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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1338370 
異議申立番号 異議2017-900205 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-22 
確定日 2018-02-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5940048号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5940048号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5940048号商標(以下「本件商標」という。)は、「FRAME」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年10月9日に登録出願、第25類「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同29年3月23日に登録査定、同年4月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5630681号商標(以下「引用商標」という。)は、「FRAME DENIM」の欧文字を標準文字で表してなり、平成25年3月1日に登録出願、第25類「被服,帽子,ベルト」、第18類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「FRAME」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字に相応して「フレーム」の称呼及び「骨組み、枠」等の観念を生ずるものである。
イ 引用商標
引用商標は、「FRAME DENIM」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成全体から「フレームデニム」の称呼が生ずるものである。
しかしながら、以下の理由で、引用商標からは、「フレーム」の称呼及び「骨組み、枠」等の観念も生ずるというのが相当である。
(ア)「DENIM」の文字について
引用商標の構成中「DENIM」の文字は、「綾織りの厚地綿布」を意味するものである。ゴールドラッシュ時代のアメリカに持ち込まれ、思いつきでつくったズボンが大流行し、以来デニム・ズボンは、ジーンズといわれ、アメリカ西部のズボンとして知られている。今日では、ズボンのみでなく、スカート、ジャンパー、ダスター・コート、シャツ、ブラウス、エプロンなどに広く用いられている(甲3)。すなわち、該語は、被服の分野において、「綾織りの厚地綿布、デニム製の衣服」を意味するものとして、広く定着し、頻繁に使用されている。
したがって、「DENIM」の語(特段の図案化、記号化、着色等が施されていないもの)を含む商標が被服に使用された場合においては、取引者及び需要者にとって、「DENIM」の部分のみから当該被服が何人の業務に係るものであるかを認識するのは不可能であるから、引用商標の「DENIM」の部分は、その指定商品との関係では、自他商品識別力を有しないものである。
(イ)「FRAME」の文字について
前記のとおり、「FRAME」の文字は、「骨組み、枠」等を意味するものであって、被服とは直接関係のない語である。そのような「FRAME」の語の次に、指定商品を被服とする限り、自他商品識別力が全くない「DENIM」の語を結合させたにすぎない引用商標についてみれば、「FRAME」の部分と「DENIM」の部分とを合わせた一体のものとして自他商品識別力が仮にあるとしても、それとは別に、少なくとも「FRAME」の部分のみが自他商品識別機能を発揮する場合があるというのが相当である。
引用商標の実際の使用態様をみると、二段書きで、「FRAME」の文字が、「DENIM」の文字の約4倍の大きさで、目立つように書かれており、「FRAME」の部分が、自他商品識別機能を発揮しているのは明らかである(甲4)。
また、アパレル業界の他社においても、引用商標と同様、後半に「DENIM」の語を含む「KURABO DENIM」(クラボウデニム)、「KAIHARA DENIM」(カイハラデニム)という商標をデニム製品の総称ブランドとして使用している(甲5?甲7)。これらの商標に接した取引者、需要者は、「KURABO」、「KAIHARA」のブランドを冠したデニム製品と認識するから、前半にある上記文字部分も自他商品識別力を有しているといえる。
さらに、過去の審決においても、「HILFIGER DENIM」の文字からなる商標について、「HILFIGER」の文字が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たす場合もあることから、「ヒルフィガー」の称呼をも生ずると判断されている(甲8)。
(ウ)小括
以上のとおり、引用商標の構成中、「FRAME」の文字が自他商品識別機能を発揮し得る部分であり、「FRAME」と「DENIM」の間に観念上のつながりがなく、1文字分のスペースがあることともあいまって、引用商標に接した取引者及び需要者において、「FRAME」の部分と「DENIM」の部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに、不可分的に結合しているものとまでいえない。
したがって、引用商標は、常にその構成全体によって称呼、観念されるとはいえず、「FRAME」の部分から、「フレーム」の称呼及び「骨組み、枠」等の観念を生ずる場合もありうるというのが相当である。
ウ 商標の類否
本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は、「フレーム」の称呼及び「骨組み、枠」等の観念を同一にするものである。
外観についてみると、本件商標を構成する文字は、引用商標の構成中、看者の注意を惹く、前半部分の「FRAME」と同一であるから、相当程度近似するものである。
以上を総合して考察すると、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において同一であり、外観において相当程度近似する、類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品である「被服、帽子」を含むものであるから、これと同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「FRAME」の文字からなるところ、該文字は、「骨組み、枠」等の意味を有する英単語であり、これより、「フレーム」の称呼を生じ、「骨組み、枠」の観念が生じるものである。
イ 引用商標は、上記2のとおり、「FRAME DENIM」の文字からなるところ、該文字は、「FRAME」と「DENIM」の文字の間に1文字程度の間隔を有するとしても、同書、同大、同間隔で外観上まとまりよく表されており、その構成文字全体から生ずると認められる「フレームデニム」の称呼も、よどみなく称呼し得るものといえる。
そして、引用商標を構成する「FRAME DENIM」の文字は、全体として、特定の意味を有する語として辞書に掲載されているものではなく、特定の意味合いで一般に親しまれているとも認められないことから、一種の造語として認識され、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標は、その構成中のいずれかの文字部分のみが需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。
したがって、引用商標は、その構成全体をもって、一体不可分の商標を表したものと認識されるというべきであるから、「FRAME DENIM」の文字に相応して、「フレームデニム」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念は生じないとみるのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観においては、「DENIM」の文字の有無という差異を有するものであるから、外観上、明確に区別し得る。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「フレーム」の称呼と引用商標から生じる「フレームデニム」の称呼とは、構成音数が異なるばかりでなく、語尾の「デニム」の音の有無という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が著しく相違し、称呼上、明瞭に聴別することができる。
さらに、観念においては、本件商標は、「骨組み、枠」の観念を生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、観念上、本件商標と引用商標とは類似しない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は、引用商標の構成中、「DENIM」の文字部分は、「綾織りの厚地綿布」の意味を有することから、指定商品を被服とする限り、自他商品識別力が全くない「DENIM」の語を結合させたにすぎない引用商標についてみれば、少なくとも「FRAME」の部分のみが自他商品識別機能を発揮する場合があるというのが相当である旨述べている。
しかしながら、申立人が提出したアパレル業界における「KURABO DENIM」(クラボウデニム:甲5)及び「KAIHARA DENIM」(カイハラデニム:甲6、甲7)の標章の使用例は、ブランド名として一連一体に使用していることが認められるものであり、該標章において、「DENIM」の文字部分が商品の品質等を表示し自他商品の識別機能を有しないため、該文字を省略して使用若しくは認識されているといった事実は見いだせない。
また、引用商標の使用態様として、二段書きの使用例(甲4)を挙げているが、引用商標とは、その構成態様が異なるものであり、本件商標と引用商標の類否判断に影響を与えるものではなく、さらに、申立人が挙げる登録異議の決定事例(甲8)における一判断を、本件の判断の基礎としなければならない理由はない。
そうすると、引用商標の構成中の「DENIM」の文字部分が、「綾織りの厚地綿布」を意味する語であることから、該文字部分としては、その指定商品との関係において識別力が弱いものであるとしても、上記(1)イのとおり、引用商標は一体不可分の商標というべきであって、引用商標から「FRAME」の文字部分を分離抽出し、これを識別力を発揮する要部とみなければならない格別の事情はないものである。
よって、申立人の上記主張は、採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-02-15 
出願番号 商願2015-98291(T2015-98291) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W25)
T 1 652・ 261- Y (W25)
T 1 652・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 赤澤 聡美 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
榎本 政実
登録日 2017-04-14 
登録番号 商標登録第5940048号(T5940048) 
権利者 株式会社ベイクルーズ
商標の称呼 フレーム 
代理人 曾我 道治 
代理人 岡田 稔 
代理人 鈴木 昇 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 坂上 正明 

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