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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W252841
審判 全部申立て  登録を維持 W252841
審判 全部申立て  登録を維持 W252841
審判 全部申立て  登録を維持 W252841
審判 全部申立て  登録を維持 W252841
管理番号 1336359 
異議申立番号 異議2017-900158 
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-18 
確定日 2017-12-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5925220号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5925220号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5925220号商標(以下「本件商標」という。)は,「MONSTER SPIKE」の欧文字を標準文字で表してなり,平成28年8月5日に登録出願,同年12月20日に登録査定され,第25類「被服,運動用特殊衣服,スポーツトレーニングのために着用する被服」,第28類「トレーニング用具,水を用いたトレーニング用具」及び第41類「股関節移動及びウェイトシフトを学び知るための知識の教授」を指定商品及び指定役務として,同29年2月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の45件の登録商標(以下1から45までを順次「引用商標1」から「引用商標45」という。)であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第1048069号商標
商標:別掲1
指定商品:第9類「Sports helmets.」
第16類「Stickers; decals.」
第18類「All purpose sports bags; all-purpose carrying bags; backpacks; duffle bags.」
第25類「Clothing, namely, t-shirts, hooded shirts and hooded sweatshirts, sweat shirts, jackets, pants, bandanas, sweat bands and gloves; headgear, namely, hats and beanies.」
国際商標登録出願日:2010年(平成22年)6月28日
設定登録日: 平成23年7月29日
2 登録第5689430号商標
商標:別掲1
指定商品:第16類「印刷物,出版物,ポスター,ステッカー及びデカルコマニー用転写紙及び転写画から構成されるキット状のステッカー,カード,シール,文房具類(但し「ステッカー」を除く。),紙製又は厚紙製の看板,紙製又は厚紙製ののぼり,紙製又は厚紙製の旗及びペナント,書画,写真,写真立て,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ」
第25類「被服(但し「ティーシャツ、フード付きシャツ及びフード付きスウェットシャツ、スウェットシャツ、ジャケット、ズボン、バンダナ、手袋、帽子及びビーニー帽」を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服(但し「汗止めバンド」を除く。),運動用特殊靴」
登録出願日: 平成26年3月11日
設定登録日: 平成26年7月25日
3 登録第5057229号商標:別掲2
4 登録第5730813号商標:別掲3
5 登録第5010968号商標:M MONSTER ENERGY(標準文字)
6 登録第5379390号商標:MONSTER(標準文字)
7 登録第5792086号商標:MONSTER(標準文字)
8 登録第5431413号商標:別掲4
9 登録第5788675号商標:別掲4
10 登録第5393681号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
11 登録第5788676号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
12 登録第5844119号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
13 登録第5495941号商標:MONSTER KHAOS ENERGY + JUICE(標準文字)
14 登録第5769176号商標:MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO(標準文字)
15 登録第5419513号商標:別掲5
16 登録第5757485号商標:COFFEE MONSTER(標準文字)
17 登録第5715016号商標:MONSTER ENERGY ULTRA(標準文字)
18 登録第5844163号商標:別掲6
19 登録第5394526号商標:別掲7
20 登録第5442171号商標:MONSTER ENERGY PINK(標準文字)
21 登録第5417815号商標:MONSTER ENERGY AGENT ORANGE(標準文字)
22 登録第5527566号商標:MONSTER DETOX(標準文字)
23 登録第5476620号商標:MONSTER REHAB(標準文字)
24 登録第5490798号商標:MONSTER RECOVERY(標準文字)
25 登録第5497766号商標:MONSTER UNLEADED(標準文字)
26 登録第5451361号商標:MONSTER PUMPED(標準文字)
27 登録第5894185号商標:JUICE MONSTER
28 登録第5527567号商標:MONSTER REHABITUATE(標準文字)
29 登録第5562023号商標:JAVA MONSTER GREEN BEANS(標準文字)
30 登録第5375090号商標:PROTEIN MONSTER(標準文字)
31 登録第5327467号商標:MUSCLE MONSTER(標準文字)
32 登録第5409580号商標:MONSTER RIPPER(標準文字)
33 登録第5409582号商標:MONSTER BLACK(標準文字)
34 登録第5419507号商標:MONSTER DOUBLE BLACK(標準文字)
35 登録第5409583号商標:MONSTER GIRL(標準文字)
36 登録第5542584号商標:MONSTER CUBA-LIMA(標準文字)
37 登録第5043703号商標:JAVA MONSTER(標準文字)
38 登録第5431412号商標:JAVA MONSTER(標準文字)
39 登録第5741128号商標:JAVA MONSTER
40 登録第5644854号商標:MONSTER SUPERNATURAL(標準文字)
41 登録第5423080号商標:LOCA MOCA JAVA MONSTER(標準文字)
42 登録第5389881号商標:X-PRESSO MONSTER(標準文字)
43 登録第5657923号商標:MONSTER ENERGY ULTRA RED(標準文字)
44 登録第5894149号商標:MONSTER ARMY(標準文字)
45 登録第5912249号商標:別掲8

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第7号,同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第342号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人の使用に係る商標「MONSTER」(以下「申立人商標」という。)の著名性
(1)申立人による商標の使用
申立人は,1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり,2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し,米国で同年3月から広告宣伝を開始し,同年4月から製造販売を開始した(甲4,7,18,58)。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドの各種エナジードリンク製品には,従来の清涼飲料製品の容器とは異なる黒色ベースのボトル缶にモンスター(MONSTER)の爪を形取ったロゴマーク(以下「爪の図柄」という。)と独特のロゴデザインの太字で大きく顕著に「MONSTER」の文字を表示してなり,野性味あふれる独特な雰囲気が経済・ビジネス界でも注目を浴び(甲56?58),男性若者層を中心にたちまち人気商品となった。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドの各種エナジードリンクには,2002年の発売開始以降,現在までの長年にわたり継続して,「MONSTER」の文字を基調とする様々な商標が製品名として使用されており,特徴的なロゴデザインの太字で,缶の正面中央に「MONSTER」の文字が顕著に表示されている(以下,申立人のエナジードリンクを「『MONSTER』エナジードリンク」といい,「MONSTER」の文字を基調とする商標を総称して「『MONSTER』ファミリー商標」という。)。
(2)広告・マーケティング及び販売促進活動
申立人は,2002年から現在まで,全世界における「MONSTER」エナジードリンクに関する広告,マーケティング及び販売促進活動費として総額30億米ドルを超える費用を支出した(甲58)。その販売促進活動の内容は,世界の有名アスリート・レーシングチーム及び競技会,アマチュア選手,音楽祭及びミュージシャン,米国ラスベガスの公共機関モノレールに対する支援活動(スポンサー提供),並びに販売店用什器及び備品の供給である(甲58)。そこでは,看板やユニフォーム,備品,ビデオクリップなどに,特徴的なデザインの文字で表示した「MONSTER」の文字を組み合わせたロゴマークが表示されている。
このようなMONSTERブランドマークを用いた世界の著名アスリート及びチームに対するスポンサー活動は,申立人自らが発信する情報のみならず,スポンサー提供を受けるアスリートたちが運営するホームページやブログ,有名経済ビジネス誌,一般の報道ニュース,スポーツファンのホームページなどを通じて,日本国内の一般消費者にも発信,紹介されている(甲34?45,52,53,56,57)。
(3)日本国内の販売実績,広告・マーケティング及び販売促進活動
日本国内では「MONSTER ENERGY」ブランドのエナジードリンクの販売は,アサヒ飲料株式会社を通じてなされており,2012年5月8日から,2種類のエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売が開始された(甲5?7,12,14,58)。
当該商品は,その発売直後から日本国内でもたちまち人気商品となり,2012年9月時点で既に年間売上目標の100万箱を突破し(甲8,65?67),その後も好調に売上を伸ばして157万箱の売上を記録した(甲9,65?67)。
さらに,次々に新製品が発売され,「MONSTER ENERGY」,「MONSTER KHAOS」,「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」,「MONSTER ENERGY M3」,「MONSTER COFFEE」及び「MONSTER ENERGY ULTRA」などのエナジードリンクが国内で流通している(甲5?7,10,12?15,59?62,101?103,118)。
これらの商品は,日本全国のコンビニエンスストア,自動販売機,キオスク,スーパーマーケット,列車の売店,会員制スーパー,店舗,ゲームセンター,ドラッグストア及びホームセンター等のほか,通販サイトからも直接購入可能である(甲11?17,58,61,62,72,131,264)。
2012年5月の販売開始から2015年6月30日までに,申立人は国内で約2億3,600万缶の「MONSTER」エナジードリンクを販売した。上記期間の総販売額は1億7,500万米ドル以上,日本円で170億円以上である(甲58)。
また,国内発売直後から継続的にテレビコマーシャル放映,日本開催の多数のスポーツイベント等へのスポンサー提供,サンプル配布などを含む大々的な宣伝広告活動が実施されている(甲58)。
(4)全世界の販売国・地域及び販売額
申立人は,現在までに全世界100以上の国及び地域で「MONSTER」ファミリー商標を使用した「MONSTER」エナジードリンクを販売し,又は販売中である。
申立人のエナジードリンクは,2002年(平成14年)に米国で販売開始以来,130億缶以上販売し,世界中で毎年30億缶以上を売上げ,全世界で総額240億米ドルを超える収益を上げており,全世界での小売販売額は毎年60億米ドルを超え,申立人の全売上額の92%以上を占める(甲58)。申立人の年間総販売額は,23.7億米ドル(2012年度),25.9億米ドル(2013年度),28.3億米ドル(2014年度)で,エナジードリンクの売上げは,年間総純売上に対して,それぞれ95.4%,95.6%,96.1%を占める。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドは,販売量において,米国で最も売れ,また世界第2位のエナジードリンクである。申立人のエナジードリンクは,現在米国におけるエナジードリンク市場の36.8%のシェアを占め,その販売量において全世界で最も高成長を遂げた主要ブランドの地位を維持している。
(5)アパレル製品,ビデオゲーム製品等の販売
2002年から現在まで,申立人の許諾の下,MONSTERブランドマークを付したアパレル製品等が,多数のライセンシーにより製造,販売されており,一般消費者の高い人気を獲得している。当該ライセンス商品は,現在,日本及びアジア全域,オーストラリア,米国,カナダ,中央アメリカ,南米,ヨーロッパ,アイスランド,スカンジナビア及びメキシコを含む世界各地で販売中である(甲58)。MONSTERブランドマークが付された被服,運動用特殊衣服,運動用ヘルメット,ステッカー,リュックサック等は,日本国内でも人気の高い商品であり,インターネットの通信販売業者により日本国内でも輸入販売されている(甲47,48)。
また,申立人は,ビデオゲーム制作販売会社と提携関係を結んだ販売促進活動も展開しており,MONSTERブランドマークは,ビデオゲーム製品の中で使用されている(甲58)。
(6)その他,申立人は,経済界等からの数々の表彰を受けるとともに,ウェブサイト及びソーシャルメディアによる情報発信,商標登録によるブランド保護,国内における申立人商標のライセンス商品の販売や模倣品の水際取締り,スポーツイベント等やプロモーションキャンペーン等も行っている。
(7)営業及び広告における「MONSTER」の文字の使用
「MONSTER」ライセンス商品には,「MONSTER」又は「Monster」の文字を表示して販売及び宣伝広告がなされている。
加えて,申立人による営業及び販売促進活動全般において,申立人又は申立人の取り扱いに係るエナジードリンク等の商品表示のため,「MONSTER」及びその表音である「モンスター」の文字が単独で繰り返し用いられている。
(8)以上の事実に照らせば,申立人商標は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示する出所識別標識として,本件商標の登録出願日前より,本国米国をはじめとする外国で広く認識されていたものであり,また,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,日本国内の取引者及び需要者においても,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く認識されていたことが明らかである。
2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標と引用商標1及び2の比較
ア 本件商標は,「MONSTER SPIKE」の欧文字を標準文字で横書きしてなるものであり,「MONSTER」及び「SPIKE」の2語を結合してなるものと容易に理解される。
「MONSTER」及び「SPIKE」の文字の間には一文字分のスペースがあり,外観上分離していることに加え,本件商標全体から生じる称呼「モンスタースパイク」も9音構成と,一気一連に発音するには冗長である。また,「MONSTER SPIKE」の文字は,辞書等に掲載されている成語ではなく,何ら既成の熟語的観念を生じるものではないから,当該文字全体を観念上一体不可分のものとして把握すべき理由もない。
「MONSTER」の文字部分は,外来語「モンスター(monster)」として一般に広く親しまれ,「SPIKE」の文字部分も,外来語「スパイク(spike)」として,日常的に使用されている。「SPIKE」の文字部分は,本件商標の指定商品との関係において,「スパイク」,すなわち,「靴底などに打ち付ける釘や金具」,「スパイク・シューズの略」,「バレーボールの最も強力な攻撃法の一。ネット際に高くとすしたボールを,ジャンプして強打すること」等を意味する外来語として親しまれているため,その指定商品中,スポーツとの関連性が密接な商品に使用する場合は,商品の品質,用途,その他の特徴を表示するものとして認識,理解されるにとどまり,自他商品識別標識としての機能を発揮しない。仮に自他商品識別力が認められるとしても,その程度は「MONSTER」の文字部分と比べて極めて弱い。
したがって,本件商標は,「MONSTER」の文字部分が,需要者,取引者に対して,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもので,当該文字部分を抽出して引用商標との類否を判断できるというべきである。
よって,本件商標は,「MONSTER」の文字部分から,「モンスター」の称呼及び観念が生じる。
イ 引用商標1及び2は,爪の図柄を最上部に表示し,上段に「MONSTER」の文字を特徴のあるデザインの太字で大きく表記し,下段に「ENERGY」の文字を活字体の細字で小さく表記してなるところ,その構成中「MONSTER」の文字部分は,他の文字部分と比べて文字の大きさ及び書体が顕著に表されており,引用商標1及び2の構成において,独立した識別標識として認識,理解され,機能し得るものである。
したがって,引用商標1及び2からは,「MONSTER」の文字部分に相応し,「モンスター」の称呼及び観念が生じる。
ウ 上記のとおり,本件商標と引用商標1及び2は,「モンスター」の称呼及び観念を共通にする類似の商標である。
(2)本件商標の指定商品は,引用商標1の指定商品中,第9類「Sports helmets.」及び第25類「Clothing, namely, t-shirts, hooded shirts and hooded sweatshirts, sweat shirts, jackets, pants, bandanas, sweat bands and gloves; headgear, namely, hats and beanies.」と,引用商標2の指定商品中,第25類「被服(但し「ティーシャツ、フード付きシャツ及びフード付きスウェットシャツ、スウェットシャツ、ジャケット、ズボン、バンダナ、手袋、帽子及びビーニー帽」を除く。),運動用特殊衣服(但し「汗止めバンド」を除く。),運動用特殊靴」と同一又は類似のものである。
(3)本件商標は,引用商標1及び2と類似のものであって,その指定商品も同一又は類似するものだから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標は,「MONSTER」と「SPIKE」の2語を結合したもので,申立人の使用に係る「MONSTER」ファミリー商標と同種の構成をしており,また,「MONSTER」の文字部分が自他商品識別標識として強く支配的な印象を与え,独立した出所識別標識として機能するものである。そのため,本件商標と申立人商標は,それぞれ「MONSTER」の文字が出所識別標識として看者に強く印象付けるものであるから,その類似性の程度は極めて高い。
(2)本件商標の指定商品は,申立人及びそのライセンシーが「MONSTER」商標を使用する被服,運動用特殊靴,運動用ヘルメットをはじめとする多様なライセンス商品,並びに申立人のエナジードリンクの販売促進用キャンペーンで提供されているグッズと同一又は類似のものである。
そして,本件商標の指定商品及び指定役務は,スポーツ用品又はスポーツに密接に関連する役務を含むため,申立人又はそのライセンシーの取り扱いに係る商品又は役務と同一若しくは類似,又はこれらと密接に関連し,需要者の範囲が一致若しくは重複する。
(3)本件商標の指定商品及び指定役務は,一般消費者を最終的な需要者とするものであり,その通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
(4)本件商標の登録出願時及び登録査定時には,「MONSTER」は申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者,取引者の間で広く認識されていた。
(5)以上を総合すれば,本件商標がその指定商品及び指定役務に使用されたときは,これに接する需要者,取引者は,申立人商標及び申立人を直感し,その商品及び役務が申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し,その出所について混同を生じるおそれが高い。
また,申立人商標と類似性の程度の高い本件商標が使用されるときは,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く認識されるに至った申立人商標の出所表示力を希釈化するおそれがあり,また,そのような使用は申立人が獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標が使用された場合,申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている申立人商標の出所識別力希釈化するおそれが高いものであり,また,本件商標の使用は,申立人商標について獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするもので,申立人に経済的及び精神的損害を与える。
したがって,本件商標は,社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり,公の秩序を害するおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 申立人商標の周知性について
(1) 証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 申立人であるモンスター エナジー カンパニー(Monster Energy Company)は,元々は1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり,2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し,米国において発売開始した(甲7)。
イ 申立人のエナジードリンク(以下「申立人商品」という。)は,日本においては,2012年5月8日から,「Monster Energy」(モンスターエナジー)及び「Monster KHAOS」(モンスターカオス)が発売開始され(甲7,8),その後,2013年5月7日から「モンスター アブソリュートリー ゼロ」(甲10),2014年8月19日から「モンスターエナジー M3」(甲59),同年10月7日から「モンスターコーヒー」(甲60),2015年7月21日から「モンスター ウルトラ」(甲101)が発売されている。
ウ アサヒ飲料株式会社のニュースリリースによれば,申立人商品の発売及び販売と関連して,「アサヒ飲料 国内独占販売権取得!・・・『Monster Energy(モンスターエナジー)缶355ml』『Monster KHAOS(モンスターカオス)缶355ml』・・・アサヒ飲料株式会社(本社 東京,・・・)は・・・エナジードリンク『モンスターエナジー』ブランドの日本国内における独占販売権を取得しました。」(甲7),「・・・5月8日(火)から新発売したエナジードリンク『モンスターエナジー』ブランドの販売が好調・・・」(甲8),「・・・『モンスター アブソリュートリー ゼロ 缶355ml』・・・本商品は・・・『モンスターエナジー』ブランドの中でも,2番目に人気のあるカテゴリー,ダイエット系エナジーです。・・・」(甲10),「2013年度の『モンスターエナジー』ブランドの販売数量は大変好調であり,『モンスターエナジー』,『モンスターカオス』,『モンスターアブソリュートリーゼロ』の3品で前年比150%となる237万箱を販売し・・・」(甲59),「『モンスターエナジー』ブランドの販売は大変好調に推移しています。・・・本年は・・・『モンスターエナジーM3』,『モンスターコーヒー』をラインナップに追加・・・」(甲60),「『モンスターウルトラ』をラインアップに加えることにより,・・・更に『モンスターエナジー』ブランドの強化を図ってまいります。」(甲101)の記載がある。
エ 申立人商品の容器の側面には,以下のような表示がある。
(ア)「Monster Energy(モンスターエナジー)缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字が表されている(甲14,17)。
(イ)発売当初の「Monster KHAOS(モンスターカオス)缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「KHAOS」の文字,さらにその下には「ENERGY」及び「+果汁」の文字が表されている(甲14,17)。そして,2016年にリニューアル発売された同商品の容器には,上部に「KHAOS」の文字,その下に爪の図柄の図形を配し,下部に「MONSTER」の文字,その下に「ENERGY」の文字が表されている(甲130)。
(ウ)「モンスター アブソリュートリー ゼロ 缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「ABSOLUTELY ZERO」の文字が表されている(甲13)。
(エ)「モンスターエナジー M3 ワンウェイびん150ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「M-3 SUPER CONCENTRATE」又は「EXTRA STRENGTH」の文字が表されている(甲61,129)。
(オ)「モンスターコーヒー 缶250g」の容器下部には,「COFFEE」の文字,その下には「MONSTER」の文字,さらにその下には「COFFEE」,「+」及び「ENERGY」の文字が表されている(甲62)。
(カ)「モンスターウルトラ 缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「ULTRA」の文字が表されている(甲101)。
オ 申立人商品の販売促進キャンペーン広告中の宣伝文句の中で,申立人商品の写真とともに,「モンスターを飲んで,Tスタンプを貯めてSATANIC CARNIVALに行こう!」(甲63),「モンスターを飲んで,Tスタンプを貯めてMOTOGP日本グランプリでロッシに会おう!」(甲64,69,71),「モンスターの対象商品を2本ご購入につき,くじ付きステッカーをプレゼント!」(甲79),「本場アメリカで大ヒットの『白いモンスター』日本上陸!/『モンスター ウルトラ 缶355ml』7月21日(火)新発売」(甲101),「すっきりなのにヤバイ,白いモンスター登場・・・誰よりも早くモンスターウルトラをゲットしろ!」(甲118),「モンスターを買って・・・ギアを当てろ!」(甲113,132),「モンスターを買って/UFC日本大会を観に行こう!」(甲162)などの表示をしている。
カ 申立人商品の広告,マーケティング及び販売促進活動と関連して,WRCのチーム名を「MONSTER WORLD RALLY TEAM」(モンスターワールドラリーチーム)(甲42の1?3),ロックバンドを「モンスターバンド」(甲120,235,240),MOTOGPライダー又は鈴鹿8時間耐久ロードレースのライダーを「モンスターライダー」又は「モンスター契約ライダー」(甲168,238,245,247),プロサーファー,スノーボーダー又はスケートボーダーを「モンスターアスリート」又は「モンスター契約アスリート」(甲229,235),申立人商品の販売促進品を「モンスターグッズ」(甲232,242,244)又は「モンスターギア」(甲236)などと指称している。
キ 申立人商品は,日本において,2012年5月の発売開始以降,2012年末までの約8か月で157万箱販売された(甲9)。
ク 申立人の最高経営責任者の宣誓供述書(甲58)によれば,申立人商品は,日本において,2012年5月の販売開始から2015年6月30日までの約3年間で,約2億3600万缶の販売,総販売額は1億7500万米ドル以上,日本円で170億円以上であるとされる。
ケ 当該供述書(甲58)によれば,申立人は,広告,マーケティング及び販売促進活動のために,全世界では,2002年以来,30億米ドル以上を支出しているが,「モンスター社のマーケティング戦略は,従来の方法とは異なり,MONSTER商標及び爪の図柄を広めるための広告を,直接テレビやラジオで行わない」とされ,広告などの予算の多くは「競技選手への支援及び競技大会やその他イベントへのスポンサー活動」にあてている。特に「主要なターゲットとする若年成人層,主に男性が多くの時間を費やすインターネット上で,ネット配信されるイベント」であり,具体的には,ロードレース世界選手権グランプリ(MotoGP),MotoGPレーシングチーム,F1レーシングチーム,モトクロスチーム,アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC),音楽祭,音楽イベント,ミュージシャン及びビデオゲームチームへのスポンサー活動及び促進活動などである。
ただし,日本では2012年5月及び6月に販売開始を支援するために,主要テレビ局のテレビ広告枠を購入し,視聴者にウェブサイトで更なる情報を得るように促す広告を行い,それに約190万米ドルを支出したとされる。
コ 2016年3月31日付けのアサヒ飲料株式会社のニュースリリース(甲129)によれば,申立人商品につき「『モンスターエナジーブランド』は・・・ブランド力とファッション性で世界中の若者からの圧倒的な支持を背景に,急成長しているエナジードリンクです。」と紹介し,「エナジードリンク市場は,『モンスターエナジー』などの海外ブランドの浸透により,最近では10代,20代が『炭酸の刺激を楽しみたい』や『気分転換』を目的に飲用する傾向」との記載がある。
(2)上記(1)の認定事実によれば,申立人商標の使用と関連して,以下のような実情がうかがえる。
ア 申立人商品は,2012年(平成24年)5月の日本における販売開始以降,その販売額は,約3年間(2012年(平成24年)5月?2015年(平成27年)6月)で約170億円以上とされ,その販売期間は発売から本件商標の登録出願時までは約4年間程度と長期にわたるものではないが,ある程度継続した販売実績があることがうかがえる。
しかし,申立人はテレビなどの一般的なメディアを通じた広告宣伝はそもそも行わない方針であることもあり,テレビCMは,2012年(平成24年)の発売当初の1か月程度の短期間で,その費用も約1億5千万円(190万ドル;80円/ドルで計算)程度のものであり,継続的に行われているスポンサー活動や販売促進キャンペーンも,日本における広告宣伝費は明らかではない。その主な広告宣伝も,主に比較的若い世代が集まるようなモータースポーツ,格闘技,音楽イベントやミュージシャン,ビデオゲームなどと関連したスポンサー活動やプロモーション活動である。また,申立人商品の紹介にあたっても,10代や20代の需要者層における支持が言及されていることからすると,申立人商品の主要な需要者層や,広告などを通じて申立人商品を目にする需要者層の範囲も,自ずと若年層を中心としたものと理解することができる。
イ 日本で販売されている申立人商品の容器の側面には,文字配置のレイアウトにバリエーションはあるものの,概ね,「MONSTER」の文字の下に「ENERGY」の文字を,比較的近接して配置している。そして,これら申立人商品の個別名称は,「Monster Energy」(モンスターエナジー),「Monster KHAOS」(モンスターカオス),「モンスター アブソリュートリー ゼロ」,「モンスターエナジー M3」,「モンスターコーヒー」及び「モンスター ウルトラ」であるが,これら一連の商品を指称する際は,「モンスターエナジー」ブランドと総称されている。
ウ 申立人商品の販売促進キャンペーン広告などの宣伝文句の中で,申立人商品を「モンスター」と略称したり,「MONSTER WORLD RALLY TEAM」(モンスターワールドラリーチーム),「Monsterライダー」,「モンスターバンド」,「モンスターアスリート」,「モンスターグッズ」,「モンスターギア」,「モンスターロック」など,申立人又は申立人商品の略称として「MONSTER」又は「モンスター」の語を用いる場合はある。
(3)上記実情を踏まえると,申立人商品の販売期間は比較的短く,幅広い需要者層が目にする機会の多い一般的なメディアを通じた広告宣伝の実績は乏しいもので,広告宣伝などを通じた商品名の露出も,比較的若年層に向けた活動を通じて行われていることから,申立人商品は,本件商標の登録出願日前までには,その取引者や若い世代を中心とした需要者の間では,ある程度認知されていたということができても,幅広い需要者層を有する清涼飲料の分野一般においては,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
そして,申立人商品は,その容器には「MONSTER」及び「ENERGY」の文字が比較的近接して表示されており,申立人商品は「モンスターエナジー」ブランドと総称されている実情があることも踏まえると,上記の申立人商品の獲得した認知度は,「Monster Energy」(モンスターエナジー)を中心とした「モンスターエナジー」ブランドのエナジードリンクとして,集合的に生じているというべきである。
なお,申立人商標である「MONSTER」の語が,宣伝文句などにおいて申立人又は申立人商品の略称として用いられる場合があるとしても,その略称が,エナジードリンクの需要者及び取引者の間で広く認知され,周知,著名となっていたとの事実は,提出された証拠からは見いだせない。
そのため,申立人商標は,我が国において,申立人商品を表示する商標として,広く認識されているものということはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
申立人は,本件商標は,引用商標1及び2との関係で商標法第4条第1項第11号に該当すると主張しているので,以下検討する。
(1)本件商標
本件商標は,「MONSTER SPIKE」の欧文字を標準文字で表してなるところ,「MONSTER」の文字は「怪物。化け物。」の意味を,「SPIKE」の文字は「靴底などに打ち付ける釘や金具。スパイクシューズの略。バレーボールの最も強力な攻撃法の一つ。」などの意味を有する英語であるところ,両文字を結合して熟語や既成語となるものではなく(参照:「広辞苑 第6版」岩波書店発行),また,本件指定商品及び指定役務との関係においては,「SPIKE」の文字部分が商品又は役務の普通名称や品質・質の表示などとして認識,理解されるものでもない。そして,両文字は1文字分の間隔を空けて横一連に表され,文字の大きさ及び文字種も共通することから,構成上まとまりのよい印象を与えるもので,全体より生じる「モンスタースパイク」の称呼も9音構成と冗長なものではなく,全体を一連に称呼することも比較的容易である。
そうすると,本件商標は,これに接する需要者,取引者をして,その構成全体をもって一連一体の商標であると認識,看取されるというべきで,これより「モンスタースパイク」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(2)引用商標1及び2
引用商標1及び2は,別掲1のとおり,上部に爪の図柄を表し,下部の上段に「MONSTER」(「O」の文字を貫く縦線が描かれている)の文字を特徴のある書体の太字で,その下段に「ENERGY」の文字を角張った書体で比較的小さく表してなるところ,爪の図柄部分と文字部分とは,重なりなく間隔を大きく空けて配置されているため,視覚上,一見して分離して看取されるばかりでなく,爪の図柄部分からは特定の称呼及び観念は生じないため,文字部分との間に称呼及び観念上のつながりはなく,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
そのため,引用商標1及び2に接する需要者,取引者は,爪の図柄部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識,理解するというのが相当であり,これら要部をもって他人の商標と比較して商標としての類否を判断することも許されるというべきである。
そして,引用商標1及び2の下部の「MONSTER」と「ENERGY」の文字部分は,上記のとおりの構成よりなり,その文字の書体や大きさは相違するものの,上下二段に比較的近接して配置されており,上部の図形部分との対比もあり,構成上はまとまりのよい印象を与えるもので,全体より生じる「モンスターエナジー」の称呼も9音構成と冗長なものではなく,全体を一連に称呼することも比較的容易である。また,「MONSTER」の文字は「怪物。化け物。」の意味を有し,「ENERGY」の文字は,「活動の源として体内に保持する力。活気。精力。」の意味を有する「エネルギー」の語に通じるところ,両語を結合して熟語や既成語となるものでもなく(参照:「広辞苑 第6版」岩波書店発行),いずれの語がその指定商品との関係において出所識別標識としての称呼,観念を生じないというものでもない。そして,上記1(3)のとおり,申立人商品は「Monster Energy」(モンスターエナジー)として若い世代の間で一定の認知度があるものの,「MONSTER」の語は,申立人商品を表示する商標として周知,著名ではないため,当該文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものでもない。
以上を踏まえると,引用商標1及び2の「MONSTER」及び「ENERGY」の文字部分は,いずれかの文字部分から強く支配的な印象を受けるものではなく,その構成全体をもって出所識別標識としての機能を発揮するものというべきで,これより「モンスターエナジー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標1及び2の比較
本件商標「MONSTER SPIKE」と引用商標1及び2の要部である「MONSTER」及び「ENERGY」の文字部分を比較すると,その称呼においては,語頭の「モンスター」の5音を共通にするものの,語尾の4音が明らかに相違するため,全体を一連に称呼するときは,容易に聴別できる。そして,その外観は「MONSTER」の文字のつづりを共通にするものの,その書体が相違し,その余の「SPIKE」と「ENERGY」の構成文字において明らかな差異を有するため,外観が著しく異なる。また,いずれからも特定の観念は生じないため,観念は比較できない。
加えて,本件商標と引用商標1及び2の要部である図形部分は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても共通する点がなく,明らかに異なるものである。
以上から,本件商標は,引用商標1及び2とは,その要部の比較においても,外観,称呼及び観念において明らかに相違するから,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標1及び2とは類似する商標ではないため,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人商標の周知性
申立人商標は,上記1(3)のとおり,我が国において,申立人商品「エナジードリンク」を表示する商標として,広く認識されていない。
(2)本件商標と申立人商標との類似性
ア 本件商標について
本件商標は,「MONSTER SPIKE」の欧文字を標準文字で表してなるところ,上記2(1)のとおり,これに接する需要者,取引者をして,その構成全体をもって一連一体の商標であると認識,看取されるというのが相当であり,これより「モンスタースパイク」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
イ 申立人商標について
申立人商標「MONSTER」は,「怪物。化け物。」の意味を有する語よりなるため,「モンスター」の称呼及び「怪物。化け物。」の観念を生じる。
ウ 本件商標と申立人商標との類否について
本件商標と申立人商標は,称呼において「モンスター」の音を共通にするが,語尾の「スパイク」の音の有無に差異があり,全体を一連に称呼するときは,構成音及び音数の相違により,それぞれ容易に聴別できる。また,両商標の外観は,「MONSTER」の文字のつづりを共通にするが,語尾の「SPIKE」の文字の有無に差異があり,一見して明瞭に見分けることができる。そして,本件商標からは特定の観念は生じないため,観念において比較することはできない。
そうすると,本件商標と申立人商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似しない,誤認混同するおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)本件異議申立てに係る指定商品と申立人商品との関連性
申立人商品であるエナジードリンクは,清涼飲料の一種であり,本件商標の指定商品及び指定役務である被服,トレーニング用具,知識の教授などとは,一般的には,その商品及び役務の性質,用途又は目的において直接的な関連性もなく,その商品及び役務の製造者,販売者,提供者及び需要者層も,重複又は密接に関連しているものとはいえず,それらの密接な関連性を示す具体的な証拠は,申立人から提出されていない。
なお,申立人のライセンス契約の下,「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー)との関連を表示したTシャツ,フード付き上着,ジャケットなどが販売され,MONSTERブランドマークを用いて,スノーボード,モトクロス,ドリフトカーレース,サーフィンなどのスポーツ競技会やイベントを主催又は協賛しているというような事情があるとしても,それは申立人固有の実情として参酌する場合があるとしても,上記のような一般的な商品間の類似の判断には影響を与えるものではない。
(4)出所の混同のおそれについて
申立人商標は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人又は申立人商品を表示する語として周知,著名とはいえず,上記(2)のとおり,「怪物。化け物」の意味を有する語であって,造語ではなく,本件商標とも誤認混同するおそれのない非類似の商標であり,上記(3)のとおり,本件商標の指定商品の一部の商品が,申立人の関連商品と共通する分野において販売され,また申立人のキャンペーン活動の分野と関連するような実情があるとしても,本件商標の指定商品及び指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標に接する取引者,需要者が,申立人又は申立人商標を連想又は想起するようなことは考え難い。
そのため,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務について使用しても,その取引者及び需要者をして,当該商品及び役務が申立人の商品及び役務に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく,当該商品及び役務が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品及び役務であると誤信させるおそれがあるものとはいえず,申立人又はそのグループの業務に係る商品及び役務と混同を生じるおそれがある商標ではない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
4 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は,上記2(1)のとおり,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないところ,その商標登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合等,その出願経緯などに公序良俗に反するおそれがあることを具体的に示す証拠の提出もない。
申立人は,本件商標の使用は,申立人商標に関連して獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするもので,これを登録することは商標法の精神及び国際信義に反するため,公の秩序を害するおそれがある旨を主張するが,これは専ら申立人の利益を害するか否かという私的領域に関する主張であるため,商標法第4条第1項第7号の適用がそぐわないものであるばかりでなく,上記3(4)のとおり,本件商標は申立人又はそのグループの業務に係る商品及び役務と混同を生じさせるおそれのある商標とはいえず,その登録が公序良俗を害する理由を見いだすことができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではない。
5 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第7号,同項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 (引用商標1,2)



別掲2 (引用商標3)



別掲3 (引用商標4)



別掲4 (引用商標8,9)



別掲5 (引用商標15)



別掲6 (引用商標18。色彩は原本を参照。)



別掲7 (引用商標19)



別掲8 (引用商標45)





異議決定日 2017-12-08 
出願番号 商願2016-90792(T2016-90792) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W252841)
T 1 651・ 271- Y (W252841)
T 1 651・ 262- Y (W252841)
T 1 651・ 261- Y (W252841)
T 1 651・ 263- Y (W252841)
最終処分 維持 
前審関与審査官 渡辺 悦子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
田村 正明
登録日 2017-02-24 
登録番号 商標登録第5925220号(T5925220) 
権利者 株式会社 ノースラン
商標の称呼 モンスタースパイク、モンスター、スパイク 
代理人 柳田 征史 
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