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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W06
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W06
管理番号 1337162 
審判番号 不服2015-16890 
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-14 
確定日 2018-01-29 
事件の表示 商願2014-61502拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第6類「くい」を指定商品として,平成26年7月23日に立体商標として登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,「本願商標は,長い棒状の一方の先を三角錐にした立体的形状を表してなるところ,これよりは,指定商品『長い棒状の杭(くい)』との関係において『長い棒状の杭(くい)を一方の先を三角錐にしたもの』として商品の機能又は美感をより効果的に発揮させるために施された立体的形状を表示したものと容易に認識されるから,単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。してみれば,これを本願の指定商品中,前記に相応する商品『長い棒状の一方の先を三角錐にした杭(くい)』に使用するときは,商品の形状を表示するにすぎず,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。また,提出された証拠によっては,本願商標は,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認め難く,商標法第3条第2項には該当しない。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋
審判長は,請求人に対し,平成28年5月11日付けで,別掲2のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し,かつ,同条第2項の要件を具備しないものである旨の見解を示す審尋を通知し,これに対する回答を求めた。

第4 審尋に対する請求人の回答の要点
(請求人が証拠方法として提出した第1号証ないし第133号証(枝番号を含む。)については,それぞれ,甲第1号証ないし甲第133号証(枝番号を含む。)と読み替える。)
1 本願商標に係る立体的形状の特徴
本願商標は,単管の先端側部分に絞り加工を施すとともに,単管の頭部側部分にも絞り加工を施し,単管の先端には,先端が尖った円錐状の尖端部材が全周溶接により接合されて接合部にリング状の膨らみが施され,単管の頭部には,単管の端面より一回り大きい円盤状のプレートが全周溶接により接合されて成るとともに円盤状のプレートの頂面には高さの低い截頭円錐形の台形部が形成されており,単管の両端に近い位置の外周にそれぞれ細い線が配されている立体的形状からなる。
本願商標に係る立体的形状の特徴は,「単管の両端絞り加工+先端側に先端が尖った円錐状の尖端部がリング状の膨らみを介して接合+頭部側に截頭円錐形の台形部を備えた円盤状プレートが接合」の点にある。
2 本願商標に係る立体的形状についての自他商品識別力
本願商標に係る立体的形状は,(1)単管の先端側部分に絞り加工を施すとともに,単管の頭部側部分にも絞り加工を施すという,両端絞り加工の形状,(2)単管の先端には,先端が尖った円錐状の尖端部材が全周溶接により接合されて接合部にリング状の膨らみが施されるという,先端側に先端が尖った円錐状の尖端部がリング状の膨らみを介して接合,との形状,(3)単管の頭部には,単管の端面より一回り大きい円盤状のプレートが全周溶接により接合されて成るとともに円盤状のプレートの頂面には高さの低い截頭円錐形の台形部が形成されるという,頭部側に截頭円錐形の台形部を備えた円盤状プレートが接合,との形状の中,下線を施した形状は,杭(くい)に機能上必然とはいえない形状であって,請求人のデザインから生まれた独自の形状である。
これらの下線を施した形状をも合わせ具備する本願商標に係る立体的形状は,自他商品識別力を有するものであり,商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
このことは,本願商標に係る立体的形状を有する商品が,「くい丸」として取引者・需要者に他の形状の杭と区別して認識されていることからも明らかである。
3 使用による識別力
(1)請求人は,1994年に本願商標に係る立体的形状からなる杭(くい)を独自の開発によりデザインし,製造を開始した。
(2)請求人の代表取締役である君岡誠治(以下「君岡」という。)は,中空パイプを切断して使っている従来の杭(くい)では,先端が尖っていないため打ち込みにくく人件費がかさむ要因となり,また,土中で石に当たるとパイプがつぶれ,強度の問題も生じていることから,パイプの先端を細く絞り,強度を増すため鋼を全周溶接して補強するとともに,ハンマーを当てる頭の部分にも絞り加工を施し円盤状プレートを全周溶接して補強した。
これにより作業効率の向上と,繰り返し使用が可能となった。
(3)請求人は,新規開発の杭(くい)に商標「くい丸」と名付け,商標登録を受けるとともに,本願商標に係る立体的形状からなる「杭(くい)」の販売を開始し,その後,20数年の間,形状を変えることなく,一貫してその形状にこだわって製作し販売し続けるとともに,200回を超える展示会への出展を行い,さらに新聞の全国版や業界紙などに広告を繰り返し行い,継続して販売を行った結果,全国紙にも記事として頻繁に取り上げられ,地元奈良では県知事の表彰も受けるなどした。
(4)今では「くい丸」といえば,請求人の本願商標に係る立体的形状からなる商品であると取引者・需要者に認識されるだけでなく,商工会において取り上げられたり,自治体にも認識されるだけでなく,国の機関においても認識されるようになった。
(5)証拠(甲16?128)によれば,本願商標は,使用の実績や新聞での評価及び売上金額及び本数が飛躍的に伸びている点,業界におけるアンケート調査の結果並びに大手商社のカタログでの取扱い,さらに,新技術情報提供システム(NETIS)での登録は,「くい丸」という名前を評価して登録を認めているのではなく,「くい丸」が長年継続して維持している本願商標に係る立体的形状に対して評価し登録を認めていることからも,本願の指定商品の分野における取引者,需要者は,本願商標に係る立体的形状自体を十分に識別して商品を取引し購入していることが明らかである。
(6)したがって,本願商標は,商標法第3条第2項の規定により,使用による自他商品識別力を獲得するに至っている。

第5 君岡証人の証言
君岡証人は,平成28年12月5日,特許庁審判廷において,宣誓の上,別掲3のとおり,証言した(証拠調べ調書)。

第6 平成28年12月19日付け上申書の要点
本願商標に係る立体的形状について,君岡は,それまで製造していた「テールローラー」の製造のために自社が有していた技術を利用して,従来のパイプ製の杭(くい)の両端を絞ることにより独自の形状の杭(くい)として販売することを創案した。
請求人は,上記創案した新規の杭(くい)について検討したところ,「筒体を加圧しつつ絞りをかけるスェージング加工により先端側がテーパ状に形成される一方,基端側が先細状に形成された筒状本体と,この筒状本体の先端側開口に固着された尖状部材と,基端側開口に固着された鍔状のヘッド部材とからなる杭(くい)」という技術的思想により,実用新案法の新規性及び進歩性を具備し得るとの判断から実用新案登録出願を行った。
この技術的思想には,(1)先端側及び基端側のどの範囲にまで絞りをかけるか,(2)どの程度の角度で絞りをかけるか,(3)絞りの範囲の長さはどの程度にするか,(4)先端側開孔に固着する尖状部材をいかなる形状にするか,(5)先端側端部と尖状部材の接合部をどのように処理するか,(6)基端側に固着されたヘッド部材をいかなる形状にするか,などの具体的条件については全く特定されていないもので,この実用新案登録出願した技術的思想である考案から,不可避的に本願商標の形状となるものではない。
また,考案の作用として記載した内容からは,技術的思想としての考案に至るにすぎないもので,上記したように本願商標の具体的形状の特定には至らない。
以上のとおり,請求人が実用新案を出願しているとしても,本願商標に係る立体的形状は,杭(くい)の機能を確保するために必ず取らざるを得ない不可避的な立体的形状のみからなるものではないから,登録要件を具備するものである。

第7 当審の判断
(1)立体商標における商品等の立体的形状について
商品等の形状は,多くの場合,商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり,商品等の美観をより優れたものとするなどの目的で選択されるものであって,商品の出所を表示し,自他商品を識別する標識として用いられるものは少ないといえる。このように,商品等の製造者,供給者の観点からすれば,商品等の形状は,多くの場合,それ自体において出所表示機能ないし自他商品識別機能を有するもの,すなわち,商標としての機能を有するものとして採用するものではないといえる。また,商品等の形状を見る需要者の観点からしても,商品等の形状は,文字,図形,記号等により平面的に表示される標章とは異なり,商品の機能や美観を際立たせるために選択されたものと認識し,出所表示識別のために選択されたものとは認識しない場合が多いといえる。
そうすると,商品等の形状は,多くの場合に,商品等の機能又は美観に資することを目的として採用されるものであり,客観的に見て,そのような目的のために採用されたと認められる形状は,特段の事情のない限り,商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として,商標法第3条第1項第3号に該当すると解するのが相当である。
また,商品等の具体的形状は,商品等の機能又は美観に資することを目的として採用されるが,一方で,当該商品の用途,性質等に基づく制約の下で,通常は,ある程度の選択の幅があるといえる。しかし,同種の商品等について,機能又は美観上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものであれば,当該形状が特徴を有していたとしても,商品等の機能又は美観に資することを目的とする形状として,商標法第3条第1項第3号に該当するものというべきである。その理由は,商品等の機能又は美観に資することを目的とする形状は,同種の商品等に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから,先に商標出願したことのみを理由として当該形状を特定の者に独占させることは,公益上の観点から必ずしも適切でないことにある。(知財高裁平成22年(行ケ)第10253号 同23年6月29日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,一方の先端を円錐状に尖らせ,もう一方の先端を円盤状に平らにした長い棒状の立体的形状からなり,棒状の両側は,先端に向けて緩やかに絞られ,また,その先端に近い位置の外周には1本の細い線が配されており,さらに,棒状の部分と円錐状及び円盤状の部分との接合部には,リング状の膨らみが施されているものである。
イ 一般的な商品「杭(くい)」の形状について
本願の指定商品は,第6類「くい」であるところ,これは,専ら建築又は構築に用いられる金属製杭(くい)であって,別掲2の3のとおり,一般的な「杭(くい)」の形状は,一方の先端(先端ミサイル)を円錐状に尖らせ,もう一方の先端(打ち込み部)を円盤状に平らにした長い棒状の形状からなるものであって,その詳細部分において商品毎に差異があるものの,それらは機能又は美観上の理由による形状の選択として生じ得る範ちゅうのものであり,さらに,別掲2の3(2)のとおり,本願商標と実質的に同一の形状からなる「杭(くい)」も,他人の取扱いに係る商品として複数存在し,流通している。
ウ 請求人の商品「杭(くい)」に係る実用新案権及び意匠権について
請求人は,以下のとおり,商品「杭(くい)」に係る実用新案権及び意匠権を有していた(甲2,職権調査)。
(ア)実用新案権について
請求人は,平成5年12月27日,考案の名称を「杭」とする実用新案登録出願をし,同9年7月11日,設定の登録を受け(登録第2552879号),同19年7月11日,当該実用新案権は存続期間満了により消滅した。
当該考案に係る実用新案登録公報には,【実用新案登録の請求の範囲】について「【請求項1】筒体を加圧し絞りをかけるスェージング加工により先端側がテーパ(審決注:円錐状に直径が次第に減少している状態)に形成される一方,基端側が先細状に形成された筒状本体と,この筒状本体の先端側開口に固着された尖状部材と,基端側開口に固着された鍔状のヘッド部材からなる杭。」の記載がある。
また,【考案が解決しようとする課題】について「……本考案は,……強度に優れ打ち込みが容易な杭を提供することを目的としている。」との記載及び【課題を解決するための手段】の項には,「本考案の杭は,筒体を加圧しつつ絞りをかけるスェージング加工により先端側がテーパ状に形成される一方,基端側が先細状に形成された筒状本体と,この筒状本体の先端側開口に固着された尖状部材と,基端側開口に固着された鍔状のヘッド部材とからなることを特徴としている。」との記載がある。
(イ)意匠権について
請求人は,平成5年11月17日,意匠に係る物品を「杭」とする意匠登録出願をし,同8年9月2日,設定の登録を受け(登録第969634号),同23年9月2日,当該意匠権は存続期間満了により消滅した。
当該意匠に係る意匠公報には,本願商標に係る立体的形状とほぼ同様の形状からなる「杭(くい)」の図面とともに,当該意匠に係る物品の「説明」の項に「この物品は,建築現場などで使用される杭で,両端部を尖らせて形成したパイプの一端に先端が円錐状に形成された先端部材を設け,他端にはパイプに蓋をするように基端部材を設けてなる。パイプの基端部材側をハンマなどで叩打して使用する。」との記載がある。
エ 判断
本願商標に係る立体的形状と一般的な商品「杭(くい)」の形状とを比較するに,両者は,一方の先端(先端ミサイル)を尖らせ,もう一方の先端(打ち込み部)を平らにした長い棒状の形状からなることを共通にしており,また,請求人が本願商標に係る立体的形状の特徴と主張している「単管の両端絞り加工+先端側に先端が尖った円錐状の尖端部がリング状の膨らみを介して接合+頭部側に截頭円錐形の台形部を備えた円盤状プレートが接合」の点についても,上記ウのとおり,請求人が過去に有していた商品「杭(くい)」に係る実用新案権及び意匠権に照らせば,いずれの形状部分も商品「杭(くい)」の機能又は美観に資することを目的としたものであり,当該権利がいずれも存続期間満了により消滅している現在においては,それらの特徴を有する形状からなる商品「杭(くい)」も,他人の取扱いに係る商品として複数存在し,流通していることが認められるから,上記形状の特徴をもって,当然に,商品の出所を識別する標識と認識させるものとまではいえない。
してみれば,本願商標は,その指定商品「くい」との関係においては,これに接する取引者,需要者に,単に商品の形状を表示したものと理解されるにとどまり,自他商品の識別標識とは認識されないというべきであるから,商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
オ 請求人の主張に対する判断
請求人は,本願商標に係る立体的形状の特徴は,商品「杭(くい)」において機能上必然とはいえない形状であって,請求人のデザインから生まれた独自の形状である旨,また,実用新案を出願しているとしても,本願商標の形状が,杭(くい)の機能を確保するために必ず取らざるを得ない不可避的な立体的形状のみからなるものではなく,本願商標は登録要件を具備する立体的形状である旨主張する。
しかしながら,本願商標に係る立体的形状の特徴は,いずれも,杭打ち作業時に掛かる大きな負荷を一点に集中させることなく,杭全体に分散させ,変形を防止する構造として採用された形状であって,商品「杭(くい)」の機能又は美観に資することを目的としたものといえるから,その機能を確保するために必ず取らざるを得ない不可避的な立体的形状でないとしても,その機能又は美観上の理由による形状の選択と予測し得る範囲内のものと認められる。
したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(3)本願商標の商標法第3条第2項該当性について
ア 請求人は,仮に本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても,同条第2項の規定により登録を受けることができる旨主張しているので,以下検討する。
立体的形状からなる商標が使用により自他商品識別力を獲得したかどうかは,当該商標ないし商品等の形状,使用開始時期及び使用期間,使用地域,商品の販売数量,広告宣伝のされた期間・地域及び規模,当該形状に類似した他の商品等の存否などの諸事情を総合考慮して判断するのが相当である。そして,使用に係る商標ないし商品等の形状は,原則として,出願に係る商標と実質的に同一であり,指定商品に属する商品であることを要するというべきである。もっとも,……使用に係る商品等の立体的形状において,ごく僅かに形状変更がされたことや,材質ないし色彩に変化があったことによって,直ちに,使用に係る商標ないし商品等が自他商品識別力を獲得し得ないとするのは妥当ではなく,使用に係る商標ないし商品等にごく僅かな形状の相違,材質ないし色彩の変化が存在してもなお,立体的形状が需要者の目につき易く,強い印象を与えるものであったかなどを総合勘案した上で,立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っているか否かを判断すべきである(知財高裁平成22年(行ケ)第10253号 同23年6月29日判決参照)。
イ 事実認定
後掲の証拠及び請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(ア)本願商標の使用開始時期・使用期間
請求人は,新規に開発した,本願商標の立体的形状からなる商品「杭(くい)」(以下「本件使用商品」という。)を「くい丸」と名付け,1994年(平成6年)から現在に至るまで継続して,商標「くい丸」の付された本件使用商品を製造,販売してきた(甲3,17,19,21,62,69?71等)。
(イ)使用地域
本件使用商品は,日本全国において販売された(甲121,122)。
(ウ)商品の販売実績
本件使用商品の販売実績は,以下のとおりであり,1994年度から2015年度までの22年間で合計約630万本が販売され,その販売金額は合計約60億円である(甲36)。
年度 販売本数(本) 販売金額(千円)(税抜)
1994 21,022 14,301
1995 46,096 28,174
1996 75,786 48,883
1997 112,061 74,923
1998 105,138 76,430
1999 143,108 97,216
2000 172,872 114,384
2001 162,151 111,386
2002 190,325 127,931
2003 234,960 157,898
2004 259,556 182,308
2005 254,736 202,544
2006 346,363 280,413
2007 320,622 279,275
2008 351,334 367,915
2009 203,110 233,413
2010 404,439 390,307
2011 423,866 425,244
2012 472,082 499,474
2013 651,211 703,856
2014 673,532 757,445
2015 675,153 816,932
(エ)広告宣伝等
a 本件使用商品に係る商品カタログ(甲29の1?17,37?54)は,1996年以降継続的に作成されているとのことであるが,作成部数が確認できる2007年6月から2015年10月までの間では,合計20万1000部作成されており,直近の作成依頼が2015年10月14日の1万部であることからすると,それらはほぼすべて頒布されたものと推認できる(甲55)。
ただし,本願商標と実質的に同一と認められる形状からなる使用に係る商標(以下「本件使用商標」という。)ないし本件使用商品の全体形状が顕著に表示されている証拠は,甲29の1・5及び6,37?44,54のみであり,これらを含むすべての商品カタログに「くい丸」の商標が使用されている。
b 新聞(甲16?28,58?93)は,1994年から2016年にかけて行われた本件使用商品の紹介記事・広告記事であり,日本経済新聞,奈良新聞,鉄鋼新聞,日経産業新聞,建設技術新聞,日刊木材新聞,日刊工業新聞等に掲載された(掲載年及び回数は,1994年2回,1998年2回,2006年2回,2007年2回,2008年2回,2010年2回,2011年2回,2012年18回,2013年7回,2014年9回,2015年1回,2016年4回の合計53回である。)。
ただし,本件使用商標ないし本件使用商品の全体形状が表示されている証拠は,甲19,24の1?3,59?61,63,90のみであり,これらを含むすべての紹介記事・広告記事に「くい丸」の商標が使用されている。
c 雑誌・パンフレット(甲98?108)においては,日経コンストラクション2007年7月27日号広告別冊「NETIS登録技術」(甲98),平成23年9月財団法人奈良県中小企業支援センター発行「奈良県の中小企業 魅力情報誌」(甲99),株式会社建設物価サービス発行「建設工法NETIS 2015年版」(甲100),日本工業出版発行「建設機械 2016年6月号(第52巻第6号)」(甲101),「奈良県商工会シニアアドバイザーセンター」発行のパンフレット(2007年頃のもの。甲102),全国商工会連合会発行「月刊『商工会』2011年3月号」(甲103),社団法人仮設工業会発行「仮設機材マンスリー」(1997年9月号)(甲106),奈良県商工会連合会発行「経営のいずみ」2010年6月号(甲107)及び中小企業庁編「中小企業白書[2011年版]」(甲108)に本件使用商品に係る紹介記事として掲載され,また,一般社団法人全国アグリソーラー協会発行「AS-Times」創刊号(2014年7月1日発行)(甲104)及び社団法人仮設工業会発行「仮設機材マンスリー」(1996年9月号)(甲105)に本件使用商品に係る広告記事として掲載された。当該記事には「くい丸」の商標及び本件使用商品の特徴等の説明等がなされているものの,本件使用商標ないし本件使用商品の全体形状が表示されている証拠は,甲105のみである。
d 漫画冊子(甲56)は,本件使用商品の形状,特性,施工例等について漫画によりわかりやすく説明したものであり,2015年10月に5千部,その後6千部作成されたとのことであるが,当該冊子中には,本件使用商標と認め得る全体形状が描かれている箇所もあるが,吹き出しや説明文では専ら「“くい丸”」のように「くい丸」の文字を強調表示しているほか,当該冊子の表紙及び裏表紙においても「くい丸」の商標を顕著に表示している。
e 展示会出展履歴一覧表(甲57)によれば,本件使用商品の展示会出展は,1996年に1回,その後,1998年から2015年まで毎年継続して合計206回(うち国外で3回,国内の特定の会社敷地内で63回)行われたが,1回当たりの来場者数が最も多かったと認められるのは,2008年に東京ビックサイトで開催された「東京国際消防防災展」の12万5千人であり,特定の会社敷地内での開催については来場者数の記載はなく不明である。その他の展示会例として,(a)EE東北,(b)new環境展,(c)PVJapan,(d)PVシステム施工展/PV Expo,(e)アグリテック/Gardex,(f)グランドフェア大阪・東京・九州・仙台・北海道・名古屋,(g)けんせつフェア北陸,(h)コベルコ建機関東・中部,(i)清水工機,(j)レンテック大敬,(k)建築・建材展,(l)震災対策技術展(横浜,仙台),(m)鉄道技術展,(n)利根川水防演習などがある。本件使用商品を展示するに当たっては,「くい丸」の商標を展示会ブースの看板やのぼり等に顕著に表示していた(甲16(甲71と同じ)及び109の13(2葉目の下段部,11葉目の下段部,18葉目の上段部,21葉目の上段部,26葉目の下段部)の例からすると,他の展示会でも同様に「くい丸」の商標を顕著に表示していたものと推認できる。)。
なお,君岡証人も,別掲3のとおり,広告展示会のブースにおいて,楕円形のくい丸商標を貼っていたと証言している(証拠調べ調書)。
(オ)アンケート調査
株式会社インテージが2015年10月7日?10月13日に行った,仮囲い作業従事者1045人に対する「打ち込み杭に関する調査結果」(甲35)によれば,本願商標に対応する杭を使ったことがある者は152人(14.5%),本願商標に対応する杭を見たことがある者は141人(13.5%)であり,本願商標に対応する杭について知らない又はわからないと回答した者は752人(72.0%)であった。
(カ)施工例
本件使用商品の施工例(甲56,109)として,建設現場の囲いの設置以外に,富士山登山道,明治神宮,太陽光発電,防獣ネット,林道の確保,花火大会会場,仮設歩道,農業ハウス,送電線用鉄塔の土留め用,観光船舫い用,新幹線・鉄道の在来線などでも使用された。
(キ)NETISのくい丸の登録情報について
本件使用商品について開発した新技術は,技術名称を「くい丸」として,平成22年12月20日付けで,NETIS(New Technology Infomation System,国土交通省がWeb上に公開している新技術情報システム)において,事後評価を実施した技術として登録を受けた(NETIS登録No.KT-990237-V。甲7,8)。
甲7及び甲8には,「公共事業でくい丸を使用することによって,工事成績評定と総合評価落札方式での入札において加点対象となります。」と記載されており,また,「くい丸」(本件使用商品)の形状に関しては,「新技術は,・従来技術と同等のパイプに両端に加工を加え,先端部に尖ったS45Cのハガネ材を採用することで,従来品では打ち込みが困難であった地盤(アスファルト,鉄道バラスト,硬くしまった地盤等)にも施工可能である。・くい打ち作業の際には杭に対して大きな力がかかるが,両端を絞り加工することにより,その負担が一点に集中することがなく耐久性が向上している。・両端部に金具を全周溶接しており,密閉構造となる為耐久性が向上している。」との記載がある程度であり,「くい丸」本体の写真も掲載されているがその形状の特徴を細部にわたって確認できるものではない。
(ク)個人ブログサイトを含むウェブサイト(甲110?120)には,「くい丸」の商標が付された商品「杭(くい)」の写真とともに,その特徴及び使用例等が紹介されているものの,本件使用商標ないし本件使用商品の全体形状が表示されている証拠は,甲110及び甲118のみである。また,土木・建築材料の販売会社に係るカタログ(甲123,124,127)においても,「くい丸」の見出しとともに,本件使用商品の写真が掲載されているものの,本件使用商品の全体形状に係る特徴が明確に把握できる態様で表示されているものということはできないし,当該カタログがどの程度頒布されたものであるか不明である。
(ケ)第三者商品による使用及びその対応
本件使用商品と実質的に同一の形状からなる商品「杭(くい)」は,請求人以外の業者によっても製造,販売されている(別掲2の3(2))が,君岡証人は,別掲3のとおり,警告する権利がないと自認した上で,これらの業者に対して警告等は行っていないと証言した(証拠調べ調書)。
(コ)小括
上記(ア)ないし(ク)によれば,請求人は,<1> 本件使用商品を1994年(平成6年)から製造,販売しており,2015年度までの22年間で合計約630万本を販売し,その販売金額も合計約60億円に達していることから,それ相応の販売実績があることは認められるが,その市場における販売シェアは明らかであるとはいえないこと,<2> 本件使用商品の広告宣伝等については,商品カタログ,新聞,雑誌,パンフレット,漫画冊子及びウェブサイトによって本件使用商品の特徴,使用例等が紹介・広告されているが,それに当たっては,常に「くい丸」の商標が使用されており,本件使用商標ないし本件使用商品の全体形状が表示されていたのは,そのうちの一部にすぎないこと,そして,本件使用商品の展示会出展においても,「くい丸」の商標が展示会ブースの看板やのぼり等に顕著に表示されていたことに加え,商品カタログの作成は,2007年6月から2015年10月までの約8年強で約20万部,新聞での掲載は,1994年から2016年の23年間で53回,雑誌・パンフレットでの掲載は,1996年から2016年の21年間で11回,漫画冊子の作成は,2015年10月以降に合計1万1千部(請求人の主張),展示会出展は,1996年に1回,その後,1998年から2015年まで毎年継続して合計206回(うち国外で3回,国内の特定の会社敷地内で63回)行われたが,1回当たりの来場者数が最も多かったと認められるのは,2008年に東京ビックサイトで開催された「東京国際消防防災展」の12万5千人であり,また,特定の会社敷地内での開催については来場者数の記載はなく不明であって,いずれもそれぞれの期間ないし規模との関係からみて決して多いものとはいえないこと,<3> アンケート調査結果によれば,本願の指定商品の主たる需要者である仮囲い作業従事者ですら,本願商標に対応する杭について知らない又はわからないと回答した者が実に72%も存在したこと,<4> 本件使用商品の施工例には,建設現場の囲いの設置以外にも使用された例があること,また,本件使用商品について開発した新技術(くい丸)は国土交通省がWeb上で公開している新技術情報システム「NETIS」に,事後評価を実施した技術として登録を受けたこと,さらに,個人ブログサイトを含むウェブサイト及び土木・建築材料の販売会社に係るカタログにも紹介等されている例がいくつかあることが認められるが,それらの事実からは必ずしも本願商標の立体的形状による出所識別力の獲得に寄与したものか評価し得ないこと,<5> 上記(ケ)のとおり,本件使用商品と実質的に同一の形状からなる「杭(くい)」を製造,販売している業者に対して,請求人は警告等を行っていないことが認められる。
以上のことを総合考慮して判断するならば,本願商標は,本件使用商標ないし本件使用商品が使用された結果,需要者がその形状の特徴の故に,何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認めるのは困難である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第2項に該当しないというべきである。
(コ)請求人の主張に対する判断
a 請求人は,別掲2の3(2)アないしウの商品は,本願商標の商品の信用に「ただ乗り」を図っている商品であり,このような「ただ乗り」商品の存在をもって,本願商標の形状が一般的な「杭(くい)」の形状であるとするのは,法目的に照らし妥当性を欠くものである旨主張する。
しかしながら,上記(2)ウのとおり,請求人が有していた本願商標に係る立体的形状に関連する「杭(くい)」についての実用新案権及び意匠権は,いずれも存続期間満了により消滅しているのであるから,特段の事情がない限り,その考案及び意匠に係る形状については,誰もが自由に使用できるものであるところ,本願商標の立体的形状と同様の形状からなる第三者商品に対しては,上記(ケ)のとおり,君岡証人は,警告する権利がないと自認した上で警告等は行ってこなかったのであるから,そのような第三者商品による使用及びその対応についても商標法第3条第2項の該当性判断において考慮するのは当然のことである。
b NETISでの登録は「くい丸」という名前を評価して登録を認めているのではなく,「くい丸」が長年継続して維持している本願商標の形状に対して評価し登録を認めていることから,本願の指定商品の分野における取引者,需要者は,本願商標の形状自体を十分に識別して商品を取引し購入していることが明らかである旨主張する。
しかしながら,上記イ(キ)のとおり,NETIS上では,「公共事業でくい丸を使用することによって,工事成績評定と総合評価落札方式での入札において加点対象となります。」と記載されており,また,新技術「くい丸」(本件使用商品)の形状に関しては,「……従来技術と同等のパイプに両端に加工を加え,先端部に尖ったS45Cのハガネ材を採用……両端を絞り加工することにより,……両端部に金具を全周溶接しており……。」との記載がある程度であって,一緒に掲載されている「くい丸」本体の写真においてもその形状の特徴を細部にわたって確認できるものではないから,同種商品において「くい丸」という製品を使用するメリットを理解し得たとしても,当該NETIS情報に接した本願の指定商品の取引者,需要者において,「くい丸」との情報を抜きにして本願商標の形状自体を十分に識別して商品を取引し購入しているものとは認めることができない。
c したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであって,かつ,同条第2項に該当するものでもないから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(立体商標)


別掲2 平成28年5月11日付け審尋
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,願書記載のとおり,一方の先端を円錐状に尖らせ,もう一方の先端を円盤状に平らにした長い棒状の立体的形状からなるところ,その形状を詳細にみれば,棒状の両側は,先端に向けて緩やかに絞られ,また,その先端に近い位置の外周には1本の細い線が配されており,さらに,棒状の部分と円錐状及び円盤状の部分との接合部には,リング状の膨らみが施されているものである。
ところで,本願の指定商品「くい」(第6類)は,専ら建築又は構築に用いられる金属製杭(くい)であるところ(商標法施行規則別表中,第6類の欄を参照。),下記3のとおり,一般的な「杭(くい)」の形状は,一方の先端(先端ミサイル)を円錐状に尖らせ,もう一方の先端(打ち込み部)を円盤状に平らにした長い棒状の形状からなるものであり,また,その詳細部分は商品毎に差異があるものの,それらは機能上の理由による形状の選択として生じ得る範ちゅうであり,さらに,いくつかの商品においては,棒状の両端が,先端に向けて緩やかに絞られ,その両先端の外周には1本の線が配され,棒状の部分と円錐状及び円盤状の部分との接合部にリング状の膨らみが施されているものも見受けられる。
そして,本願商標の立体的形状と一般的な「杭(くい)」の形状とを比較すると,一方の先端(先端ミサイル)を尖らせ,もう一方の先端(打ち込み部)を平らにした長い棒状の形状からなることを共通にするものであり,また,その詳細部分においては差異を有する場合もあるものの,これらはいずれも地中に打ち込む長い棒であり,目印や支柱にすることもある「杭(くい)」の機能(機能向上)に資することを目的として採択されたものといえ,その機能上の理由による形状の選択として予測し得る範囲のものとみるのが相当である。
さらに,下記3(2)のとおり,本願の指定商品を取り扱う業界においては,詳細部分の形状も含め,本願商標と実質的に同一といえる形状からなる「杭(くい)」が,他人の取扱いに係る商品として複数存在し,流通していることも認められる。
そうすると,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,これに接する取引者・需要者をして,単に商品の形状を表示したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識として認識し得ないものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第2項について
請求人は,「本願商標を企業のシンボルマークとし,独走的な本願商標の形状を自己の商品の形状に取り入れ,これを新聞広告するなどした結果,本願商標は,本願指定商品の取引者,需要者により出願人と一体的関連性をもって広く認識されるに至ったものである。これにより,本願商標は,出願人との関連性を強く印象付ける杭(くい)の形状からなることと相まって,出願人を象徴する杭(くい)の形状であると認識され,その結果,本願指定商品の取引者,需要者が出願人を想起する識別標識として機能するものである。よって,本願商標は,仮に,商標法第3条第1項第3号に該当する場合であっても,使用により自他商品識別力を獲得するに至ったものであり,本願指定商品に使用しても品質の誤認を生じないものである。」旨主張し,証拠方法として第1号証ないし第36号証を提出している。
しかしながら,上記主張を立証する,例えば,本件使用商品(「くい丸」の文字商標を付した商品「杭(くい)」)について,指定商品の市場におけるシェアを確認することができない。
そして,仮に,本件使用商品のシェアが高いと認められるものであったとしても,前記1で述べたとおり,本願商標の立体的形状と実質的に同一の形状からなる他人の商品「杭(くい)」が複数存在し,相当程度市場に流通していることが推認されるものであり,また,請求人が提出した各号証における広告等の証拠は,いずれも「くい丸」の文字と共に使用されているものであって,さらに,下記3(1)ア並びに(2)ア及びイのインターネット情報からすれば,本願の指定商品の分野における取引者,需要者は,これら他人の商品と本件使用商品の出所を,「くい丸」の文字によって識別しているというべきである。
そうすると,本願商標が,その形状をもって,その指定商品に係る需要者の間で,請求人の出所識別標識として広く認識されていると認めることができない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
3 「杭(くい)」の形状について
(1)一般的な「杭(くい)」の形状(下記(2)で挙げるものを除く。)
ア 「ゲート工業株式会社」のウェブサイトにおいて,「鋼製杭,スチール杭,鉄製くい,鉄杭,防獣クイ,パイ杭,支柱用<激安>『くい丸』より安い!」の見出しの下,「・アスファルトにも打ち込めます。・捨てパイプとしての利用に最適。・『くい丸』より安価です。・数回の利用なら『くい丸』の代わりとしてご利用可能です。」の記載があり,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://www.gatekogyo.co.jp/kui.html
イ 「TAKIGEN」のウェブサイトにおいて,「杭用パイプ(HDZ 45 相当仕様)」の見出しの下,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
https://www.takigen.co.jp/jp/contents/eyesearch/detail.do?name=24597
http://catalog.takigen.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=TKG12001&catalogId=6156130000&pageGroupId=579&designID=TKGD001&catalogCategoryId=&designConfirmFlg=&keyword=
ウ 「卸値通販のホームメイキング」のウェブサイトにおいて,「単管杭・・・他:SK-100N48」の見出しの下,「鋼製杭」の紹介として,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://www.homemaking.jp/product_info.php?products_id=85307
エ 「あっと解消 本店」のウェブサイトにおいて,「工事現場や太陽光,畑の囲いなど・ 支柱の用途は色々! 【単管杭 1.0m】」の見出しの下,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://www.kwn.ne.jp/56600/
オ 「KOMERI.COM」のウェブサイトにおいて,「48.6φ単管杭 ドブメッキ 1m ドブメッキ(溶融亜鉛メッキ)仕上げ」の見出しの下,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://www.komeri.com/disp/CKmSfGoodsPageMain_001.jsp?GOODS_NO=839407
カ 「仮設マーケット」のウェブサイトにおいて,「打ち込み杭 1.2mの詳細情報」の見出しの下,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://www.kasetsu-market.jp/shopping/PR/PR0000925.cfm
キ 「工事資材コム」のウェブサイトにおいて,「打込み杭・・・L=2000」の見出しの下,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://koujishizai.com/SHOP/AIJ-2257.html
ク 「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「あなたの近くのお庭専門店」の見出しの下,「単管杭150 【工事用・作業用杭・ネット設置用杭・支柱・仕切用・杭・繰り返し使用・スチール製・全面ドブ付けメッキ加工】」の紹介として,本願商標の立体的形状と,詳細において差異があるものの,全体として同様の特徴を有する形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://item.rakuten.co.jp/shinsei-ex/tankankui-150/#tankankui-150
(2)本願商標の立体的形状と実質的に同一の形状からなる「杭(くい)」
ア 「株式会社アルマックス」のウェブサイトにおいて,「打ち込み杭専用材 杭『くい』 アルマックス くい <ALMAX KUI> 基礎工事・柱材定着など多様な用途で使用可能 溶接亜鉛メッキ(ドブメッキ)使用 サビや腐食に強い!」の記載があり,本願商標の立体的形状と実質的に同一の形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されており,また,「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「門扉・フェンス専門店 アルミゲート専科」の見出しの下,「アルマックス くい <ALMAX KUI>」の紹介として,「【くい丸】と同形・同品質! さらに! まとめればまとめるほど, あの【くい丸】よりも お買い得!!!」及び「<超お得な40本セット> 公共事業・仮設工事・農業・ネットの固定 用途は様々! まとめ買いで くい丸 よりお得! <杭 ジェネリック杭 アルマックス社製 >・・・☆まとめ買いで くい丸 よりお得!」の記載がある。
http://www.almax.jp/
http://www.almax.jp/kui.pdf
http://item.rakuten.co.jp/alumi-gate/11-set08-6/
イ 「あしばバンク」のウェブサイトにおいて,「ドブメッキ杭」の見出しの下,「くい丸と同じ形状です。」の記載があり,本願商標の立体的形状と実質的に同一の形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
https://www.ashiba-bank.com/goods-new/dobumekikui.html
ウ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「横濱ゼームス商会」の見出しの下,「スチール製ドブメッキのクイ【1.5mタイプ】」の紹介として,本願商標の立体的形状と実質的に同一の形状からなる「杭(くい)」(商品)の写真が掲載されている。
http://item.rakuten.co.jp/auc-james/amx-kui486-1500xx006/

別掲3 君岡証人の証言の抜粋
046 当時,平成6年から,発売当初から,商標,文字のくい丸は使っておりましたか。
はい。
047 それから,販売に回って営業,パンフレットにはくい丸という商標が出ているということは確認いたしましたが,その売っているブースみたいにも,くい丸という商標使っておりましたか。
はい。楕円形のくい丸商標を貼っていました。
103 請求人は平成28年6月24日付の回答書で,立体的形状 ?この後,わかりやすくくい丸形状といいますけれども?について 20数年の間,形状を変えることなく,一貫してくい丸形状にこだわって,製造・販売等続けるとともに,200回を超える展示会というふうに書いておられます。
そこで,請求人の商品,広告展示会の出展管理について,2つほど伺います。
まず1つは,広告展示会において,特にくい丸の形状,くい丸形状の立体的特徴は,目立つように何か工夫して展示をしたとか,そういった点はございますか。
あります。
104 どのようにされましたか。
くい丸の直径,1メートルぐらいの紙でくい丸の形をつくって,その展示会場のブースにくい丸のシールも貼った形にして,色もそういう。
105 くい丸のシールというのはどんなんでしょうか。
くい丸という。
106 書いた。
はい。現物と同じようなデフォルトですけれども,大きくしたやつを会場に,ブースに設置して展示を行っています。今もしている。
110 請求人は,提示した回答書によれば,平成28年の5月11日付の審尋でしたインターネット上に示されている,その本件商標と一体形状と同様の形状はくい丸の形状の顧客吸引力,ただ乗り,ただ乗りだというふうにおっしゃられてもらっておりますけれども,現在も,要は意匠権満了のものをくい丸形状の運用管理について伺います。請求人は,このような他社のくい丸形状の使用について,警告等の通知とかを行っていますか。
権利がない。なくなっているわけでしょう。なくなったら警告できないのでは。
111 職権について調査をしましたが,請求人はくい丸の形状について,当該意匠権と同様に,実用新案権を出願して,審判請求を行って,平成9年にその登録を受けておりますけれども,このことについては御存じですか。
はい。
112 そのくい丸形状,先ほどの意匠権もそうですけれども,実用新案権を取得した経緯がわかれば,その辺について教えてください。
経緯。やっぱり自分のところで独自に開発したやつを,そういう意匠なり,商標なりとして維持して,くい丸を営業するのを必要あると思ったからです。
113 実用新案権になりますと,要は先ほどテーパーと言いました型抜きの部分についても,請求項の範囲に属していると思いますけれども,そのテーパーの部分について,技術的にどういう意味が開発時点でお考えになっていたかわかりますか。
やはり作業するときに打ち込む,先ほども申しましたように,鉄道のバラストにも置ける石があっても入っていく形にイメージすると,イメージして,ああいう形に行き着いたと思います。そのテーパーローラー,テールローラーのテーパーをイメージして,頭の部分はそのテーパーの角度を残して,先端はもう少し絞ると,あのままテーパーローラーを絞ると先になる。頭はそのままになります。要は,こういう既成の胴の部分を長くした状態で。
114 要は,胴の部分が両端に絞り込まれる。
はい。そういう形を意図してつくりました。
115 それは,技術的に,どういう効果をもたらすかということについても理解した上で。
頭の部分については,打ったときに,打ったハンマーの力なり,ブレーカーの力なりが分散して,強度が分散されるだろう。集中した,平べったいところに打つと変形とかが起こりやすいですけれども,絞ることによって,打つところが,面積が少なくなって,その力は,ハンマーの力がそこへ集中して,分散して,軸に,パイプに伝達して,先端につながっていく。先端は絞る。深く長く絞ることによって,なだらかに土を乱さずに入っていくということは,作業者が楽にくいを打ち込めるだろうというイメージでつくりました。

審理終結日 2017-03-31 
結審通知日 2017-04-07 
審決日 2017-06-19 
出願番号 商願2014-61502(T2014-61502) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W06)
T 1 8・ 17- Z (W06)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 平澤 芳行
田村 正明
代理人 福島 三雄 
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