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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z03
管理番号 1335267 
審判番号 取消2017-300121 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-02-21 
確定日 2017-11-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第4498400号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4498400号商標(以下「本件商標」という。)は、「エルエイカラーズ」の文字を標準文字で表してなり、平成12年9月18日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,人造軽石,つや出し布」を指定商品として、同13年8月10日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成29年3月7日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
1 被請求人たる会社及び清算人の立場
日本ランウエル株式会社(以下「破産会社」という場合がある。)は、昭和62年10月2日に設立され、化粧品、日用品雑貨、衣料品の製造、輸出入及び販売並びに食料品の輸出入販売を行っていた会社である。破産会社は平成28年3月4日に東京地方裁判所より破産手続開始決定を受け、破産管財人が選任された。その後、破産管財人により破産手続が進められ、最終的に、東京地方裁判所から、平成28年10月13日に破産手続廃止の決定を受けた。その後、本件のために、破産会社について、清算人選任の申立てがされ、平成29年4月27日に破産管財人だった者が清算人に就任し、清算人登記がされた。
2 本件商標の使用について
本件商標を付した化粧品等は、破産会社の主力製品であり、同社が破産手続開始決定を受けるまで販売を続けていた(乙1、乙2、乙5)。また、破産管財人は、破産手続中の平成28年3月30日、係属する東京地方裁判所の許可を得て、アットスター株式会社に本件商標を付した化粧品等を売却している(乙3?乙5)。
したがって、破産会社が本件商標の商標権者としてその指定商品について本件商標を使用し続けていた事実のあることは明らかである。

第4 当審の判断
1 事実認定
(1)職権調査(閉鎖事項全部証明書)によれば次の事実が認められる。
被請求人(商標権者)は、昭和62年10月2日に設立され、化粧品、日用品雑貨、衣料品の製造、輸出入及び販売並びに食料品の輸出入販売等を行う株式会社であり、平成28年3月4日に東京地方裁判所の破産手続が開始され、同年10月13日に東京地方裁判所の費用不足による破産手続廃止の決定確定、同年12月14日にその登記がされ、登記記録が閉鎖された。
(2)請求人が提出した平成29年4月18日付け手続補正書(方式)によれば、同月13日に、商標権者の清算人として弁護士大月雅博氏が選任された。
(3)被請求人提出の乙各号証は次のとおりである。
ア 乙第1号証は、商標権者が関東信越厚生局長に宛てた、平成25年4月8日付けの「製造販売用 化粧品 輸入届書」であり、上段の表には「輸入しようとする品目の名称」の欄に「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」の記載、「外国において当該品目を製造する製造所の名称」の欄に「BEAUTY 21 COSMETICS INC.SHANGHAI DIDISION」の記載、その表の下に「上記により、製造販売用の化粧品の輸入に係る届出をします。」の記載があり、下部には「厚生労働省確認済」、「25.4.10」、「関東信越」などと表示された印影がある。
イ 乙第2号証は、商標権者が東京都知事に宛てた、平成25年4月8日付けの「化粧品製造販売届書」であり、その1葉目には、上段の表中の「名称 販売名」の欄に「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」の記載、その表の下に「上記により、化粧品の製造販売の届出をします。」の記載があり、下部には「東京都」「25.4.-8」「健康安全研究センター 広域監視部薬事監視指導課」などと表示された印影がある。
また、2葉目には、「提出者」の項に商標権者の住所及び名称等の記載、「名称 販売名」の項に「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」の記載、「製造方法」の項に、「連番 001」として、「製造所の名称 BEAUTY 21 COSMETICS INC.SHANGHAI DIDISION」、「製造方法 秤量・混合・充填」の記載、「連番 002」として、「製造所の名称 日本ランウエル株式会社」、「製造方法 包装・表示・保管」の記載がある。
ウ 乙第3号証は、商標権者の破産管財人が東京地方裁判所民事第20部 通常管財係に宛てた、平成28年3月30日付けの「資産売却許可申立書」であり、その1葉目には、上部の右枠内に「本件につき 平成28年3月30日 許可があったことを証明する。」、「前同日 東京地方裁判所民事第20部」の記載及び裁判所書記官の記名、押印がされ、中段の「1 申立ての趣旨」の項には「破産財団に属する別紙動産目録記載の資産を、・・・売買契約書に基づき売却することについて許可を求める。」の記載がある。
2葉目は「動産目録」であり、上段に「破産者の破産財団に属し、大阪府泉大津市・・・所在の倉庫内に存在する下記動産」の記載があり、記とした表には「メーカー名・品名等」の欄に「LA カラーズ」、「個数」の欄に「7000個」の記載があり、他に単価、合計金額が記載されている。
エ 乙第4号証は、平成28年3月30日付けの「売買契約書」であり、冒頭に、「本日、破産者日本ランウエル株式会社破産管財人弁護士大月雅博(以下、甲という)を売主とし、X社(以下、乙という)を買主として、破産者の破産財団に属する別紙1記載の動産(以下、本件動産という)について、次のとおり売買契約を締結した。」との記載がある。
また、第1条には「甲は本件動産についての売買代金を金●●万円と定め、乙に売り渡し、乙はこれを買い受けた。」との記載があり、契約書末尾には、売主(甲)及び買主(乙)それぞれの記名、押印がされている。
さらに、別紙1として「物件目録」があり、上段に「破産者の破産財団に属し、大阪府泉大津市・・・所在の倉庫内に存在する下記動産」の記載があり、記とした表には「メーカー名・品名等」の欄に「LA カラーズ」、「個数」の欄に「7000個」の記載があり、他に単価、合計金額が記載されている。
(4)上記(1)ないし(3)によれば、次のとおり認めることができる。
ア 商標権者は、化粧品などの輸入販売を行う株式会社であり、平成25年4月頃に「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」という化粧品を輸入したこと、該化粧品の包装、表示、保管などを行っていたこと、及び商標権者の破産管財人は平成28年3月30日に「LA カラーズ」という商品をX社に売り渡し、同社が買い受けたことが認められる。
イ そして、取引書類などに商品名を記載する場合、商品名の一部を省略したり、略字や簡略化した文字で記載することが通常行われていること、及び「LA カラーズ」の文字は「エルエイカラーズ」と読むのが自然であることを考慮すれば、上記のX社に売り渡した商品「LA カラーズ」は、「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」という化粧品をいい、さらに、商標権者は輸入した化粧品の包装、表示、保管などを行っていたことをあわせみれば、該化粧品の包装(容器)には「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」などの文字が表示されていたと推認できる。
ウ そうすると、商標権者の破産管財人は、「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」の文字が表示された化粧品を、平成28年3月30日にX社に譲渡したということができる。
2 判断
上記1(4)ウの認定事実について次のとおり判断できる。
(1)譲渡した者
上記1(4)ウのとおり、該化粧品を譲渡したのは商標権者の破産管財人であるが、譲渡時において該化粧品は、商標権者が所有していたものであるから、商標権者が譲渡したとみて差し支えない。
(2)化粧品について
本件商標の指定商品は上記第1のとおりであり、本件審判の請求に係る指定商品中に「化粧品」が含まれていることは明らかである。
(3)使用する商標
該化粧品の包装に表示された「エルエイカラーズ フラッシュポップネイルエナメル」の文字(以下「使用商標」という。)は、全体で23文字という多数の文字数からなり、かつ構成中にスペースを有し容易に「エルエイカラーズ」と「フラッシュポップネイルエナメル」の文字を結合したものと認識できるものであるから、語頭部の「エルエイカラーズ」の文字が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、該「エルエイカラーズ」の文字は、上記第1のとおり「エルエイカラーズ」の文字からなる本件商標と構成文字を同じにするものであるから、使用商標は本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
(4)該化粧品を譲渡した時期
商標権者が該化粧品を譲渡した平成28年3月30日は、本件審判の請求の登録(登録日 平成29年3月7日)前3年以内の日付である。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中の「化粧品」の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを譲渡した(商標法第2条第3項第2号に該当。)と認められる。
そして、請求人は、上記第3の被請求人の答弁に対し何ら弁駁していない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-09-26 
結審通知日 2017-09-29 
審決日 2017-10-18 
出願番号 商願2000-101466(T2000-101466) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z03)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 松浦 裕紀子
小松 里美
登録日 2001-08-10 
登録番号 商標登録第4498400号(T4498400) 
商標の称呼 エルエイカラーズ、エルエイ 

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