• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W09
管理番号 1338269 
審判番号 不服2016-19019 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-12-19 
確定日 2018-02-14 
事件の表示 商願2016-3784拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「Always on」の文字を横書きしてなり,第7類,第9類,第11類及び第14類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,2015年(平成27年)7月22日に大韓民国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して,平成28年1月14日に登録出願され,その後,指定商品については,同年2月17日付け手続補正書により,第9類「スクリーン画面において常に時間・日付・その他の情報を表示させることを可能とするスマートフォンのディスプレイ用スクリーン」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は,「Always on」の文字を書してなるところ,その構成中の「Always」の文字は「常に。いつも。」等を,「on」の文字は「スイッチや機械などが点灯・操作中のこと。」等をそれぞれ意味し,本願商標全体としては「常にスイッチが入っていること(常時ONの状態)」ほどの意味合いを把握,理解させる。そうすると,本願商標をその指定商品ついて使用するときは,「スクリーン画面において常に時間・日付・その他の情報を表示させるために常にスイッチが入った状態にする機能をもったスマートフォンのディスプレイ用スクリーン」ほどの意味合いを認識するにとどまり,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,意見を申し立てる機会を与えるべく,相当の期間を指定して,平成29年5月22日付けで証拠調べの結果を通知したところ,請求人からは,何ら応答がなかった。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,前記1のとおり,「Always on」の文字を横書きしてなるところ,当審での職権調査によれば,当該文字は,「〔電子機器・電機製品などが〕常時オン[動作中]の,つけっ放しの」の意味を有し(別掲1(1)),かつ,スマートフォン等の「ディスプレイ」について,「常時表示」ほどの意味合いで使用されている事実が認められる(別掲2)。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,まさに「スクリーン画面において常に時間・日付・その他の情報を表示させること(常時表示)」,すなわち,商品の品質を表示したものと認識するというのが相当である。また,本願商標は,態様上顕著な特徴は認められない。
以上から,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,本願商標は多様な意味合いを想起させる言葉であるから,その指定商品との関係において漠然とした意味合いを想起させるにとどまり,また,本願商標は,請求人が製造・販売等を行うスマートフォンにおける主要な機能の名称として,現実の市場において識別機能を発揮する商標として使用されている旨主張する。
しかしながら,本願商標をその指定商品に使用した場合においては,これに接する取引者,需要者は,別掲1に示した本願商標の構成文字が有する意味及び別掲2に示した取引の実情により,本願商標全体として「スクリーン画面において常に時間・日付・その他の情報を表示させること(常時表示)」という,商品の品質を表示したものと認識するというのが相当であることは,上記(1)のとおりである。また,請求人が本願商標をスマートフォンの機能の名称として使用しているとしても,本願商標は,上記商品の品質を表す語として,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,商品の出所識別標識としての機能を欠くものである。
したがって,請求人の主張は,採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(平成29年5月22日付けの証拠調べ通知により開示した事実)
1 辞書類
(1)株式会社アルクの辞書サイト「英辞郎on the WEB」
「always-on」:
〔電子機器・電機製品などが〕常時オン[動作中]の,つけっ放しの
〔コンピュータがネットワークに〕常時接続の,つなぎっ放しの
https://eow.alc.co.jp/search?q=always-on
(2)初級クラウン英和和英辞典第11版
「always」:いつも,常に
「on」:(電機・水道・テレビなどが)ついて,出て;(電話などが)通じて;(映画などが)上演中で,上映中で。
(3)広辞苑第6版
「オン(on)」:スイッチや機械などが点灯・操作中のこと。

2 インターネット
(1)サムスンGalaxy S7 edgeのウェブサイト
「Always On Display」の見出しのもと,「有機ELディスプレイだから超省電力で常時表示が可能。スリープ状態を解除しなくても,時計やカレンダーなどをチェックできます。」との記載がある。
http://www.samsung.com/jp/product/galaxy-s7-edge/shortcut/
(2)Schneider Electricのウェブサイト
「Smart-UPS LCD(SMT/SMXシリーズ)のディスプレイ メニュー [Configuration・設定]Advancedモード」のページにおいて,表中の項目「LCDバックライト」の内容に「Always on(常時ON)」との記載がある。
http://www.schneider-electric.co.jp/support/index?page=content&country=ITB_JAPAN&lang=ja&locale=ja_JP&id=FA53594
(3)Milestoneのウェブサイト
製品GROOVE WAVEに係る「よくある質問Q&A」中,「バックライト常時点灯での連続再生時間について」の質問について,「・約10時間になります。・・・バックライト:always on」との記載がある。
http://www.milestone-net.co.jp/support/qa/milestone/groovox_wave.html#13
(4)dr.foneのウェブサイト
「iOS11新機能:iOS10より更に進化?iOS11の新機能とは?」の記事中,「iOS11の新機能六:常時表示(Always On Display)」の見出しのもと,「スマートフォンで唯一の欠点は,時間を常時表示できない事でした。しかし,iOS11では,バックライトを使わず,自ら発光する有機ELの特徴をスマートフォンに利用して,電池の消費を抑えつつ,日付や時間をスリープ状態で常に表示させる新たな機能『Always On Display』が,iOS11で搭載される可能性が高いと言われています。 この機能なら,時間やカレンダーなどを表示されるので,取り出さずに素早く確認する事ができます。」との記載がある。
https://drfone.wondershare.jp/ios/ios11-new-function.html
(5)ITmediaのウェブサイト
2015年6月1日付けの「第31回 進化したAndroid Wearが見せる多様性と成熟」と題する記事中,「スマートウォッチの不便さへの解決策」の見出しのもと,「Android Wearとしては,・・・特に『Always-on』アプリは,普段スマートウォッチを使っているユーザーにとっての不便さを解決してくれる新機能だ。・・・そこでAndroid Wearの最新盤では,時計やアプリなどを黒い背景で常時表示させておくことができる機能を用意した。それがAlways-onの意味だ。・・・新機能のAlways-onでは,画面を白黒反転させ,黒い背景の画面に情報を常に表示することができるようにした。」との記載がある。また,文章中に挿入された文字盤の写真の説明文に,「Always-onは,画面を暗くして更新頻度を落とし,消費電力を抑えつつ画面を常時表示させる」との記載がある。
http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/articles/1506/01/news055.html
(6)Android Smartのウェブサイト
2011年11月10日付けの「Widgetsoidの多機能なウィジェットをホーム画面に設置しよう 特集その1」と題する記事において,「Switcherを選択すると,このような画面でウィジェットに表示するボタンの選択や詳細設定を行なえる。下部のタブで設定のカテゴリを選択しよう。『Screen』では,画面の明るさ切り替えや自動回転のON/OFFの他,ロックスクリーンの無効化や,自動スリープを無効化する『Always on』などの機能も追加できる。」との記載がある。また,当該記載の横にはスマートフォンの設定画面写真があり,同写真中に「Always on」が表示されている。
http://android-smart.com/2011/11/widgetsoidの多機能なウィジェットをホーム画面に設置し.html
(7)CBC株式会社ウェブサイト
ネットワークビデオレコーダー「PIXEL MASTER NVR」の取扱説明書39?40頁中,「ディスプレイ」の設定において,「STATUS BAR ON FULL SCREEN MODE(全画面からのステータスバー)」の項中に,「ALWAYS ON(常にオン):ステータスバーは常に表示されます。」との記載があり,また,「TIMELINE ON FULL SCREEN MODE(全画面表示からのタイムライン)」の項中に,「ALWAYS ON(常にオン):タイムラインは常に表示されます。」との記載がある。
http://www.ganz.jp/downloads/MPDF/NR4HL_NR8HL_NR16H_manual_v110J.pdf
(8)特定非営利活動法人営業支援隊のウェブサイト
株式会社三和製作所の「液晶表示タイプ GM管式放射線量測定器 ガイガーFUKUSHIMA LCDタイプ」の取扱説明書11頁の「2.バックライト設定」の表中に「ALWAYS ON 常時点灯」の記載があり,また,同書13頁の「故障かな?と思ったら」の表中,「バックライトがつきっぱなしになっている」の「症状」に対する「チェックする場所」として,「『BACK LIGHT(バックライト)』設定がALWAYS ON(常時点灯)になっていませんか?」との記載がある。
http://eigyoshientai.jp/wp-content/uploads/2012/04/LCDv4.pdf

(記載中の下線は,当合議体が付加した。)



審理終結日 2017-09-12 
結審通知日 2017-09-19 
審決日 2017-10-02 
出願番号 商願2016-3784(T2016-3784) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 海老名 友子矢澤 一幸 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 冨澤 武志
大森 友子
商標の称呼 オールウエイズオン、オールウエーズオン 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ