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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1338371 
異議申立番号 異議2017-900263 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-08-28 
確定日 2018-02-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5953748号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5953748号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5953748号商標(以下「本件商標」という。)は,「ORANGETHEORY」の文字を標準文字で表してなり,平成28年10月28日に登録出願,同29年5月29日に登録査定,第25類「被服,帽子,トップス,ボトムス,ワイシャツ類及びシャツ,スウェットシャツ,スウェットパンツ,ショートパンツ及びショーツ,ソックス,履物及び運動用特殊靴,リストバンド,運動用特殊衣服」及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として,同29年6月9日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
商標異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は,以下の2件であり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第4413156号商標(以下「引用商標1」という。)は,「Theory」の文字を標準文字で表してなり,平成10年6月17日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,帽子,ナイトキャップ,ヘルメット,すげがさ,ずきん,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として,同12年9月1日に設定登録されたものである。
2 登録第4436425号商標(以下「引用商標2」という。)は,「THEORY」の文字を標準文字で表してなり,平成10年12月2日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,帽子,ナイトキャップ,ヘルメット,すげがさ,ずきん,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服」を指定商品として,同12年12月1日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,その指定商品及び指定役務中,第25類「全指定商品」についての登録は,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。
1 引用商標の著名性について
(1)裁判所における認定
引用商標は,過去に「セオリー ドライブ」と「TheoryDrive」とを二段に書した登録第4560528号商標との類否及び出所の混同の有無について,無効審判事件及びその審決取消し請求事件において争われ(甲4,甲5),その著名性について,既に我が国において著名な商標として認定されている。
(2)現在に至るまでの状況
引用商標の著名性は,上記事件以降もますます強固なものとなり,取扱店舗は,平成18年時点で23店舗だったものが,現在では日本全国の有名デパートを中心におよそ4倍の99店舗に拡大し(甲6),売上も2017年度で250億円となっている。
さらに,申立人は,平成29年に,新たにミレニアル世代をターゲットとしたカプセルコレクションを発表したところ,各種メディアで一斉に配信され,高い注目度を集めている(甲7?甲17)。
そして,各種ブランド調査においても,引用商標ないし申立人の商品は,常時上位トップ5前後にランクインしている(甲18?甲21)。
このように,裁判所が引用商標を著名と認定した以降の数字によれば,その著名性が継続し,ますます強固なものとなっている。
よって,引用商標は,本件商標の登録出願時点において既に著名であり,その著名性は本件商標の登録査定時においても当然維持されていた。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)商品の抵触について
本件商標の第25類の指定商品は,引用商標の指定商品とそれぞれ抵触する。
(2)商標の類似について
本件商標は,欧文字で横一連に「ORANGETHEORY」と表してなり,「THEORY」が申立人の著名商標であって,他人の著名登録商標を含む商標は,外観構成のいかんにかかわらず,原則としてその登録商標に類似するのは審査基準の示すとおりであるから,引用商標と類似する。
加えて,本件商標は,「ORANGE」の文字部分と「THEORY」の文字部分とで識別力に顕著な相違がある。つまり,「ORANGE」は,「オレンジ色」の意味として極めて一般的な英単語であり(甲22),本件商標の指定商品が各種被服類及び履物類であることを考慮すると,本件商標中の「ORANGE」の文字部分は商品の品質(色彩)を表す自他商品識別力の弱い部分である。
さらに,被服等を扱うファッション業界においては,著名商標やハウスマークと色彩を結合した商標をもって,いわゆる「セカンドライン」を展開するという取引の実情がある。セカンドラインとは,品質・価格とも高級志向のメインブランド(ファーストライン)に対して,ファーストラインのエッセンスを取り入れながら,手の届きやすい価格帯に抑えた商品を展開し,幅広い需要者を取り込もうとするブランド戦略であって,こうしたファーストラインとセカンドラインを併せ持つことは今や一般的となりつつある(甲23)。
そして,そのセカンドラインについて用いられる商標として著名商標に色彩を示す語を結合させる場合が多くある(甲24?甲27)。
こうした取引の実情を考慮すれば,本件商標の「ORANGE」の文字部分は,商品の品質を表すのみならず,セカンドラインを示すために慣用される文字の一種にも該当する。
以上を踏まえると,本件商標は,その構成の一部に著名商標を含んでおり,これが取引者,需要者に対し,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることは疑いがなく,かつ,それ以外の「ORANGE」の文字部分が単に商品の品質やセカンドラインであることを示すための慣用表示の一種であって,そこから出所識別標識としての称呼,観念は生じないのであるから,本件商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも,許されるものである。
そうすると,本件商標は,「THEORY」の文字部分からも外観,称呼,観念が生じるものであって,これらは,引用商標の外観,称呼,観念と全く同じであるから,本件商標と引用商標は,相紛らわしい商標であって,商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の周知・著名性
引用商標は,既に我が国において著名な商標となっていたことが裁判所において認定されており,かつ,その後の販売店舗数の拡大や売上額の増加,各種メディアにおける露出度合等を見れば,その著名性が現在においても維持・発展していることは明らかである。
(2)「THEORY」の独創性
「theory」は,比較的平易な英単語であるが,「理論」,「学説」といった意味を有し,それを被服や履物類といった主として感性に訴えるファッション関連商品に採択することは独創的な着想であり,指定商品との関連を考慮すれば,その独創性は必ずしも低いとはいえない。
(3)本件商標と引用商標の類似性
本件商標は,その構成中の「ORANGE」の文字部分は商品の品質(色彩)を示すか,あるいはセカンドラインであることを慣用的に示す語の一種である一方,「THEORY」の文字部分は申立人の著名商標であるから,自他商品識別機能という点で顕著な相違がある。
したがって,本件商標に接する取引者,需要者は,本件商標中の「THEORY」の文字部分にのみ注目し,これを印象,記憶する。
そうすると,本件商標からは,「セオリー」の称呼と「理論,学説」等の観念を生じるものであり,これらは,引用商標のそれと完全に一致する以上,本件商標と引用商標には極めて高い類似性がある。
(4)商品の関連性
引用商標は,若い女性を中心とする幅広い女性消費者の間に,申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品を表示するものとして周知著名となっていたものである。
そして,本件商標の登録異議の申立てに係る指定商品の主たる需要者層に,こうした若い女性を中心とする幅広い女性消費者が含まれることは明らかである。
そうとすれば,本件商標の指定商品と引用商標が著名性を獲得している商品は,その性質,用途等において完全に一致するか,少なくとも極めて密接な関連性があり,需要者も共通するものである。
(5)取引の実情
ファッション業界においては,幅広い需要者に商品をアピールするため,価格帯を異ならせたファーストラインとセカンドラインを設けることが一般的に行われていることは上記のとおりである。
そして,その区別のために,著名なハウスマークに色彩を結合させることが慣用的に行われているという実情がある。
(6)混同のおそれ
上記のとおり,引用商標の広く各種被服における著名性,独創性,申立人が引用商標を使用し周知・著名となっている商品と本件商標の指定商品がかなりの範囲において重複すること,そして,その取引者,需要者も一致すること,その商品の提供者や取引者・需要者層の個別・具体的な関連性や共通性,加えて著名商標と色彩を組み合わせることでセカンドラインを表す取引の実情等を総合的に考察すれば,本件商標がその指定商品に使用された場合には,それがあたかも申立人の著名ブランドである「THEORY」に係る申立人の提供する商品であるかのごとく誤認され,そうでなくとも,これが「THEORY」シリーズのセカンドラインであるかのごとく誤認させる結果,商品又は営業上の出所混同を生じるおそれが極めて高い。
以上のとおり,本件商標がその指定商品について使用された場合は,申立人の著名商標に係る商品と出所の混同を生ずるおそれが高いものであり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,「ORANGETHEORY」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成各文字は,同じ書体,同じ大きさをもって視覚上まとまりよく一連に表されているものである。
そして,本件商標は,「オレンジセオリー」の称呼を生じるものであり,当該欧文字は,直ちに何らかの意味合いを認識させるとはいい難いものであるから,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標1は,「Theory」の文字を,引用商標2は,「THEORY」の文字を,それぞれ標準文字で表してなるものであるから,これらからは「セオリー」の称呼を生じ,「理論,学説」の意味を有する英語であるから,かかる観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標との類否について検討するに,両商標は,その構成文字において,語頭における「ORANGE」の文字の有無の差異を有するものであるから,明確に区別することができ,外観において相紛れるおそれはない。
そして,本件商標から生じる「オレンジセオリー」の称呼と引用商標から生じる「セオリー」の称呼とは,称呼の識別上,重要な語頭において「オレンジ」の音の有無という明確な差異を有するものであるから,称呼において相紛れるおそれはない。
また,本件商標は,観念を生じないものであるのに対し,引用商標は,「理論,学説」の観念を生じるものであるから,両商標は,観念において,相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから,本件商標の指定商品及び指定役務中の第25類「全指定商品」と引用商標の指定商品とが同一又は類似するものであるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
申立人が提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 申立人は,ニューヨーク在の女性用衣服を取り扱う者であり,そのファッションブランド「Theory」は,ワンピース,ニット,パンツなど様々なアイテムをラインアップし,2017年で20周年を迎える(甲8,甲9,甲12,甲15,甲17)。
イ 申立人の我が国における店舗数は,大手百貨店を含め,全国に99店舗があり(甲6),人気の服のブランドに関するインターネット上の記事情報によれば,「theory【セオリー】」は,「30代女性に人気の服(ファッションブランド)ランキング」として3位(甲18),「30代に人気のファッションブランドランキング」において4位(甲19),そして「30代人気ワンピースブランドランキング」において4位(甲20)と紹介されている。
ウ 申立人は,売上について,2017年度で250億円となっている旨述べた。
エ 申立人は,審決取消審判請求事件の判決を引用しながら,平成11年以降,平成13年まで継続して,女性ファッション誌に申立人の商品に関するファッション記事が掲載されたこと,我が国における申立人の商品の売上高は,約4億円(平成11年度),約26億円(平成12年度),約61億円(平成13年度)である旨を述べた(甲5)。
オ 上記認定事実及び申立人が審決取消請求事件を引用しながら主張する,申立人の商品の売上額及び広告実績を総合すれば,引用商標は,申立人の商品「女性用衣服」について使用された結果,本件商標の登録出願日及び登録査定日において,我が国の女性用衣服の需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
(2)出所の混同について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の商品「女性用衣服」について使用された結果,本件商標の登録出願日及び登録査定日において,我が国の女性用衣服の需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
しかしながら,引用商標の構成文字である「theory(THEORY)」の語は,「理論,学説」の意味を有する平易な英語であって,広く一般に認識されている成語であるから,その独創性は高いものではない。
また,上記1のとおり,本件商標は,引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,構成文字において「ORANGE」の文字の有無という顕著な差異を有する別異の商標である。
以上を踏まえると,本件商標は,本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはなかったものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 申立人の主張について
申立人は,「ORANGE」の文字部分は,商品の品質(色彩)を示すか,被服等を扱うファッション業界において,著名商標と色彩を結合し低価格帯に抑えた商品を意味するセカンドラインを示す取引の実情があるから自他商品識別力の弱い部分である旨主張している。
しかしながら,「ORANGE」の文字は,「オレンジ,オレンジ色」の意味を有する英語である(甲22)としても,本件商標のような構成においては,その構成中の前半に表された「ORANGE」の文字部分が,直ちに商品の色彩を表したものと認識されるとはいい難いものである。
そして,申立人が提出した証拠によれば,高級ブランドにおいては最近,デザインや品質にこだわっていて価格も高めな「ファーストライン」と,ファーストラインのエッセンスを取り入れながら,手の届きやすい価格帯に抑えている「セカンドライン」(甲23)があるとされ,「MONCLER」と「MONCLER GAMME BLEU」(甲24),「UNITED ARROWS」と「UNITED ARROWS green label relaxing」(甲25),「STRENESSE」と「STRENESSE BLUE」(甲26),「CRESTBRIDGE」と「BLUE LABEL/CRESTBRIDGE」及び「BLACK LABEL/CRESTBRIDGE」(甲27)の事例がある。
しかしながら,これらの事例によれば,色彩を表す文字が商標中に表示されているとしても,その多くは,主たる商標のほか,「GAMME」,「LABEL(Label)」等のように他の文字とともに表示されているものであるから,これらの事例をもって,主たる商標と色彩を表す文字との組合せが,主たる商標を付した商品のセカンドラインを表示するものとして取引上普通に使用されているものということができず,また,「ORANGE」の語を使用した取引の実情は示されていない。
また,本件商標は,同じ書体,同じ大きさをもって,連続して表されており,かかる構成においては,その構成中の後半に表された「THEORY」の文字部分のみが,特に看者の目を引くものではなく,当該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとして認識され,取引に資されるとはいい難いものである。
したがって,本件商標は,構成全体をもって,商品の出所識別標識としての機能を果たすものということができるから,申立人の上記主張は,採用することができない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,第25類「全指定商品」について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-02-16 
出願番号 商願2016-120450(T2016-120450) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W25)
T 1 652・ 271- Y (W25)
T 1 652・ 261- Y (W25)
T 1 652・ 263- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 山田 啓之 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田中 亨子
阿曾 裕樹
登録日 2017-06-09 
登録番号 商標登録第5953748号(T5953748) 
権利者 アルティメット フィットネス グループ リミテッド ライアビリティ カンパニー
商標の称呼 オレンジセオリー、セオリー 
代理人 工藤 莞司 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 黒川 朋也 
代理人 川島 麻衣 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 藤倉 大作 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 松尾 和子 
代理人 魚路 将央 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 中村 稔 
代理人 篠森 恵 
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