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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない W39 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W39 審判 査定不服 外観類似 登録しない W39 |
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管理番号 | 1338338 |
審判番号 | 不服2017-10921 |
総通号数 | 220 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-07-21 |
確定日 | 2018-03-07 |
事件の表示 | 商願2016- 59333拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「せとうち電力」の文字を標準文字で表してなり、第39類「電気の供給」を指定役務として、平成28年6月1日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5915042号商標(以下「引用商標」という。)は、「瀬戸内電力」の文字を標準文字で表してなり、平成28年4月1日に登録出願、第39類「電気・ガス・熱の供給,電気・ガス・熱の供給に関する情報の提供,電気・ガス・熱の供給に関するコンサルティング」を指定役務として、同29年1月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、前記1のとおり、「せとうち電力」の文字からなるところ、その構成中の「せとうち」の文字は、「瀬戸内海およびその沿岸地方」の意味を有する「瀬戸内」の漢字を平仮名で表したものであり、「電力」の文字は、「電気によるエネルギー」等の意味を有する語(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)からなるものであり、また、本願の指定役務である「電気の供給」に関する役務を提供する電気事業者が、例えば、「東京電力」、「関西電力」、「中部電力」、「東北電力」などのように、地域や地方の名称と「電力」の文字を結合して会社の商号の略称として使用している実情がある。 そうすると、本願商標は、上記の実情をも考慮すると、瀬戸内地方にある電力を供給する会社の商号の略称として理解されるものである。 してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「セトウチデンリョク」の称呼を生じ、「瀬戸内地方にある電力を供給する会社」(商号の略称)の観念を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、前記2のとおり、「瀬戸内電力」の文字からなるところ、その構成中の「瀬戸内」の文字及び「電力」の文字は、それぞれ「瀬戸内海およびその沿岸地方」及び「電気によるエネルギー」の意味を有する語であり、また、「電気の供給」に関する役務を提供する電気事業者が、地域や地方の名称と「電力」の文字を結合して会社の商号の略称として使用している実情があることからすれば、本願商標は、瀬戸内地方にある電力を供給する会社の商号の略称として理解されるものである。 してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「セトウチデンリョク」の称呼を生じ、「瀬戸内地方にある電力を供給する会社」(商号の略称)の観念を生じるものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較すると、本願商標と引用商標とは、外観においては、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、その全体の構成において差異を有するものである。 次に、称呼においては、両商標は、共に「セトウチデンリョク」の称呼を生じるものである。 そして、観念においては、両商標は、共に「瀬戸内地方にある電力を供給する会社」(商号の略称)の観念を生じるものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、類似の商標というべきである。 また、本願の指定役務と引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものである。 エ 小括 以上のことから、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、引用商標に係る指定役務と同一又は類似する役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、「本願商標の指定役務である電気の供給にあたっては、必ず、請求人である『せとうち電力株式会社』あるいは引用商標を有する『香川電力株式会社』という供給元が明示され、需要家にとって両社を混同することはありえない。また、単に明示されるだけでなく、口頭での説明、書面の交付により重ねて電気の供給元を説明することで、需要家が供給元の小売電気事業者(=供給元)を混同がないように小売電気事業者に義務付けを行っている。このような電気の供給にかかる取引に際しての実情を踏まえると、需要家は、『せとうち電力』は、『せとうち電力株式会社』の役務の標識である『せとうち電力』と認識し、『瀬戸内電力』は、『香川電力株式会社』の役務の標識である『瀬戸内電力』と認識するため、両者を誤認混同することは想定できない。」旨を主張している。 しかしながら、請求人の提出した証拠は、「せとうち電力」のトークスクリプト、口座振替依頼書、電力需給契約申込書(甲1?甲3)、ウェブサイト、セミナーのチラシ、パンフレット(甲6?甲8)、経済産業省が制定した「電力の小売営業に関する指針」(甲4)、「電力・ガス取引監視等委員会」のウェブサイト(甲5)及び引用商標権者の審査時に提出した意見書(甲9)であり、これらの証拠からは、請求人の主張するように、小売電気事業者等は、契約等を行う際にその名称などを明示する義務があり、電気の供給元である「せとうち電力株式会社」、「香川電力株式会社」の明示により、需要者が供給元を混同しないといい得ても、そのことから直ちに本願商標と引用商標とが、それぞれ単独で同一又は類似の役務に使用された場合においてまで、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがないとみることはできない。 そして、本願商標と引用商標とが類似し、その指定役務も同一又は類似することは、上記(1)のとおりである。 したがって、請求人の上記主張は、採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-01-05 |
結審通知日 | 2018-01-09 |
審決日 | 2018-01-24 |
出願番号 | 商願2016-59333(T2016-59333) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W39)
T 1 8・ 261- Z (W39) T 1 8・ 262- Z (W39) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 安達 輝幸、中山 寛太、堀内 真一 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
木住野 勝也 榎本 政実 |
商標の称呼 | セトウチデンリョク |
代理人 | 鶴若 俊雄 |