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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X42
管理番号 1335258 
審判番号 取消2016-300608 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-08-31 
確定日 2017-11-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第5319929号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5319929号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成21年4月30日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定役務として同22年4月30日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成28年9月14日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同25年9月14日ないし同28年9月13日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項により、本件商標の指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」(以下「取消対象役務」という。)についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標の使用の有無を調べたところ、過去3年間において本件商標の指定役務中、取消対象役務について使用された形跡はないから、商標法第50条第1項による不使用取消審判を請求する。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人の提出に係る書類は会社案内であり単に営業案内にすぎない。これのみでは取消対象役務に含まれる役務が具体的に取引されているものとすることはできない。提出に係るリーフレットにおける「Application」や「スマートデバイスから制御機器まで、各種OSに対応した組込みアプリケーションを開発。」との記載はあくまでも営業案内としての記載であり、具体的な役務の提供の事実を表したものではない。
したがって、提出に係るリーフレットは会社案内として会社の取扱役務をも紹介しているにすぎないから、商標法第2条第3項第8号の商標の使用があるという被請求人の主張は、その前提において誤っている。このような理解は取消2001-31078に係る商標取消の審決においても示されている(甲1)。
(2)被請求人の主張においては何ら商標の機能を発揮した役務の具体的使用は見当たらない。
商標の本質は商品又は役務の出所を表示し、識別する標識として機能することである。
したがって、商標がこのような出所表示機能・出所識別機能を果たす態様で用いられているとはいえない場合には、形式的には商標法第2条第3項各号に掲げる行為に該当するかもしれないが、当該行為は、商標の「使用」に当たらないと解するのが商標法の目的に照らして相当であるから、被請求人の主張は本来の商標としての使用(商標的使用)に当たらない。
このような理解は多数の裁判例にみられるところである。例えば「ポパイ事件」(大阪地裁昭和51年2月24日判決 昭和49(ワ)第393号)(甲2)、「テレビまんが事件」(東京地裁昭和55年7月11日判決 昭和53(ワ)第255号)(甲3)、「POS事件」(東京地裁昭和63年9月16日判決 昭和62(ワ)第9572号)、「アンダー・ザ・サン事件」(東京地裁平成7年2月22日判決 平成6(ワ)第6280号)(甲4)、「オールウェイズ事件」(東京地裁平成10年7月22日判決 平成9(ワ)第10409号)、等の事件において、出所表示機能、自他商品識別機能を有しない態様で使用されている商標は商標法第2条第3項の商標の使用には該当しないと判断している。
(3)以上のとおり、被請求人の主張は、単に名目的な商標の使用を主張しているだけであり、実際には商取引の場におかれず、商標としての機能を発揮していない商標の広告行為は商標法第2条第3項の商標の使用には該当しない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
1 本件商標の使用の概要について
被請求人は、デジタル家電、携帯端末からネットワーク、産業機器までの組込みアプリケーションソフトの提供や、組込み機器の基盤となる開発プラットフォームによるコスト低減、短期開発の提案に関する事業を行っており、本件審判の請求の登録前3年以内に、かかる事業に関するリーフレットに本件商標と同一と認められる商標を付して配布・頒布している。
当該リーフレットは、主として広告に用いられる印刷物である。これにより、本件商標の商標権者が、本件商標と同一と認められる商標を、取消対象役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に属する役務について、要証期間内に使用していることが認められる。
2 役務提供の主体について
被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットに記載されているサービスの提供者であり、リーフレットの頒布者でもある。かかる事実は、乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットのフロントページ下部及び同リーフレットの末尾において被請求人の名称である「日本システムウェア株式会社」の表記があることから明らかである。
乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットの末尾において被請求人の名称「日本システムウェア株式会社」の下段に併記されている「東京都渋谷区南平台町2-15」は、本件商標の商標権者である被請求人の渋谷事業所の住所である。そして、被請求人のウェブサイトには、被請求人の本店所在地として本件商標の商標権者の住所と一致する「東京都渋谷区桜丘町31-11」(「番地」および「号」は省略している。)が記載されているとともに(乙3)、被請求人の渋谷事業所の住所「東京都渋谷区南平台町2-15」が記載されている(乙4)。
これにより、乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットにおいて、被請求人の名称の下段に併記されている住所「東京都渋谷区南平台町2-15」は、被請求人の渋谷事業所の住所であるといえるから、上記リーフレット記載の「日本システムウェア株式会社」の表示が被請求人を示すものであることは明らかである。
3 役務について
乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットのフロントページにおいて、左上部分には「組込みシステム 設計・開発」と記載されており、中央やや右上部分には「組込みシステム設計のトータルソリューションを実現」と記載されている。これらの記載は、乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットが、組込みシステムの設計や開発に係るサービス(役務)の広告であることを示している。そして、そのサービスの内容としては、同リーフレットの2頁の上方の「Application」の表記の下に「スマートデバイスから制御機器まで、各種OSに対応した組込みアプリケーションを開発」との記載があるとおり、顧客の依頼を受けて各種OSに対応した組み込みアプリケーションを開発するサービスを含んでいる。かかるサービスは、要するに、例えばスマートフォンといった携帯端末装置に組み込まれるアプリケーションの開発であり、「電子計算機のプログラムの設計・作成」に該当し、取消対象役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に属する役務である。
さらに、乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットの最終ページ下段において、上記サービスに関する開発拠点の記載とともに「アクセスのよい渋谷事業所を中心に、全国の事業所および中国で開発/保守をサポートします。」との記載があることから明らかなように、同リーフレットに記載のサービス内容としては、上述した「電子計算機のプログラムの設計・作成」に加えて、顧客へのトータルソリューションのサポートが含まれており、「電子計算機のプログラムの保守」を含んでいるといえる。
そして、この「電子計算機のプログラムの保守」に係るサービスは、取消対象役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に属する役務である。
このように、乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットは、いずれも本件審判の請求に係る指定役務を含むサービスの広告であるといえる。
4 商標使用の時期について
被請求人は、本件商標に係る商標登録出願日である平成21年4月30日頃から、上記したサービス内容が記載されたリーフレットに「Embedded Total Solution」とのタイトル及び本件商標を付して、被請求人の顧客や取引先に配布するとともに、被請求人の事業所に設置して頒布している(乙5?乙9)。
乙第2号証のリーフレットは、初版のリーフレットを改定した「改版」であり、乙第1号証のリーフレットは、乙第2号証のリーフレットをさらに改定したものである。リーフレットの一部は、外部の業者により印刷されて被請求人に納品されている。
乙第10号証の納品書において、納品元として印刷会社である株式会社ugo/ユーゴの名称「(株)ugo」、配送先として被請求人の名称「日本システムウエア株式会社」の記載があり、商品名記載欄には「印刷物 476339-ETS20160706_1000部」との記載、「納品書」のタイトルの上方には「2016.7.13受取」との手書きのメモがある。ここで、上記した乙第10号証の商品名記載欄の「印刷物 476339-ETS20160706_1000部」の記載のうち「ETS」の記載は、「Embedded Total Solution」なるリーフレットを示している。ここで、上記「ETS」の記載が「Embedded Total Solution」なるリーフレットを示すものであることは、乙第12号証から明らかである。
すなわち、乙第10号証記載の納品の請求書(乙11)に対する支払いに係る支払依頼書である乙第12号証において支払用件の欄に「リーフレット印刷代金/・Embedded Total Solution」との記載があることから、上記「ETS」の記載が、リーフレットの名称「Embedded Total Solution」を構成する英単語の頭文字をとって略記されたものであって「Embedded Total Solution」なるリーフレットを示すものといえる。なお、上記した乙第10号証の「印刷物 476339-ETS20160706_1000部」の記載のうち「印刷物」及び「ETS」以外の記載については、「476339」は伝票番号、「20160706」は日付(2016年7月6日)、「1000部」は納品部数を、それぞれ示すものであるといえるから、これらはいずれも納品に係る商品を示すものではない。
また、乙第11号証の請求書においても、2016年7月13日付けで「ETS」すなわち「Embedded Total Solution」なるリーフレット1000部が被請求人に納品された事実が記載されている。
このように、少なくとも平成28年7月13日に「Embedded Total Solution」なるリーフレット1000部が被請求人に納品されている。乙第1号証は、この際に納品されたリーフレットである。
したがって、上記のとおり納品された乙第1号証のリーフレットが被請求人により配布・頒布された時期については、平成28年7月13日以降であることが明らかであって、要証期間内である。
同様に、被請求人が証拠方法として提出した乙第13号証の納品書において、納品元である「(株)ugo」、配送先である被請求人の名称の記載、商品名記載欄の「印刷物458469-ETS(改版)増刷100部」の記載、日付欄の「2016/3/28」の記載、乙第14号証の請求書及び乙第15号証の支払依頼書の記載から明らかなように、少なくとも平成28年3月28日に、被請求人に、増し刷りされた、「ETS」すなわち「Embedded Total Solution」の改版100部が納品されている。乙第2号証は、この際に納品されたリーフレットである。
したがって、上記のとおり納品された乙第2号証のリーフレットが被請求人により配布・頒布された時期については、平成28年3月28日以降であることが明らかであって、要証期間内である。
5 使用商標について
乙第1号証及び乙第2号証のリーフレットには、それぞれフロントページの左上において紺青色の横文字「ETS」、黒色の横文字「Embedded Total Solution」を2段併記してなる商標が付されている。かかる商標は、黒色の本件商標とは色彩のみが相違しているにすぎず、少なくとも社会通念上、本件商標と同一と認められる。
以上のとおり、本件商標の商標権者である被請求人は、本件商標と同一と認められる商標を、取消対象役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に属する役務について、要証期間内に使用していることは明らかである。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び主張について
(1)乙第1号証は、「Embedded Total Solution」を表題とするリーフレットであるところ、表紙下部には「日本システムウエア株式会社」との表示があり、最終頁下部には「日本システムウエア株式会社」との表示に加えて、「プロダクトソリューション事業本部 営業統括部」及び「東京都渋谷区南平台町2-15」との表示がある。
そして、表紙の左上部には、紺青色により太字で大きく表示された「ETS」の欧文字の下部に、黒色で小さく「Embedded Total Solution」の欧文字が記載されており、その右横には、「組込みシステム/設計・開発」との記載がある。
また、表紙中央に大きく表示された「Embedded Total Solution」との白抜き文字の右上には「組込みシステム設計のトータルソリューションを実現」との白抜き文字があり、2頁目上段の「Application」との記載の下には、「スマートデバイスから制御機器まで、各種OSに対応した組込みアプリケーションを開発。」との記載、及び同リーフレットの最終頁には、「開発拠点」として本社及び事業所等の所在地が地図上に示されており、「アクセスのよい渋谷事業所を中心に、全国の事業所および中国で開発/保守をサポートします。」との記載がある。
(2)乙第3号証は、「日本システムウエア株式会社」のウエブサイトの企業情報に係るウエブページの写しであるところ、会社概要の「本社」の欄に「東京都渋谷区桜丘町31-11」との住所が表示されている。
(3)乙第4号証は、「日本システムウエア株式会社」のウエブサイトの企業情報に係るウエブページの写しであるところ、「渋谷事業所」の「所在地」には、「東京都渋谷区南平台町2-15」との住所が表示されている。
(4)乙第5号証ないし乙第9号証は、被請求人が、同人の渋谷事業所の接客ルームに設置されたリーフレットの収納ラックの「写真」である旨主張しているものであるところ、その左側の上から二段目には乙第1号証のリーフレットと思しき印刷物が置かれている。
(5)乙第10号証は、「株式会社ugo」の「Suprint スプリントカスタマーセンター」から被請求人の「PS事業本部事業企画部」宛の「納品書」の写しであるところ、これには、「配送先」として被請求人の渋谷事業所の住所である「渋谷区南平台町2-15」、日付欄に「2016/7/12」、「オーダーID」欄に「476339」、品名欄に「印刷物 476339-ETS20160706_1000部」及び「数量」欄に「1000」の記載があり、最上部に「2016.7.13受取」の手書き文字が記載されている。
(6)乙第11号証は、株式会社ugoのカスタマーセンターから被請求人宛の「PS事業本部事業企画部」宛の「請求書」の写しであるところ、右上部に「請求No.00006510」との記載がされ、中央部に「毎度ありがとうございます。下記の通りご請求申し上げます。(16/07/15 締切分)」と記載され、「今回請求額」の欄に「12,895」との記載がある。
そして、「日付」欄に「07.13」、「伝票No.」欄に「476339」及び「商品名」欄に「ETS20160706_1000部」の記載がある。
(7)乙第12号証は、被請求人の「PS本営業統括部」が支払依頼をした「支払依頼書」の写しであるところ、「伝票日付」欄に「2016/07/20」、「請求書番号」欄に「00006510」、「請求合計額」欄に「12,895円」及び「支払用件」欄に「リーフレット印刷代金 ・Embedded Total Solution 1,000部」との記載があり、さらに、「支払方法」欄に「既存振込」、「支払先名」欄に「(株)ユーゴ」の記載及び振込口座番号等の記載がある。
2 本件商標の使用について
(1)リーフレットの作成及び頒布時期について
「納品書」(乙10)、「請求書」(乙11)及び「支払依頼書」(乙12)によれば、2016年7月12日付けで株式会社ugoから被請求人の渋谷事業所のPS事業本部に納品された印刷物1,000部に対して、同月13日付けで株式会社ugoから被請求人へ12,895円の請求がされ、被請求人は、同月20日付けで「Embedded Total Solution 1,000部」の印刷代金として、同金額を株式会社ugoの銀行口座へ振り込む内容の支払依頼をしていることが認められ、当該印刷物は、乙第1号証の「リーフレット」であり、被請求人はこれを2016年7月13日に受け取ったことが認められる。
そうすると、被請求人は、乙第1号証のリーフレット1,000部を、要証期間内である2016年(平成28年)7月13日に、印刷会社から受け取ったものである。
そして、当該1,000部のリーフレットを頒布せずに保管しておくことは想定し難く、乙第5号証ないし乙第9号証に照らして、これが、同日以降に被請求人の事業所に設置して頒布していたという被請求人の主張に不合理な点は見当たらないから、被請求人は、平成28年7月13日以降に、乙第1号証のリーフレットを被請求人事務所において頒布したと推認できる。
(2)使用商標について
乙第1号証のリーフレット左上部には、紺青色による太字で大きく「ETS」の欧文字が記載され、その下部に、黒色で「Embedded Total Solution」の欧文字が記載されており、これは、別掲に示した構成からなる本件商標とは、色彩が異なるのみで、構成態様が同一であり、本件商標と社会通念上同一の商標ということができるものである。
(3)使用役務について
乙第1号証のリーフレットの表紙の左上部の「組込みシステム/設計・開発」との記載は、同パンフレットに示されている機器類に組み込むシステム、すなわち、電子計算機のプログラムの設計・開発を指すものと解するのが相当であり、これは取消対象役務に含まれるというべきである。
また、表紙の「Embedded Total Solution」とのタイトルの右上の「組込みシステム設計のトータルソリューションを実現」との記載についても、同パンフレットに示されている機器類に組み込む電子計算機のプログラムの設計を指すものと解することができ、これは取消対象役務に含まれるということができるものである。
そして、2頁目上段の「Application」との記載の下の「スマートデバイスから制御機器まで、各種OSに対応した組込みアプリケーションを開発」との記載は、電子計算機のプログラムの開発を指すものといえ、これは取消対象役務に含まれるということができるものである。
さらに、同リーフレットの最終頁の「アクセスのよい渋谷事業所を中心に、全国の事業所および中国で開発/保守をサポートします。」との記載についても、同リーフレットの記載内容に照らして、電子計算機のプログラムの開発及び保守を指すものといえ、これは取消対象役務に含まれるということができるものである。
そうとすれば、乙第1号証のリーフレットにおける、「組込みシステム/設計・開発」との記載、「組込みシステム設計のトータルソリューションを実現」との記載、「スマートデバイスから制御機器まで、各種OSに対応した組込みアプリケーションを開発」との記載及び「アクセスのよい渋谷事業所を中心に、全国の事業所および中国で開発/保守をサポートします。」との記載はいずれも、取消対象役務についての広告がなされているということができるものである。
(5)請求人の主張について
請求人は、「乙第1号証のリーフレットは、被請求人の提出に係る書類は会社案内であり単に営業案内にすぎない。これのみでは『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』に含まれる役務が具体的に取引されているものとすることはできない」旨主張している。
しかしながら、本件審判においては、本件商標が、取消対象役務について使用されているか否かが争点となっているのであり、上記リーフレットが「会社案内」や「営業案内」であるとしても、そのことをもって商標としての使用が一概に否定されるとはいえず、前記したように、被請求人(商標権者)は、乙第1号証のリーフレットをもって取消対象役務の広告をしていたといえる。
よって、上記の請求人の主張は、失当というべきである。
また、請求人は、甲第1号証ないし甲第4号証の審決例及び判決例をもって、被請求人(商標権者)による本件商標の使用を否定しているが、甲第1号証の審決は、商標の使用を証明する証拠方法が会社案内又は営業案内であることをもって、商標の使用を否定したものではなく、その記載内容において取扱商品の成否を判断したものであり、甲第2号証ないし甲第4号証の判決例は、商標権侵害訴訟において、商標の使用による商標権の侵害の成否が争われた事案であるから、いずれも本件不使用取消審判の判断を左右するものとはいえないというべきであり、本件審判においては、提出された乙各号証により、被請求人(商標権者)は、取消対象役務に関する広告を内容とするリーフレットに本件商標と社会通念上同一の商標を付して展示又は頒布していたといえる。
よって、上記の請求人の主張は、採用することはできない。
(6)小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内に本件商標と社会通念上同一といえる商標をもって取消対象役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に含まれる「電子計算機のプログラムの設計、開発及び保守」についての広告を行っており、これは商標法第2条第3項第8号の使用に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消対象役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、商標権者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したといえるから、本件商標は、その指定役務中、上記役務についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)


審理終結日 2017-06-28 
結審通知日 2017-07-03 
審決日 2017-07-20 
出願番号 商願2009-36175(T2009-36175) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X42)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大島 勉田中 幸一 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
中束 としえ
登録日 2010-04-30 
登録番号 商標登録第5319929号(T5319929) 
商標の称呼 イイテイエス、エンベデッドトータルソリューション、エンベデッド、トータルソリューション 
代理人 磯野 富彦 
代理人 福田 秀幸 
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