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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W02
審判 一部申立て  登録を維持 W02
審判 一部申立て  登録を維持 W02
審判 一部申立て  登録を維持 W02
管理番号 1334566 
異議申立番号 異議2017-900156 
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-17 
確定日 2017-11-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5937098号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5937098号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5937098号商標(以下「本件商標」という。)は、「クレオパワー」の文字を標準文字で表してなり、平成28年10月24日に登録出願、第2類「塗料,染料,顔料,木材保存剤」を指定商品として、同29年3月17日に登録査定、同月31日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第2509511号商標(以下「引用商標」という。)は、「クレオトップ」の文字を横書きしてなり、平成2年9月28日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同5年2月26日に設定登録され、その後、同14年12月25日に、指定商品を第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」及び第19類「タール類及びピッチ類」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第19号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「クレオパワー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、前半部分の「クレオ」は、辞書に掲載されていない造語であるのに対し、後半部分の「パワー」は、「強力な」という意味を有する慣れ親しまれた英単語であり、当該「パワー」は、商品「木材保存剤」について使用される場合、「塗膜が強い、くいつきがよい、丈夫である」などの意味が生じるものである。
このように、本件商標は、造語である「クレオ」と英単語である「パワー」とを組み合わせた結合商標である。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「クレオトップ」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、前半部分の「クレオ」は、辞書に掲載されていない造語であるのに対し、後半部分の「トップ」は、「頂上、最上部、先頭」を意味する慣れ親しまれた英単語であり、商品「木材保存剤」について使用される場合、「最上層部に塗るもの、トップコート用、最上位の品質であること」などの意味が生じるものである。
このように、引用商標は、造語である「クレオ」と英単語である「トップ」とを組み合わせた結合商標である。
ウ 本件商標と引用商標に係る指定商品
本件商標と引用商標とは、いずれも商品「木材保存剤」を指定商品とするものであり、指定商品は同一である。
エ 本件商標と引用商標との比較
本件商標と引用商標とは、いずれも片仮名6字からなるものであり、前半部分の3字「クレオ」が共通し、後半部分の3字が異なっている。
そして、両商標の前半部分である「クレオ」は、特定の意味を有しない造語であるから、商品「木材保存剤」について使用される場合、出所を表示する識別標識として機能する語といえる。
他方、本件商標の後半部分の「パワー」の語と引用商標の後半部分の「トップ」の語とは、商品「木材保存剤」との関係においては、塗膜の強さ・層・くいつき力等の商品の品質を意味する語であって、「耐水性のパワーが違う」や「トップコート用・アンダーコート用」のように、商品の説明においても多用される語であるから、いずれも自他商品を識別する標識として機能しないか、極めて識別力の弱い語である。
そうすると、本件商標と引用商標に接する商品「木材保存剤」の分野の取引者、需要者は、両商標の後半部分の「パワー」及び「トップ」を商品の品質に関する表示と認識し、それらの前半部分の「クレオ」をもって商品の出所識別標識として認識するといえる。
したがって、本件商標と引用商標とは、自他商品の識別標識として機能する「クレオ」の語を共通にするものであるから、本件商標が指定商品「木材保存剤」について使用される場合には、引用商標との関係で出所の混同を生じるおそれがある。
オ 「パワー」及び「トップ」の語を含む結合商標
商品「木材保存剤」と類似する商品「化学品」について、識別力を有する造語に「パワー」及び「トップ」の語を組み合わせた結合商標が、同一人により出願、登録されている(甲3の1及び2)。
そして、これらの商標については、両商標が別の出所を表示する標識と認識されるというより、同一の出所を表示する標識と認識されることが自然である。
カ 商品「木材保存剤」の商標
公益社団法人日本木材保存協会がまとめた認定登録製品一覧表(甲4)によれば、商品「木材保存剤」の分野においては、識別力を有する語が先頭部に配されることにより、同一の出所を表示する商標が多数使用されていることが分かる。
このような取引の実情に照らせば、商品「木材保存剤」の取引者、需要者は、本件商標と引用商標とが先頭部「クレオ」を共通にすることをもって、両商標を類似する商標として把握するとみるのが自然である。
キ 小括
上記アないしカのとおり、本件商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、その指定商品を同一又は類似とするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商品「木材保存剤」についての商標登録は、取り消されるべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人について
申立人は、明治42年の創業以来、100年以上にわたり、木材防腐防虫剤、金属防錆塗料の製造、販売を行ってきた化学メーカーであり(甲5)、創業時から今日に至るまでの間、瀝青系油剤等の木材保存剤、その他木材保護塗料を全国的に供給しており、環境対応型製品や安全性の高い木材保存剤が高く評価され、当該商品の分野において永年にわたる信頼を築いてきたものである。
イ 申立人の製造、販売するクレオトップ製品について
(ア)申立人は、2002年から引用商標を商品「木材保存剤」について継続的に使用しているところ、その使用に係るクレオトップ製品は、油性・水性の別、容量及び仕上がり色の違いにより、製品群を構成している(甲6、甲7)。
クレオトップ製品は、安全性が高く、専門業者でなくとも使用することができる木材保存剤であるため、ホームセンター、塗料販売店、建材店、金物店、木材店又は各販売者のオンラインショップを通じて、主に一般需要者向けに販売されている。
なお、申立人の社内調査によれば、クレオトップ製品の2002年から2016年までの間の年間出荷数(個・缶)及び出荷量(リットル)は、次のとおりであり、それぞれの合計は、出荷数が2,397,238、出荷量が11,035,763である。
2002年 2,916(個・缶) 10,917(リットル)
2003年 94,053(個・缶) 398,145(リットル)
2004年 152,091(個・缶) 714,466(リットル)
2005年 158,725(個・缶) 756,980(リットル)
2006年 171,466(個・缶) 785,194(リットル)
2007年 162,278(個・缶) 757,885(リットル)
2008年 153,432(個・缶) 658,012(リットル)
2009年 184,360(個・缶) 818,144(リットル)
2010年 175,006(個・缶) 812,022(リットル)
2011年 194,037(個・缶) 884,110(リットル)
2012年 213,219(個・缶) 979,152(リットル)
2013年 196,282(個・缶) 919,614(リットル)
2014年 180,706(個・缶) 817,263(リットル)
2015年 186,153(個・缶) 892,430(リットル)
2016年 172,514(個・缶) 831,430(リットル)
(イ)クレオトップ製品は、申立人の社内調査によれば、総出荷量の約84%が全国のホームセンター1,849店舗において販売されている。2016年8月15日発行の「ダイヤモンド・ホームセンター 9月号」(甲8)によれば、我が国におけるホームセンターの店舗数は4,611店舗であることから、クレオトップ製品は、全国のホームセンターの約40%において取り扱われていることになる。
(ウ)上記(ア)及び(イ)のとおり、クレオトップ製品は、近年では、年間約17万個ないし21万個(約800キロリットルないし900キロリットル)が製造、販売され、全国的に流通している。
ウ 被申立人の製造、販売するクレオパワー製品について
被申立人は、水性木材防腐防虫剤「クレオパワー」を製造、販売しており、そのパッケージは、容量別に0.7kg、1.6kg、3.2kg及び14kgのものが用意されている(甲9)。
エ 「木材保存剤」の取引の実情について
(ア)「木材保存剤」は、主に木製ガーデンエクステリア、木製資材、木製建材等に塗布される商品であることから、その需要者は、ホームセンターで購入することが一般的である。例えば、大手ホームセンターのコメリでは、木材保存剤が陳列棚に並べられるか又は平積みにして販売されている(甲10?甲12)。
具体的には、コメリパワー松阪店では、木材保存剤の商品棚の下から数えて3段目において、クレオトップ製品とクレオパワー製品が隣同士に陳列されており、当該棚の上下には、いわゆるPOP、塗装色見本、商品の広告が備え付けられている(甲10)。
また、コメリパワー水口店では、商品棚の左半分にクレオトップ製品が陳列され、同じ棚の右半分にクレオパワー製品が陳列されており、クレオトップ製品の上部にクレオパワー製品の広告、クレオパワー製品の上部にクレオトップ製品の広告が掲載されている(甲11)。
さらに、コメリパワー新津店では、クレオトップ製品に囲まれるようにして、クレオパワー製品が平積みにされている(甲12)。
(イ)上記(ア)の各店舗における売場状況を詳しく検討すると、コメリパワー松阪店の商品棚では、クレオパワー製品以外の製品は、全て申立人の製造、販売する商品であり、かつ、その商品の広告も全て申立人の商品に係るものである。このように、木材保存剤の売場環境では、明示的に説明されなければ「クレオパワー」と「クレオトップ」とが別の出所から提供されている商品であることを理解することができないような状況が発生していることからすれば、実際の商品販売の場面において、「クレオパワー」と「クレオトップ」とは、自他商品を識別するための標識として機能し得ないものであり、本件商標と引用商標の使用に係る商品の出所が混同するおそれがあることは明らかである。
また、コメリパワー水口店の商品棚では、商品と広告の位置が逆転しており、同色ブラウンの油性木材保存剤と水性木材保存剤が1種類ずつ隣同士に並べられている上、横の棚には、第三者の製造する木材保存剤「キシラデコール」が並べられている。このように陳列されている場合、商品の需要者は、油性木材保存剤が「クレオトップ」であり、水性木材保存剤が「クレオパワー」であると理解し、両商標の前半部「クレオ」が共通することから、「クレオトップ」と「クレオパワー」が姉妹品であると誤認するおそれがあることは明らかである。
さらに、コメリパワー新津店では、POPに商品商標と価格だけが表示されている状況にあり、油性クリアトップ製品(赤色がブラウン色、緑色が透明)の間に、水性クリアパワー製品が陳列されており、商品の高さ及び大きさが同一となっており、本件商標と引用商標とは、姉妹品を示す標識であるかのように機能することになる。
(ウ)上記した木材保存剤の販売環境、すなわち、取引の実情に鑑みれば、本件商標が申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある状況にあることは明らかである。
オ オンラインショップにおける木材保存剤の表示について
コメリパワーのオンラインショップでは、甲第13号証ないし甲第16号証に示すとおり、商品前面の画像及び商品商標、価格、容量が表示されており、申立人や被申立人の会社名記載は行われていないから、商品の購入者は、「クレオトップ」及び「クレオパワー」という商標のみに頼って自他商品の出所を識別する必要がある。
しかしながら、上記両商標の構成中、「トップ」と「パワー」は、木材保存剤に関する自他商品識別力が極めて弱いため、「クレオ」を唯一の判断材料としなければならず、この場合において、「クレオ」が造語であることを考えれば、需要者は、「クレオトップ」と「クレオパワー」とは何らかの関連性があると想像するとする方が極めて自然な思考であると考えられる。
したがって、本件商標と引用商標とは、ホームセンターのウェブサイトにおいても混同を生じさせるおそれがあることは明らかである。
カ チラシ広告における木材保存剤の表示について
ホームセンターのチラシ広告における木材保存剤や木材用塗料は、甲第17号証ないし甲第19号証に示すとおり、商品の外観写真、用途、価格、簡単な商品の説明及び商標とともに印刷されている。
例えば、甲第17号証に係るコメリデジタル広告では、「クレオソートに代わる安全な木材防腐剤 乾燥時間/約24時間 クレオトップ 塗り面積(2回塗り)約畳5枚分 2.5L 税込1,780円 塗り面積(2回塗り)畳約32枚分 16L 税込5,780円」という記載に隣接して、「扱いやすい水性タイプ クレオパワー ブラウン 1.6kg 税込1,580円 14kg 税込5,980円」との記載がある。
また、甲第18号証に係る広告には、「濡れたように深みのあるウェットタッチな仕上がりに ワトコ カラーダーク 税込1,400円」との記載、甲第19号証に係る広告には、「フタを開けたらそのまま塗れる!塗装用具・後片付け不要 ペンキュア・HAKEdePAINT・TEGAKIdePAINT 税別各570円」との記載がある。
このように、紙面スペースの限られたホームセンターのチラシ広告では、都合上、商品製造業者名や社標が表示されないことが多く、チラシを見る者は、商品商標のみを頼りとして商品の出所を認識することになる。そして、このようなチラシにおいて、商標は、標準的な文字により同字、同大で表示されることが一般的である。
上記した木材保存剤の広告における商標の使用態様を鑑みても、本件商標は、申立人の業務に係る商品「クレオトップ」の姉妹商品であるとの誤解を生じさせ、結果として、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
キ これまでの商標の混同による申立人への問合せについて
本件商標が申立人の業務に係る商品「クレオトップ」と混同を生じた結果、申立人は、これまでに、次の(ア)ないし(エ)に示すような問合せ等を受けている。
(ア)コメリパワー筑後店の店頭管理者から、「なぜクレオパワーという商品を増やしたのか。なぜ売場に置かなければならないのか。」と、申立人が事前の通知なしにバリエーションを増やしたかのような問合せを受けた。
(イ)コメリパワー新発田店の店舗管理者から、「クレオパワーを今後頑張って売っていくので、ご支援をお願いいたします。」と、クレオパワーの販売についての支援要請があった。
(ウ)コメリパワー水口店並びにコメリホームセンターの菰野店、桑名店、北長岡店及び栃尾店では、申立人の従業員が訪問したところ、売場販売員が、クレオパワーを申立人の商品と勘違いしており、申立人の業務に係る商品ではないことを説明することになった。
(エ)コメリプロ久居店では、申立人の業務に係る商品「クレオトップ」の販売棚に本件商標を付した「クレオパワー」が陳列され、販売されていた。
上記いずれの事象についても、本件商標が申立人の業務に係る商品と混同を生じた結果、発生したことは明らかである。
ク 小括
上記のとおり、本件商標は、申立人が全国的かつ長期にわたり使用し、需要者の間に広く認識されている商標「クレオトップ」との関係で、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、商品「木材保存剤」についての商標登録は、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証によれば、申立人は、遅くとも2014年10月には自己の製造、販売に係る水性の木材防腐剤のパンフレットについて、2016年6月には自己の製造、販売に係る油性の木材防腐剤のパンフレットについて、それぞれ引用商標を使用していることが認められる(甲6、甲7)。
そうすると、申立人は、本件商標の登録出願日前に、引用商標を付した水性又は油性の木材防腐剤についてパンフレットを作成したとはいえるが、そのパンフレットの頒布先や頒布枚数は明らかでない。
イ 申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標の使用に係る木材防腐剤は、2017年の2月、3月及び5月にホームセンターで販売され(甲10?甲12、甲17)、また、ホームセンターが運営するオンラインショップにおいても販売されていることがうかがえる(甲13?甲15)。
しかしながら、上記ホームセンター及びオンラインショップでの販売数量は明らかでないし、当該オンラインショップについては、その販売時期も明らかでない。
この点に関し、申立人は、引用商標の使用に係る商品の総出荷量の約84%が全国のホームセンター1,849店舗において販売されている旨主張するが、その販売に係る具体的な地域、時期、数量等は明らかでない。
ウ 申立人は、2002年から現在に至るまでの間、引用商標を商品「木材保存剤」について使用している旨主張し、当該商品の2002年から2016年までの間の出荷量を示しているが、申立人以外の者の製造、販売に係る商品「木材保存剤」の出荷量の合計が明らかでないから、引用商標の使用に係る商品の出荷量が、商品「木材保存剤」の出荷量全体のうち、どの程度の割合を占めるかは不明である。
エ 以上を総合すると、引用商標は、申立人の提出に係る甲各号証によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「クレオパワー」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているものとも認められない。
さらに、上記文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されているため、視覚上、まとまりある一体的なものとして看取されるものであり、さらに、その構成全体から生じると認められる「クレオパワー」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。
そうすると、本件商標は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、「クレオパワー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「クレオトップ」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているものとも認められない。
さらに、上記文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されているため、視覚上、まとまりある一体的なものとして看取されるものであり、さらに、その構成全体から生じると認められる「クレオトップ」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。
そうすると、本件商標は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、「クレオトップ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との比較
本件商標と引用商標とは、それぞれ「クレオパワー」の文字と「クレオトップ」の文字とからなり、4字目以降において、「パワー」と「トップ」という文字構成上の明らかな差異があるから、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「クレオパワー」の称呼と引用商標から生じる「クレオトップ」の称呼とを比較すると、両称呼は、4音目以降において、「パワー」と「トップ」という音構成上の明らかな差異があるから、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
この点に関し、申立人は、本件商標の構成中の「パワー」の文字部分及び引用商標の構成中の「トップ」の文字部分が、いずれも商品の品質を表示する語であって、自他商品を識別する標識として機能しないか、極めて識別力の弱い語であるから、取引者、需要者は、両商標について、それぞれ、当該「パワー」及び「トップ」の文字部分以外の「クレオ」の文字部分を商品の出所識別標識として認識する旨主張するが、その主張を裏付ける証拠は何ら提出されておらず、取引者、需要者においてそのような認識を生じるとみるべき事実は見いだせない。
エ 小括
上記アないしウによれば、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているとは認めることができず、また、本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標との比較において、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、これを本件登録異議の申立てに係る指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、引用商標を連想、想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、本件登録異議の申立てに係る指定商品「木材保存剤」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-10-30 
出願番号 商願2016-118065(T2016-118065) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W02)
T 1 652・ 271- Y (W02)
T 1 652・ 261- Y (W02)
T 1 652・ 262- Y (W02)
最終処分 維持 
前審関与審査官 白鳥 幹周 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 田中 敬規
豊泉 弘貴
登録日 2017-03-31 
登録番号 商標登録第5937098号(T5937098) 
権利者 和信ペイント株式会社
商標の称呼 クレオパワー、クレオ、パワー 
代理人 宮嶋 学 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 中村 行孝 
代理人 永井 浩之 
代理人 副田 圭介 
代理人 高田 泰彦 
代理人 朝倉 悟 
代理人 柏 延之 
代理人 佐藤 泰和 
代理人 本宮 照久 
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