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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W43
管理番号 1334532 
審判番号 取消2016-300574 
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-08-17 
確定日 2017-11-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第5591490号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5591490号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年12月3日に登録出願、第43類「寿司を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同25年6月21日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成28年8月31日であり、商標法50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同25年8月31日ないし同28年8月30日である(以下「要証期間」という。)。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、審判事件弁駁書、口頭審理陳述要領書及び上申書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(審決注:請求人は、乙号証に係る使用の商標について、使用標章1ないし使用標章9と特定している。)
(1)乙第2号証及び乙第3号証について
ア 乙第2号証
被請求人は、乙第2号証を被請求人のホームページの会社概要であると主張しているところ、そこには被請求人の社名や住所が記載され、事業内容には「寿司・ピザの宅配業」や「出張回転寿司のサービス業」などと記載されてはいるが、乙第2号証には本件商標は表示されていないから、乙第2号証をもって、被請求人が本件商標の使用者であるということはできない。
しかも、その売上高の欄には「2011年度実績」と、また、「従業員数」の欄には「2012年4月現在」と記載されているから、その掲載内容は、その当時(2011年?2012年頃)の内容とみるべきであって、要証期間内の内容を表したものではない。このため、事業内容の欄の「寿司・ピザの宅配業」や「出張回転寿司のサービス業」の記載も、被請求人が要証期間内に出張回転寿司のサービス業を行っていたことを証明するものではない。
加えて、乙第2号証の「事業内容」の欄には「飲食店のFC加盟店及び加盟店指導業務」の記載があり、被請求人がフランチャイズ事業を展開していることが示されているところ、店舗と被請求人とはフランチャイズの契約上の関係である可能性が大きいといえるから、仮に各店舗が出張回転寿司のサービス業を行っていたとしても、それをもって、直ちに被請求人が当該サービス業を行っていたということはできない。そして、各店舗が被請求人と同一であることを証する他の証拠の提出もない。
したがって、乙第2号証をもって、被請求人が本件商標の使用者であることが証明されたということはできない。
イ 乙第3号証
被請求人は、乙第3号証を被請求人のホームページであると主張しているところ、そこには被請求人の社名が記載され、会社沿革には、平成17年に「出張回転寿司部門『出張回転寿司サービス』開設」などと記載されてはいるが、乙第3号証には本件商標は表示されていないから、乙第3号証をもって、被請求人が本件商標の使用者であるということはできない。
しかも、要証期間内に本件審判請求に係る指定役務である「寿司を主とする飲食物の提供」に係る事業を行っていたことまでが証明されたわけではない。そもそも、乙第3号証の会社沿革には、平成21年以前は毎年の記載があるにもかかわらず、それ以降は一切記載されておらず、要証期間内の内容を証明したものということはできない。
したがって、乙第3号証をもってしても、被請求人が本件商標の使用者であることが証明されたということはできない。
(2)乙第4号証について
ア 商標法に定める「使用」の証明について
被請求人は、乙第4号証を広告用チラシとしていることを踏まえれば、商標法第2条第3項第8号に定める広告に関する「使用」を前提としているものと考えられるが、広告が同号の「使用」に該当するというためには、当該広告を展示又は頒布しなければならない。しかし、被請求人は、乙第4号証の広告用チラシを展示又は頒布した事実を何ら証明していない。
したがって、乙第4号証をもって、商標法に定める「使用」をしていたということはできない。
イ 要証期間内の使用の証明について
上記アで述べたとおり、商標法第2条第3項第8号に定める「使用」は広告を展示又は頒布する行為であり、乙第4号証の広告用チラシに、広告を展示又は頒布する行為を行った時期を示す記載もなされていない。また、被請求人は、その展示又は頒布があったこと自体を証明する証拠を他に提出していないのであるから、当然に「使用」が要証期間内に行われたということはできない。
したがって、乙4号証をもって、要証期間内に商標法に定める「使用」をしていたということはできない。
ウ 商標の使用者の証明について
被請求人は、乙第4号証を被請求人の広告用のチラシと主張しているが、乙第4号証には、被請求人の社名や住所は表示されておらず、その記載内容から被請求人の広告用チラシであるということはできない。
しかも、上記(1)で述べたとおり、乙第2号証及び乙第3号証をもってしても、商標の使用者が被請求人、すなわち、商標権者であることが証明されたということはできない。したがって、乙第4号証を被請求人の広告用チラシということはできない。
したがって、乙第4号証を被請求人の広告用チラシということはできないから、乙第4号証をもって被請求人による商標の使用が証明されたということはできない。
エ 使用標章について
乙第4号証については、右側に大きく縦書きされた「出張回転寿司」の上部に表示された「宅配専門」及び「寿司ざんまい」の文字と下部に表示された魚の図は、別々の商標として認識されるものであり、それぞれは、本件商標とは社会通念上同一の商標ということはできないものである。
(3)乙第5号証について
ア 商標法に定める「使用」の証明について
被請求人は、乙第5号証を被請求人のホームページの「出張回転寿司」を紹介しているページとしていることを踏まえれば、商標法第2条第3項第8号に定める広告に関する「使用」を前提としているものと考えられるが、広告が同号の「使用」に該当するというためには、当該広告を展示又は頒布しなければならない。しかし、被請求人は、乙第5号証の広告用チラシを展示又は頒布した事実を何ら証明していない。
したがって、乙第5号証をもって、商標法に定める「使用」をしているということはできない。
イ 要証期間内の使用の証明について
乙第5号証のホームページには、広告を展示又は頒布する行為を行った時期を示す記載もなされていない。また、上記アのとおり、商標法第2条第3項第8号に定める「使用」は広告を展示又は頒布する行為であり、被請求人は、その行為があったこと自体を証明していないのであるから、当然に「使用」が要証期間内に行われたということはできないから、乙第5号証をもって、要証期間内に商標法に定める「使用」をしているということはできない。
ウ 商標の使用者の証明について
被請求人は、乙第5号証を被請求人のホームページと主張しているが、乙第5号証には、被請求人の社名や住所は表示されておらず、その記載内容から被請求人の広告であるということはできない。しかも、乙第5号証は、乙第2号証及び乙第3号証のホームページとは全く異なる構成のものであり、同一のホームページとも考えがたいから、乙第5号証をもってしても、商標の使用者が被請求人、すなわち、商標権者であることが証明されたということはできない。
さらに、上記(1)アのとおり、被請求人はフランチャイズ事業を展開している企業であり、仮に店舗において「出張回転寿司」のサービスを行っていたとしても、直ちに各店舗と被請求人を同一人ということもできない。
したがって、乙第5号証を被請求人のホームページということはできないから、乙第5号証をもって被請求人による商標の使用が証明されたということはできない。
(4)乙第6号証について
被請求人は、乙第6号証を2016年4月の出張回転寿司の実績表であると主張しているが、そもそも、誰がいつ作成した如何なる素性の書類であるのかは全く明らかにしていないから、このような書面は書証として成立し得ないものである。
(5)乙第7号証ないし乙第10号証について
被請求人は、乙第7号証ないし乙第10号証を見積書と請求書の控えであると主張しているが、そもそも、商標を表示しておきながら、顧客の氏名・名称や自社の住所や名称、店舗名の記載もなく、かつ、確認印さえ押していない見積書と請求書が商取引において普通に用いられているとは考えがたく、これら取引書類が顧客に渡されたものと同一のものであるとは直ちに受け入れ難い。加えて、そもそも、見積書や請求書の取引書類も、商標法上の「使用」というためには、展示又は頒布しなければならないが、被請求人は答弁書において乙第7号証ないし乙第10号証を「控え」であるとしており、「控え」は顧客に頒布しないものであるから、乙第7号証ないし乙第10号証をもって、商標法上の「使用」ということはできない。
したがって、乙第7号証ないし乙第10号証をもってしては、被請求人、すなわち、商標権者が要証期間内に本件商標を使用していたことが証明されたということはできない。
(6)乙第11号証ないし乙第14号証について
被請求人は、乙第11号証ないし乙第14号証を領収書であると主張しているが、そもそも、顧客の氏名・名称の記載がない領収書は、普通の商取引においては考えがたく、これら取引書類が顧客に渡されたものと同一のものであるとは直ちに受け入れ難い。しかも、乙第11号証と乙第14号証の領収書の日付には約3週間近い期間があるにもかかわらず、領収書の番号が乙第11号証から乙第14号証まで連番であり、他に領収書が利用されなかったのも不可思議といわざるを得ない。そして、答弁書によれば「領収書」とされているところ、仮に顧客用の領収書ならば、顧客の名称が記載されておらず、かつ、いずれも3万円以上の金額であるのに収入印紙が貼付されておらず、被請求人の手元にあるのかが一層不可思議といえる。また、仮に「控え」ならば、「控え」は顧客に頒布しないものであるから、乙第11号証ないし乙第14号証をもって、商標法上の「使用」ということはできない。このため、乙第11号証ないし乙第14号証をもって、直ちに商標法上の「使用」が証明されたということはできない。
したがって、乙第11号証ないし乙第14号証をもっては、被請求人、すなわち、商標権者が要証期間内に本件商標を使用していたことが証明されたということはできない。
(7)乙第15号証について
被請求人は、乙第15号証を2015年度及び2016年度の出張回転寿司の実績表であると主張しているが、そもそも、誰がいつ作成した如何なる素性の書類であるのかは全く明らかにしていないから、このような書面は書証として成立し得ないものである。
しかも、乙第15号証には、商標も表示されていない。
したがって、乙第15号証をもっては、被請求人、すなわち、商標権者が要証期間内に本件商標を使用していたことが証明されたということはできない。
(8)乙第16号証及び乙第17号証について
被請求人は、乙第16号証及び乙第17号証は被請求人の従業員のジャンパーの写真であり、それら写真は2016年10月7日に撮影したものであると主張している。
しかし、乙第16号証及び乙第17号証について、被請求人は、具体的に誰が撮影したのか、さらに、どこの場所で撮影したのか明確にしていない。しかも、その写真は、不鮮明であって、小さな文字まで如何なる文字であるのかが明確に把握し得ないものであり、このため、これら乙号証については、その書証の成立さえ認めがたいものである。
ア 商標法に定める「使用」の証明について
被請求人は、乙第16号証及び乙第17号証をもって商標法第2条第3項第8号の広告に係る使用に当たる旨主張しているが、広告が同号の「使用」に該当するというためには、当該広告を展示又は頒布しなければならない。
しかし、被請求人は、乙第16号証及び乙第17号証が実際に展示又は頒布された事実を何ら証明していない。
したがって、乙第16号証及び乙第17号証をもって、商標法に定める「使用」をしていたということはできない。
イ 請求に係る指定役務との具体的関係の証明
「商標の使用があるとするためには、当該商標が、必ずしも指定商品そのものに付せられて使用されていることは必要でないが、その商品との具体的関係において使用されていることを必要とするものと解するのが相当である。」(最高裁昭和42年(行ツ)第32号同43年2月9日第二小法廷判決・民集22巻2号159頁)。そして、「広告に付される標章が、広告中において商品との具体的関係において使用されていなければ、商品についての標章の使用があるとはいえない。」(東京高等裁判所平成11年(行ケ)第100号同12年9月21日)。
しかし、乙第16号証及び乙第17号証は、場所が不明な室内において男性がジャンパーを着用している写真であり、ジャンパーの胸部に魚の図及び「寿司ざんまい」の文字などが表示されているが、本件審判請求に係る指定役務との具体的関係を示すものは表示されていない。
したがって、乙第16号証及び乙第17号証に接した者は、それが「すしを主とする飲食物の提供」についての広告であると認識するということはできないから、乙第16号証及び乙第17号証をもって、請求に係る指定役務「すしを主とする飲食物の提供」について、商標法に定める「使用」をしているということはできない。
ウ 要証期間内の使用の証明について
被請求人は、乙第16号証及び乙第17号証の写真の撮影日を2016年10月7日と主張しているところ、その撮影日は、要証期間内ではない。また、上記アのとおり、商標法第2条第3項第8号に定める「使用」は広告を展示又は頒布する行為であるところ、被請求人は、その行為があったこと自体を証明していないから、当然に「使用」が要証期間内に行われたということはできない。
したがって、乙第16号証及び乙第17号証をもって、要証期間内に商標法に定める「使用」をしているということはできない。
エ 商標の使用者の証明について
被請求人は、乙第16号証及び乙第17号証を被請求人の従業員のジャンパーの写真と主張しているが、乙第16号証及び乙第17号証には、被請求人の社名や住所は表示されておらず、その記載内容から被請求人の使用に係るものであるということはできない。
しかも、上記(1)で述べたとおり、乙第2号証及び乙第3号証をもってしても、商標の使用者が被請求人、すなわち、商標権者であることが証明されたということはできない。
したがって、乙第16号証及び乙第17号証が被請求人に係るものであることが証明されたということはできないから、乙第16号証及び乙第17号証をもって被請求人による商標の使用が証明されたということはできない。
(9)乙第18号証ないし乙第20号証について
被請求人は、乙第18号証ないし乙第20号証は社用車の写真であり、それらの写真は2016年10月7日に撮影したものであるとしている。
しかし、乙第18号証ないし乙第20号証について、被請求人は、具体的に誰が撮影したのか、さらに、どこの場所で撮影したのか明確にしていない。このため、これら乙号証については、その書証の成立さえ認めがたいものである。
ア 商標法に定める「使用」の証明について
被請求人は、乙第18号証ないし乙第20号証をもって商標法第2条第3項第8号の広告に係る使用に当たる旨主張しているが、広告が同号の「使用」に該当するというためには、当該広告を展示又は頒布しなければならない。しかし、被請求人は、乙第18号証ないし乙第20号証が実際に展示又は頒布された事実を何ら証明していない。
したがって、乙第18号証ないし乙第20号証をもって、商標法に定める「使用」をしていたということはできない。
イ 要証期間内の使用の証明について
被請求人は、乙第18号証ないし乙第20号証の写真の撮影日を2016年10月7日と主張しているところ、その撮影日は、要証期間内ではない。また、上記アで述べたとおり、商標法第2条第3項第8号に定める「使用」は広告を展示又は頒布する行為であるところ、被請求人は、その行為があったこと自体を証明していないから、当然に「使用」が要証期間内に行われたということはできない。
したがって、乙第18号証ないし乙第20号証をもって、要証期間内に商標法に定める「使用」をしていたということはできない。
ウ 商標の使用者の証明について
被請求人は、乙第18号証ないし乙第20号証を被請求人の社用車の写真と主張しているが、乙第18号証ないし乙第20号証の記載内容から被請求人の使用に係るものであることが明確になったということはできない。
しかも、上記(1)で述べたとおり、乙第2号証ないし乙第4号証をもってしても、商標の使用者が被請求人、すなわち、商標権者であることが証明されたということはできない。
したがって、乙第18号証ないし乙第20号証が被請求人に係るものであることが証明されたということはできないから、乙第18号証ないし乙第20号証をもって被請求人による商標の使用が証明されたということはできない。
エ 本件商標と使用標章の同一性について
乙第18号証ないし乙第20号証は、社用車と思しき写真であり、そのうちの乙第18号証及び乙第19号証には、前部及び運転席側の後部ドアに、「寿司ざんまい」の文字及び魚と思しき図の一部からなる標章(以下、これらの文字及び図形をあわせて「使用標章1」という。)が表示されており、また、乙第20号証には、荷台側面に「宅配専門」の文字及び「寿司ざんまい」と思しき文字からなる標章、運転席側ドアに魚と思しき図からなる標章(以下、これらの文字及び図形をあわせて「使用標章2」という。)が表示されているが、本件商標と使用標章1及び使用標章2とは、以下のとおり、社会通念上同一の商標ということはできない。
(ア)本件商標と使用標章1の同一性
使用標章1は、「寿司ざんまい」の文字と魚と思しき図の一部が、離れた場所に表されており、これら「寿司ざんまい」と思しき文字と魚と思しき図の一部を一体の商標として認識するとは考えがたく、別々の商標として認識されるものといえる。
加えて、本件商標の文字部分と使用標章の文字部分とを比較してみても、本件商標にある「宅配専門」の文字が使用標章1では表示されていないから、両者は異なっている。
また、本件商標の図形部分と使用標章1の図形文字部分とを比較してみても、本件商標には魚の図形の全体が表示されているのに対し、使用標章1には魚と思しき図形の半分程度しか表示されておらず、両者は異なっている。
したがって、本件商標と使用標章1とは、外観はもとより、称呼及び観念も異なるものであるから、社会通念上同一の商標ということはできない。
(イ)本件商標と使用標章2の同一性
使用標章2は、「宅配専門」及び「寿司ざんまい」と思しき文字と魚と思しき図が、荷台側面と運転席側ドアというように大きく離れた異なる場所に表されており、その間には、別途、大きく「出張回転寿司」の文字などが表示されていることから、これら「宅配専門」及び「寿司ざんまい」の文字と魚の図を一体の商標として認識するとは考えがたく、「宅配専門」及び「寿司ざんまい」の文字と魚の図は、別々の商標として認識されるものといえる。このため、本件商標と使用標章2の文字部分又は図形部分とをそれぞれ比較すると、その構成要素が異なることは明らかであり、これらを同一の商標ということはできない。
加えて、本件商標の文字部分と使用標章2の文字部分は、「宅配専門」の文字の態様が異なっている。
したがって、本件商標と使用標章2とは、その構成要素が異なることは明らかであり、これらを同一の商標ということはできない。
(10)乙第21号証ないし乙第28号証について
被請求人は、乙第21号証ないし乙第28号証を被請求人店舗の外観を撮影した写真であり、それら写真は2016年10月7日に撮影したものであると主張している。
しかし、乙第21号証ないし乙第28号証について、被請求人は、そもそも、被請求人というだけで、具体的に誰が撮影したのか明確にしておらず、しかも、それらの中には、標章が物の陰に隠れていたり、焦点があっていなかったり、小さすぎたり、薄暗いために標章が不鮮明で、全体が明確に確認できるものになっていない。このため、これら乙号証については、その書証の成立さえ認めがたいものである。
ア 請求に係る指定役務との具体的関係の証明
商標法第2条第3項第8号の広告に係る商標の使用というためには、上記(8)イで述べたとおり、広告に付される標章が、広告中において役務との具体的関係において使用されていなければ、役務についての標章の使用があるとはいえない。
しかし、「寿司」に関する店舗であっても、いわゆる「回転寿司」の店舗と認識するのか、商品「すし」の販売を行う店舗と認識するのかは定かでなく、その具体的関係を示しているとは考えがたい。
したがって、乙第21号証ないし乙第28号証に接した者は、それが役務「すしを主とする飲食物の提供」についての広告であると認識するということはできないから、乙第21号証ないし乙第28号証をもって、商標法に定める「使用」をしているということはできない。
イ 要証期間内の使用の証明について
被請求人は、乙第21号証ないし乙第28号証の写真の撮影日を2016年10月7日と主張しているところ、その撮影日は、要証期間内ではない。また、商標法第2条第3項第8号に定める「使用」は広告を展示等する行為であるところ、被請求人は、使用開始日を主張するのみで、その展示の行為があった時期が要証期間内であることを証明するものは何ら提出していない。
したがって、乙第21号証ないし乙第28号証をもって、要証期間内に商標法に定める「使用」をしていたということはできない。
ウ 本件商標と使用標章の同一性について
(ア)被請求人は、乙第21号証ないし乙第28号証の写真の店舗に表示された以下の標章をもって、本件商標と社会通念上同一の商標であると主張している。
a)乙第21号証の店舗の入りロ付近の縦看板に表示された「宅配専門」の文字及び「寿司ざんまい」の文字を縦書きし、その上部に前掛けを付けた鯛と思しき魚の図を配した商標(以下「使用標章3」という。)
b)乙第24号証の店舗に表示された二行書きの「宅配専門」の文字及び「寿司ざんまい」の文字を横書きし、その上部に前掛けを付けた鯛と思しき魚の図を配した商標(以下「使用標章4」という。)
c)乙第21号証ないし乙第28号証の店舗の上部の横看板に表示された「宅配専門」(2行に横書きされたもの)の文字及び「寿司ざんまい」の文字からなる商標(以下「使用標章5」という。)
d)乙第24号証の店舗の右側の縦看板に表示された二行書きされた「宅配専門」の文字及び「寿司ざんまい」の文字を縦書きしてなる商標(以下「使用標章6」という。)
e)乙第21号証、乙第22号証及び乙第24号証の店舗の壁面に表示された円輪郭内に2行に横書きされた「宅配専門」の文字及び縦書きにされた「寿司ざんまい」の文字からなる商標(以下「使用標章7」という。)
f)乙第25号証ないし乙第27号証の店舗の壁面に縦書きされた「寿司ざんまい」の文字からなる商標(以下「使用標章8」という。)
なお、乙第23号証の店舗の入り口左側の壁面に縦書きされた「寿司ざん」の文字は、バイクの陰に隠れて文字全体を把握し得ないが、仮に、乙第27号証の店舗の壁面に表示された「寿司ざんまい」の文字と同一であるならば、これに該当する。
g)乙第28号証の店舗入り口のドアに横書きされた「寿司ざんまい」の文字からなる商標(以下「使用標章9」という。)
(イ)本件商標と上記(ア)の使用標章の同一性
a)本件商標と使用標章3及び使用標章4の同一性
本件商標と使用標章3及び使用標章4を対比するに、両者は、各構成要素の位置関係などが相違している。
したがって、本件商標と使用標章3及び使用標章4とは、社会通念上同一の商標ということはできない。
b)本件商標と使用標章5ないし使用標章7の同一性
本件商標と使用標章5ないし使用標章7を対比するに、両者は、魚の図形の有無が異なる。
したがって、本件商標と使用標章5ないし使用標章7とは、社会通念上同一の商標ということはできない。
c)本件商標と使用標章8及び使用標章9の同一性
本件商標と使用標章8及び使用標章9を対比するに、両者は、魚の図形の有無が異なる。
したがって、本件商標と使用標章8及び使用標章9とは、社会通念上同一の商標ということはできない。
(11)まとめ
以上のとおりであるから、乙各号証のいずれをもってしても、商標法第50条第2項で定める登録商標の使用を証明するに十分なものではなく、同項で定める登録商標の使用を証明したということはできないから、本件商標の商標登録は取り消されるべきである。
3 口頭審理陳述要領書(平成29年4月19日)
(1)乙第4号証について
被請求人は、乙第29号証ないし乙第31号証を提出し、乙第4号証が2016年4月21日に被請求人に納品されたと主張している。
しかし、乙第4号証において、「出張回転寿司」の上部に表示されている「宅配専門」及び「寿司ざんまい」の文字と下部に表示されている前掛けを付けた鯛と思しき魚の図は、別々の商標として認識されるものであり、それぞれは、本件商標とは社会通念上同一の商標ということはできない。被請求人は、構成要素が共通しているから社会通念上同一であると主張しているが、取引者、需要者が、大きく表示された「出張回転寿司」の文字を除いてその上部と下部だけを一体の商標と認識するなど考え難いといわざるを得ない。また、被請求人は、乙第4号証の裏面にも言及しているが、裏面には「宅配専門」の文字の記載がなく、やはり、本件商標と社会通念上同一ということはできない。
加えて、乙第29号証ないし乙第31号証によって分かるのは、「出張回転寿司A4チラシ」とされたものが印刷注文されただけであって、それが乙第4号証であるかは証明されていないし、そもそも、商標法上の「使用」となる「頒布」や「展示」の事実及びその時期が証明されたわけではない。被請求人は、顧客との打ち合わせに持参して手渡したりして頒布している旨、「ご予約承り中」などの記載をもって需要者に配布されたことは明らかである旨主張し、それらの証拠物件を確認次第提出するとはしているが、未だ、「頒布」や「展示」の事実及びその時期は証明されていないのであるから、乙第4号証をもって、要証期間内の使用がされたということはできない。
(2)乙第5号証について
被請求人は、乙第5号証に関連して、乙第32号証ないし乙第37号証を提出し、乙第5号証のウェイバックマシンによる2014年3月10日時点の表示として乙第34号証を提出しているが、その時点での使用者は証明されていない。
したがって、乙第32号証ないし乙第37号証をもってしても、商標法第50条第2項の証明には十分でない。
(3)乙第7号証ないし乙第14号証について
被請求人は、乙第7号証ないし乙第14号証について宛先の記載がないのは顧客情報を伏せたものであると主張しているが、一般的に、情報のマスキングは黒塗りによるのであって、乙第7号証ないし乙第14号証については、白塗りしたものであるのか、それとも、記載がないのかは明らかでない。しかも、請求人は、弁駁書において、商標法上、取引書類は頒布しなければ「使用」とならないところ、「控え」ならば頒布したものではない(原本と控えの要旨が同一であることも明らかにされていない)し、原本ならば、印紙の貼付がないこと、自社の住所や名称さえないこと等を主張したところであり、これらについては何ら明らかになっていない。
(4)乙第16号証及び乙第17号証について
被請求人は、乙第16号証及び乙第17号証のジャンパーについて、購入履歴画面であるとして乙第38号証を提出している。
しかし、仮に、このジャンパーを被請求人が購入しているとしても、テレビコマーシャルに被請求人代表者が当該ジャンパーを着用して登場していると主張する以外に、これが、本件審判請求に係る指定役務の取引者、需要者が目にするような方法で「展示」されたことは証明されていない。
したがって、テレビコマーシャル以外に、このジャンパーをもって、本件商標の使用をしているということはできない。
4 上申書(平成29年6月7日付け)
(1)乙第40号証ないし乙第47号証について
被請求人は、上申書において、乙第7号証ないし乙第14号証のマスキング前の書類を乙第40号証ないし乙第47号証として、見積書及び領収書を提出している。
しかし、乙第40号証ないし乙第43号証も、被請求人の会社名、住所、電話番号などの連絡先さえ記載されておらず、実際に使用された見積書であるのか疑念を禁じ得ない。しかも、商標法第2条第3項第8号によれば、取引書類については、「展示」、「頒布」等をしなければ商標の「使用」をしたことにはならないところ、この取引書類の一つである見積書について「展示」、「頒布」等をしたことは何ら証明されていない。むしろ、「確認印」の欄などが記載されていることを踏まえると、これは事業者側の控えとみるのが自然といえるから、これをもって、本件商標の使用を証明したということはできない。
また、乙第44号証ないし乙第47号証は、領収書とされているが、取引書類の一つである領収書について「展示」、「頒布」等をしたことは何ら証明されていない。むしろ、これらの乙号証も、「収入印紙3万円以上貼付」(印紙は貼付されていない。)や「取扱者印」の欄などが記載されていることを踏まえると、これは事業者側の控えとみるのが自然といえるから、これをもって、本件商標の使用を証明したということはできない。
したがって、被請求人が上申書において提出した乙第40号証ないし乙第47号証をもってしても、本件商標が要証期間内にその指定役務について使用されていたことが証明されたということはできない。
(2)乙第18号証ないし乙第28号証の作成事実等の立証資料について
被請求人は、口頭審理陳述要領書において、「乙第18号証ないし乙第28号証の作成事実及び要証期間内の提示事項を立証するための証拠の収集を行っております。整い次第提出する所存です。」と主張している。
しかし、被請求人は、口頭審理においても、また、今般の上申書においても、それら証拠を提出しなかった。このことは、被請求人が乙第18号証ないし乙第28号証の作成事実等を証明できなかったことを物語るものであるから、乙第18号証ないし乙第28号証をもってしても、本件商標が要証期間内にその指定役務について使用されていたことが証明されたということはできない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を、審判事件答弁書、口頭審理陳述要領書及び上申書において要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第47号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 答弁の理由
(審決注:被請求人は、乙号証に係る使用の商標について、使用商標1ないし使用商標7と特定している。)
(1)被請求人について
被請求人は、平成8年12月に設立された福岡県北九州市八幡西区に本社を置く法人であり、その事業内容は、寿司・ピザの宅配業や、出張回転寿司業や、全国の特産物の通販業など多岐に渡る(乙2)。
(2)本件商標について
本件商標は別掲1のとおりであり、大きく分けて4つの構成要素からなる。具体的には、一文字ずつ四角で囲まれた漢字4文字「宅配専門」(以下「構成要素1」という。)と、魚のキャラクターとして図案化された鯛の絵(以下「構成要素2」という。)と、漢字2文字「寿司」(以下「構成要素3」という。)と、平仮名4文字「ざんまい」(以下「構成要素4」という。)である。
(3)被請求人が本件の指定役務を行っていることについて
被請求人は、平成17年より回転寿司のケータリングサービス(以下「出張回転寿司」という。)を行っている(乙3)。
ア 乙第4号証は、被請求人の出張回転寿司の広告用チラシであり、被請求人は当該チラシを各家庭のポストに配布するなどして頒布している。
イ 乙第5号証は、被請求人のホームページで、出張回転寿司を紹介するページである。
ウ 乙第6号証は、要証期間内である2016年4月の出張回転寿司の実績表であり、当月においては、6日、10日、16日、そして24日の計4件の受注があったことがわかる。
エ 乙第7号証の1及び2は、乙第6号証の4月6日分の御見積書と御請求書の控えであり、同様に、乙第8号証の1及び2は4月10日分、乙第9号証の1及び2は4月16日分、そして乙第10号証の1及び2は4月24日分の御見積書と御請求書の控えである。各見積書の合計金額は乙第6号証の「ご予約金額」と一致する。
オ 乙第11号証ないし乙第14号証は、乙第6号証及び乙第7号証の1ないし乙第10号証に係る4件各件についての領収書である。乙第11号証が4月6日分、乙第12号証が4月10日分、乙第13号証が4月16日分、そして乙第14号証が4月24日分に対応しており、発行日及び金額が各件ともに一致する。また、それぞれ但し書きには「出張回転屋台サービス代金として」とあり、これらが出張回転寿司についての領収書であることがわかる。
カ 乙第15号証は被請求人の2015年度及び2016年度の出張回転寿司の実績表であり、2016年度4月の日付及び金額は乙第6号証と一致する。
以上より、被請求人がケータリングサービス「出張回転寿司」を行っているとは明らかであり、当該サービスは本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」に含まれるものである。
よって、被請求人が要証期間内に日本国内において本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」を行っていることは明らかである。
(4)被請求人の本件商標の使用について
ア 使用商標1について
乙第5号証の左上には、構成要素1ないし構成要素4からなる使用商標1(別掲2)が表示されている。
使用商標1と本件商標とは、色彩が異なり、本件商標が白黒であるのに対し、使用商標1は色付きであるが、当該色彩の相違は商標の本質的部分に変更を加えるものではない。
また、使用商標1の構成要素1は本件商標と配置が異なるものの、その余について使用商標1は本件商標と同一であって、称呼及び観念も共通する。よって、使用商標1はいわゆる色違い商標として本件商標と同視し得るものであり(商標法第70条)、同視できない場合も本件商標と社会通念上同一の商標である。
イ 使用商標2について
乙第7号証の1ないし乙第10号証の2の各御見積書及び御請求書の右上には、構成要素1ないし構成要素4からなる使用商標2が表示されている 。
使用商標2と本件商標とでは、色彩や、各構成要素の配置や、大きさの比率が異なる。しかしながら、構成要素2「鯛の図」は色彩を同一とすれば本件商標の構成要素2と同一である。また、構成要素1の各文字が四角で囲まれている点や、構成要素4「ざんまい」が独特の書き文字風の書体で書してなる点など、各構成要素の特徴的な部分が一致する。さらに、文字部分全体から生じる「タクハイセンモンスシザンマイ」の称呼も同一であり、「寿司がふんだんにある様子」といった観念も共通する。以上より、使用商標2は本件商標と同様の印象を看者に与えるものであり、よって、使用商標2は本件商標と社会通念上同一の商標である。
ウ 使用商標3について
乙第11号証ないし乙第14号証の左下には、構成要素1ないし構成要素4からなる使用商標3が表示されている。
構成要素1「宅配専門」に関し、使用商標3は黒地に白抜き文字で二段書きであるのに対し、本件商標は白地に黒文字の一行書きである。しかしながら、いずれも各文字が四角で囲まれている点に変わりはない。
また、構成要素2「鯛の図」に関し、使用商標3は白抜きであるのに対し、本件商標は薄墨色である。しかしながら、これらは色彩を同じくすれば同一のものであり同視し得る図である。
そして、使用商標3の構成要素1は本件商標と配置が異なるものの、その余について使用商標3は本件商標と同一であって、文字部分全体から生じる「タクハイセンモンスシザンマイ」の称呼や、「寿司がふんだんにある様子」といった観念も共通する。
よって、使用商標3は本件商標と同視し得るものであり(商標法第70条)、同視できない場合も本件商標と社会通念上同一の商標である。
エ 使用商標4について
乙第16号証及び乙第17号証は、2016年10月7日に撮影した被請求人の従業員用ジャンパーの写真である。乙第16号証が夏用、乙第17号証が冬用であり、被請求人は2014年10月頃から寿司のケータリングサービスをする際や、商品「寿司」を宅配する際などに当該ジャンパーを着用している。
そして、乙第16号証及び乙第17号証のジャンパーの右上には構成要素1ないし構成要素4からなる使用商標4が表示されている。
使用商標4と本件商標とでは構成要素2「鯛の図」の色彩が異なるものの、色彩を同一とすれば、使用商標4と本件商標とは同一の商標である。
よって、使用商標4は本件商標に含まれるものである(商標法70条)。
オ 使用商標5ないし使用商標7について
(ア)乙第18号証ないし乙第20号証は、2016年10月7日に被請求人の社用車を撮影した写真である。乙第18号証及び乙第19号証に係る社用車は、同じデザインを施した車の2代目であり、1代目は平成25年3月から使用されていた。また、乙第20号証に係る社用車は平成16年9月から現在も使用している。
乙第18号証の正面には、構成要素1「宅配専門」は無いものの、構成要素2「鯛の図」、構成要素3「寿司」、及び構成要素4「ざんまい」からなる使用商標5の表示がある。
ここで、構成要素1「宅配専門」は被請求人の業態を表す語であり、そもそも識別力が無い。また、使用商標5の構成要素2は白地に赤色の線で表されており、本件商標の構成要素2とは色彩が異なるものの、ねじり鉢巻きと前掛けをした左向きの鯛のキャラクター図であるといった特徴的部分が共通し、構成要素4「ざんまい」が独特の書き文字風の書体で書してなる点など、各構成要素の特徴的な部分が一致する。
そして、文字部分から生じる「スシザンマイ」の称呼も同一であり、「寿司がふんだんにある様子」といった観念も共通する。
以上より、使用商標5は本件商標と同様の印象を看者に与えるものであり、よって、使用商標5は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(イ)乙第19号証は乙第18号証の側面の写真である。
乙第19号証には、構成要素2「鯛の図」、構成要素3「寿司」、及び構成要素4「ざんまい」からなる使用商標6の表示があり、構成要素1「宅配専門」の表示はないものの、そもそも「宅配専門」は被請求人の業態を示すものであり識別力が無い。
また、使用商標6と本件商標とは色彩が異なるものの、当該差異は商標の本質的部分に変更を加えるものではない。
また、使用商標6の構成要素2「鯛の図」は右向きであるものの、それ以外の点で本件商標の構成要素2と共通する。
本件商標に比べれば全体における構成要素2「鯛の図」の比率が大きいものの、共通する称呼「スシザンマイ」や、「寿司がふんだんにある様子」といった観念が生じるため、使用商標6は本件商標と同様の印象を看者に与える。
したがって、使用商標6は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(ウ)乙第20号証は、別の社用車の側面を写した写真である。
乙第20号証には、構成要素1ないし構成要素4からなる使用商標7の表示がある。
使用商標7の構成要素1「宅配専門」は本件商標とは色彩が異なるものの、本件商標の構成要素1と同様に一文字ずつ四角で囲まれている。
次に、使用商標7の構成要素2「鯛の図」は、他の構成要素からやや離れた位置に表示されているものの、本件商標の構成要素2と同一の鯛のキャラクター図である。
以上のとおり、構成要素1及び構成要素2は本件商標と色彩が異なるが、当該差異は商標の本質的部分に変更を加えるものでなく、商標全体からは共通する称呼「タクハイセンモンスシザンマイ」や、「寿司がふんだんにある様子」といった観念が生じる。
よって、使用商標7は本件商標と同様の印象を看者に与えるものであり、本件商標と社会通念上同一の商標である。
カ その他の使用商標について
乙第21号証ないし乙第28号証は2016年10月7日に被請求人店舗の外観を撮影した写真であるが、各々に構成要素1ないし構成要素4からなる商標の表示があり、これらの店舗名と商標の使用開始月は次のとおりである。
乙第21号証 古賀店 2012年11月
乙第22号証 宇部店 2012年9月
乙第23号証 行橋店 2012年5月
乙第24号証 門司店 2015年5月
乙第25号証 博多店 2010年3月
乙第26号証 到津店 2015年5月
乙第27号証 小野田店 2012年10月
乙第28号証 折尾店 2012年6月
上記、各店舗に表示された商標は本件商標とは配置や色彩が異なる。
しかしながら、構成要素1「宅配専門」については一文字ずつ四角で囲まれている点、構成要素2「鯛の図」については左向きのねじり鉢巻きと前掛けをした赤色の鯛のキャラクター図である点、構成要素3「寿司」及び構成要素4「ざんまい」については独特の書体である点といった、各要素の特徴的な部分は本件商標と共通する。
また、商標全体からは「タクハイセンモンスシザンマイ」や「スシザンマイ」といった共通する称呼、そして「寿司がふんだんにある様子」といった共通する観念が生じる。
よって、乙第21号証ないし乙第28号証に表示された構成要素1ないし構成要素4からなる使用商標と本件商標とでは、同様の印象を看者に与える。
したがって、乙第21号証ないし乙第28号証に表示された商標は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(4)小括
上述のとおり、被請求人は日本国内において要証期間内に、本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」を行っている(乙6?乙15)。
また、乙第5号証、乙第7号証の1ないし乙第14号証、及び乙第16号証ないし乙第28号証には、本件商標と同視し得る商標、又は本件商標と社会通念上同一の商標の表示がある。
被請求人は商品「すし」の製造販売業も行っており、当該業務についても本件商標やこれと社会通念上同一の商標を使用しているが、これらに含まれる「宅配専門」の語には「注文主へ寿司の提供を宅配する」といった意味合いも含まれているため、被請求人はこれらの商標を寿司のケータリング業「出張回転寿司」についても使用している。
すなわち、各使用商標は、本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」についても自他役務識別機能や出所表示機能といった商標としての機能を発揮している。
ここで、乙第5号証、及び乙第16号証ないし乙第28号証は役務に関する広告、乙第7号証の1ないし乙第14号証は役務に関する取引書類に該当する。
以上を総括すると、被請求人が各使用商標を本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」について、日本国内において要証期間内に使用(商標法第2条第3項第8号)していることは明らかである。そして、各使用商標は本件商標と同視し得る商標、若しくは社会通念上同一の商標である。
よって、被請求人は本件商標を本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」について日本国内において要証期間内に使用(商標法第2条第3項第8号)している。
2 口頭審理陳述要領書(平成29年4月5日付け)
(1)乙第4号証について
被請求人は、乙第4号証を、印刷業者株である式会社プリントパック(以下「プリントパック社」という。)に依頼して作成した。
プリントパック社は、インターネット上で各種印刷物の印刷・製作依頼を請け負う会社である。利用者は、プリントパック社のホームページから注文を行うことができ、被請求人も、プリントパック社のホームページから乙第4号証を注文した。
乙第4号証の作成事実を証明するため、乙第29号証を提出する。乙第29号証は、プリントパック社のサイトにログインし、被請求人の注文履歴を表示した画面を印刷したものであり、左上に「ようこそ!片山幸男様」の表示があるが、同氏は、被請求人の社員(乙30)であり、チラシなどの宣伝広告物の発注を担当している。
乙第29号証の3頁目の上から4行目には、ご注文番号「PAC10170232」、納期「2016年04月21日」、商品名「出張回転寿司A4チラシ」、価格「¥4,830」の記載がある。
乙第31号証は、乙第4号証に関するプリントパック社のサイト内の注文詳細情報を印刷したものであり、お問い合わせ番号「PAC10170232出張回転寿司A4チラシ」の記載は、乙第29号証のご注文番号や商品名と一致する。
また、乙第31号証の、サイズ「A4」や、本文色数「両面4色」や、加工1「トンボ仕上がり断裁(ご注文サイズでお納め)」等の仕様は、乙第4号証と一致する。
よって、乙第29号証及び乙第31号証が、乙第4号証の発注履歴と注文詳細情報であることは明らかである。
そして、乙第31号証の「お支払方法」には、代金引換の記載があり、また、乙第29号証の乙第4号証に係る記載箇所の納期は2016年4月21日である。
したがって、乙第4号証が、代金引換によって、2016年4月21日に被請求人に納品されたことがわかる。
被請求人は、答弁書において、乙第4号証を各家庭のポストに配付するなどして頒布していると述べたが、今回改めて確認したところ、乙第4号証の多くは、被請求人のホームページなどを見て問い合わせをしてきた顧客に郵送したり、実際に出張回転ずしの依頼をした顧客との打合せに持参して手渡したりして頒布していることがわかった。これらの事実を証明する証拠物件については、確認次第提出する予定である。
しかしながら、新たな証拠物件を確認するまでもなく、「ご予約承り中!!」の記載や、料金プランを紹介する記事や、申し込み先のフリーダイヤルの表示があることなどから、乙第4号証が需要者への宣伝広告用に作成されたことは明らかであり、宣伝広告物である以上、積極的に需要者へ配付されたことは容易に推認できる。
そして、乙第4号証の表面には、本件商標の構成要素である「宅配専門」「寿司」「ざんまい」「図案化された鯛の絵」が表示されている。「図案化された鯛の絵」はそれ以外の文字とはやや離れた位置に表示されているが、本件商標と構成要素が共通するので、乙第4号証の表面には、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されているといえる。
また、乙第4号証の裏面には、「寿司」「ざんまい」「図案化された鯛の絵」がまとまりよく表示されている。当該使用商標は、本件商標とは「宅配専門」の有無で相違するが、「宅配専門」は被請求人の業態を表すものであり識別力を有しないので、当該使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標といえる。
(2)乙第5号証について
被請求人は、2014年3月10日より、乙第5号証の態様で「出張回転寿司」に関する案内を、被請求人のウェブサイト内の「http://zanmai.co.jp/delivery/」上で行っている。
これを証明する為、インターネット・アーカイブが提供するウェイバックマシン(http://archive.org/web/)で、「http://zanmai.co.jp/delivery/」のアーカイブを検索した結果(乙32?乙34)を提出する。
乙第32号証は、ウェイバックマシンのホームページ画面であり、乙第33号証は、乙第32号証で「http://zanmai.co.jp/delivery/」を検索した結果である。上段に「Saved 40 times between 3月10、2014 and 10月15、2016.」とあり、「http://zanmai.co.jp/delivery/」のアーカイブが確認できる始期が2014年3月10日であることがわかる。
そして、乙第34号証は、2014年3月10日時点の「http://zanmai.co.jp/delivery/」の内容であり、右上には、アーカイブの保存年月日が、黒地に黄色の文字で「3\10\2014」と表示されている。
2017年4月4日現在の「http://zanmai.co.jp/delivery/」の表示内容(乙36)を提出する。
乙第34号証の表示内容は、ほぼ乙第5号証や乙第36号証と同様であり、左上には「図案化された鯛の絵」「宅配専門」「寿司」「ざんまい」からなる商標(使用商標1)が表示されている。
以上より、「図案化された鯛の絵」「宅配専門」「寿司」「ざんまい」からなる商標(使用商標1)を含む乙第5号証と同様の内容が、要証期間内の2014年3月10日には被請求人のウェブサイト内(http://zanmai.co.jp/delivery/)に掲示されていたことがわかる。
また、乙第37号証は、「http://zanmai.co.jp/delivery/」が掲示される被請求人のウェブサイト(http://zanmai.co.jp/)内の会社概要であり、社名と本社所在地が、被請求人の名称と住所と一致する。
よって、乙第5号証、乙第34号証に示されたアーカイブ情報、及び乙第36号証が被請求人に係るものであることは明らかである
(3)乙第7号証ないし乙第14号証について
乙第7号証ないし乙第14号証の見積書、請求書、及び領収書は、確かに被請求人が出張回転ずしの依頼者との間でやり取りした書類であり、要証期間内に被請求人によって使用されたものである。
乙第7号証ないし乙第14号証すべてにおいて宛先の記載がないのは、宛名は顧客情報の一部であり、被請求人の重要な営業情報であるため白塗りして伏せたためである。
(4)乙第16号証及び乙第17号証について
乙第38号証は、インターネット上でユニフォーム製作の受注販売を行う「ユニフォームタウン」のサイト内の、被請求人の購入履歴画面を印刷したものである。
右上のMailには、ユニフォーム発注担当者である被請求人の社員片山幸男氏の会社用メールアドレスが表示されている(乙30)。また、乙第38号証のFAX番号は、被請求人のFAX番号と一致する(乙30)。
そして、乙第38号証下段の1件目(受注NO:m-345013)は乙第17号証を、上段の2件目(受注NO:m-356692)は乙第16号証を、それぞれ試しに購入した際の購入履歴である。各注文明細から、ジャンパーの右上には、乙第16号証及び乙第17号証に表示された商標を表示する内容で注文されたことがわかる。
さらに、2014年12月に放送された被請求人のテレビコマーシャル(乙39)には、乙第16号証(夏用)のジャンパーを着用した被請求人の代表者が登場する。
よって、乙第16号証及び乙第17号証が、早ければ注文後の2014年10月頃から、遅くとも上記テレビコマーシャルの放送が開始された2014年12月頃から被請求人の社員らによって着用され、宣伝広告機能を発揮していることがわかる。
(5)乙第18号証ないし乙第28号証について
被請求人は、乙第18号証ないし乙第28号証の作成事実及び要証期間内の提示事実を立証するための証拠の収集を行っており、整い次第提出する所存である。
3 上申書(平成29年5月22日付け)
被請求人は、乙第7号証ないし乙第14号証について、マスキングを行う前の状態のものを、新たに乙第40号証ないし乙第47号証として提出する。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠について
(1)乙第34号証について
乙第34号証は、2014年(平成26年)3月10日時点のウェイバックマシンの「http://zanmai.co.jp/delivery/」のアドレスの検索結果画面である「【宅配専門】寿司ざんまい/出張回転寿司」のウェブサイトを印刷したものであり、左上に使用商標1が表示されている。
そして、「出張回転寿司」の見出しの下、「いつでも開店、どこでも回転。」、『寿司職人』によるケータリングサービスです。」の記載があり、「ホームパーティープラン」及び「企業用パーティープラン」が紹介されている。
(2)乙第36号証は、印刷日を2017年(平成29年)4月4日とする、「【宅配専門】寿司ざんまい/出張回転寿司」のウェブサイトであるところ、乙第34号証と同様に、使用商標1が表示されている。
また、同じく「出張回転寿司」の見出しの下、「いつでも開店、どこでも回転。」、『寿司職人』によるケータリングサービスです。」の記載があり、「ホームパーティープラン」及び「企業用パーティープラン」が紹介されている。
そして、左下には、「http://zanmai.co.jp/delivery/」のアドレスが表示されている。
(3)乙第37号証は、印刷日を2017年(平成29年)4月4日とする、「【宅配専門】寿司ざんまい/会社案内」のウェブサイトであるところ、その左上部には、使用商標1が表示されている。
また、「会社概要」の見出しの下、「社名」欄には「株式会社ハマサキ・ホールディング」、「本社所在地」欄には、「福岡県北九州市八幡西区竹末1丁目15番10号」、「事業内容」欄には、「出張回転寿司のサービス業」の記載がある。
そして、左下には、「http://zanmai.co.jp/company/」のアドレスが表示されている。
(4)乙第43号証の1は、「平成28年4月15日」を作成日とし、「寿司ざんまい出張回転屋台」の担当者が顧客宛に作成した「御見積書」であるところ、「内容」欄には「回転屋台一式」、「時間」欄には「11時00分?」、「期間」欄には「平成28年4月24日(日)」、「場所」欄には「福岡県」、「人数」欄には「90名」、及び「料金・備考」欄には「にぎり寿司お一人様2,000円×90名 180,000円」/出張費(回転屋台一式、職人3名、交通費)25,000円/合計205,000円」の記載がある。
(5)乙第43号証の2は、上記見積りに係る、「平成28年4月24日」を作成日とする「寿司ざんまい出張回転屋台」の担当者が顧客宛に作成した「御請求書」であるところ、「内容」欄には「回転屋台一式」、「時間」欄には「11時30分?」、「期間」欄には「平成28年4月24日(日)」、「場所」欄には「福岡県」、「人数」欄には「90名」、及び「料金・備考」欄には「にぎり寿司お一人様2,000円×90名 180,000円」/出張費(回転屋台一式、職人3名、交通費)25,000円/合計205,000円」の記載がある。
(6)乙第47号証は、上記(4)及び(5)の見積書及び請求書に係る、「平成28年4月24日」を作成日とする「領収書」であるところ、「金額」欄には「¥205000」、その下部には、「但し出張回転屋台サービス代金として上記金額正に領収致しました。」の記載があり、「(株)ハマサキ・ホールディング」の名称、住所「北九州市八幡西区竹末1丁目15-10」並びに電話番号及びFAX番号が記載されている。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用者について
乙第37号証のウェブサイトと乙第34号証及び乙第36号証のウェブサイトは、その上段のウェブサイト内容の記載が一致しており、かつ、両者のアドレスが「http://zanmai.co.jp/」まで一致していることからすれば、これらは、いずれも同一人のウェブサイトといえるものである。
そして、乙第37号証のウェブサイトが、被請求人である「株式会社ハマサキ・ホールディング」のものであることから、使用商標1を表示したウェブサイト(乙34、乙36)は被請求人に係るものといえ、使用商標1の使用者は商標権者である被請求人と認められる。
(2)使用商標について
本件商標は、別掲1に示したとおり、左側に、はちまきと「すし」の文字を表示した前掛けをした左向きの魚のイラストを描き、その右側に、上部には、やや傾いた、角が丸く、かつ、陰影を付けた4つの四角枠内に表示した「宅」、「配」、「専」、「門」の文字を横一列に並べ、下部には、筆書き風の書体で「寿司ざんまい」の文字を配した構成からなるものである。
他方、使用商標1は、別掲2に示したとおり、左側に、はちまきと「すし」の文字を表示した前掛けをした左向きの赤色の魚のイラストを描き、その右側には、やや傾いた、角が丸く、かつ、陰影を付けた4つの四角枠内に表示した「宅」、「配」、「専」、「門」の文字を上段に「宅」及び「配」、下段に「専」及び「門」と上下2段に並べ、さらに、その右側に、筆書き風の書体で白い縁取りと陰影を付けた「寿司ざんまい」の赤色の文字を配した構成からなるものであるところ、使用商標1の魚のイラスト、「寿司ざんまい」の文字は、色彩及び文字の縁取りを除き、本件商標と同一の図形及び同一書体の文字からなるものであり、「宅配専門」の文字についても、本件商標とは、配列が異なるものの、各文字の態様は同一であり、両者は、その構成全体において、外観上、同視されるものであるから、社会通念上同一の商標といえる。
(3)使用役務について
「御見積書」(乙43の1)、「御請求書」(乙43の2)及び「領収書」(乙47)によれば、被請求人は、依頼により寿司職人を派遣して行う寿司の提供を業として行っていることがうかがわれるものである。
そして、ウェブサイト(乙34、乙36)には「出張回転寿司」、「『寿司職人』よるケータリングサービスです。」の記載があり、「ケータリング」が、「出前・宅配サービス・出張料理など、飲食店以外の場所に料理や飲料を運び提供すること。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であることからすれば、被請求人は、「寿司のケータリング」を行っていると認められるものであり、これは、本件商標の指定役務「寿司を主とする飲食物の提供」の範ちゅうの役務である。
(4)使用時期
乙第34号証のウェブサイトは、2014年(平成26年)3月10日時点のものであり、2017年(平成29年)4月4日を印刷日とする乙第36号証のウェブサイトは、使用商標1の表示及びその他その内容が乙第34号証のウェブサイトとほぼ同じものであるから、使用商標1が表示された当該ウェブサイトは、2014年(平成26年)3月10日以降平成29年4月4日までほぼ同じ内容のままウェブ上に存続していたものと推認することができる。
そして、上記期間は、要証期間(平成25年8月31日ないし同28年8月30日)を含むものである。
(5)小括
以上からすれば、被請求人が、要証期間内である平成26年3月10日以降、「寿司のケータリング」に関する広告を掲載したウェブサイト(乙34、乙36)において、本件商標と社会通念上同一の商標を掲示していたものと推認することができる。
そして、上記使用行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告・・・に標章を付して・・・又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものと認められる。
3 請求人の主張について
請求人は、「見積書」、「請求書」及び「領収書」について、「被請求人の会社名、住所、電話番号などの連絡先さえ記載されておらず、実際に使用された見積書であるのか疑念を禁じ得ない。しかも、商標法第2条第3項第8号によれば、取引書類については、『展示』、『頒布』等をしなければ商標の『使用』をしたことにはならないところ、この取引書類の一つである見積書について『展示』、『頒布』等をしたことは何ら証明されていない。むしろ、『確認印」』欄などが記載されていることを踏まえると、これは事業者側の控えとみるのが自然といえるから、これをもって、本件商標の使用を証明したということはできない。・・・取引書類の一つである領収書について『展示』、『頒布』等をしたことは何ら証明されていない。・・・『収入印紙3万円以上貼付』(印紙は貼付されていない。)や『取扱者印』の欄などが記載されていることを踏まえると、これは事業者側の控えとみるのが自然といえるから、これをもって、本件商標の使用を証明したということはできない。」旨を主張している。
しかしながら、請求人の主張のとおり、これら「見積書」、「請求書」及び「領収書」が「控え」であるならば、これと同じ内容の元となる取引書類は、それぞれ作成された後に依頼者に渡されたとみるのが自然であり、その記載内容に照らして、被請求人が「寿司のケータリング」を要証期間内に行ったことがうかがえるものである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
4 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)



別掲2(使用商標1)(色彩については、乙第34号証、乙第36号証参照。)



審理終結日 2017-09-05 
結審通知日 2017-09-08 
審決日 2017-09-29 
出願番号 商願2012-101788(T2012-101788) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (W43)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
中束 としえ
登録日 2013-06-21 
登録番号 商標登録第5591490号(T5591490) 
商標の称呼 タクハイセンモンスシザンマイ、タクハイセンモン、スシザンマイ、ザンマイ 
代理人 愛甲 栄治 
代理人 日野 孝俊 
代理人 多田 繁範 
代理人 松尾 憲一郎 
代理人 山野 有希子 
代理人 市川 泰央 
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