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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W32
審判 一部申立て  登録を維持 W32
管理番号 1336364 
異議申立番号 異議2017-900198 
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-16 
確定日 2018-01-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5934402号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5934402号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5934402号商標(以下「本件商標」という。)は,「ポケットモンスター サン&ムーン」の文字を標準文字で表してなり,平成28年4月27日に登録出願,同29年3月6日に登録査定され,第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」のほか,第3類,第5類ないし第12類,第14類,第16類,第18類,第20類,第21類,第24類ないし第31類,第35類,第36類,第38類,第39類,第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は,次の45件の登録商標(以下,それら項番1ないし項番45を順次「引用商標1」ないし「引用商標45」といい,全部をまとめて「引用商標」という。)であり,それらの指定商品及び指定役務,登録出願日並びに設定登録日は,商標登録原簿及び国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりである。
商標登録番号 : 商標の態様
1 登録第5379390号商標:MONSTER
2 登録第5057229号商標:別掲1のとおり
3 国際登録第1048069号商標:別掲2のとおり
4 登録第5689430号商標:別掲2のとおり
5 登録第5730813号商標:別掲3のとおり
6 登録第5010968号商標:M MONSTER ENERGY
7 登録第5431413号商標:別掲4のとおり
8 登録第5788675号商標:別掲4のとおり
9 登録第5393681号商標:MONSTER ENERGY
10 登録第5788676号商標:MONSTER ENERGY
11 登録第5844119号商標:MONSTER ENERGY
12 登録第5495941号商標:MONSTER KHAOS ENERGY + JUICE
13 登録第5769176号商標:MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO
14 登録第5419513号商標:別掲5のとおり
15 登録第5757485号商標:COFFEE MONSTER
16 登録第5715016号商標:MONSTER ENERGY ULTRA
17 登録第5844163号商標:別掲6のとおり
18 登録第5394526号商標:別掲7のとおり
19 登録第5442171号商標:MONSTER ENERGY PINK
20 登録第5417815号商標:MONSTER ENERGY AGENT ORANGE
21 登録第5527566号商標:MONSTER DETOX
22 登録第5476620号商標:MONSTER REHAB
23 登録第5490798号商標:MONSTER RECOVERY
24 登録第5497766号商標:MONSTER UNLEADED
25 登録第5451361号商標:MONSTER PUMPED
26 登録第5480373号商標:MONSTER BIOACTIVATED
27 登録第5527567号商標:MONSTER REHABITUATE
28 登録第5417770号商標:MONSTER LO-CARB
29 登録第5375090号商標:PROTEIN MONSTER
30 登録第5327467号商標:MUSCLE MONSTER
31 登録第5409580号商標:MONSTER RIPPER
32 登録第5409582号商標:MONSTER BLACK
33 登録第5419507号商標:MONSTER DOUBLE BLACK
34 登録第5409583号商標:MONSTER GIRL
35 登録第5542584号商標:MONSTER CUBA-LIMA
36 登録第5043703号商標:JAVA MONSTER
37 登録第5431412号商標:JAVA MONSTER
38 登録第5741128号商標:JAVA MONSTER
39 登録第5644854号商標:MONSTER SUPERNATURAL
40 登録第5423080号商標:LOCA MOCA JAVA MONSTER
41 登録第5389881号商標:X-PRESSO MONSTER
42 登録第5657923号商標:MONSTER ENERGY ULTRA RED
43 登録第5562023号商標:JAVA MONSTER GREEN BEANS
44 登録第5613400号商標:MONSTER THRILLER
45 登録第5644852号商標:KONA CAPPUCCINO M JAVA MONSTER

第3 登録異議申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定商品及び指定役務中,第32類「全指定商品」(以下「申立てに係る商品」という場合がある。)について,商標法第4条第1項第15号及び同第7号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第349号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人の使用にかかる商標「MONSTER」の著名性
(1)申立人の使用に係る「MONSTER」は,申立人が2002年に創設したエナジードリンク(エネルギー補給飲料)事業のブランド「MONSTER ENERGY」の基軸商標として2002年から現在に至るまで,長年にわたり,継続して使用されているものであり,同ブランドのエナジードリンクは,2002年に米国で最初に販売を開始後,日本では2012年5月から販売を開始し,現在では日本を含む世界100以上の国及び地域で販売中である。
申立人は2002年以降,現在まで継続して,当該ブランドから発売された数多くの異なる種類のドリンクの個別商品名(例えば,「MONSTER ENERGY」,「MONSTER ASSAULT」,「MONSTER KHAOS」,「MONSTER M-80」,「MONSTER RIPPER」,「MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO」等)のすべてに「MONSTER」の文字を採択しており,当該各種ドリンクの缶の正面に,「MONSTER」の文字を,特徴的なデザインの太字を用いて大きく目立つ態様で表示して使用している。
このように,「MONSTER」を基調とする商標を用いた申立人のエナジードリンク事業の成功は,経済界でも高い評価を受けている(甲2?甲33,甲51?甲58)。
(2)国内市場でも,2012年5月から現在までの間において,2012年5月8日に「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」,2013年5月7日に「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」,2014年8月19日に「MONSTER ENERGY M3」を発売するなど,毎年1又は2回,新商品の発売やリニューアル発売をしている(甲5?甲7,甲10,甲12?甲15,甲59?甲62,甲101?甲103,甲118,甲127?甲131,甲252?甲255)。
さらに,2017年6月27日には,「The Doctor」の愛称で世界中のモータースポーツファンに親しまれているMotoGP界のスーパースターのバレンティーノ・ロッシ氏(甲43,甲58ほか)とのコラボレーションで開発した夏季限定の新製品「MONSTER ENERGY THE DOCTOR」を発売し,現時点で「MONSTER ENERGY」,「MONSTER KHAOS」,「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」,「MONSTER ENERGY M3」,「MONSTER ENERGY ULTRA」,「MONSTER ENERGY THE DOCTOR」を販売中である(甲258?甲264)。
(3)申立人によるエナジードリンクの広告及び販売促進活動は,世界の有名アスリート,レーシングチーム,スポーツ競技会,アマチュアスポーツ選手,音楽祭及びミュージシャンに対するスポンサー提供,スポーツ,音楽,コンピュータゲーム(eスポーツ)などの娯楽イベントの開催,米国ラスベガスの公共交通機関モノレールの「モンスター列車」の走行,これらのイベント開催などと関連して頻繁に実施されるエナジードリンク販売キャンペーン,各イベント会場におけるサンプリング(サンプル配布),2013年2月から2017年2月までの約4年5月の期間に国内で実施された販売プロモーションキャンペーンにおける懸賞応募及び当選者に対する様々な「モンスター限定グッズ」(Tシャツ,帽子,キーホルダー,ステッカー,ギター,バッグパック,エナジードリンク,クーラーボックス,冷蔵庫,自動車など総計69万点を超えるアイテム)の提供,「MONSTER」の文字を付したポスター・商品ネームプレート・チラシ・陳列棚・冷蔵庫などの店舗用什器の使用及び展示,遅くとも2013年から現在に至るまで,約1ないし2月の頻度で定期的に発行されている,新商品発売・懸賞キャンペーン・イベント開催情報などを掲載したプレスリリース,申立人のウェブサイト並びにソーシャルメディアを通じた情報発信を介して,2002年から現在まで世界規模で継続的に実施されている。
これらの広告物及び販売促進物には,「MONSTER」及びその音訳「モンスター」の文字が独立して商品出所識別標識として認識される態様で使用されてきた(甲7?甲17,甲34?甲91,甲101?甲133,甲136?甲168,甲225?甲274,別紙4)。
また,申立人は,2002年から,ブレスレット,ラペルピン,キーホルダー,Tシャツ,スウェットシャツ,帽子,レーシングジャケット,手袋などのアパレル製品,運動用ヘルメット,バッグ類,ステッカー,傘,ビデオゲームなどの「MONSTER」ライセンス商品の製造販売を第三者に使用許諾している。
当該ライセンス商品のカタログやオンラインショッピングサイトは,ブランド名及び個別商品名として「MONSTER」,「Monster」の文字を表示し,販売及び宣伝広告している。これらのライセンス商品は,国内の実店舗のほか,オンラインショップや通信販売を介して国内の一般消費者にも販売されている(甲47,甲48,甲58,甲92?甲100,甲134,甲135)。
(4)需要者におけるこれらのライセンス商品の人気の高さに便乗して,海外で製造された模倣品が日本の税関で輸入差止される事案が,遅くとも平成25年7月から現在に至るまで,継続して度々発生している(甲169?甲224,別紙3)。
(5)「MONSTER」の文字の世界規模での継続的使用に基づき,申立人は,エナジードリンク等の飲料製品及び上記ライセンス商品等について,引用商標をはじめ,「MONSTER」の文字を基調とする様々な構成の商標(以下「『MONSTER』ファミリー商標」という。)について,日本を含む世界115以上の国及び地域で商標出願し,登録を取得している(甲58,甲277?甲346,別紙1,別紙2)。
(6)以上の事柄に照らせば,「MONSTER」及びその表音「モンスター」は,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として国内外の取引者,需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。
2 商標法第4条第1項第15号該当性
本件商標は,標準文字で「ポケットモンスター サン&ムーン」と横書きしてなる。当該構成文字は,外観及び称呼が共に極めて冗長であって,当該文字全体で熟語的意味を表すものでもないから,常に一体のものとして取引に資することは想像し難く,前半の文字部分「ポケットモンスター」が独立して商品出所識別標識として機能し得ることが明らかである。
さらに,「ポケットモンスター」の文字部分のうち,「ポケット」は外来語の「ポケット(pocket)」として(甲349),「モンスター」は外来語の「モンスター(monster)」として,国民一般に広く親しまれている(甲347,甲348)ことから,「ポケットモンスター」の文字部分は,「ポケット」と「モンスター」の2語を結合させたものとして容易に認識,理解される。
したがって,本件商標の構成中の「ポケットモンスター」は,申立人の使用に係る「MONSTER」(モンスター)の前方に「ポケット」の文字を付加したものとして把握できるものであり,申立人が「MONSTER」エナジードリンクの各種製品名に使用している「MONSTER」ファミリー商標と同一の形式の商標であるから,申立人の使用に係る「MONSTER」(モンスター)及び「MONSTER」ファミリー商標との類似性の程度が高いことが明らかである。
申立てに係る商品は,申立人がその商品の出所識別標識として「MONSTER(モンスター)」を長年使用しているエナジードリンクと同一又は類似のもの,あるいは,これらと製造部門,販売部門,原材料,用途,需要者の範囲が一致ないし重複するものであり,申立人の主要な取扱い製品と明らかに強い関連性を有する。
先に述べたとおり,申立人の製造販売に係る「MONSTER」エナジードリンクの個別製品名には,常に「MONSTER」ファミリー商標が使用されており,当該製品は,2012年5月以降現在まで,国内市場で現に販売されている。
世界市場における,2002年以降現在まで(国内市場における2012年5月以降現在まで)の継続的な販売実績により,申立人の「MONSTER」エナジードリンクは,少なくともエナジードリンクの分野においては,我が国の取引者,需要者の間で広く認識されているブランドといえるものである。
第三者が開設しているエナジードリンク専門の総合情報サイトでも,「モンスターのすべて」と題した専用セクションで,2002年から現在までに発売された「MONSTER」エナジードリンク製品全63種(2017年9月4日時点)に関する個別情報が記述され,「MONSTER」エナジードリンクの新製品情報,販売キャンペーンやイベントに関するニュースも定期的に報じられている(甲275,甲276)。
申立人が認識する限り,国内市場で流通しているエナジードリンクでその製品名に「MONSTER(モンスター)」の文字を使用しているものは,申立人の「MONSTER」エナジードリンク以外に存在しない。
申立てに係る商品は,主に一般消費者を最終的な需要者とするものであるから,その通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
これらの事柄を総合すれば,本件商標が申立てに係る商品に使用された場合,これに接した取引者,需要者は,申立人の使用に係る商標「MONSTER」(モンスター)及び申立人会社を想起,連想し,当該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るもの,すなわち,申立人の「MONSTER」エナジードリンクのシリーズ製品,あるいは,申立人と共同開発された飲料製品等であると誤信し,その出所について混同を生じるおそれがある。
また,本件商標の申立てに係る商品の使用は,申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」(モンスター)の出所識別力希釈化するものであり,また,その名声,顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第7号該当性
本件商標は,社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであるから,公の秩序を害するおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 「MONSTER」「モンスター」の周知性について
(1)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次の事実を認めることができる。
ア 申立人は,米国の飲料メーカーであって,2002年に米国でエナジードリンク「MONSTER ENERGY」の販売を開始し,現在まで多種のエナジードリンクを継続して販売している(甲7ほか)。
イ 申立人は,我が国において,アサヒ飲料株式会社を通じて,2012年5月にエナジードリンク「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」及び「MONSTER KHAOS(モンスターカオス)」の販売を開始し,その販売量は,同年9月には累計100万箱を超え,12月には累計157万箱となった(甲7?甲9)。
ウ また,申立人は,同様に2013年5月に「MONSTER ABSOLUTELY ZERO(モンスターアブソリュートリーゼロ)」(甲10,甲11,甲13),2014年8月に「MONSTER ENERGY M3(モンスターエナジー M3)」(甲59),同年10月に「MONSTER COFFEE(モンスターコーヒー)」(甲60),2015年7月に「MONSTER ENERGY ULTRA(モンスターウルトラ)」(甲101),2017年6月に「MONSTER ENERGY THE DOCTOR(モンスターロッシ)(甲256,甲257)の販売を開始した。
エ これら商品は,「MONSTER COFFEE」を除き,現在(2017年7月時点)も継続して販売されている(甲258?甲264)。
オ 上記イ及びウの計7種の商品(以下,これらをまとめて「申立人商品」という。)の容器や包装には,別掲1ないし別掲6のとおりの商標(色彩が異なるもの,外観上同一視できるものを含み,以下,これらをまとめて「申立人商標」という。)が表示されている(甲7,甲8,甲10?甲17,甲59,甲60,甲101,甲256?甲264)。
カ 申立人は,我が国で開催される各種のスポーツ競技会,イベントにおいて,看板,ユニフォーム,車体,ニューズレターなど多種多様なものに申立人商標を表示している(甲73?甲83,甲87?甲91ほか)。
キ 我が国において,申立人商標が表示されたステッカー,衣類,帽子,ヘルメット等が販売されている(甲47,甲48,甲92?甲98)。
ク 平成25年7月以降,税関において,引用商標3などに係る商標権を侵害する疑いがある貨物(帽子,ショートパンツ,Tシャツなど)が多数発見されている(甲169?甲224)。
ケ 申立人は,引用商標をはじめとする様々な構成の商標について,日本を含む世界の国々や地域で商標登録を取得していることがうかがえる(甲277?甲346)。
コ 我が国において,本件商標の登録出願の日以前に,申立人又は申立人商品を表すものとして,「モンスターエナジー」の文字は多数用いられているが,「モンスター」の文字が単独で用いられていると認め得るものは多くはなく(甲63,甲64,甲69,甲71,甲79,甲101?甲103,甲113,甲115,甲118,甲119,甲124,甲126,甲132,甲151,甲155,甲159,甲162,甲163,甲165,甲241),かつ,それらはいずれもウェブサイトによるものであって,どのくらい多くの需要者が接したのかは確認できない。
また,同様に,通常の書体による「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER」の文字(いずれも小文字表記も含む。)が用いられているものは見いだせない。
(2)上記(1)のとおり,申立人は,米国で2002年にエナジードリンク「MONSTER ENERGY」の販売を開始し,我が国においては,2012年(平成24年)5月からエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売を開始し,その後現在まで,計7種の申立人商品を販売するとともに,各種のスポーツ競技会,イベント及びキャンペーンなどにおいて,申立人商品などの広告宣伝を行っていたことが認められることから,申立人商品は,我が国のエナジードリンクの需要者の間である程度知られているものと認められる。
しかしながら,仮に,申立人商品の我が国における販売が,2012年の販売開始から2015年6月末までの3年間で,2億3,600万缶,170億円であったとしても(甲58),申立人が提出した証拠からは,我が国で販売されるエナジードリンクにおける申立人商品の市場シェア等の程度を把握することができず,また,広告宣伝等も上記のように限られた範囲であって,他に,申立人商品が我が国の需要者の間に広く認識されていると認め得る証左も見いだせない。
そして,通常の書体による「MONSTER」及び「モンスター」の文字は,それらが単独で申立人又は申立人商品を表すものとして用いられているものは多くはないこと(それらに接した需要者数なども確認できない。),及び,両文字(語)がいずれも「怪物」などの意味を有するものとして,我が国において極めて親しまれた既成語であることをあわせみれば,両文字は,いずれも本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人又は申立人商品を表すものとして,我が国におけるエナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,上記第1のとおり,「ポケットモンスター サン&ムーン」の文字を標準文字で表してなるものであり,当該文字に相応し「ポケットモンスターサンアンドムーン」の称呼を生じるものである。
そして,本件商標は,その構成文字数が15文字と比較的多く,中央にスペースがあることから,容易に「ポケットモンスター」と「サン&ムーン」の各文字(語)を結合してなるものと認識されるものであり,かつ,前半の「ポケットモンスター」の文字(語)が,いわゆるゲームソフトの名称,及び当該ゲームに登場するキャラクターの総称として,本件商標の登録出願の日以前から広く一般に認識されていると認められるものであることから,当該「ポケットモンスター」の文字部分が,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。
してみれば,本件商標は,その構成文字全体から生じる「ポケットモンスターサンアンドムーン」のほかに,「ポケットモンスター」の文字に相応し「ポケットモンスター」の称呼,「(ゲームソフトの名称や当該ゲームに登場するキャラクターの総称としての)ポケットモンスター」の観念を生じるものというべきである。
(2)商品の出所の混同のおそれ
ア 申立人は,「MONSTER」及び「モンスター」が申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として取引者,需要者の間で広く認識されている,及び,本件商標中の「ポケットモンスター」は,当該「モンスター」の前方に「ポケット」の文字を付加したものとして把握でき,申立人が使用している「MONSTER」ファミリー商標と同一の形式の商標であるなどとして,本件商標が申立てに係る商品に使用された場合,これに接した取引者,需要者は,当該商品が,申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し,その出所について混同を生じるおそれがある旨主張している。
イ しかしながら,上記1のとおり,通常の書体による「MONSTER」及び「モンスター」の文字(以下「申立人主張商標」という。)は,本件商標の登録出願時に,申立人又は申立人商品を表すものとして,我が国におけるエナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものとは認められないものであり,また,上記(1)のとおり,「ポケットモンスター」の文字はゲームソフトの名称などとして,本件商標の登録出願の日以前から広く一般に認識されているものであって,全体として「(ゲームソフトの名称や当該ゲームに登場するキャラクターの総称としての)ポケットモンスター」の観念を生じさせるものであるから,当該文字は一体不可分のものというべきである。
そうすると,「ポケットモンスター」の文字は,これに接する取引者,需要者が申立人,申立人商品又は申立人主張商標を連想又は想起するものということはできず,また,本件商標の構成文字全体としても,それらを連想又は想起するものといえない。
してみれば,本件商標は,本件商標権者がこれをその申立てに係る商品について使用しても,取引者,需要者をして,申立人,申立人商品又は申立人主張商標を連想又は想起させることはなく,その商品が,他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはなかったものというべきである。
他に,本件商標が商品の出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,申立てに係る商品について,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は,上記2のとおり,本件商標権者がこれをその申立てに係る指定商品について使用しても,取引者,需要者をして申立人,申立人商品又は申立人主張商標を連想又は想起させることのないものである。
そうとすれば,本件商標は,申立人主張商標の出所識別力希釈化するものとも,その名声,顧客吸引力にフリーライドするものともいえず,また,申立人が提出した証拠からは,本件商標が社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであるなど,公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。
したがって,本件商標は,申立てに係る商品について,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,第32類「全指定商品」について,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標2)


別掲2(引用商標3及び4)


別掲3(引用商標5)


別掲4(引用商標7及び8)


別掲5(引用商標14)


別掲6(引用商標17。色彩については原本を参照されたい。)


別掲7(引用商標18)


異議決定日 2017-12-21 
出願番号 商願2016-47862(T2016-47862) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W32)
T 1 652・ 22- Y (W32)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大塚 順子豊島 幹太 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 小林 裕子
平澤 芳行
登録日 2017-03-24 
登録番号 商標登録第5934402号(T5934402) 
権利者 株式会社ゲームフリーク 任天堂株式会社 株式会社クリーチャーズ
商標の称呼 ポケットモンスターサンアンドムーン、ポケットモンスターサンムーン、ポケットモンスター、モンスター、サンアンドムーン、サンムーン、サン、ムーン 
代理人 柳田 征史 
代理人 種市 傑 
代理人 種市 傑 
代理人 種市 傑 
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