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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W43
管理番号 1335280 
審判番号 不服2017-6279 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-01 
確定日 2017-11-27 
事件の表示 商願2015-102846拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「かんさい」の文字を横書きしてなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成27年10月26日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『かんさい』の文字を標準文字で表してなるところ、本願指定役務である『飲食物の提供』との関係においては、『関西地方の料理』を表す語として広く知られている『関西料理』のように、『関西』の文字が料理の種類や地域名を表すものとして用いられていること、また、下記新聞記事やインターネット記事のように、『京阪神地方』を意味する『関西』の語をひらがなで『かんさい』と表記することが行われていることからすれば、『かんさい』の文字からなる本願商標全体からは、『京阪神地方』を表す『関西』の意味合いを想起するのが自然である。そうすると、本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、役務の質(内容)が『関西料理であること』、役務の提供の場所が『関西地方であること』、すなわち、その役務の質(内容)、役務の提供の場所を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「かんさい」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「京都、大阪、神戸を中心とする一帯。京阪神地方。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を意味する「関西」の文字を平仮名で表記したものと認められるものである。
そして、本願の指定役務の分野及び飲食物を取り扱う分野において、「関西」の文字は、「料理」との関係で、原審の拒絶査定で示した使用例のほか、以下のように使用されている実情がある。
<書籍及び新聞記事情報>(下線は合議体が付与。以下、同じ。)
ア 平成10年12月25日発行の「改訂 調理用語辞典」(社団法人 全国調理師養成施設協会)において、「かんさいりょうり【関西料理】 上方料理ともいう。主に京都、大阪の料理をさすが、京料理と大阪料理ではかなり違いがある。」の記載がある。
イ 2015年10月30日付け「朝日新聞(北海道版夕刊)」に、「さっぽろレトロ建物グラフィティー)新京極通り /北海道」の見出しの下、「・・・それもそのはず、大阪と東京で10年ほど関西料理の修業を重ねた古川さんは、知る人ぞ知る本格的な板前。本州から訪れる客もいて、何げなく立ち寄ってレベル以上の料理に出合えるとなれば、感激もひとしおだろう。」の記載がある。
ウ 2014年11月1日付け「FujiSankei Business i.」に、「青森産リンゴ使った創作メニュー提供」の見出しの下、「『青森りんごのごちそう&スイーツ』/東武百貨店池袋店は、青森産リンゴを使用した創作メニューが楽しめるフェア『青森りんごのごちそう&スイーツ』を30日まで開催している。・・・関西料理『味の田や』では、リンゴと金目鯛と野菜を和風の甘酢あんで仕上げたメーン料理に、リンゴの炊き込みご飯、刺し身などを組み合わせた『青森りんご御膳』(2160円)を販売する。」の記載がある。
エ 2014年10月7日付け「北国・富山新聞朝刊」に、「『加賀料理を文化遺産に』金沢市で全国芽生会 静岡文化芸術大の熊倉学長が講演」の見出しの下、「加賀料理の発信には、京料理がヒントになると思う。京料理という言葉はまだ新しく、戦前は関西料理として東京に進出した。戦後、京都が文化財の宝庫として認知され、観光地としてブランド化されることと軌を一にして京料理も広まった。」の記載がある。
オ 2013年6月29日「静岡新聞朝刊」には、「今週のここ食べ行こう・コラボ@S=焼きたてパン マミィ・ハウス/日本料理魚菜旬彩実和」の見出しの下、「日本料理魚菜旬彩実和[藤枝市岡部町内谷1721の7 電話・・・]/経験と技術にアイデアとセンスをプラスした創作和食/関西料理の基本を守りながら、地場食材を使った創作和食に取り組む店。」の記載がある。
カ 2016年7月4日付け「外食レストラン新聞」に、「料理人の愛用食材:『赤坂ひかわ』田中勝料理長 ヤマサ醤油『ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石』」の見出しの下、「老舗料亭など和食の名店がしのぎを削る東京・赤坂。中心を抜ける赤坂通り沿いに、東京ならではの日本料理を追求する『赤坂ひかわ』がある。田中勝料理長は全国各地から旬の野菜と魚介類、A5ランクの和牛を取り寄せ、京料理の確かな技法で調理。・・・/『赤坂ひかわ』田中勝(たなか・まさる)料理長/1966年埼玉県川口市出身。同市の割烹『九助』、大宮の料亭『一の家』と『銀座むらき』での修業後、28歳の95年から新宿の関西割烹『二番館』で総料理長を務めてきた。2006年から『赤坂ひかわ』料理長。」の記載がある。
キ 2016年3月27日付け「朝日新聞名古屋朝刊」に、「(こころ風味ひとつまみ)日本料理店『たか田八祥』 朝日プラス・シー【名古屋】」の見出しの下、「日本料理店『たか田八祥(はっしょう)』(岐阜市)/それは京都でも大阪でも東京でもなく、岐阜市役所の近くにある。日本料理店『たか田八祥』には、弟子入り志願者や熱心な料理人が全国から集う。店主の高田晴之(たかだはるゆき)さん(63)は『料理屋はオーケストラのようなもの』と、板場の差配はもちろん器や座敷のしつらい、接客にまで指揮者として目を配る。・・・/高校を卒業し、関西割烹(かっぽう)の料理人が集まる大阪の大企業の接待用クラブへ。勤めた7年半で料理長が3人替わり、同じ食材も扱い方や盛りつけががらっと変わると知った。」の記載がある。
ク 2014年9月22日付け「東京新聞朝刊」に、「平成写真館 匠の肖像 関西の神髄伝える」の見出しの下、「六本木にある『関西割烹(かっぽう)ふた川』で双川泰一(ふたがわやすかず)さん(70)が調理場に立つ。柳刃包丁を持った手がよどみなく動き、たちまちヒラメの薄造りが完成した。」の記載がある。
ケ 2014年9月3日付け「日本食糧新聞」に、「セブンイレブン、『関西おでん』25%増狙う つゆ・具材など地域対応」の見出しの下、「セブン-イレブン・ジャパンは、“つゆ”のおいしさをさらに追求した『おでん』を全国のセブンイレブン(1万6764店、7月末時点)で順次発売していく。・・・ 8月28日に大阪地区事務所(大阪市)で開かれた『セブンイレブンの関西おでん』商品説明会&試食会で、石橋誠一郎執行役員西日本プロジェクトリーダー兼商品本部西日本MD部長は『セブンイレブンは、圧倒的な差別化商品を開発し、生活者のニーズを掘り起こすため、地域に応じた商品開発に取り組んできた。3月から西日本プロジェクトをスタートさせ、一から味の開発に着手し、つゆや味付け、具材やネーミングなども関西の特性に応じたものにした。関西でのおでんの売上げは全国を100とした場合、75程度。今シーズン、セブンイレブンはおでんの売上げを前年比15%増を目標にしているが、関西エリアは今回の“関西おでん”で25%増を狙う』とした。」の記載がある。
コ 2012年11月21日付け「北海道新聞夕刊」に、「<情報らんど こたえて!リクエスト>関西おでんをおいしく楽しめる店」の見出しの下、「昆布だしで色が薄め、といわれる「関西風おでん」の店です。味処 高雄は平岸で20年続く、日本酒好きが足しげく通う居酒屋。現在は2代目が継ぎ、薄口ながら濃厚なうま味のあるおでんが人気です。」の記載がある。
サ 2012年4月1日付け「朝日新聞大阪朝刊」に、「(らんきんぐ)郷土愛アツアツ、食べたいおでんの具 【大阪】」の見出しの下、「花冷えの季節には身も心も温まるおでん。ダシは薄めの関西だが、好きな具を選ぶ回答は濃い郷土愛にあふれていた。/牛スジ肉は『関西おでんの基本』(30代女性)で『適度な脂身が他の食材と絡んでうまさを引き出す』(60代女性)。」の記載がある。
<インターネット情報>
ア「ホットペッパーグルメ」のウェブサイトにおいて、「関西料理きむら」の見出しの下、「ふぐ、すっぽん、あんこう…冬の味覚が伊勢崎で味わえる/伊勢崎では珍しいフグ、すっぽん料理が楽しめる『関西料理きむら』。本場を知る店長さんが振る舞う関西料理は絶品!普段味わえない贅沢を満喫しましょう!」の記載がある。
(https://www.hotpepper.jp/strJ000784010/)
イ「関西料理 吉せん」のウェブサイトにおいて、「さいたま・北浦和の隠れた味どころ/関西料理特有の繊細で手の込んだ四季折々のお料理をリーズナブルな価格でお楽しみください。」の記載がある。
(http://urawa-kissen.com/)
ウ「食べログ」のウェブサイトにおいて、「関西料理 いち川」の見出しの下、飲食店の紹介がなされている。
(https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140301/14006954/)
エ「キットプレス」のウェブサイトにおいて、「グルメ・スイーツ」の見出しの下、「華やかな彩と上品な味付け 伝統の技が随所に光る関西料理/関西料理 萬月」の記載がある。
(http://www.kit-press.com/?post_type=gourmet&p=3118)
オ「人形町 北浜総本店」のウェブサイトにおいて、「北浜の由来・歴史」の見出しの下、「このように古くから関西の商工業者が集まるこの地は、大阪で言えば、大阪証券取引所のある『北浜』のような場所でありました。それゆえ、創業者は『北浜』と屋号を定めたようです。『商都 大阪』と縁深いこの地で、歴史に思いを馳せながら老舗伝統の関西料理を是非一度、ご賞味ください。」の記載がある。
(http://kitahama-honten.com/?page_id=37)
カ「銀座本店浜作 関西割烹料理」のウェブサイトには、「東京・銀座『本店浜作』は、大正13年大阪新町にて創業。 昭和3年、銀座でお客様の目の前で調理するカウンター割烹というスタイル/<オープンキッチン>を東京に初めて取り入れた関西割烹料理店でございます。」の記載がある。
(http://www.hamasaku.co.jp/index.html)
キ「PREMIUM JAPAN」のウェブサイトにおいて、「グルメ」の見出しの下、「新富町 関西割烹市むら:『食の王道』vol.08 広川道助・・・いまでは考えられないことですが、東京にカウンター割烹が流行りだしたのは昭和初期のこと。・・・そこへ、カウンターに座り、新鮮な魚を目の前で料理する『喰い切り』スタイルをひっさげて関西から『浜作』や『出井』が銀座に出店。・・・その『出井』で長らく修行し、正式な弟子として『出井出店』の看板をもらい、店をだしたのが『関西割烹市むら』です。」の記載がある。
(http://www.premium-j.jp/eat_drink/9794/)
ク 「JAPAN AIRLINIES」のウェブサイトにおいて、「マイレージ/店舗詳細」の見出しの下、「関西割烹 なごみ〔人形町本格上方料理〕農家直送の野菜をダシで生かした関西料理/丹波黒大豆枝豆、丹波まつたけ、泉州水ナス、万願寺トウガラシなど、丹波地方近郊の農家直送の野菜で季節を描く関西料理の店。卓抜の職人の技の軸はやはりダシ。あらゆる好みや要望にこたえてくれるのも割烹店の醍醐味。」の記載がある。
(https://partner.jal.co.jp/site/shop_program/?tp=853529)
ケ 「銀座の夜」のウェブサイトにおいて、「関西割烹 味岡」の見出しの下、「『味岡』は客のニーズに応えた最高級の材料を使った一品料理と予算に合わせたコース料理を用意している本格的関西割烹の店だ。」の記載がある。
(http://www.ginzanoyoru.com/shopinfo/35748844/35748844.html)
コ 「関西割烹 橘家」のウェブサイトにおいて、「ご挨拶」の見出しの下、「四季ある日本の恵みは、何といっても旬の味。最良の時節を見極め、産地を吟味した素材を手間を惜しまない確かな技とおもてなしの心でご提供致します。関西割烹の伝統の出汁の技法を融合させ、 素材生来の味覚を生かす・・・日本料理の粋を五感でご堪能頂ければ幸甚です。」の記載がある。
(http://www.tachibanaya-kannai.jp/greeting.html)
サ「菊正宗」のウェブサイトにおいて、「?今夜もやっぱり、キクマサムネ?味な店」の見出しの下、「関西割烹 おおしま/住所愛知県名古屋市中区栄4-14-6 アスタープラザビルB1/電話番号052-263-1703」の記載がある。
(http://www.kikumasamune.co.jp/ajinamise/detail.html?id=379)
シ「食べログ」のウェブサイトにおいて、「?関西割烹?和心庵のら」の見出しの下、「関西割烹の真髄/階段を上がりきれば”凛”とした空気流れる『和』の特等席」の記載がある。
(https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13023295/)
ス 「東京すしアカデミー」のウェブサイトにおいて、「江戸前寿司とは?関西寿司との違い」の見出しの下、「・・・対して関西地方では、江戸からさらに歴史を遡ること 平安時代に寿司の原形となる調理法が生まれています。 江戸前寿司とは異なったスタイルの寿司、発酵寿司です。 なれ寿司などがこの名残です。発酵寿司は木型で成形し時間をかけて作られます。
使われていたのは、サバやアジ、サンマといった大衆魚でした。その後、瀬戸内の魚と厚焼き玉子、アナゴやエビなどをすし飯とともに木枠の押し型に敷き詰めて美しく整形した箱寿司が生み出されました。これが関西寿司(大阪寿司)の始まりです。のちに、巻き寿司やバッテラ寿司、棒寿司などが普及し、これらを総称して大阪寿司と呼ばれるようになったのです。」の記載がある。
(https://www.sushiacademy.co.jp/edomaesushi)
セ 「御鮓所 醍醐」のウェブサイトの「トップページ」に、「御鮓所醍醐は東京都大田区田園調布にて江戸前鮨と関西寿司を製造販売しております/
田園調布駅前にて江戸前鮨と関西寿司を飲食出来る本店と田園調布駅構内にて関西寿司のテイクアウト専門の売店があります」の記載がある。
(http://daigo-sushi.net/)
ソ 「法隆寺駅北口商店街」のウェブサイトにおいて、「店舗詳細」の見出しの下、「味な大富 ギャラリー女将の手仕事・・・おもてなし寿司膳/月替わりの関西寿司にこだわった創作寿司と鯖すし柿の葉寿司の盛り合わせ、小鉢、汁物/一日 8名様 限定予約制 お一人様1,800縁(税別)」の記載がある。
(http://horyuji-market.com/detail.html?pid=5)
タ 「押し寿司/箱寿司専門店 仕出し米長」のウェブサイトに、「関西寿司の定番寿司!お取り寄せで売ってるのは当店だけ!関西の王道【バッテラ】/販売価格 1188円(税込)」の記載がある。
(http://www.yonechou.jp/item/h-baxtutera/)
チ「北鎌倉いろは寿司」のウェブサイトに、「いろは流関西寿司/パーティー、お仲間同士の集まりやおやつ・お夜食に最適です。自宅に和洋のお皿やお重があったら盛ってみませんか?とっても見栄えがよく、りっぱに見えますよ。/いろは流関西寿司(一人前)/あじのかくれん坊950円/さば寿司950円」の記載がある。
(http://www.iroha-sushi.com/cgi-bin/iroha-sushi/siteup.cgi?category=2&page=2)
ツ 「ICOTTO」のウェブサイトにおいて、「関西出身者が厳選!東京の美味しいうどんが食べられるお店12選」の見出しの下、「関西風うどんが恋しい!/あっさりとしてゴクゴク飲めてしまう透き通った出汁に、コシのある麺で知られる関西うどん。一方、蕎麦文化といわれる関東のうどんは、一般的には黒くて濃い目のつゆが特徴的。関西方面から上京する方の中には、そんなうどんの違いに戸惑いを隠せないなんて方も多いのではないでしょうか?」の記載がある。
(https://icotto.jp/presses/8885)
テ 「藤沢名物里のうどん」のウェブサイトにおいて、「店舗情報」の見出しの下、「藤沢名物里のうどんは1997年に誕生いたしました。おかげさまで藤沢市内に3店舗営業させていただいております。 藤沢名物里のうどんは、関西うどんとバラ丼のお店でございます。現在では年間20万人以上のお客様にご来店いただいております。」の記載がある。
(http://www.satonoudon.com/shop/)
ト 「アイビック食品株式会社」のウェブサイトにおいて、「ひと工夫で、味が決まる。/根昆布だしレシピ」の見出しの下、「関西うどん/調理時間10分/材料(2人分)うどん2玉 お湯1リットル 根昆布だし小さじ1 薄口しょうゆ小さじ2 お好みの具材適量」の記載がある。
(http://www.ibic.info/recipe/245/)
ナ 「花川製麺所」のウェブサイトに、「神戸市西区 手鍋で5分!関西うどんの通販・持ち帰り専門店/プロ仕様の関西うどんをご家庭で!」の記載がある。
(https://ameblo.jp/hanakawaseimen/entry-11205208140.html)

以上の書籍、新聞記事及びウェブサイトによると、指定役務の分野や飲食料品を取り扱う分野において、「関西」の文字は、これに続けて調理方法や飲食物の提供におけるスタイルを表す文字、あるいは食品の名称を付すことによって、関西地方における調理方法や関西地方独特の食材を使用して提供されるものであること、または、提供される飲食料品が関西風の味の特徴を有したものであること、すなわち役務の質を表示する文字として広く使用されていることが認められるものである。
そうすると、「かんさい」の文字からなる本願商標は、このように役務の質を表示するにすぎない「関西」の文字を平仮名表記したものであることからすると、これをその指定役務に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「関西地方における調理方法や食材を使用して提供されるものであること、及び提供される飲食料品が関西風の味の特徴を有したものであること」を表したものとして理解するというのが相当であり、自他役務の識別標識として認識するとはいえないものである。
してみれば、本願商標は、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
加えて、商標法3条1項3号については、「商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされるのは、このような商標は多くの場合自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるとともに、商品の原材料名ないし品質にあっては、取引上必要不可欠な表示として取引者、需要者に伝達する必要があることから、特定人による独占使用を認めることが公益上適当でないとの趣旨に出たものである。」と判示されているものである(東京高裁 平成12年(行ケ)第164号判決)。
そうすると、本願商標は、役務の質を表示し、自他役務の識別機能を有しない「関西」の文字を、単に平仮名で「かんさい」と表記したにすぎないものであり、指定役務の分野の取引者、需要者が、その取引において使用を欲するものと解されるものであるから、このような文字からなる本願商標は、自他役務の識別標識として独占適応性を有するものということは出来ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について
(1)請求人は、「『かんさい』の文字からなる本願商標全体からは、『甘菜』、『奸才』、『完済』等、様々な意味合いが想起されるところであり、『京阪神地方』の意味合いのみが一義的に導き出されるものではない。本願指定役務である『飲食物の提供』との関係においても、全ての者が一律に『京阪神地方』を意味する『関西』の語のみを容易に想起するものではないし、本願商標が取り扱う業界において『関西』の語を平仮名文字で『かんさい』と頻繁に表記しているとは言い難いものである。よって、本願商標に接した取引者、需要者は、『京阪神地方』を意味する『関西』であると直ちに想起することはなく、平仮名文字『かんさい』であると認識し、多様な意味合いを想起するものである」旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本願指定役務の分野においては、「関西」の文字が役務の質を表示するものとして広く使用されている実情からすれば、「かんさい」の文字を本願の指定役務に使用したときは、これに接する取引者、需要者において、他の意味合いを想起するものということはできないものである。
そして、「かんさい」の文字が指定役務の分野において、使用されていないとしても、上記1に示した判決のとおり、このような文字を特定人に独占使用させることを不適当とする公益上の理由がある場合には、商標法第3条第1項第3号にいう原材料ないし品質の表示に当たると解するのが相当であることからすると、本願商標は、広く使用されている「関西」の文字を平仮名表記したものと理解されるものであって、役務の質を表示するものとして、認識される表示といえるものであることからすれば、一般に、取引者、需要者が、役務の質を表示するにあたり、使用を欲する文字であるから、これを特定人に独占使用させることは適当ではないものといわざるを得ない。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品、指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるもの、又は、本願商標を使用する役務とは異なる商品である点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-09-15 
結審通知日 2017-09-22 
審決日 2017-10-11 
出願番号 商願2015-102846(T2015-102846) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W43)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 吉田 聡一小林 正和 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
真鍋 恵美
商標の称呼 カンサイ 
代理人 水崎 慎 
代理人 福田 伸一 
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