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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W14162425283032354143
審判 全部申立て  登録を維持 W14162425283032354143
管理番号 1335298 
異議申立番号 異議2017-900159 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-18 
確定日 2017-12-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5927098号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5927098号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5927098号商標(以下「本件商標」という。)は,「MUSCLE MONSTER」の欧文字を横書きしてなり,平成28年8月26日に登録出願,同29年2月3日に登録査定され,第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,時計」,第16類「紙製包装用容器,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」,第24類「フェルト及び不織布,布製身の回り品,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」,第28類「遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」,第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」,第32類「ビール,ビール製造用ホップエキス」,第35類「広告業,広告用具の貸与,飲食料品(清涼飲料・果実飲料・飲料用野菜ジュース・サプリメント・食餌療法用飲料・食餌療法用食品・乳幼児用飲料・乳幼児用食品・乳幼児用粉乳・乳製品・アイスクリームのもと・シャーベットのもと・乳清飲料を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供,娯楽施設の提供,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,写真の撮影」及び第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」を指定商品及び指定役務として,同年2月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の45件の登録商標(以下1から45までを順次「引用商標1」から「引用商標45」という。)であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第1048069号商標:別掲1
2 登録第5689430号商標:別掲1
3 登録第5057229号商標:別掲2
4 登録第5730813号商標:別掲3
5 登録第5010968号商標:M MONSTER ENERGY(標準文字)
6 登録第5379390号商標:MONSTER(標準文字)
7 登録第5792086号商標:MONSTER(標準文字)
8 登録第5431413号商標:別掲4
9 登録第5788675号商標:別掲4
10 登録第5393681号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
11 登録第5788676号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
12 登録第5844119号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
13 登録第5495941号商標:MONSTER KHAOS ENERGY + JUICE(標準文字)
14 登録第5769176号商標:MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO(標準文字)
15 登録第5419513号商標:別掲5
16 登録第5757485号商標:COFFEE MONSTER(標準文字)
17 登録第5715016号商標:MONSTER ENERGY ULTRA(標準文字)
18 登録第5844163号商標:別掲6
19 登録第5394526号商標:別掲7
20 登録第5442171号商標:MONSTER ENERGY PINK(標準文字)
21 登録第5417815号商標:MONSTER ENERGY AGENT ORANGE(標準文字)
22 登録第5527566号商標:MONSTER DETOX(標準文字)
23 登録第5476620号商標:MONSTER REHAB(標準文字)
24 登録第5490798号商標:MONSTER RECOVERY(標準文字)
25 登録第5497766号商標:MONSTER UNLEADED(標準文字)
26 登録第5451361号商標:MONSTER PUMPED(標準文字)
27 登録第5894185号商標:JUICE MONSTER
28 登録第5527567号商標:MONSTER REHABITUATE(標準文字)
29 登録第5562023号商標:JAVA MONSTER GREEN BEANS(標準文字)
30 登録第5375090号商標:PROTEIN MONSTER(標準文字)
31 登録第5327467号商標:MUSCLE MONSTER(標準文字)
32 登録第5409580号商標:MONSTER RIPPER(標準文字)
33 登録第5409582号商標:MONSTER BLACK(標準文字)
34 登録第5419507号商標:MONSTER DOUBLE BLACK(標準文字)
35 登録第5409583号商標:MONSTER GIRL(標準文字)
36 登録第5542584号商標:MONSTER CUBA-LIMA(標準文字)
37 登録第5043703号商標:JAVA MONSTER(標準文字)
38 登録第5431412号商標:JAVA MONSTER(標準文字)
39 登録第5741128号商標:JAVA MONSTER
40 登録第5644854号商標:MONSTER SUPERNATURAL(標準文字)
41 登録第5423080号商標:LOCA MOCA JAVA MONSTER(標準文字)
42 登録第5389881号商標:X-PRESSO MONSTER(標準文字)
43 登録第5657923号商標:MONSTER ENERGY ULTRA RED(標準文字)
44 登録第5894149号商標:MONSTER ARMY(標準文字)
45 登録第5807251号商標:別掲8

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第384号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人の使用に係る商標「MONSTER」(以下「申立人商標」という。)の著名性
(1)申立人による商標の使用
申立人は,1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり,2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し,米国で同年3月から広告宣伝を開始し,同年4月から製造販売を開始した(甲4,7,18,58)。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドの各種エナジードリンク製品には,従来の清涼飲料製品の容器とは異なる黒色ベースのボトル缶にモンスター(MONSTER)の爪を形取ったロゴマーク(以下「爪の図柄」という。)と独特のロゴデザインの太字で大きく顕著に「MONSTER」の文字を表示してなり,野性味あふれる独特な雰囲気が経済・ビジネス界でも注目を浴び(甲56?58),男性若者層を中心にたちまち人気商品となった。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドの各種エナジードリンクには,2002年の発売開始以降,現在までの長年にわたり継続して,「MONSTER」の文字を基調とする様々な商標が製品名として使用されており,特徴的なロゴデザインの太字で,缶の正面中央に「MONSTER」の文字が顕著に表示されている(以下,申立人のエナジードリンクを「『MONSTER』エナジードリンク」といい,「MONSTER」の文字を基調とする商標を総称して「『MONSTER』ファミリー商標」という。)。
(2)広告・マーケティング及び販売促進活動
申立人は,2002年から現在まで,全世界における「MONSTER」エナジードリンクに関する広告,マーケティング及び販売促進活動費として総額30億米ドルを超える費用を支出した(甲58)。その販売促進活動の内容は,世界の有名アスリート・レーシングチーム及び競技会,アマチュア選手,音楽祭及びミュージシャン,米国ラスベガスの公共機関モノレールに対する支援活動(スポンサー提供),並びに販売店用什器及び備品の供給である(甲58)。そこでは,看板やユニフォーム,備品,ビデオクリップなどに,特徴的なデザインの文字で表示した「MONSTER」の文字を組み合わせたロゴマークが表示されている。
このようなMONSTERブランドマークを用いた世界の著名アスリート及びチームに対するスポンサー活動は,申立人自らが発信する情報のみならず,スポンサー提供を受けるアスリートたちが運営するホームページやブログ,有名経済ビジネス誌,一般の報道ニュース,スポーツファンのホームページなどを通じて,日本国内の一般消費者にも発信,紹介されている(甲34?45,52,53,56,57)。
(3)日本国内の販売実績,広告・マーケティング及び販売促進活動
日本国内では「MONSTER ENERGY」ブランドのエナジードリンクの販売は,アサヒ飲料株式会社を通じてなされており,2012年5月8日から,2種類のエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売が開始された(甲5?7,12,14,58)。
当該商品は,その発売直後から日本国内でもたちまち人気商品となり,2012年9月時点で既に年間売上目標の100万箱を突破し(甲8,65?67),その後も好調に売上を伸ばして157万箱の売上を記録した(甲9,65?67)。
さらに,次々に新製品が発売され,「MONSTER ENERGY」,「MONSTER KHAOS」,「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」,「MONSTER ENERGY M3」,「MONSTER COFFEE」及び「MONSTER ENERGY ULTRA」などのエナジードリンクが国内で流通している(甲5?7,10,12?15,59?62,101?103,118)。
これらの商品は,日本全国のコンビニエンスストア,自動販売機,キオスク,スーパーマーケット,列車の売店,会員制スーパー,店舗,ゲームセンター,ドラッグストア及びホームセンター等のほか,通販サイトからも直接購入可能である(甲11?17,58,61,62,72,131,264)。
2012年5月の販売開始から2015年6月30日までに,申立人は国内で約2億3,600万缶の「MONSTER」エナジードリンクを販売した。上記期間の総販売額は1億7,500万米ドル以上,日本円で170億円以上である(甲58)。
また,国内発売直後から継続的にテレビコマーシャル放映,日本開催の多数のスポーツイベント等へのスポンサー提供,サンプル配布などを含む大々的な宣伝広告活動が実施されている(甲58)。
(4)全世界の販売国・地域及び販売額
申立人は,現在までに全世界100以上の国及び地域で「MONSTER」ファミリー商標を使用した「MONSTER」エナジードリンクを販売し,又は販売中である。
申立人のエナジードリンクは,2002年(平成14年)に米国で販売開始以来,130億缶以上販売し,世界中で毎年30億缶以上を売上げ,全世界で総額240億米ドルを超える収益を上げており,全世界での小売販売額は毎年60億米ドルを超え,申立人の全売上額の92%以上を占める(甲58)。申立人の年間総販売額は,23.7億米ドル(2012年度),25.9億米ドル(2013年度),28.3億米ドル(2014年度)で,エナジードリンクの売上げは,年間総純売上に対して,それぞれ95.4%,95.6%,96.1%を占める。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドは,販売量において,米国で最も売れ,また世界第2位のエナジードリンクである。申立人のエナジードリンクは,現在米国におけるエナジードリンク市場の36.8%のシェアを占め,その販売量において全世界で最も高成長を遂げた主要ブランドの地位を維持している。
(5)アパレル製品,ビデオゲーム製品等の販売
2002年から現在まで,申立人の許諾の下,MONSTERブランドマークを付したアパレル製品等が,多数のライセンシーにより製造,販売されており,一般消費者の高い人気を獲得している。当該ライセンス商品は,現在,日本及びアジア全域,オーストラリア,米国,カナダ,中央アメリカ,南米,ヨーロッパ,アイスランド,スカンジナビア及びメキシコを含む世界各地で販売中である(甲58)。MONSTERブランドマークが付された被服,運動用特殊衣服,運動用ヘルメット,ステッカー,リュックサック等は,日本国内でも人気の高い商品であり,インターネットの通信販売業者により日本国内でも輸入販売されている(甲47,48)。
また,申立人は,ビデオゲーム制作販売会社と提携関係を結んだ販売促進活動も展開しており,MONSTERブランドマークは,ビデオゲーム製品の中で使用されている(甲58)。
(6)その他,申立人は,経済界等からの数々の表彰を受けるとともに,ウェブサイト及びソーシャルメディアによる情報発信,商標登録によるブランド保護,国内における申立人商標のライセンス商品の販売や模倣品の水際取締り,スポーツイベント等やプロモーションキャンペーン等も行っている。
(7)営業及び広告における「MONSTER」の文字の使用
「MONSTER」ライセンス商品には,「MONSTER」又は「Monster」の文字を表示して販売及び宣伝広告がなされている。
加えて,申立人による営業及び販売促進活動全般において,申立人又は申立人の取り扱いに係るエナジードリンク等の商品表示のため,「MONSTER」及びその表音である「モンスター」の文字が単独で繰り返し用いられている。
(8)以上の事実に照らせば,申立人商標は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示する出所識別標識として,本件商標の登録出願日前より,本国米国をはじめとする外国で広く認識されていたものであり,また,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,日本国内の取引者及び需要者においても,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く認識されていたことが明らかである。
2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標は,「MUSCLE MONSTER」の欧文字を通常の活字体で横書きしてなるところ,「MUSCLE」は「筋肉,筋力,腕力,強制」等を意味する語であり,「MONSTER」は,その表音「モンスター」が外来語の「モンスター」として広く親しまれているため,本件商標はこれら2語を結合したものと容易に認識,理解できる。そして,本件商標の「マッスルモンスター」の称呼は一息で一連に容易に発音できる程度に短いものではなく,また,「MUSCLE MONSTER」の文字は,辞書等に掲載されている成語ではなく,既成の熟語的な観念も生じないため,観念上一体不可分のものとして把握すべき理由もない。
したがって,本件商標の構成中「MUSCLE MONSTER」の文字は,外観,称呼及び観念のいずれの観点から考察しても,常に一体的に把握されるものではない。
加えて,「MONSTER」の語は一般に広く親しまれている外来語である一方,「MUSCLE」の語はそのように一般に親しまれた外来語になるに至っていないため,本件商標に接する需要者,取引者は,「MONSTER」の文字部分に強く引きつけられ,当該文字部分に注目して商品及び役務の出所を認識,記憶するというのが自然であり,本件商標は,「MONSTER」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を取引者,需要者に与える。
したがって,本件商標と申立人商標は,それぞれ「MONSTER」の文字が出所識別標識として看者に強く印象づけるものであるから,その類似性の程度が極めて高い。
(2)本件商標の「MUSCLE MONSTER」の構成文字は,申立人が「MONSTER」エナジードリンクの個別製品名として使用する,「MONSTER」ファミリー商標のひとつである「MUSCLE MONSTER」(引用商標31及び45)の構成文字と同一である。
申立人は,2013年に米国で「MUSCLE MONSTER」を製品名に使用したエナジードリンクの販売を開始し,現在も継続して販売している(甲58,275?280)。日本国内の消費者も,ネットショッピングサイトを通じて購入することが可能であり(甲126),国内のエナジードリンク愛好家の間では,当該製品は,申立て人の製造販売に係る「MONSTER」エナジードリンクのシリーズ製品名としてよく知られていた(甲282?284)。
申立人は,「MUSCLE MONSTER」の文字を含む商標を,日本,米国その他の諸外国で商標登録しており(引用商標31及び45,甲360,364?384),これらは本件商標の登録出願日より前に登録出願されている。
(3)本件商標の指定商品及び指定役務は,申立人及びそのライセンシーが「MONSTER」及び「MUSCLE MONSTER」を出所識別標識として使用しているエナジードリンク及びライセンス商品並びに娯楽イベントの企画,運営,開催等の役務と同一又は類似,あるいはこれらと関連性が密接な商品又は役務を含むものである。
ア 本件商標の指定商品中,第32類「ビール」は,アルコール度数が低く,清涼飲料等のソフトドリンク類と同種の目的,用途で消費されることが多い飲料であり,その製造部門,販売部門,原材料,用途,需要者の範囲は,申立人が「MONSTER」及び「MUSCLE MONSTER」を製品名として使用するエナジードリンクと一致又は重複する。また,「ビール製造用ホップエキス」は,ビールの原材料として使用されるものであり,申立人の取り扱い製品と極めて関連性が強い。
イ 本件商標の指定商品中,第30類の指定商品は,一般消費者がスーパー,食料品店,コンビニなどで日常的に購入する飲料製品及び加工食品であり,申立人のエナジードリンクとの関連性が強い。
特に,第30類「茶,コーヒー,ココア」は,アルコール分を含有しない飲料であって,一般の消費者がティータイム,休憩時のリラックス,水分補給,健康の維持増進という目的で購入,摂取する飲料である点で,申立人の使用に係るエナジードリンクと製造部門,販売場所,原材料,用途,需要者層が一致又は重複する。
また,第30類の指定商品中「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」という加工食品は,一般に,軽食,スナック,おやつ,デザートなどの用途で購入,消費されるもので,申立人の使用に係るエナジードリンクと同一店舗内の近接する売場で販売され,消費者が同時に購入又は消費することも多い。
ウ 本件商標の指定役務中,第35類の指定役務は,ビール,茶,コーヒー,ココア,加工食品を含む飲料及び食品の小売等役務であって,申立人の取り扱いに係る商品と類似し,関連が密接である。
エ 本件商標の指定商品中,第14類,第16類,第24類,第25類及び第28類の商品は,申立人のライセンシーの製造販売に係るMONSTERブランドマークを付したライセンス商品,並びに申立人のエナジードリンクの販売促進用キャンペーンで一般消費者に提供されている様々な「MONSTER」グッズと同一又は類似の商品を多く含む。
オ 本件商標の指定役務中,第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供,娯楽施設の提供」は,申立人の主催又は協賛による娯楽関連の役務と同一又は類似のもの,あるいはこれらと密接に関連するものである。
カ 本件商標の指定役務中,第43類「飲食物の提供」は,申立人の使用に係るエナジードリンクと極めて密接な関連を有する類似のものである。一般に,カフェ,コーヒーショップ,ファストフード店などでは,飲料製品,軽食,デザート類などの飲食物の提供と当該飲食物の持ち帰り販売が同一事業者によって同一店舗内で行われているため,当該役務と当該商品は,その用途,提供場所及び販売場所,並びに需要者の範囲において一致する。
また,第43類の指定役務中「宿泊施設の提供」も,申立人によるMONSTERエナジードリンクのプロモーションキャンペーンにおいてホテル宿泊券も賞品とされていることから,申立人の販売促進活動と関連性を有する。,
(4)本件商標の指定商品及び指定役務は,一般消費者を最終的な需要者とするものであり,その通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
(5)本件商標の登録出願時及び登録査定時には,「MONSTER」は申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者,取引者の間で広く認識されており,さらに,「MUSCLE MONSTER」も,申立人の業務に係るエナジードリンクのシリーズ製品名として,少なくともエナジードリンクの取引者及び一部愛好家の間では相当程度認識されていた。
(6)以上を総合すれば,本件商標がその指定商品及び指定役務に使用されたときは,これに接する取引者,需要者は,申立人商標及び申立人を直感し,その商品及び役務が申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し,その出所について混同を生じるおそれが高い。
また,申立人商標と類似性の程度の高く,かつ,申立人のエナジードリンクの製品名として2013年から継続使用中の「MUSCLE MONSTER」と同一の本件商標が使用されるときは,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く認識されるに至った申立人商標の出所表示力を希釈化するおそれがあり,また,申立人が申立人商標及び「MUSCLE MONSTER」について獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標が使用された場合,申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている申立人商標及び「MUSCLE MONSTER」の出所識別力希釈化するおそれが高いものであり,また,本件商標の使用は,申立人がこれらの商標について獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするもので,申立人に経済的及び精神的損害を与える。
したがって,本件商標は,社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり,公の秩序を害するおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 申立人商標の周知性について
(1) 証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 申立人であるモンスター エナジー カンパニー(Monster Energy Company)は,元々は1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり,2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し,米国において発売開始した(甲7)。
イ 申立人のエナジードリンク(以下「申立人商品」という。)は,日本においては,2012年5月8日から,「Monster Energy」(モンスターエナジー)及び「Monster KHAOS」(モンスターカオス)が発売開始され(甲7,8),その後,2013年5月7日から「モンスター アブソリュートリー ゼロ」(甲10),2014年8月19日から「モンスターエナジー M3」(甲59),同年10月7日から「モンスターコーヒー」(甲60),2015年7月21日から「モンスター ウルトラ」(甲101)が発売されている。
ウ アサヒ飲料株式会社のニュースリリースによれば,申立人商品の発売及び販売と関連して,「アサヒ飲料 国内独占販売権取得!・・・『Monster Energy(モンスターエナジー)缶355ml』『Monster KHAOS(モンスターカオス)缶355ml』・・・アサヒ飲料株式会社(本社 東京,・・・)は・・・エナジードリンク『モンスターエナジー』ブランドの日本国内における独占販売権を取得しました。」(甲7),「・・・5月8日(火)から新発売したエナジードリンク『モンスターエナジー』ブランドの販売が好調・・・」(甲8),「・・・『モンスター アブソリュートリー ゼロ 缶355ml』・・・本商品は・・・『モンスターエナジー』ブランドの中でも,2番目に人気のあるカテゴリー,ダイエット系エナジーです。・・・」(甲10),「2013年度の『モンスターエナジー』ブランドの販売数量は大変好調であり,『モンスターエナジー』,『モンスターカオス』,『モンスターアブソリュートリーゼロ』の3品で前年比150%となる237万箱を販売し・・・」(甲59),「『モンスターエナジー』ブランドの販売は大変好調に推移しています。・・・本年は・・・『モンスターエナジーM3』,『モンスターコーヒー』をラインナップに追加・・・」(甲60),「『モンスターウルトラ』をラインアップに加えることにより,・・・更に『モンスターエナジー』ブランドの強化を図ってまいります。」(甲101)の記載がある。
エ 申立人商品の容器の側面には,以下のような表示がある。
(ア)「Monster Energy(モンスターエナジー)缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字が表されている(甲14,17)。
(イ)発売当初の「Monster KHAOS(モンスターカオス)缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「KHAOS」の文字,さらにその下には「ENERGY」及び「+果汁」の文字が表されている(甲14,17)。そして,2016年にリニューアル発売された同商品の容器には,上部に「KHAOS」の文字,その下に爪の図柄の図形を配し,下部に「MONSTER」の文字,その下に「ENERGY」の文字が表されている(甲130)。
(ウ)「モンスター アブソリュートリー ゼロ 缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「ABSOLUTELY ZERO」の文字が表されている(甲13)。
(エ)「モンスターエナジー M3 ワンウェイびん150ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「M-3 SUPER CONCENTRATE」又は「EXTRA STRENGTH」の文字が表されている(甲61,129)。
(オ)「モンスターコーヒー 缶250g」の容器下部には,「COFFEE」の文字,その下には「MONSTER」の文字,さらにその下には「COFFEE」,「+」及び「ENERGY」の文字が表されている(甲62)。
(カ)「モンスターウルトラ 缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「ULTRA」の文字が表されている(甲101)。
オ 申立人商品の販売促進キャンペーン広告中の宣伝文句の中で,申立人商品の写真とともに,「モンスターを飲んで,Tスタンプを貯めてSATANIC CARNIVALに行こう!」(甲63),「モンスターを飲んで,Tスタンプを貯めてMOTOGP日本グランプリでロッシに会おう!」(甲64,69,71),「モンスターの対象商品を2本ご購入につき,くじ付きステッカーをプレゼント!」(甲79),「本場アメリカで大ヒットの『白いモンスター』日本上陸!/『モンスター ウルトラ 缶355ml』7月21日(火)新発売」(甲101),「すっきりなのにヤバイ,白いモンスター登場・・・誰よりも早くモンスターウルトラをゲットしろ!」(甲118),「モンスターを買って・・・ギアを当てろ!」(甲113,132),「モンスターを買って/UFC日本大会を観に行こう!」(甲162)などの表示をしている。
カ 申立人商品の広告,マーケティング及び販売促進活動と関連して,WRCのチーム名を「MONSTER WORLD RALLY TEAM」(モンスターワールドラリーチーム)(甲42の1?3),ロックバンドを「モンスターバンド」(甲120,235,240),MOTOGPライダー又は鈴鹿8時間耐久ロードレースのライダーを「モンスターライダー」又は「モンスター契約ライダー」(甲168,238,245,247),プロサーファー,スノーボーダー又はスケートボーダーを「モンスターアスリート」又は「モンスター契約アスリート」(甲229,235),申立人商品の販売促進品を「モンスターグッズ」(甲232,242,244)又は「モンスターギア」(甲236)などと指称している。
キ 申立人商品は,日本において,2012年5月の発売開始以降,2012年末までの約8か月で157万箱販売された(甲9)。
ク 申立人の最高経営責任者の宣誓供述書(甲58)によれば,申立人商品は,日本において,2012年5月の販売開始から2015年6月30日までの約3年間で,約2億3600万缶の販売,総販売額は1億7500万米ドル以上,日本円で170億円以上であるとされる。
ケ 当該供述書(甲58)によれば,申立人は,広告,マーケティング及び販売促進活動のために,全世界では,2002年以来,30億米ドル以上を支出しているが,「モンスター社のマーケティング戦略は,従来の方法とは異なり,MONSTER商標及び爪の図柄を広めるための広告を,直接テレビやラジオで行わない」とされ,広告などの予算の多くは「競技選手への支援及び競技大会やその他イベントへのスポンサー活動」にあてている。特に「主要なターゲットとする若年成人層,主に男性が多くの時間を費やすインターネット上で,ネット配信されるイベント」であり,具体的には,ロードレース世界選手権グランプリ(MotoGP),MotoGPレーシングチーム,F1レーシングチーム,モトクロスチーム,アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC),音楽祭,音楽イベント,ミュージシャン及びビデオゲームチームへのスポンサー活動及び促進活動などである。
ただし,日本では2012年5月及び6月に販売開始を支援するために,主要テレビ局のテレビ広告枠を購入し,視聴者にウェブサイトで更なる情報を得るように促す広告を行い,それに約190万米ドルを支出したとされる。
コ 2016年3月31日付けのアサヒ飲料株式会社のニュースリリース(甲129)によれば,申立人商品につき「『モンスターエナジーブランド』は・・・ブランド力とファッション性で世界中の若者からの圧倒的な支持を背景に,急成長しているエナジードリンクです。」と紹介し,「エナジードリンク市場は,『モンスターエナジー』などの海外ブランドの浸透により,最近では10代,20代が『炭酸の刺激を楽しみたい』や『気分転換』を目的に飲用する傾向」との記載がある。
(2)上記(1)の認定事実によれば,申立人商標の使用と関連して,以下のような実情がうかがえる。
ア 申立人商品は,2012年(平成24年)5月の日本における販売開始以降,その販売額は,約3年間(2012年(平成24年)5月?2015年(平成27年)6月)で約170億円以上とされ,その販売期間は発売から本件商標の登録出願時までは約4年間程度と長期にわたるものではないが,ある程度継続した販売実績があることがうかがえる。
しかし,申立人はテレビなどの一般的なメディアを通じた広告宣伝はそもそも行わない方針であることもあり,テレビCMは,2012年(平成24年)の発売当初の1か月程度の短期間で,その費用も約1億5千万円(190万ドル;80円/ドルで計算)程度のものであり,継続的に行われているスポンサー活動や販売促進キャンペーンも,日本における広告宣伝費は明らかではない。その主な広告宣伝も,主に比較的若い世代が集まるようなモータースポーツ,格闘技,音楽イベントやミュージシャン,ビデオゲームなどと関連したスポンサー活動やプロモーション活動である。また,申立人商品の紹介にあたっても,10代や20代の需要者層における支持が言及されていることからすると,申立人商品の主要な需要者層や,広告などを通じて申立人商品を目にする需要者層の範囲も,自ずと若年層を中心としたものと理解することができる。
イ 日本で販売されている申立人商品の容器の側面には,文字配置のレイアウトにバリエーションはあるものの,概ね,「MONSTER」の文字の下に「ENERGY」の文字を,比較的近接して配置している。そして,これら申立人商品の個別名称は,「Monster Energy」(モンスターエナジー),「Monster KHAOS」(モンスターカオス),「モンスター アブソリュートリー ゼロ」,「モンスターエナジー M3」,「モンスターコーヒー」及び「モンスター ウルトラ」であるが,これら一連の商品を指称する際は,「モンスターエナジー」ブランドと総称されている。
ウ 申立人商品の販売促進キャンペーン広告などの宣伝文句の中で,申立人商品を「モンスター」と略称したり,「MONSTER WORLD RALLY TEAM」(モンスターワールドラリーチーム),「Monsterライダー」,「モンスターバンド」,「モンスターアスリート」,「モンスターグッズ」,「モンスターギア」,「モンスターロック」など,申立人又は申立人商品の略称として「MONSTER」又は「モンスター」の語を用いる場合はある。
(3)上記実情を踏まえると,申立人商品の販売期間は比較的短く,幅広い需要者層が目にする機会の多い一般的なメディアを通じた広告宣伝の実績は乏しいもので,広告宣伝などを通じた商品名の露出も,比較的若年層に向けた活動を通じて行われていることから,申立人商品は,本件商標の登録出願日前までには,その取引者や若い世代を中心とした需要者の間では,ある程度認知されていたということができても,幅広い需要者層を有する清涼飲料の分野一般においては,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
そして,申立人商品は,その容器には「MONSTER」及び「ENERGY」の文字が比較的近接して表示されており,申立人商品は「モンスターエナジー」ブランドと総称されている実情があることも踏まえると,上記の申立人商品の獲得した認知度は,「Monster Energy」(モンスターエナジー)を中心とした「モンスターエナジー」ブランドのエナジードリンクとして,集合的に生じているというべきである。
なお,申立人商標である「MONSTER」の語が,宣伝文句などにおいて申立人又は申立人商品の略称として用いられる場合があるとしても,その略称が,エナジードリンクの需要者及び取引者の間で広く認知され,周知,著名となっていたとの事実は,提出された証拠からは見いだせない。
そのため,申立人商標は,我が国において,申立人商品を表示する商標として,広く認識されているものということはできない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人商標の周知性
申立人商標「MONSTER」は,上記1(3)のとおり,我が国において,申立人商品「エナジードリンク」を表示する商標として,広く認識されているものではない。
(2)本件商標と申立人商標との類似性
ア 本件商標について
本件商標は,「MUSCLE MONSTER」の欧文字を表してなるところ,「MUSCLE」(マッスル)の語は「筋肉」の意味を有し,「MONSTER」(モンスター)の語は「怪物。化け物。」の意味を有する英語として,いずれも我が国で比較的親しまれて用いられている外来語であるから,両語を結合して熟語や既成語となるものではないものの,これらの意味を結合した「筋肉の怪物」程度の意味合いを想起させるものである(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行;「大辞林 第3版」三省堂発行;「大辞泉 第2版」小学館発行)。そして,両文字は半文字程度の間隔を空けて横一連に表されており,いずれも文字の大きさ及び文字種も共通することから,構成上まとまりのよい印象を受けるものであり,全体の構成文字に相応して生じる「マッスルモンスター」の称呼も9音構成と冗長なものではなく,全体を一連に称呼することも比較的容易である。そうすると,本件商標は,これに接する需要者,取引者をして,その構成全体をもって一連一体の商標であると認識,看取されるというのが相当であり,これより「マッスルモンスター」の称呼が生じ,「筋肉の怪物」程度の観念を生じる。
イ 申立人商標について
申立人商標「MONSTER」は,「怪物。化け物。」の意味を有する語よりなるため,「モンスター」の称呼及び「怪物。化け物。」の観念を生じる。
ウ 本件商標と申立人商標との類否について
本件商標と申立人商標の称呼は,「モンスター」の音を共通にするが,本件商標の語頭の「マッスル」の音の有無に差異があり,全体を一連に称呼するときは,構成音及び音数の相違により,それぞれ容易に聴別できる。また,両商標の外観は,「MONSTER」の文字のつづりを共通にするが,本件商標の語頭の「MUSCLE」の文字の有無に差異があり,一見して明瞭に見分けることができる。そして,本件商標から生じる「筋肉の怪物」の意味合いは,申立人商標の「怪物。化け物。」の観念とは,いずれも「怪物」を表してなる点で共通するものの,前者は筋肉が隆々とした怪物を具体的に想起させる一方で,後者は抽象的な怪物を連想させるにすぎないから,観念上の記憶に残る印象においては,両者は大いに相違する。
そうすると,本件商標と申立人商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似しない,誤認混同するおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)本件異議申立てに係る指定商品と申立人商品との関連性
申立人商品であるエナジードリンクは,清涼飲料の一種であり,本件商標の指定商品及び指定役務のうち,第30類「茶,コーヒー,ココア」のような飲料と関連する商品とは,その流通経路に一定程度の関連性があるものの,それ以外の商品及び役務については,一般的には,その商品及び役務の性質,用途又は目的において直接的な関連性もなく,その商品及び役務の製造者や販売者,提供者及び需要者層も,重複又は密接に関連しているものとはいえない。
なお,申立人のライセンス契約の下,MONSTERブランドマークを付した身飾品,キーホルダー,アパレル製品,バッグ類,運動用ヘルメット,ステッカー,傘,ビデオゲーム用ソフトウェアなどが販売され,MONSTERブランドマークを用いて,スノーボード,モトクロス,ドリフトカーレース,サーフィンなどのスポーツ競技会やロック音楽フェスティバル,オンラインゲーム競技会,ゲームイベント等を主催又は協賛しているというような事情があるとしても,それは申立人固有の実情として参酌する場合があるとしても,上記のような一般的な商品や役務の間の類似の判断には影響を与えるものではない。
(4)申立人商品の取引の実情について
申立人は,申立人商品として,本件商標と同一の構成文字よりなる「MUSCLE MONSTER」の名称のエナジードリンクを2013年から米国で販売しており,日本国内でもインターネット通販を通じて購入可能で,日本国内のエナジードリンク愛好家の間では知られていた旨を主張する。
しかし,申立人商品の中に,缶容器の下部に「MUSCLE」,「MONSTER」及び「ENERGY SHAKE」の文字を表示する飲料が存在しており(甲275?280),インターネット上の通信販売サイトやブログ記事等を通じてわずかに紹介されている事実が確認できるとしても(甲126,282?284),上記インターネット上の記事以外に,我が国での販売実績や紹介されている実績が確認できないため,申立人の取扱いに係る「MUSCLE MONSTER」の名称又は略称のエナジードリンクは,清涼飲料の分野一般ばかりでなく,申立人商品であるエナジードリンクの需要者一般の間においても認知されていたものとはいい難い。
したがって,本件商標に接する需要者は,申立人が海外において販売するエナジードリンク「MUSCLE MONSTER」の存在を通常は認識していないというべきであるから,その存在を前提として,商品又は役務の出所について連想,判断することは考えにくく,当該取引の実情は,以下の(5)で検討する出所の混同のおそれの判断には影響を与えない。
(5)出所の混同のおそれについて
申立人商標「MONSTER」は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人又は申立人商品を表示する語として周知,著名とはいえず,上記(2)のとおり,「怪物。化け物」の意味を有する語であって,造語ではなく,本件商標とも誤認混同するおそれのない非類似の商標であり,上記(3)のとおり,本件商標の指定商品の一部の商品が,申立人商品と関連性を有し,その他の指定商品及び指定役務も,申立人の関連商品と共通する分野において販売され,また申立人のキャンペーン活動の分野と関連するような実情や,上記(4)のとおり,「MUSCLE MONSTER」の名称又は略称のエナジードリンクが海外で取引されている実情があるとしても,本件商標の指定商品及び指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標に接する取引者,需要者が,申立人又は申立人商標を連想又は想起するようなことは考え難い。
そのため,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務について使用しても,その取引者及び需要者をして,当該商品及び役務が申立人の商品及び役務に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく,当該商品及び役務が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品及び役務であると誤信させるおそれがあるものとはいえず,申立人又はそのグループの業務に係る商品及び役務と混同を生じるおそれがある商標ではない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は,上記2(2)アのとおり,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないところ,その商標登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合等,その出願経緯などに公序良俗に反するおそれがあることを具体的に示す証拠の提出もない。
申立人は,本件商標の使用は,申立人商標に関連して獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするもので,これを登録することは商標法の精神及び国際信義に反するため,公の秩序を害するおそれがある旨を主張するが,これは専ら申立人の利益を害するか否かという私的領域に関する主張であるため,商標法第4条第1項第7号の適用がそぐわないものであるばかりでなく,上記2(5)のとおり,本件商標は申立人又はそのグループの業務に係る商品及び役務と混同を生じさせるおそれのある商標とはいえず,その登録が公序良俗を害する理由を見いだすことができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 (引用商標1,2)



別掲2 (引用商標3)



別掲3 (引用商標4)



別掲4 (引用商標8,9)



別掲5 (引用商標15)



別掲6 (引用商標18。色彩は原本を参照。)



別掲7 (引用商標19)



別掲8 (引用商標45)



異議決定日 2017-12-08 
出願番号 商願2016-93272(T2016-93272) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W14162425283032354143)
T 1 651・ 271- Y (W14162425283032354143)
最終処分 維持 
前審関与審査官 山田 啓之 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
田村 正明
登録日 2017-02-24 
登録番号 商標登録第5927098号(T5927098) 
権利者 富士急行株式会社
商標の称呼 マッスルモンスター、マッスル、モンスター 
代理人 柳田 征史 
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