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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
管理番号 1337226 
異議申立番号 異議2017-900266 
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-08-31 
確定日 2018-02-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5954905号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5954905号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5954905号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲に示すとおりの構成からなり,平成28年9月12日に登録出願,第10類「医療用遠心分離機及びその部品並びに付属品,医療用試料容器,採血容器,採血器具,血液用毛細管」を指定商品として同29年5月11日に登録査定,同年6月16日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第4949279号商標(以下「引用商標」という。)は,「MSW」の欧文字を普通に用いられる態様で表してなり,平成17年4月21日に登録出願,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液,創傷被覆材」を指定商品として,同18年4月28日に設定登録され,その後,同27年12月1日に商標権の存続期間の更新登録がされ,現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 本件商標と引用商標について
(1)本件商標について
本件商標は,欧文字横書きで「MSW」と,その右上に小さく「2」を表してなるものである。
本件商標の構成中の「2」は,「MSW」に比べて極めて小さく表されていること,「MSW」は欧文字であり,「2」は数字であることから,本件商標に接する取引者や需要者は,大きく表された「MSW」の文字部分に着目するのが自然である。
また,本件商標の構成中の「2」が,数式の指数を認識させることがあるとしても,「MSW」の文字部分は,数字や観念が生じるような既成語ではなく,特定の意味合いが生じない造語であることから,本件商標の構成全体から観念が生じるものでもない。
さらに,本件商標の構成中の「2」を含めて,構成全体から生じる称呼は,「エムエスダブリューニジョウ」と11音と極めて冗長である。
してみれば,本件商標に接する取引者や需要者は,「2」の部分を省略し,本件商標の構成中の大きく表された「MSW」の部分に着目して,これより生じる「エムエスダブリュー」の称呼をもって取引に資するものである。
(2)引用商標の称呼と,両商標の称呼の比較について
引用商標は,欧文字で「MSW」を書してなるところ,構成文字に相応して,「エムエスダブリュー」の称呼が生じるものである。
しかして,本件商標と引用商標から生じる称呼を比較すると,「エムエスダブリュー」の称呼を共通にするものである。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼を共通にする類似の商標というべきである。
(3)本件商標と引用商標の外観の比較について
本件商標は,上述したように,欧文字「MSW」と右上に小さく「2」を表してなるものである。一方の引用商標は,欧文字「MSW」からなるものであるところ,本件商標と引用商標の相違点は,本件商標の右上に小さく表された「2」のみでしかない。
このように,本件商標と引用商標は,外観においても,極めて類似性の高い商標というべきである。
(4)小括
上述したように,本件商標と引用商標は,称呼を共通にし,外観においても極めて高い類似性を有するものである。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼及び外観において類似する商標である。
2 本件商標と引用商標の指定商品について
(1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中「医療用腕環」との類否について
本件商標の指定商品は,前記第1のとおりであるところ,これらは「医療用機械器具」の分野に属するものであって,類似群10D01に属するものである。
一方,引用商標の指定商品は,前記第2のとおりであるところ,指定商品中の「医療用腕環」は,類似群10D01に属する商品である。
したがって,本件商標の指定商品と,引用商標の指定商品中「医療用腕環」は類似の商品である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中「医療用腕環」は,いずれも「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品であることについて
「医療用腕環」とは,「磁気を利用した治療用腕環」等,専ら医療用のものに限られるものであって(甲3),引用商標の登録時には,第5類に属する商品とされていたところ,国際分類第11版より,第10類に属する商品とされているものである(甲4)。
そして,WIPOのニース分類の解説において「医療用腕環(bracelets for medical purposes)」は,健康全般のための磁気ブレスレットの他,関節炎を治療するための銅ブレスレット,船酔い防止用の指圧ブレスレット等,様々な形状のものが合まれ,類見出しの「medical・・・apparatus and instruments」(医療用機械器具)等に基づいて,第10類に属するものと説明されている(甲5)。
このように,「医療用腕環」は,現在は,第10類の「医療用機械器具」に属する商品である。そして,本件商標の指定商品も,「医療用機械器具」に属するものである。
してみれば,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中「医療用腕輪」は,ともに「医療用機械器具」に属する類似の商品である。
(3)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中「医療用腕環」の取引実情について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「医療用腕環」は,取引実情においても,類似の商品である。
引用商標の指定商品中の「医療用腕環」は,上述したように,専ら治療目的に使用されるものであり,実際の取引においては,磁気治療器の一種として「磁気ブレスレット」等として取引されているものである。そして,これらの磁気治療器は,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」及びその「施行令」において,厚生労働省の承認を得て,製造販売するよう義務付けられている(甲6)。
事実,磁気ブレスレットや,磁気ネックレスを始めとする磁気治療器は,厚生労働省の承認を得て,製造販売されている(甲7?甲9)。
そうとすると,本件商標の指定商品及び引用商標の指定商品中の「医療用腕環」は,ともに法令によって厚生労働省の承認を必要とする特殊な商品である。
そして,これらの商品が,同一営業主によって製造販売されている事実がある(甲10)。
このように,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「医療用腕輪」は,実際の取引実情においても,取引者を共通にするものである。
ところで,商品の類否は,商品の特徴や属性で類否を判断するのではなく,出所の混同の観点から判断すべきであり(甲11),特許庁もこの判断基準に基づいて,商品の類否を判断しているところ,「医療用腕環」については,医療用の特殊な商品であり,「医療用機械器具」と類似の商品であると判断してきている(甲12)。
してみれば,本件商標と引用商標の指定商品中の「医療用腕輪」は,同一営業主によって,製造販売されている事実があることからも,両商品は,類似するというべきである。
(4)小括
このように,本件商標の指定商品と,引用商標の指定商品中の「医療用腕環」とは,類似群を同一にしているだけではなく,現在の審査基準においては,両者とも「医療用機械器具」に属する商品である。さらに,両者は,取引実情においても,取引者を共通にする商品である。
してみれば,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は,類似の商品と判断されるべきである。
3 まとめ
このように,本件商標と引用商標とは,称呼を共通にするものであり,外観においても,極めて紛らわしく類似の商標である。また,両者の指定商品も類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は,別掲のとおり,「MSW」の欧文字の右肩に「2」の数字を欧文字よりも小さく記した構成よりなるところ,欧文字と数字の大きさは異なっているものの,両者はまとまりよく一体に表されており,構成全体をもって一体のものとして認識されるのが相当である。
また,数字や文字の右肩に小さく記している数字は,一般的には,指数(ある数または文字の右肩に小さく記す,その累乗を示す数字または文字。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版])として,知られているものでもある。
そうすると,本件商標は,一見して,小さく記された「2」の数字が,その左側の「MSW」の欧文字における指数を表した一体のものと理解,認識される構成よりなるといえるから,本件商標の構成中「MSW」の文字部分のみをとらえて取引に資されることはないというべきである。
これより,本件商標は,その構成文字全体に相応する「エムエスダブリュツー」の称呼及び,構成中の数字の「2」を,指数である「2乗」とした場合の「エムエスダブリュニジョウ」の称呼が生ずるものであり,いずれも一連に称呼し得るものである。
また,本件商標は,その構成全体をもって,特定の観念は生じない造語というのが相当である。
2 引用商標について
引用商標は,前記第2のとおり「MSW」の欧文字を普通に用いられる態様で表してなるところ,該文字は特定の観念は生じない造語といえるものであり,その構成文字に相応する「エムエスダブリュ」の称呼を生じるというのが相当である。
3 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の類否について検討するに,両商標は,外観においては,右肩に配されている数字の「2」の有無をもって明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本件商標から生ずる「エムエスダブリュツー」又は「エムエスダブリュニジョウ」と,引用商標から生ずる「エムエスダブリュ」の称呼とは,「ツー」又は「ニジョウ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから,明瞭に聴別できるものである。
また,観念においては,両商標とも特定の観念を有しないものであるから,観念上,比較することはできない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
4 まとめ
したがって,本件商標と引用商標は非類似のものであるから,その指定商品が類似のものであるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
5 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)


異議決定日 2018-01-23 
出願番号 商願2016-99348(T2016-99348) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W10)
T 1 651・ 263- Y (W10)
T 1 651・ 261- Y (W10)
最終処分 維持 
前審関与審査官 有水 玲子 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 大森 友子
冨澤 武志
登録日 2017-06-16 
登録番号 商標登録第5954905号(T5954905) 
権利者 株式会社島津製作所
商標の称呼 エムエスダブリュウツー、エムエスダブリュウニ、エムエスダブリュウ 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 永岡 慶 
代理人 黒川 朋也 
代理人 工藤 莞司 
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