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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1425
審判 全部申立て  登録を維持 W1425
審判 全部申立て  登録を維持 W1425
審判 全部申立て  登録を維持 W1425
管理番号 1336360 
異議申立番号 異議2017-900210 
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-26 
確定日 2017-12-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5935371号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5935371号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5935371号商標(以下「本件商標」という。)は,「B-Squared」の欧文字を標準文字で表してなり,平成28年10月27日に登録出願,同29年3月2日に登録査定,第14類「身飾品(『カフスボタン』を除く。),カフスボタン,キーホルダー,時計,貴金属,宝玉及びその模造品」及び第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ベルト,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年3月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
商標異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立てにおいて引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである(以下,まとめていうときは「引用商標」という。)。
1 国際登録第1074869号商標(以下「引用商標1」という。)は,「DSQUARED」の欧文字を横書きしてなり,2011年(平成23年)8月3日に国際商標登録出願(事後指定),第25類「Clothing, footwear, headgear; shirts; clothing made of leather or of imitation leather; clothing; ladies' clothing; hoods (clothing); belts (clothing); gloves (clothing); sashes for wear; scarves; shawls; neckties; hosiery; socks; shoes; slippers; clothing for sports, skiing and the beach; babies' napkins of textile; babies' diapers of textile; underwear; coats; overalls; short-sleeved shirts; tee-shirts; turtlenecks; slips (undergarments); suits; trousers; jackets; pullovers; waistcoats; sweaters; frocks; shirt yokes; shirt fronts; ready-made linings (parts of clothing); coats; stuff jackets; pelerines; gabardines (clothing); waterproof clothing; pockets for clothing; pocket squares; jerseys (clothing); knitwear (clothing); underwear; dressing gowns; pajamas; dressing gowns; cap peaks; underwear.」,及び第3類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成25年3月22日に設定登録されたものである。
2 国際登録第1184744号商標(以下「引用商標2」という。)は,「DSQUARED2」の欧文字及び数字を横書きしてなり,2013年(平成25年)5月24日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年9月17日に国際商標登録出願,第14類「Jewelry, precious stones; timepieces and chronometric instruments; jewelry and jewelry articles; silverware (jewelry); coins; rings (jewelry); earrings; brooches (jewelry); necklaces (jewelry); tie pins; ornaments (jewelry); artworks of precious metal; jewel cases of precious metal; watches; stopwatches (watches); watchcases, watch bands, watch springs, watch chains, watch bezels; fancy key rings, statues or figurines (statuettes) of precious metal; cases and caskets for jewelry articles and timepieces; medals.」,第25類「Clothing, footwear, headgear; shirts; clothing of leather or imitation leather; clothing items; women's clothing; hoods (clothing); belts (clothing); gloves (clothing); sashes for wear; scarves; shawls; neckties; hosiery; socks; shoes; bedroom slippers; clothing for sports, skiing and the beach; underwear; coats; overalls; short-sleeved shirts; tee shirts; turtlenecks; slips (undergarments); suits; trousers; jackets; pullovers; vests; sweaters; dresses; shirt yokes; shirt fronts; ready-made linings (parts of clothing); coats; stuff jackets; pelerines; gabardines (clothing); waterproof clothing; clothing pockets; pocket squares; jerseys (clothing); knitwear (clothing); body linen (underwear); dressing gowns; underwear.」,第35類「Advertising; business management; business administration; office functions; retail sale and marketing assistance in connection with jewelry, travel bags, trunks, umbrellas, clothing, headgear, accessories for hair; business management for licensing of goods and services for others; administrative processing of purchase orders; data systematization and compilation; demonstration of goods; distribution of samples; organization of events or trade fairs for commercial or advertising purposes; modeling for advertising and sales promotion; online advertising on a computer network; presentation of goods on all communication media for retail sale; procurement services for others (purchasing goods and services for other businesses); sales promotion for others; shop window dressing.」,並びに第3類及び第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成27年1月23日に設定登録されたものである。
3 登録第5027590号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲1のとおり,「DSQUARED2」の欧文字及び数字(「2」の数字は,「D」の欧文字の右上に小さく表されている。以下同じ。)を横書きしてなり,平成18年7月31日に登録出願,第25類「被服,皮革製被服,ワイシャツ類及びシャツ,ブラウス,スカート,テーラー仕立ての婦人服,ジャケット,ズボン,ショーツ,ベスト,ティーシャツ,パジャマ,ソックス,靴下,ストッキング及びユニホーム用ストッキング,タンクトップ,コルセット,ガーターベルト,ズボン下,パンツ,ブラジャー,ペチコート,フーラード製のネクタイ,ネクタイ,レインコート,オーバーコート,コート,水泳着,陸上競技用トラックスーツ,ヤッケ,スキーズボン,ベルト,毛皮製被服,スカーフ,手袋(被服),ドレッシングガウン,ハウスコート,履物,帽子」,並びに第3類及び第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同19年2月23日に設定登録されたものである。
4 登録第4750875号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲2のとおり,上段に「D2」の欧文字と数字とを表し,下段に「DSQUARED2」の欧文字及び数字(「2」の数字は,いずれも「D」のアルファベットの右上に小さく表されている。以下同じ。)を横書きしてなり,平成13年12月21日に登録出願,第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(『カフスボタン』を除く。),カフスボタン,宝石及びその模造品,宝石の原石,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(『靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具』を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(『乗馬靴』を除く。),乗馬靴」,並びに第9類及び第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同16年2月27日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定商品について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標1の類似性について
称呼について,本件商標からは,「ビースクエアード」の称呼を生じ,引用商標1からは,「ディースクエアード」の称呼を生じる。
これらは,語頭の「ビー」と「ディー」とで異なるのみであり,さらに,これらの差異音は,母音「イー」を共通にし,日常生活において,前者との聞き誤りを回避するために,敢えて異なる母音を用いて後者を「デー」と発音する場面も少なからずあることを考慮すると,互いに聞き誤るおそれがある。
次に,外観について,本件商標と引用商標1とは,「B」と「D」の相違及びハイフンの有無という差異点を有するものの,「SQUARED」を共通にし,また,「B」と「D」とは,共に縦の直線に曲線を付した態様からなるため,両商標は,外観において,近似した印象を与える。
そして,観念について,「SQUARED」は,「二乗の」の意味を有する英語であるから,本件商標からは,「Bの二乗」の観念を生じ,引用商標1からは,「Dの二乗」の観念を生じ得る。
しかしながら,我が国の一般的な英語水準に照らすと,「SQUARED」からは,むしろ,「SQUARE」の部分から「四角」又は「広場」程の意味合いを把握・認識すると考えられる。そうすると,本件商標と引用商標1からは,共に「四角」又は「広場」程の意味合いが想起され得るため,両商標は,観念において,相紛れるおそれがある。
よって,本件商標と引用商標1とは,相紛れるおそれのある類似の商標である。
本件商標の指定商品中の第25類「被服」等は,引用商標1の指定商品中の第25類「clothing」等と,同一又は類似の商品である。
(2)本件商標と引用商標2の類似性について
引用商標2は,「DSQUARED」の欧文字に「2」の数字を付加してなり,このうち,「2」の数字は,自他商品及び役務の識別標識としての機能を有しないから,引用商標2の要部は,「DSQUARED」の欧文字である。
本件商標と引用商標2の要部である「DSQUARED」の欧文字とは,上記(1)と同様の理由により,相紛れるおそれのある類似の商標である。
本件商標の指定商品中の第14類「身飾品(『カフスボタン』を除く。)」等又は第25類「被服」等は,引用商標2の指定商品及び指定役務中の第14類「earrings」等,第25類「clothing」等又は第35類「procurement services for others (purchasing goods and services for other businesses)」等と,同一又は類似の商品である。
(3)本件商標と引用商標3の類似性について
引用商標3は,「DSQUARED」の欧文字にそれよりもサイズの小さい「2」の数字を付加してなるものであり,このうち,「2」の数字は,自他商品の識別標識としての機能を有しないから,引用商標3の要部は,「DSQUARED」の欧文字である。
本件商標と引用商標3の要部である「DSQUARED」の欧文字とは,上記(1)と同様の理由により,相紛れるおそれがある類似の商標である。
本件商標の指定商品中の第25類「被服」等は,引用商標3の指定商品中の第25類「被服」等と,同一又は類似の商品である。
(4)本件商標と引用商標4の類似性について
引用商標4は,引用商標3の上部に「D2」(「2」は「D」よりもサイズが小さいもの)を配した態様からなるものである。
これらの構成部分は,分離して視認可能な程に位置的に離れていることから,引用商標3に対応する部分が要部の一つとなる。
そうすると,引用商標4は,上記(3)と同様の理由により,「DSQUARED」の欧文字が引用商標4の要部となり,本件商標と引用商標4の要部である「DSQUARED」の欧文字とは,上記(1)と同様の理由により,相紛れるおそれがある。
本件商標の指定商品中の第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」等又は第25類「被服」等は,引用商標4の指定商品中の第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」等又は第25類「洋服」等と,同一又は類似の商品である。
(5)まとめ
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標と引用商標とは,上述のとおり,互いに類似する商標である。
(2)引用商標の周知著名性及び独創性の程度
引用商標は,イタリア発の申立人のファッションブランドであり,被服,履物,カバン,アクセサリー等について使用されるものである(甲6?甲8)。
我が国においては,2012年1月27日に,東京の銀座に旗艦店がオープンし,以来,取扱店の数が増えてきており,2017年現在では,関東地方と近畿地方を中心とする全国各地に合計約60店舗が存在する(甲9)。
その間,日本のスポーツ選手,アーティスト,タレント,俳優,女優等の各界の著名人を通じた宣伝広告を大々的に行ってきた(甲10)。
その結果,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標(特に,引用商標2及び3)は,「ディースクエアード」の称呼の下,申立人の商品(被服,履物,カバン,アクセサリー等)に係る商標として,我が国の需要者の間で広く認識されるに至っていたといえる。
また,引用商標は,厳密には,「Dの二乗」の観念が生じ得るものの,我が国の一般的な英語水準に照らすと,「SQUARED」から「二乗の」の観念を把握・認識するのは難しいと考えられるため,その意味において,一定の独創性を有すると考えられる。
(3)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との間の関連性の程度及び取引者・需要者の共通性
本件商標の指定商品である第14類及び第25類の商品は,いわゆるファッションの分野に属するものであり,申立人の業務に係る商品(被服,履物,カバン,アクセサリー等)と密接な関連性を有し,取引者及び需要者も共通するものである。
(4)総合的判断
上記(1)ないし(3)の事情を考慮し,本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標は,その登録出願時及び登録査定時において,その指定商品について使用した場合,これに接する需要者をして,申立人の業務に係る商品を連想,想起させ,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,上記第1のとおり,「B-Squared」の欧文字を標準文字で表してなり,これからは「ビースクエアード」の称呼を生じ,その構成中,後半の「Squared」の語が,「四角い形をした;四角いマス目のついた,2乗された」等の意味を有する英語の形容詞(ジーニアス英和辞典)であるが,我が国において広く親しまれている語とまではいえないから,「B-Squared」の欧文字は,特定の意味合いを有しない一種の造語と認識され,特定の観念を生じないものと認められる。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は,「DSQUARED」の欧文字を表してなり,これからは「ディースクエアード」の称呼を生じ,該文字は,辞書等に載録された既成の語ではないから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語と認識され,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2は,「DSQUARED2」の欧文字及び数字を,引用商標3は,別掲1のとおり,「DSQUARED2」の欧文字及び数字を,引用商標4は,別掲2のとおり,「D2」と「DSQUARED2」の欧文字及び数字とを,上下に表した構成からなるものである。
そして,引用商標2及び引用商標3と,引用商標4の構成中の「DSQUARED2」の欧文字及び数字からは,「ディースクエアードツー」及び「ディースクエアード」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観について
本件商標は,「B-Squared」の欧文字を標準文字で表してなるものであり,引用商標1は,「DSQUARED」の欧文字を,引用商標2は,「DSQUARED2」の欧文字及び数字を,引用商標3は,別掲1のとおりの構成態様により「DSQUARED2」の欧文字及び数字を,引用商標4は,別掲2のとおりの構成態様により「D2」と「DSQUARED2」の欧文字及び数字を,それぞれ表してなるものである。
そして,本件商標と引用商標は,語頭における「B-」と「D」の欧文字,「2」の数字及び「D2」の欧文字及び数字の有無の相違に加え,本件商標は,「quared」の欧文字部分が小文字であるのに対し,引用商標は,全て大文字で表されているものであるから,両商標は,これらに接する者に,異なった印象を与えるものであり,外観において互いに紛れるおそれはない。
イ 称呼について
本件商標から生じる「ビースクエアード」の称呼と,引用商標から生じる「ディースクエアード」の称呼とは,称呼の識別において重要な語頭において「ビー」の音と「ディー」の音の差異を有するものであるから,十分に聴別できるものである。
そして,本件商標から生じる「ビースクエアード」の称呼と,引用商標から生じる「ディースクエアードツー」の称呼とは,語頭における「ビー」の音と「ディー」の音の差異に加え,語尾において「ツー」の音の有無の差異を有するものであるから,語調,語感が相違し,明確に聴別できるものであり,本件商標と引用商標とは,称呼上,相紛れるおそれはないものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標は,特定の観念を生じないものであるから,観念について比較することができない。
なお,申立人は,我が国の一般的な英語水準に照らすと,「SQUARED」からは,むしろ,「SQUARE」の部分から「四角」又は「広場」程の意味合いを把握・認識すると考えられ,本件商標と引用商標は,共に「四角」又は「広場」程の意味合いが想起され得るため,観念において,相紛れるおそれがある旨主張する。
しかしながら,本件商標,引用商標1及び2,引用商標3及び4の構成中の「DSQUARED2」の文字部分は,いずれもまとまりよく一体的に表されており,かかる構成において,その構成中の「Square」及び「SQUARE」の文字部分のみに着目すべき特段の事情は見受けられない。
そして,本件商標及び引用商標の構成中の「DSQUARED」の欧文字は,いずれも,特定の意味を想起させることのない一種の造語といえるものであって,両商標に接する者に,殊更,その構成中の「Square」又は「SQUARE」の文字部分から,「四角」又は「広場」の意味を想起させるものということもできない。
エ 小括
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観及び称呼において相紛れるおそれはなく,観念について比較できないものであるから,これらを総合すれば,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他,両商標が類似するというべき事情も見いだせない。
したがって,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品又は指定役務とが,同一又は類似であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
申立人が提出した証拠及びその主張によれば,以下のとおりである。
ア 引用商標は,イタリア発の申立人のブランドであり,1994年にパリで開催された展示会におけるコレクションで初めて用いられた(甲7,2017年9月24日印刷)。
イ 申立人は,自身の公式オンラインストアにおいて,「Dsquared2」の表示の下,男性用及び女性用のウェア,シューズ,バッグ,アクセサリーを取り扱っており,「DSQUARED2」(引用商標2)を付した商品「アノラック,パーカー,バッグ,バックパック,ダッフルバッグ,ビューティーバッグ」及び「DSQUARED」(引用商標1)を付した商品「キャップ」を掲載している(甲6,2017年9月25日印刷)。
そして,商品「ジーンズパンツ,パーカー,スニーカー,半袖Tシャツ」等は,「ディースクエアード DSQUARED2」と表示の下,「楽天市場」のウェブサイトに掲載され,商品「デニムパンツ,バッグ,Tシャツ,カットソー,キャップ」等は,「Dsquared2」の表示の下,「ZOZOTOWN」のウェブサイトに掲載された(甲8,2017年9月25日印刷)。
ウ 申立人は,日本における初の旗艦店「Dsquared2 Tokyo」を,2012年1月27日(金)に銀座・数寄屋橋にオープンしたこと,2014年6月11日(水)から17日(火)まで,新宿伊勢丹「ザ・ステージ」に期間限定ショップをオープンしたこと,2016年リゾートコレクションより東京店限定デニムを,2015年12月下旬に発売したこと,2015年11月4日(水)から11月10日(火)まで,阪急うめだ本店に限定ショップをオープンしたこと,2016年9月16日(金)に,メンズストアが西武池袋本店にオープンしたこと,申立人の商品を取扱う店舗は,旗艦店を含め全国に59の店舗があることがうかがえる(甲9,2017年9月24日印刷)。
エ ファッション関連ウェブサイトには,「話題沸騰!!【DSQUARED2】最新のディースクエアードのデニムとは?」の見出しの下,申立人のブランドについての記載があり,「若者の間では『ディースク』や『ディーツー』の愛称で親しまれている」及び「話題沸騰している人気のデニムはあの有名人も愛用!!!」等と記載され,ジャケット及びTシャツ等を着用している者の写真が掲載された(甲10,更新日:2017年1月10日)。
オ 上記アないしエによれば,申立人は,「男性用及び女性用のウェア,シューズ,バッグ,アクセサリー」等の商品を取扱っている者であり,引用商標1又は引用商標2を付した申立人の商品は,自身の公式オンラインストア,楽天市場及びZOZOTOWNのウェブサイトに掲載されたことが認められる。
しかしながら,「DSQUARED」(引用商標1)及び「DSQUARED2」(引用商標2)を付した申立人の商品「男性用及び女性用のウェア,シューズ,バッグ,アクセサリー」について,日本国内における販売数,売上高,営業の規模等を示す具体的資料は何ら提出されておらず,広告といい得るものは,「DSQUARED2」のファッションブランドについて記載され着用している者の写真が掲載されたウェブサイト(甲10)が存在するにすぎず,他の広告宣伝の方法,期間及び規模等は示されていない。
また,申立人が提出した証拠において,引用商標3及び引用商標4が,申立人の業務に係る商品を表すものとして使用されている事実は見あたらない。
そうすると,申立人が提出した証拠からは,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品「男性用及び女性用のウェア,シューズ,バッグ,アクセサリー」を表示するものとして,日本国内において広く認識されていたということはできない。
(2)出所の混同のおそれについて
本件商標の指定商品は,上記第1に記載のとおりであるから,引用商標の指定商品及び指定役務と,同一又は類似の商品を含むものであり,商品及び役務の取扱商品の用途や目的,販売場所等を共通にし,取引者,需要者を同じくするものである。
そして,本件商標及び引用商標は,いずれも特定の意味合いを想起させることのない一種の造語といえるものであるから,一定程度の独創性があるものということができる。
しかしながら,本件商標と引用商標とは,上記1のとおり,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異のものというべきである。
また,引用商標は,上記(1)オのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品「男性用及び女性用のウェア,シューズ,バッグ,アクセサリー」を表示するものとして,日本国内において広く認識されていたということはできない。
そうすると,本件商標は,これを本件商標権者が,その指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が,引用商標ないし申立人を想起又は連想することはなく,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれがあったとはいえないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標3)





別掲2(引用商標4)





異議決定日 2017-12-14 
出願番号 商願2016-119788(T2016-119788) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W1425)
T 1 651・ 263- Y (W1425)
T 1 651・ 262- Y (W1425)
T 1 651・ 261- Y (W1425)
最終処分 維持 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田中 亨子
小林 裕子
登録日 2017-03-24 
登録番号 商標登録第5935371号(T5935371) 
権利者 B-first株式会社
商標の称呼 ビイスクエアード、スクエアード、ビイースクエア、スクエア 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
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