and local computer networks and via mobile devices; downloadable multimedia files containing digital audio and video files featuring user generated images, videos, multimedia files, and other digital data; computer software for accessing and transmitting data and content among consumer electronics devices and displays.」を指定商品として、平成29年7月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べた。
(1)標章の類似について
ア 引用商標は、時計文字盤の10時の位置が一部欠損した黒色の円と、その黒色の円の同心円状に黒色円の円周を囲む外周円が構成する標章である。
また、引用商標の指定商品の需要者・取引者は、子供から高齢者まで多岐に渡る。そのため、引用商標の指定商品の具体的な技術内容を理解し他の競合する商品と識別するのではなく、むしろ、指定商品に表示された標章に着目し、商品購入時における識別・選択を行う。
特に、引用商標のような図形商標は、商品のいわゆる「アイキャッチャー」となり、需要者・取引者の記憶に残りやすい最も商品のリピート購入効果を発揮する標章である。
一方、引用商標のごとく図形のみからなる商標は、商品の需要者・取引者が標章を一瞥さえすれば無意識に記憶し、需要者・取引者は、簡易迅速な取引を尊ぶ商品取引市場において、目視できる図形商標の構成要素を詳細に分析し、かかる標章に接するものではない。
引用商標の指定商品の分野における需要者・取引者が、引用商標のような黒塗りの円形と外周円からなる図形商標を認識する前述の購買行動様式を前提に、引用商標と本件商標の類否を検討することが、正しい図形商標の判断手法である。
イ 本件商標は、時計文字盤の10時の位置が一部が欠損した黒色の円と、その黒色の円の同心円状に黒色円の円周を囲む外周円が構成する標章である。また、本件商標は、外周円の下辺の下部に虹色の切断円弧型図形を配する構成である。
ウ 次に引用商標と本件商標の形態要素の共通点と相違点を比較して検討する。
(ア)共通点について
まず、引用商標と本件商標は、次の図形の構成要素が共通する。
a 一部欠損の黒色円
b 時計文字盤の10時の位置にある欠損
c 黒色円の同心円状に存在する外周円
また、引用商標と本件商標は、その全体印象として、「瞳」若しくは「レンズ」という印象において共通する。
そして、これらの共通する要素は、引用商標及び本件商標の大部分の面積を占め、需要者・取引者が無意識であれ意識的であれ、認識せざるを得ない要素である。
特に、商標の類否判断において、類否判断を行うべき商標を同時に同一平面に配して考察することは、商品を時と場所を異にして購入する場合に、商品を混同して購入することの防止が商標の発揮する機能であることを考慮すると妥当ではない。すなわち、商標の類否判断は、需要者・取引者が商品購入の時と場所を異にした場合に、商品購入を誤認するか否か、いわゆる隔離観察を行うことが商標機能の役割から妥当である。
かかる隔離観察により引用商標と本件商標を比較すれば、前記の図形の共通要素が需要者・取引者に強い印象を与えるため、当初、引用商標に接した需要者・取引者が時と場所を異にして本件商標に接した場合、印象と記憶に残存する前記の要素を思いおこし、当初接した引用商標を直ちに想起することは明らかである。
(イ)相違点について
引用商標と本件商標との差異点は、本件商標が虹色切断円弧を有する点である。しかしながら、この差異点は商標全体に占める面積の割合は小さい。すなわち、需要者・取引者に与える印象は、商標類否の観察手法である隔離観察によれば、かかる虹色切断円弧は標章を認識する際に看過してしまう程度の弱い印象を持つにすぎない。
(ウ)「コブランディング(co-branding,共同ブランド)」との誤認のおそれ
本件商標と引用商標は、a)一部欠損の黒色円、b)時計文字盤10時の位置に存在する欠損、並びに、c)黒色円の同心円状に存在する外周円という需要者・取引者の注意を最も惹く図形要素において共通する。
よって、引用商標に接した引用商標の指定商品に関する需要者・取引者は、時と場所を異にして本件商標に接した場合、引用商標及び本件商標の指定商品が共に写真情報の共有と写真情報の共有を介したコミュニケーションを可能とするソフトウェアであるという共通点が相まって、本件商標は申立人の商標である引用商標との「コブランディング(co-branding)」商標であると誤認する可能性がある。しかしながら、このような事実並びに計画は無く、本件商標に接した需要者・取引者が本件商標を引用商標のコブランディング商標と誤認する蓋然性が高く、このことからも、本件商標は引用商標に類似する商標であると判断することができる。
換言すれば、本件商標は引用商標との標章に関する比較において、虹色切断円弧を有するにすぎない。具体的に引用商標と「虹色切断円弧」を削除した本件商標を比較すると次のとおりである。
本件商標から虹色切断円弧を除いた標章は、引用商標に外観上類似であることは明らかである。かかる高い類似性から、本件商標に接した需要者・取引者は、本件商標は引用商標とのコブランディング(共同ブランド)商標であると認識し、本件商標に接した需要者・取引者が、本件商標を付した指定商品は、本件商標の所有者と、それと共同に商品を提供する引用商標の所有者である申立人の業務に係るコブランディング商品であると誤認する蓋然性が極めて高い商標である。
(エ)総合評価
以上のとおり、引用商標と本件商標は、図形要素としての三つの共通点(前記a、b及びc)があり、さらには、「瞳」若しくは「レンズ」という共通する印象が存在する。一方、差異点として、虹色切断円弧の有無という差異があるが、この差異点が共通点を凌駕して、需要者・取引者に対して引用商標と識別できる程度の印象を与えることはない。よって、本件商標は引用商標に外観が類似する標章である。
また、本件商標は、引用商標とのコブランディングを想起させるほど外観において類似する商標である。
(2)指定商品の同一及び類似について
本件商標の第9類の指定商品が、引用商標の指定商品と類似関係にあることは明らかである。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は引用商標に標章が類似し、また、本件商標の第9類に属する指定商品も類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する商標である。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、黒色の太線で表された円輪郭の内側に左上部の一部を丸く切り欠いた黒塗りの円図形を描き、該円輪郭の下部の外周に沿って虹色のグラデーションで着色された円周の約4分の1の長さからなる円弧状図形を配した構成からなるものであり、全体として、一般に親しまれた事物を表したものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念は生じない。
そして、上記各構成要素である、円輪郭、円図形及び円弧状図形は、中心点を共有するようにまとまりよく一体的に表されており、構成中のいずれかの部分が、自他商品・役務の識別標識として、強く支配的な印象を与えるとみるべき理由は見いだせないものであって、本件商標は、その全体を不可分一体のものとして認識されるとみるのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、黒色の太線で表された円輪郭の内側に左上部の一部を丸く切り欠いた黒塗りの円図形を配した構成からなるものであり、一般に親しまれた事物を表したものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とを比較してみるに、本件商標を構成する、黒色の太線で表された円輪郭の内側に左上部の一部を丸く切り欠いた黒塗りの円図形を描いた部分(以下「上段の円図形部分」という。)と引用商標とは、構成の軌を一にする類似の図形であるとしても、上記アのとおり、本件商標は、「上段の円図形部分」と「虹色のグラデーションで着色された円周の約4分の1の長さからなる円弧状図形」とが、まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成中の「上段の円図形部分」を、独立して自他商品・役務の識別標識として機能する要部とみるべき格別の事情は見いだせないから、該図形部分のみを分離抽出して、これを他の商標と比較し、その類否を判断することは許されないというべきである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、共に特定の称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較することができないとしても、図形商標の類否を検討する上で重要な外観において、「虹色のグラデーションで着色された円周の約4分の1の長さからなる円弧状図形」の有無という顕著な差異を有するものであるから、両商標は、外観において、明らかに相違する商標として看取されるものであって、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であると判断するのが相当である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は、「隔離観察により引用商標と本件商標を比較すれば、前記の図形の共通要素が需要者・取引者に強い印象を与えるため、当初、引用商標に接した需要者・取引者が時と場所を異にして本件商標に接した場合、印象と記憶に残存する前記の要素を思いおこし、当初接した引用商標を直ちに想起することは明らかである。」、また、「引用商標と本件商標との差異点は、本件商標が虹色切断円弧を有する点である。しかしながら、この差異点は商標全体に占める面積の割合は小さい。すなわち、需要者・取引者に与える印象は、商標類否の観察手法である隔離観察によれば、かかる虹色切断円弧は標章を認識する際に看過してしまう程度の弱い印象を持つにすぎない。」と述べ、本件商標と引用商標とは、類似する商標である旨を主張し、さらに、「引用商標に接した引用商標の指定商品に関する需要者・取引者は、時と場所を異にして本件商標に接した場合、引用商標及び本件商標の指定商品が共に写真情報の共有と写真情報の共有を介したコミュニケーションを可能とするソフトウェアであるという共通点が相まって、本件商標は申立人の商標である引用商標との『コブランディング(co-branding)』商標であると誤認する可能性がある。」旨を主張している。
しかしながら、本件商標の「上段の円図形部分」のみが需要者等に強い印象を与えるとみるべき事情やその根拠はなく、同図形部分から直ちに引用商標が想起されるといえる程の、引用商標の周知性は立証されていないものであって、さらに、本件商標において、看る者の目を惹くように鮮やかな色彩が施された「虹色のグラデーションで着色された円周の約4分の1の長さからなる円弧状図形」部分を、看過してしまう程度の弱い印象を持つにすぎないとする合理的理由は何ら示されていない。
また、本件商標が引用商標とのコブランディングであると誤認する可能性についての主張は、上記(1)のとおり、両商標は、外観において明らかに相違する商標として看取されるものであるから、本件における商標法第4条第1項第11号の該当性の判断を左右するものではない。
したがって、上記申立人の主張は、いずれも採用することはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標:色彩については、原本参照。)


別掲2(引用商標)

異議決定日 2018-02-21 
出願番号 商願2016-107734(T2016-107734) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W09384145)
T 1 651・ 263- Y (W09384145)
T 1 651・ 262- Y (W09384145)
最終処分 維持 
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
中束 としえ
登録日 2017-02-17 
登録番号 商標登録第5924267号(T5924267) 
権利者 LINE株式会社
代理人 塩谷 信 
代理人 朝倉 美知 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 前田 大輔 
代理人 中村 知公 
代理人 岩瀬 ひとみ 
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