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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W2528
審判 一部申立て  登録を維持 W2528
審判 一部申立て  登録を維持 W2528
審判 一部申立て  登録を維持 W2528
管理番号 1337224 
異議申立番号 異議2017-900261 
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-08-28 
確定日 2018-01-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5950739号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5950739号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5950739号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成28年9月12日に登録出願,同29年4月14日に登録査定,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ」及び第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,手品用具,運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具」を指定商品として,同年6月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
商標異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は次のとおりであり(以下,それらをまとめて「引用商標」という。),いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2661951号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴,仮装用衣服」及び第28類「運動用具,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具」,並びに,第9類,第20類,第21類,第22類及び第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成3年9月30日
設定登録日 平成6年5月31日
(2)登録第4637003号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
登録出願日 平成14年4月24日
設定登録日 平成15年1月17日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定商品中,第25類「全指定商品」及び第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具」について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 外観
本件商標は,別掲1のとおり,右側から左斜め上に向かって跳びかかるかのように左方向を向いた四つ足動物を側面からシルエット風に描いた図形(以下「本件図形部分」という。)と,その図形の下方に,「TIGER ARTS」の欧文字及び「K」の欧文字を円で囲んだデザイン文字を上段に,「S.SAYAMA BRAND」の欧文字(以下「本件文字部分」という。)を下段に配した構成からなるものである。
これに対し,引用商標は,別掲2及び3のとおり,いずれも右側から左斜め上に向かって跳びかかるかのように左方向を向いた四つ足動物を側面からシルエット風に描いた図形からなるものである。
引用商標と本件図形部分は,いずれも右側から左斜め上に向かって跳びかかるかのように左方向を向いた四つ足動物を側面からシルエット風に描いた図形であること,左斜め上に向かって全身を伸展させていること,頭部には三角形に尖った耳があること,前肢が頭部の下に位置して,足先が内側に丸まっていること,後肢はやや後方に向かって伸びきり,足の裏を後ろに向けていて跳躍した瞬間を描いていること,尾が右斜め上に向けて跳ね上がっていることなどの各点で一致し,その向きや基本的姿勢のほか,跳躍の角度,前肢・後肢の縮め具合・伸ばし具合や角度などにおいて,類似している。
これに対し,引用商標と本件図形部分は,本件図形部分の腹部がアルファベットの「S」の文字を含むように描かれている点で異なる。
しかしながら,前述のとおり,両者は,多数の共通点を有していることからすれば,全体的に極めて似通った印象を与えるものであって,両者の相違点は顕著明瞭ではない。
また,本件商標と引用商標とは,引用商標が四つ足動物の図形のみで構成されているのに対し,本件商標は,本件図形部分の下方に本件文字部分が配されている点において異なる。
しかしながら,本件文字部分はいずれも周知著名と認められる標章ではなく,後述のとおり,引用商標は我が国のみならず世界中で周知著名と認められるものであるから,本件商標と引用商標に接する需要者は,引用商標に類似した本件図形部分に注意を惹かれるものである。
そして,本件商標の要部は本件図形部分であり,本件文字部分による相違点は,両商標の要部の共通点に比して看者の目に留まりにくいものであるといえる。本件商標権者が,本件図形部分のみ(単独で商標登録されていない)をその商品に使用していることも,本件商標の要部が本件図形部分であることを裏付ける(甲4の1)。
したがって,本件商標と引用商標は,その外観において類似している。
イ 称呼及び観念
引用商標は,特段の称呼を有しない図形である。
観念について,本件図形部分からは,四つ足動物であるということ以上に,特定の動物を直ちに想起しうるものではない。本件文字部分の「TIGER ARTS」という欧文字から,看者が「TIGER」,すなわち虎を想起する可能性もあるが,その場合でも,プーマないしピューマというネコ科の動物を表現し,そのような観念を有する引用商標とは,ネコ科の動物であるという点で共通する。
したがって,本件商標と引用商標は,観念においても相紛れるおそれがある。
ウ 取引の実情(引用商標の周知著名性)
申立人(引用商標の商標権者)は,スポーツシューズ,被服,バッグ等を世界的に製造販売している多国籍企業である。1920年にアディ・ダスラー及びルドルフ・ダスラーの兄弟が靴を販売する「ダスラー兄弟商会」を設立したのが始まりであり,その後,兄弟が1948年にそれぞれ独立し,兄ルドルフがプーマ社を設立した。引用商標の由来は,「俊敏に獲物を追いつめ,必ずしとめるプーマのイメージ」をそのまま表現し,ブランドマークとしたものである。
引用商標は,遅くとも1980年代から我が国でブランドの出発点ともいえるサッカーシューズを始め,各種スポーツシューズ,被服,バッグ等幅広い商品に使用された結果,申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られ,強い顧客吸引力を取得するに至っている。ちなみに,引用商標1は,特許庁において「日本国周知・著名商標」に分類されている。
このように,引用商標1及びこれと同一の商標である引用商標2は,本件商標の登録出願時である平成28年9月までには,申立人に係る商品を表示するものとして我が国のみならず世界的に周知かつ著名になっていたものである。
エ 取引の実情(需要者及び流通経路の共通性)
本件商標と引用商標は,いずれも被服若しくは洋服又は運動用具を指定商品とする点で共通する。一般論として,これらのような日常的に消費される性質の商品の主たる需要者は,商標やブランドにつき特別の専門的知識を有しない一般消費者である。
また,両商標に係る商品の流通経路も共通している。本件商標権者は,本件商標を使用した商品を,ホームページを通じて直接のインターネット販売を行っている(甲4)。引用商標を付した申立人の商品も,申立人の日本法人によるインターネット直販サイト(甲5)などで,一般消費者に対して販売されている。
オ 取引の実情(商標の使用態様)
本件商標権者は,本件商標を,半袖Tシャツ等の衣類の胴体の正面(胸部)にワンポイントで配置する態様で使用している(甲4の1?3)。
これに対して,申立人も,引用商標を半袖Tシャツ等の衣類の胴体の正面(胸部)にワンポイントで配置する態様で使用しているので(甲6,甲7),本件商標及び引用商標は,使用態様においても共通している。
とりわけ,衣類の胸部にワンポイントで小さめに配置される場合は,上述したような本件商標と引用商標の相違点は看取されにくい。
カ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標は,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標であり,かつ,その指定商品も同一又は類似である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 本件商標と引用商標との類似性
前述のとおり,本件商標と引用商標とは,相違点は存在するものの,いずれも四つ足動物が右から左上方へ向けて跳び上がるように前足と後足を大きく開いている様子が側面から見た姿でシルエット風に描かれている点で共通しており,類似している。
イ 引用商標の周知著名性及び独創性
引用商標が,本件商標の登録出願日以前に,申立人の業務に係る商品を表すものとしてすでに周知著名になっていたこと前述のとおりであり,引用商標は,右側から跳びかかるかのように左方向を向いた四つ足動物を側面からシルエット風に描いた図形であること,左斜め上に向かって全身を伸展させていること,頭部には三角形に尖った耳があること,前肢が頭部の下に位置して足先が内側に丸まっていること,後肢はやや後方に向かって伸びきり足の裏を後ろに向けていて跳躍した瞬間を描いていること,尾が右斜め上に向けて跳ね上がっていることなどの各点を併せ持つ,極めて独創的なものといえる。
ウ 本件商標と引用商標の指定商品
本件商標と引用商標の指定商品は同一又は類似である。また,実際に本件商標と引用商標が使用されている商品の種類及び使用態様は重なる(甲4,甲6,甲7)。
エ 本件商標と引用商標の需要者
本件商標と引用商標は,被服若しくは洋服又は運動用具を指定商品とする点で共通するため,その需要者も共通する。実際に両商標が用いられる商品は重なっており,需要者は完全に一致している。なお,両者とも主たる需要者は,商標やブランドに特別な専門的知識を有しない一般消費者である。
オ 小括
以上のとおりであるから,本件商標は,これに接した需要者が相違点に気づかず,商品の出所につき誤認混同を生じ,本件商標が付された商品を申立人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であると混同するおそれが十分に認められる。
したがって,本件商標は,他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,左側面からみた左方向に飛び上がる四つ足動物を,胴体をS字状にデザインしてシルエット風に描いた図形部分(本件図形部分)と,その下に「TIGER ARTS」の文字及びその右側には円内に図案化した欧文字らしき線図を表し,それらの下段に「S.SAYAMA BRAND」の文字を表した(本件文字部分)構成からなるものである。
そして,本件商標は,その構成態様から,本件図形部分と本件文字部分とに分離して観察されるものであり,その構成中,上部に顕著に表された本件図形部分と本件文字部分は,それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
また,本件商標は,本件図形部分からは称呼及び観念を生じないものであり,本件文字部分からは「タイガーアーツエスサヤマブランド」のほか,大きく表された「TIGER ARTS」の文字部分から「タイガーアーツ」の称呼をも生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,別掲2及び3のとおり,いずれも左方向に飛び上がる四つ足動物をシルエット風に描いた図形を表してなり,これからは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると,両商標は,その構成全体において,本件文字部分の有無や構成態様において明確な差異を有するものであるから,外観上,相紛れるおそれのないものである。
それに加えて,本件図形部分と引用商標とを比較しても,両者は,左方向に飛び上がる四つ足動物をシルエット風に描いているという構図において共通するとしても,(ア)本件図形部分の動物の胴体はS字状に表され,ボリューム感をもって描かれているのに対し,引用商標の動物の胴体は細くしなやかな印象をもって描かれていること,(イ)本件図形部分の動物は口を大きく猛々しく開けているのに対し,引用商標の動物は口を空けていないこと,(ウ)本件図形部分の動物の前足は顔の前まで伸びやかに描かれているのに対し,引用商標の動物は顔の下に丸めて描かれていること,(エ)本件図形部分の動物の尾は伸び上げた尾の先が前方に向かって描かれているのに対し,引用商標の動物は尾の全体が上部に向かって描かれていること,(オ)本件図形部分の動物は全体として重く力強い印象を与えるのに対し,引用商標の動物は身軽でしなやかな印象を与えること,などの構成上の明らかな差異により,両者の全体の印象は明瞭に異なるものであるから,両者を離隔的に観察しても,外観上,相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。
また,本件図形部分と引用商標は,いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから,これらの点においても相紛れるおそれのないものである。
そうすると,本件商標と引用商標とは,構成全体において明確な差異を有するものであって,本件図形部分と引用商標との比較においても,相紛れるおそれはないものであるから,両商標は,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 申立人の主張
申立人は,本件図形部分と引用商標の外観における共通点について,いずれも右側から左斜め上に向かって跳びかかるかのように左方向を向いた四つ足動物を側面からシルエット風に描いた図形であること,左斜め上に向かって全身を伸展させていること,頭部には三角形に尖った耳があること,前肢が頭部の下に位置して,足先が内側に丸まっていること,後肢はやや後方に向かって伸びきり,足の裏を後ろに向けていて跳躍した瞬間を描いていること,尾が右斜め上に向けて跳ね上がっていることなどを挙げ,その向きや基本的姿勢のほか,跳躍の角度,前肢・後肢の縮め具合・伸ばし具合や角度などにおいて,類似している旨を主張し,動物の腹部がS字状に描かれている点で異なるとしても,全体として似通った印象を与え,互いに類似する旨主張する。
しかしながら,四つ足動物が右側から左斜め上に向かって躍動する状態をシルエット風にデザインして描いた場合においては,請求人が主張するような共通点を有するとしても,本件図形部分と引用商標とは,上記ウのとおり,胴体,口,手及び尾の表現,構成態様の全体から受ける印象等は明らかに異なるものであるから,本件図形部分と引用商標の共通点を考慮したとしても,両者は,互いに相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
よって,申立人の係る主張は採用できない。
オ 小括
上記のとおり,本件商標と引用商標は,非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが,同一又は類似であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,上記(1)のとおり,引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,全体の印象も大きく異なる別異の商標である。
そうすると,引用商標が独創的なものであって,申立人の業務に係る商品(運動用シャツ・シューズなど)を表示するものとして需要者の間に広く認識され,その使用に係る商品と本件商標の指定商品とが,需要者を共通にし関連性を有するとしても,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であって別異の商標であるから,本件商標権者がこれを登録異議の申立てに係る指定商品について使用した場合,取引者,需要者をして申立人又は引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはなかったものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから,その登録は同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)





別掲2(引用商標1)





別掲3(引用商標2)






異議決定日 2018-01-19 
出願番号 商願2016-104698(T2016-104698) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W2528)
T 1 652・ 263- Y (W2528)
T 1 652・ 262- Y (W2528)
T 1 652・ 271- Y (W2528)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田中 亨子
阿曾 裕樹
登録日 2017-06-02 
登録番号 商標登録第5950739号(T5950739) 
権利者 中村 之洋
商標の称呼 タイガーアーツ、エスサヤマブランド、エスサヤマ、サヤマブランド、サヤマ、ワイエヌ、エス 
代理人 竹村 朋子 
代理人 大江 耕治 
代理人 兼松 由理子 
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