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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない W2425 |
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管理番号 | 1334483 |
審判番号 | 不服2017-3558 |
総通号数 | 216 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-03-09 |
確定日 | 2017-11-09 |
事件の表示 | 商願2015-100245拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第24類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年10月16日に登録出願されたものである。 その後,原審における平成28年7月8日受付の手続補正書により,その指定商品は第24類「織物,弾性織物,ベッド用リネン製品及び食卓用リネン製品、すなわち、織物製タオル・ベッド用毛布・テーブルクロス(紙製のものを除く。)・ベッドカバー・敷布,織物製カーテン,プラスチック製カーテン,織物製テーブルナプキン,掛け布団」及び第25類「被服、すなわち、ティーシャツ・ワイシャツ類及びシャツ・ジャンパー・ズボン・ショートパンツ・ジャケット・スカート・ジーンズ製の被服・ネクタイ・オーバーコート・コート・ベルト・手袋・マフラー・スウェットスーツ・下着・水泳着,帽子、すなわち、ハット及びキャップ,履物及び運動用特殊靴」と補正された。 2 原査定の拒絶の理由 原査定においては,本願商標は,ファッションデザイナーとして著名な「ROMEO GIGLI」の文字よりなるものであり,かつ,その登録について当該者の承諾を得たものとは認められないから,商標法第4条第1項第8号に該当する旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第8号について 商標法第4条第1項第8号は,他人の肖像又は他人の氏名,名称,その著名な略称等を含む商標は,当該他人の承諾を得ているものを除き,商標登録を受けることができないとする規定である。その趣旨は,肖像,氏名等に関する他人の人格的利益を保護することにあると解される。したがって,他人の肖像,氏名等を含む商標につき商標登録を受けようとする者は,他人の人格的利益を害することがないよう,自らの責任において当該他人の承諾を確保しておくべきものである(最高裁平成15年(行ヒ)第265号同16年6月8日第三小法廷判決)。 (2)本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性について ア 本願商標 本願商標は,別掲のとおり,「ROMEO GIGLI」の欧文字を赤字で表してなるところ,その構成文字は,イタリア出身のファッションデザイナーである「ROMEO GIGLI」(ロメオ・ジリ)の氏名を表したものとして認識されるものであることについては,請求人も争っていない。 なお,ロメオ・ジリ氏は,略歴として「ロメオ ジリは1949年,イタリアファエンザ州生まれ。1978年ニューヨークで本格的にファッションデザイナーとして活動を始め,1983年自身の名を冠したブランド『ロメオ ジリ』でミラノコレクションにデビュー。」(http://romeo-gigli.jp/about/index.html)と紹介され,本願商標の登録出願(平成27年10月16日)の前から生存し,現在においても活動していることがうかがえる。 したがって,本願商標は,他人の氏名を含む商標であると認められる。 イ ロメオ・ジリ氏の承諾の有無 請求人は,本願商標の登録にはロメオ・ジリ氏からの承諾が必要であることは重々理解しながらも,同氏の経営していた会社の倒産にあたって,同氏が所有していた商標権が,請求人に強制的に移譲されたため,同氏から承諾書の作成に関する協力を得ることが不可能であることを説明した上で(原審における平成28年7月8日受付の意見書),「ROMEO GIGLI」と実質的に同じ商標を複数の国において登録していること(甲1?11),「ROMEO GIGLI」の文字を表してなる日本の登録商標を,現在は請求人が有していること(甲12,13),また,需要者,取引者そして同氏から苦情や無効審判の請求もないことを,承諾書の代わりに示して,本願商標の登録につき同氏から承諾があるといえる旨を主張する。 しかし,我が国における商標登録出願の登録適格性は,他国の審査結果とは独立して判断されるべきものであるし,請求人が「ROMEO GIGLI」の文字からなる件外登録商標を現在有しているからといって,本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性の判断が,これに左右されるものではない。また,仮にロメオ・ジリ氏から苦情や審判請求などがないとしても,それをもって本願商標の登録につき同氏から明示又は暗示の承諾があったとはいえないことは明らかであり,その他,請求人からは,そのような承諾の存在を具体的に示す証拠の提出はない。 そのため,本願商標を登録することについて,ロメオ・ジリ氏の承諾を得ているものと認めることはできない。 (3)まとめ 以上のとおり,本願商標は,他人の氏名を含む商標であり,かつ,その他人の承諾を得ているものとは認められないから,商標法第4条第1項第8号に該当する。 したがって,本願商標は,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (本願商標。色彩は原本を参照。) |
審理終結日 | 2017-06-15 |
結審通知日 | 2017-06-16 |
審決日 | 2017-06-28 |
出願番号 | 商願2015-100245(T2015-100245) |
審決分類 |
T
1
8・
23-
Z
(W2425)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 啓之、板谷 玲子 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
阿曾 裕樹 田村 正明 |
商標の称呼 | ロメオジリ、ロメオジグリ、ロメオギグリ、ロメオ、ジリ、ジグリ、ギグリ |
代理人 | 浜田 治雄 |