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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1335307 
異議申立番号 異議2017-900259 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-08-24 
確定日 2017-12-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5951823号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5951823号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5951823号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成28年4月19日に登録出願、第30類「紅茶」を指定商品として、同29年5月22日に登録査定、同年6月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「TE’ CON MIEL」の文字と「テ・コンミエル」の文字とを二段に表し、普通に用いられる方法で横書きしてなり、第30類「紅茶」を指定商品とするものであるところ、本件商標の構成中、上段の「TE’」の文字は「紅茶」を、「CON」の文字は「入りの」を、「MIEL」の文字は「蜂蜜」を、それぞれ意味するものであり、下段の「テ・コンミエル」の文字は、上段の文字の読みを片仮名で表したものである。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
ア 「TE CON MIEL」(「TE」の文字中の「E」の文字は、アクセント記号が付されたもの。以下同じ。)の文字は、スペイン国で「蜂蜜入りの紅茶」を表示するものとして普通に使用されており、商品の内容を示すものとして当該文字を表示した商品が販売されている。
甲第1号証は、スペイン国でグランハサンフランシスコ社(GRANJA San Francisco)が販売する蜂蜜入り紅茶の販売用パンフレットであり、その販売に係る商品には、グランハサンフランシスコ社の商標が付されるとともに、商品の内容を示すものとして「TE CON MIEL」の表示が付されている。
イ 「TE CON MIEL」又は「Te con miel」(「Te」の文字中の「e」の文字は、アクセント記号が付されたもの。以下、構成文字全体が大文字又は小文字の表記にかかわらず同じ。)の文字は、スペイン語圏で「蜂蜜入り紅茶」を意味する語として広く用いられている。
具体的には、Acteo Soluciones SL社(マドリード)の情報サイト(甲2)、Leaf Group社(米国)のスペイン語圏を対象とする情報サイト(甲3)及びスペイン語圏における個人のブログ(甲4)においては、「te con miel」の文字が「蜂蜜入り紅茶」を意味する一般的な語として記載されている。
また、甲第5号証は、インスタグラムで検索した結果を示すものであり、スペイン語圏の投稿者による投稿においては、「te conmiel」又は「te con miel」について記載したものが複数存在する。特に、甲第5号証の最終ページには、「te con miel de papa」(お父さんの作った蜂蜜入り紅茶)との記載があり、一般的に愛飲されている蜂蜜入り紅茶を意味する語として用いられていることが明らかである。
ウ 甲第1号証に示す商品は、スペイン国で販売されるとともに、我が国に輸入され、商品の内容を示すものとして、「TE CON MIEL」と表示された状態で広く販売されており、多くの場合、その文字の読み方として「テ・コンミエル」を表示するとともに、「はちみつ紅茶」又は「はちみつ入りスペインティー」の表示が付されている。
また、甲第6号証は、上記グランハサンフランシスコ社の商品が我が国に輸入され、国内で販売するためのパンフレットであるところ、その商品には、商品の内容を示すものとして、「TE CON MIEL」と表示されるとともに、「はちみつ紅茶」の表示が付されている。
エ 「TE CON MIEL」と表示されている上記商品は、複数の通信販売サイトのほか、多数の事業者により広く販売されており、例えば、甲第7号証ないし甲第9号証は、通信販売サイトの「Yahoo!ショッピング」、「Amazon」及び「楽天市場」における販売状況を示すものであって、出品者は複数に及んでいる。
また、検索サイトにより「テ・コンミエル」の文字を検索すると、極めて多数の項目が検出されるところ、その検索結果の一部を甲第10号証として提出する。
なお、甲第10号証は、本件商標の登録査定日の後に検索したものであるが、同号証の末尾に添付した同日の前の検索結果と比較しても、大きな差異はない。
オ 「TE CON MIEL」と表示されている上記商品は、国内のグランジャポン社により、スペイン国から輸入され、2004年頃から国内販売されており、甲第6号証は、同社が制作し、使用しているパンフレット、甲第11号証及び甲第12号証は、同社が発行している小冊子であるところ、これらにおいては、「TE CON MIEL」と表示されている上記商品を「テ・コンミエル」の表示及び「はちみつ入り紅茶」又は「はちみつ入りスペインティー」の表示とともに紹介している。そして、これらは、本件商標の登録査定日の前に発行されたものである。
また、甲第13号証及び甲第14号証は、いずれもグランジャポン社のウェブサイトの一部であって、前者は、「お知らせ」として、2014年以前から上記商品に関する情報等を提供しているものであり、後者は、上記商品の多数の取扱店を紹介しているものである。
カ 「TE CON MIEL」と表示されている上記商品は、本件商標の登録査定日の前に発行された「BRUTUS」(甲15)及び「リンネル」(甲16)といった一般雑誌において紹介された。
キ 上記アないしカのとおり、「TE CON MIEL」の文字及びその読み方を表した「テ・コンミエル」の文字は、紅茶を取り扱う業界において、スペイン産の蜂蜜入り紅茶を表示するものとして普通に使用されている。
そうすると、本件商標をその指定商品中の「蜂蜜入り紅茶」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の内容を表示した語と認識するにとどまるから、本件商標は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないというべきであり、また、当該商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号について
甲第1号証及び甲第6号証ないし甲第16号証に示すように、商品の内容を示すものとして「TE CON MIEL」と表示された商品は、本件商標の登録出願日以前から長年にわたって継続的に輸入され、国内で流通している。
また、本件商標権者は、上記商品の輸入又は販売に関与している者ではないことから、本件商標により、上記商品の輸入及び販売が阻害されるおそれがあり、これは、国際信義に反する。
さらに、本件商標が存続すると、上記のように広く流通している商品の販売が制限されることになるため、商取引の秩序が混乱するおそれが大きいばかりでなく、上記商品を愛飲している需要者においてその入手が困難になるおそれもあり、このような事態は、公の秩序を害するものであり、法目的にも反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本件商標は、別掲のとおり、「TE’ CON MIEL」の文字と「テ・コンミエル」の文字とを二段に表してなるところ、上段の文字は、その構成から「TE’」、「CON」及び「MIEL」の各語の組合せとして看取されるとはいえるが、当該各語が、それぞれ、特定の意味を有するものとして一般に広く知られているとはいえず、その組合せ全体をもって特定の意味を有するものとして一般に広く知られているともいえない。
また、本件商標の構成中、下段の文字は、そのつづり及び配置によれば、上段の文字の読みを片仮名で表したものと看取、理解されるとはいえるが、当該文字が特定の意味を有するものとして一般に広く知られているとはいえない。
そうすると、本件商標は、特定の意味合いを想起させることのない「TE’ CON MIEL」の文字及び「テ・コンミエル」の文字を二段に表したものとして認識されるとみるのが相当である。
イ 申立人は、(a)アクセント記号が付された「TE CON MIEL」の文字は、スペイン国で「蜂蜜入り紅茶」を表示するものとして商品に普通に使用されており、スペイン語圏の情報サイト等においても「蜂蜜入り紅茶」を意味する一般的な語として記載されていること、(b)当該文字は、スペイン国のグランハサンフランシスコ社が販売する「蜂蜜入り紅茶」(甲1)について、その商品内容を示すものとして使用されているところ、同商品は、2004年頃から国内のグランジャポン社により輸入、販売され、同社の制作に係るパンフレットや小冊子、ウェブサイトにおいて「テ・コンミエル」の表示及び「はちみつ入り紅茶」又は「はちみつ入りスペインティー」の表示とともに紹介されていること、(c)上記「蜂蜜入り紅茶」(甲1)は、複数の通信販売サイトのほか、多数の事業者により広く販売されており、また、一般雑誌において紹介されたことによれば、「TE CON MIEL」の文字及びその読み方を表した「テ・コンミエル」の文字は、紅茶を取り扱う業界において、スペイン産の蜂蜜入り紅茶を表示するものとして普通に使用されているといえるから、本件商標は、その指定商品中の「蜂蜜入り紅茶」に使用するときは、取引者、需要者をして、単に商品の内容を表示した語として認識するにとどまる旨主張する。
しかしながら、スペイン国を含むスペイン語圏において「TE CON MIEL」の文字が「蜂蜜入り紅茶」を意味する語句として一般に使用されているとしても、そのことをもって直ちに我が国の取引者、需要者において同様の認識がされているとはいえず、また、上記「蜂蜜入り紅茶」(甲1)がグランジャポン社により輸入、販売され、その制作に係るパンフレット等において「TE CON MIEL」の文字及び「テ・コンミエル」の文字とともに紹介されていることは見受けられるものの、その輸入、販売に係る具体的な期間や数量、その制作に係るパンフレット等の頒布時期、頒布先及び頒布枚数は明らかでない。
さらに、上記「蜂蜜入り紅茶」(甲1)が「Yahoo!ショッピング」、「Amazon」及び「楽天市場」といった通信販売サイトにおいて複数の者により出品されていることは見受けられるものの、それらの者による取扱いに係る具体的な期間や数量は明らかでなく、また、雑誌の掲載についても、2017年の2月及び3月に各1誌ずつ、他の商品等とともに紹介されているにすぎないものである。
上記したことに加え、我が国におけるスペイン語の普及の程度をも併せ考慮すると、本件商標の登録査定時において、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が、その商品が「蜂蜜入り紅茶」であることを表したものとして認識するとは認められない。
したがって、上記申立人の主張は、採用できない。
ウ 以上によれば、本件商標は、特定の意味合いを想起させることのないものであって、その指定商品との関係において商品の品質を表したと認識されるものではない。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、商品の品質を表したものとして認識することはなく、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、別掲のとおり、「TE’ CON MIEL」の文字と「テ・コンミエル」の文字とを二段に表してなるものであるから、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。
また、本件商標は、上記(1)のとおり、特定の意味合いを想起させることのないものであって、その指定商品との関係において商品の品質を表したと認識されるものではないから、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反するものでもない。
さらに、本件商標は、その使用が他の法律によって禁止されているものではないし、また、外国の権威や尊厳を損なうおそれがある内容の商標などといったものではないから、国際信義に反するものでもない。
加えて、本件商標の登録出願の経緯について、社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ないものと認めるに足る事実も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第7号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 (別掲)
本件商標(登録第5951823号商標)



異議決定日 2017-12-04 
出願番号 商願2016-44462(T2016-44462) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W30)
T 1 651・ 13- Y (W30)
T 1 651・ 272- Y (W30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大島 康浩 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 田中 敬規
松浦 裕紀子
登録日 2017-06-02 
登録番号 商標登録第5951823号(T5951823) 
権利者 戸田 容幸
商標の称呼 テコンミエル、コンミエル 

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