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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z20 |
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管理番号 | 1337192 |
審判番号 | 取消2017-300104 |
総通号数 | 219 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-03-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2017-02-08 |
確定日 | 2018-01-22 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4455862号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4455862号商標(以下「本件商標」という。)は,「セサミ」の片仮名と「SESAME」の欧文字とを2段に横書きしてなり,平成12年3月22日に登録出願,第20類「家具,クッション,座布団,まくら,マットレス,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ」,並びに第14類,第18類,第21類,第24類,第25類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同13年2月23日に設定登録されたものである。 なお,本件審判の請求の登録日は,平成29年2月23日である(以下,同登録前3年以内の期間を「要証期間」という場合がある。)。 第2 請求人の主張 請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第20類「家具,クッション,座布団,まくら,マットレス,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ」(以下「取消請求商品」という。)についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 請求の理由 本件商標は,その指定商品中,取消請求商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は,商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。 なお,請求人は,被請求人提出の審判事件答弁書に対し,何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は,結論同旨の審決を求め,審判事件答弁書,審判事件回答書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標は,取消請求商品中,第20類「クッション」について,1975年から,被請求人の子会社である株式会社テイジンアソシアリテイル(乙1,以下「テイジンアソシアリテイル社」という。)により,現在に至るまで継続して使用されている。 テイジンアソシアリテイル社は,様々なライフスタイルに応じた生活空間をトータルに演出するため生活提案型ショップ「sesame」を展開している(乙2の1及び2)。 2 本件商標は,テイジンアソシアリテイル社が展開するショップ「sesame」において継続的に使用されている。 (1)商品「クッション」の写真について 乙第3号証は,商品「クッション」の写真であり,クッションに「sesame」と表示のあるシールが付され,本件商標が使用されている。 乙第3号証の写真の撮影日は,平成29年3月28日であり,撮影場所は,テイジンアソシアリテイル社が展開する店舗「sesame」須磨パティオ店(神戸市須磨区中落合2-2-7須磨パティオ健康館2F)である。 乙第3号証の写真のクッションは,店舗「sesame」須磨パティオ店が,株式会社井田両国堂から仕入れ,本件商標を付したものである(乙5)。 (2)商品「クッション」の仕入伝票について 乙第4号証は,商品「クッション」を取引先である株式会社井田両国堂から仕入れた仕入伝票(発行日2016年10月1日ないし2017年3月16日)であり,社名の欄に「セサミ」,品名に「クッション」と記載されている。 (3)商品「クッション」の販売について 商品「クッション」は,要証期間に,店舗「sesame」須磨パティオ店で販売された(乙6の1?4)。 電子ジャーナルは,店舗で消費者が購入した時のPOSレジデータをサーバーから抜出し印字したレシートである。記載された日付に販売された商品のPOS番号と品目等が記載されている。 2016年12月10日付の電子ジャーナル(乙6の1)には,「4969133944710」,「コジットベーグルクッションHSラズ」と記載がある。その番号は,乙第3号証の3の写真に写っている「sesame」の標章の下に記載されているPOS番号「4969133944710」と同一であり,当該クッションが,店舗「sesame」須磨パティオ店で,販売されたことがわかる。 同じPOS番号及び品目は,2017年1月12日,同13日,2月28日付け電子ジャーナル(乙6の2?4)にも印字されており,当該クッションが,要証期間に,sesame須磨パティオ店にて販売されていたことを示している。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した乙各号証によれば,以下のとおりである。 (1)乙第1号証は,本件商標権者のウェブサイト(2017年4月3日印刷)であり,国内グループ会社の欄に,「株式会社テイジンアソシアリテイル」の記載があり,「ビューティーやインテリアの分野でも様々なライフスタイルに応じた生活空間をトータルに演出するための『セサミ』,『インテリアート』などの生活提案型ショップを展開。」の記載と,会社概要の「株主」の欄に,「帝人フロンティア(100%)」の記載がある。 (2)乙第2号証の1は,テイジンアソシアリテイル社のウェブサイト(2017年4月3日印刷)であり,左下に,「TEIJIN BRAND」として,「BEAUTY and FUN! sesame」を含め5つのブランド名の表示がある。 そして,乙第2号証の2は,「BEAUTY and FUN! sesame」のウェブサイト(2017年4月3日印刷)であり,「SHOP LIST」の欄に,「セサミ 須磨パティオ店 神戸市須磨区中落合2-2-7 須磨パティオ健康館2F」の記載がある。 (3)乙第3号証の1は,商品「クッション」が2つ並べられた状態の写真であり,下部に写された商品「クッション」には,「Bagel/Cushion」と表示され,「sesame」(以下「使用商標」という。),「¥1,480+税」,「4969133944710」が表示されたシールが貼付されている。 (4)乙第4号証は,取引先である株式会社井田両国堂から仕入れた商品の「仕入伝票」であり,平成28年12月3日付けの「仕入伝票」(乙4の2)には,「品名・規格」の項に「コジット(G)ベーグルクッションヒップSラズベリ1480 2860-5」,「数量」の項に「1」,「売単価」の項に「1480円」の記載がある。 そして,平成28年12月13日付けの「仕入伝票」(乙4の3)には,「品名・規格」の項に「コジット(G)ベーグルクッションヒップSラズベリ1480 2860-5」,「数量」の項に「1」,「売単価」の項に「1480円」の記載がある。 (5)乙第6号証は,セサミ須磨店の電子ジャーナルであり,乙第6号証の1には,「2016年12月10日(土)18時2分」に,「4969133944710」,「コジット ベーグルクッションHSラズ ¥1598込」の記載があり,乙第6号証の2には,「2017年1月12日(木)17時20分」に同一の番号及び商品についての記載がある。 2 上記1によれば,次のとおり判断できる。 (1)テイジンアソシアリテイル社は,本件商標権者の子会社であり,本件商標の使用について,本件商標権者より黙示の許諾を受けていたものと認められるから,本件商標の通常使用権者とみて差し支えない。 そして,テイジンアソシアリテイル社は,神戸市須磨区において「セサミ 須磨パティオ店」を経営している。 (2)本件商標の通常使用権者は,「品名・規格」を「コジット(G)ベーグルクッションヒップSラズベリ1480 2860-5」とする商品「クッション」を,要証期間に含まれる平成28年12月3日に株式会社井田両国堂から仕入れ,「セサミ 須磨パティオ店」において同月10日に販売したものであり,同じく,同月13日に仕入れ,平成29年1月12日に販売したものである。 そして,上記商品について電子ジャーナルに記載されたPOS番号「4969133944710」は,乙第3号証の1及び3に示された商品「Bagel/Cushion」に貼付された「sesame」の欧文字が表示されたシールに記載されている「4969133944710」と一致する。 そうすると,本件商標の通常使用権者が株式会社井田両国堂から仕入れ,「セサミ 須磨パティオ店」において販売した商品「クッション」には,使用商標を表示したシールが貼付されていたものと認められる。 (なお,職権調査によれば,「ラズ」,「ラズベリ」は当該クッションのカラーの1つであるラズベリーであることが確認できる。) (3)本件商標は,「セサミ」の片仮名と「SESAME」の欧文字を2段に横書きしてなるところ,構成各文字から,「セサミ」の称呼を生ずるものである。 他方,使用商標は,「sesame」の欧文字からなるものであるところ,本件商標の「SESAME」の欧文字とは,大文字と小文字の差異はあるとしても,つづりが同一であり,本件商標の構成中「セサミ」の片仮名を欧文字で表したものと理解されるから,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 そして,商品「クッション」は,取消請求商品中の第20類「クッション」に含まれるものと認められる。 3 小括 以上によれば,本件商標の通常使用権者は,要証期間に,本件審判の請求に係る指定商品第20類「クッション」の包装に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付して譲渡したものと認められる。 本件商標の通常使用権者による上記行為は,本件審判の請求に係る指定商品についての商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当するものである。 4 まとめ 以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,通常使用権者が,その請求に係る指定商品である第20類「クッション」について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したというべきである。 したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により取り消すべきではない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-11-17 |
結審通知日 | 2017-11-27 |
審決日 | 2017-12-11 |
出願番号 | 商願2000-27959(T2000-27959) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Z20)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
田中 亨子 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 小林 裕子 |
登録日 | 2001-02-23 |
登録番号 | 商標登録第4455862号(T4455862) |
商標の称呼 | セサミ |
代理人 | 為山 太郎 |