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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1337237 
異議申立番号 異議2017-900278 
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-11 
確定日 2018-02-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5955831号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5955831号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5955831号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOTIV」の欧文字を横書きしてなり、平成28年6月23日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,カウンター,指示計器類,歩数計,全地球測位装置(GPS),ネットワーク通信装置,電子信号送信機,送信装置(電気通信用のもの),着用可能なアクティビティトラッカー,機械の誤作動・故障等の検知・分析装置,温度計,試験装置(医療用のものを除く。),遠隔制御装置,バッテリーチャージャー,蓄電池」のほか、第10類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年5月25日に登録査定され、同年6月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標
商標異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次の(1)及び(2)のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれも現在も有効に存続しているものである。
(1)登録第4513270号商標
商標の態様 MOTIVE(標準文字)
指定商品及び指定役務 第9類「コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体,電子計算機」及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成11年 7月22日
設定登録日 平成13年10月12日
(2)登録第5275313号商標
商標の態様 MOTIVE(標準文字)
指定商品及び指定役務 第9類「コンピュータネットワーク・通信ネットワーク及び音声・映像・データサービスの起動・設定・サポート・管理・アップデート・保守及びアップグレード用コンピュータ用プログラム,コンピュータネットワーク・通信ネットワーク及び音声・映像・データサービスのプロビジョニングサービス用コンピュータ用プログラム,電子機器及び無線電信機器の起動・設定・サポート・管理・アップデート・保守及びアップグレード用コンピュータ用プログラム,電子機器及び無線電信機器のプロビジョニングサービス用のコンピュータ用プログラム」及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成19年 8月 2日
設定登録日 平成21年10月23日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)申立人の周知著名性について
申立人は、AT&T Corp.を前身として1885年に設立され、米国ニュージャージー州マリーヒルを拠点とし、2016年11月2日以降、フィンランドのNokia Corporationの子会社として、サービスプロバイダー、企業、政府やケーブルオペレータに融合通信を提供するシステム、サービスやソフトウェアソリューションを設計及び提供している。
2008年10月7日、フランスのAlcatel-Lucent(2016年にNokia Corporationに買収される)は、1997年に設立され米国テキサス州オースティンに所在のMotive,Inc.(旧名称:Motive Communications,lnc.)を買収した。Motive,Inc.は、米国及び世界中において、ブロードバンド/モバイルデータサービス向けデジタルライフマネージメントソフトウェアを提供しており、当該買収は過去3年間結ばれていた提携関係をより強固に発展させたものであった。
Alcatel-LucentによるMotive,Inc.の買収を受け、申立人は、Motive,Inc.を合併し、引用商標はMotive,Inc.から申立人へと(合併による)移転がなされた(甲2及び甲3)。
Alcatel-Lucentはグローバル通信の分野をリードする企業として、IP及びクラウド・ネットワーキングの製品や革新的なソリューションを提供すると共に、サービスプロバイダとその顧客、世界中の各種法人及び政府機関に対し、超高速ブロードバンドの無線/固定アクセスを提供していた。Alcatel-Lucentは、これまでの技術革新が認められ、Thomson Reuters社が世界で最も革新的な企業100社を選出する「Top 100 Global Innovators」の1社に選出された。また、MIT Technology Review誌による「世界で最も革新的な企業」50社の2012年度ランキングにも選出され、さらに、Dow Jones社の「Dow Jones Sustainability Index 2013」において、技術ハードウェア&装置部門のインダストリー・グループ・リーダーに選定された。Alcatel-Lucentはフランスのパリに本社を構える法人であり、ユーロネクスト・パリ、ニューヨーク証券取引所に上場していた。
日本法人である日本アルカテル・ルーセント株式会社(設立:1985年9月、2017年10月1日にノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社に合併)は、次世代のネットワーク・サービスを中心としたIP、光伝送、固定/無線アクセス、アプリケーション、エンタープライズの分野で関連機器及びプロフェッショナルサービス、インテグレーション、保守を提供し、国内大手通信事業者をはじめ、各種法人、政府機関など、幅広い顧客をサポートしていた(甲4)。
以上のように、申立人は、日本において、また、国際的にも名声を有する周知著名な企業である。
(2)引用商標の周知著名性について
引用商標は、Motive,Inc.のハウスマークであり、かつ、買収前から申立人とMotive,Inc.が共同開発・販売していた「Residential Gateway」と呼ばれる先端ホーム・ネットワーキング装置において、展開・機器構成・技術サポート等の自動化が可能な遠隔管理ソフトウェアソリューションのペットマークである。
Nokia Corporationは、IoTに関する製品ポートフォリオについて、デバイス、アプリケーション、ネットワーク、プラットフォームの4つのレイヤでEnd to Endのソリューションを提供している。このうちプラットフォームレイヤでは、IoTプラットフォーム「IMPACT」を提供している。当該「IMPACT」は、コネクティビティ管理やデバイス管理、データ収集・プロセッシング、アプリケーションという4つのレイヤとセキュリティを提供するものであるが、このうち、デバイス管理は、同社が買収した申立人のデバイス管理ソリューション「Motive」が発展したものとなっている。
以上のように、引用商標は、通信関連商品及びサービスの取引者・需要者の間で周知著名である。
(3)商標の類似性について
本件商標「MOTIV」と引用商標「MOTIVE」は語尾の「E」の有無の差異に過ぎず、かつ、「モーティブ」の称呼を共通にするため、両商標は外観上及び称呼上類似の商標である。この点、本件商標の審査過程において、引用商標を引用する拒絶理由が通知されている事実からも明らかである(甲5)。
(4)商品の関連性について
本件商標の指定商品には、出願当初、第9類「スマートフォン,タブレット型コンピュータ」などが含まれ、当該商品の権利化が意図されていたところ、前記(3)のとおり、本件商標の審査過程において、引用商標を引用する拒絶理由が通知されたのを受けて、引用商標と抵触する商品が削除された。
一方、削除後の第9類の指定商品中には、「電気通信機械器具」「全地球測位装置(GPS)」「ネットワーク通信装置」「電子信号送信機」「送信装置(電気通信用のもの)」など、引用商標の第9類の指定商品「コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体,電子計算機」や「コンピュータ用プログラム」と密接な関連性を有する指定商品が含まれ,申立人の通信関連商品・サービスと相当程度の関連性を有するものである。
(5)商品・役務の取引者・需要者の共通性について
前記(4)のとおり、本件商標と引用商標の商品及びサービスの取引者・需要者は相当程度の共通性を有することは明らかである。
(6)むすび
本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の取引者・需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人は、同人及び引用商標が周知著名であると主張し甲各号証を提出している。
そして、甲第4号証(ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社のウェブページ)には、ノキアソリューションズ&ネットワーク株式会社と日本アルカテル・ルーセント株式会社が2017年10月1日にノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社を存続会社とする合併を完了した旨、ノキアが世界有数のインフラベンダとして、世界120か国の通信事業者に製品・サービスを提供し、世界中の加入者のネットワークを支えている旨、及び日本では2007年4月以来事業を展開し、東京を含め全国6拠点にオフィスを構え、顧客により迅速なサポートを提供している旨などが記載されていることが確認できる。
また、職権調査によれば、引用商標の商標権者はアメリカ合衆国テキサス州在のモーティヴ,インコーポレーテッドから、申立人に一般承継による移転登録がなされている(平成23年12月14日受付)ことが確認できる。
しかしながら、申立人提出の甲各号証によっては引用商標が何らかの商品又は役務に使用されていることを認め得る証左は見いだせず、また、申立人の主張によっては引用商標が、いつ、誰によって、どのような商品又は役務に使用されているのかも明らかでない。
さらに、職権調査によっても、申立人又はその関係者が我が国において引用商標を何らかの商品又は役務に使用をしていると認め得る証左は発見できなかった。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願の日以前から、登録査定の日はもとより現在まで、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、申立人は同人が我が国において周知著名な企業である旨主張しているが、それを認めるに足りる証左は見いだせないから、かかる主張は採用できない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり引用商標は、申立人が我が国において使用をしていることを確認できないものであって、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、本件商標と引用商標が商標において類似するとしても、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起するものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
その他、本件商標が、他人の業務に係る商品又は役務と、その出所について混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務中、登録異議の申立てに係る指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-02-05 
出願番号 商願2016-68061(T2016-68061) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W09)
最終処分 維持 
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 薩摩 純一
大森 友子
登録日 2017-06-16 
登録番号 商標登録第5955831号(T5955831) 
権利者 モティーブ インコーポレーテッド
商標の称呼 モティブ 
代理人 森下 夏樹 
代理人 山本 秀策 
代理人 皆川 祐一 
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