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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091635363841
審判 全部申立て  登録を維持 W091635363841
審判 全部申立て  登録を維持 W091635363841
審判 全部申立て  登録を維持 W091635363841
管理番号 1333452 
異議申立番号 異議2017-685002 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-01-10 
確定日 2017-08-09 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1271303号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1271303号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1271303号商標(以下「本件商標」という。)は、「LMEmercury」の欧文字を書してなり、2014年9月22日にUnited Kingdomにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2015年(平成27年)3月23日に国際商標登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第38類、及び第41類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成28年7月28日に登録査定、同年11月11日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議申立ての理由として引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第4465732号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Mercury」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年1月6日に登録出願、第36類に属する「投資顧問契約に基づく投資助言及び投資一任契約に基づく投資,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,金融情報の提供,証券投資に関する調査研究,商品市場における先物取引の受託,企業財務に関するコンサルティング」を指定役務として、平成13年4月6日に設定登録され、その後、同23年6月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
2 登録第4469491号商標(以下「引用商標2」という。)は、「マーキュリー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成12年1月6日に登録出願、第36類に属する「投資顧問契約に基づく投資助言及び投資一任契約に基づく投資,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,金融情報の提供,証券投資に関する調査研究,商品市場における先物取引の受託,企業財務に関するコンサルティング」を指定役務として、平成13年4月20日に設定登録され、その後、同23年6月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
3 登録第5477295号商標(以下「引用商標3」という。)は、「BOFAML MERCURY」の欧文字を横書きしてなり、2011年(平成23年)8月16日にアイスランド共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成23年11月17日に登録出願、第36類に属する「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険に関する助言,保険の引受け,保険契約の締結の仲介,保険情報の提供,保険数理,銀行業務,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,クレジットカード・デビットカード利用者に代わってする支払代金の清算,クレジットカード・デビットカードの発行の取次ぎ又は斡旋,クレジットカード・デビットカードの利用金額に関する情報の提供,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等精算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,投資,投資に関するコンサルティング,証券投資に関するコンサルティング,証券投資に関する調査・分析,株式及び債券の売買の媒介・取次ぎ又は代理,投資用ポートフォリオの管理,証券投資に関する調査研究,商品市場における先物取引の受託,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介・土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介・建物又は土地の情報の提供,企業の信用に関する調査,金融・財務分析,金融又は財務に関する助言,金融・証券市場に関する調査及び情報の提供,保険・金融・土地又は建物に関する財務の評価,財務管理,金融又は財務に関する情報の提供,資金調達に関する助言,資産の管理及び資金の運用,資産の管理・運用に関する情報の提供」を指定役務として、平成24年3月9日に設定登録されたものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第141号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、欧文字「LMEmercury」からなるところ、「LME」は大文字、「mercury」は小文字で表されているから、「LME」と「mercury」とは、視覚上分離して看取され、また、「LMEmercury」全体から生ずる「エルエムイーマーキュリー」の称呼も冗長であるから、これが常に一連に称呼されるとはいえない。
さらに、本件商標中の「LME」は、本件商標権者の名称「The London Metal Exchange」の略称であり、「mercury」は、「水銀。水星。」等を意味する英単語であって(甲8)、これらの2語には意味上の関連性がなく、「LMEmercury」は既存の成語や熟語でもない。
そうすると、観念上も、本件商標が常に一体の言葉として理解される理由はないから、その意味が広く知られ、指定商品及び指定役務との関係においても、自他識別力を欠くとか極めて弱いということのない「mercury」の語が、観念上も独立して看取される。
したがって、本件商標「LMEmercury」からは、「mercury」の文字部分が分離して看取され、これに相応した「マーキュリー」の称呼、「水銀、水星」の観念が生じる。
(2)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観
引用商標1は、欧文字「Mercury」からなるところ、本件商標において分離して看取される「mercury」の文字部分と、実質的に同一であるから、本件商標と引用商標1は、外観上類似することは明らかである。
また、引用商標3は、欧文字「BOFAML MERCURY」からなるところ、「BOFAML」と「MERCURY」との間にはスペース(空白)があり、視覚上分離して看取されるから、本件商標中の「mercury」の文字部分と引用商標3中の「MERCURY」の文字部分は実質的に同一であり、本件商標と引用商標3とは、外観上類似する。
イ 称呼
本件商標よりは、「マーキュリー」の称呼が生じ、引用商標1「Mercury」及び引用商標2「マーキュリー」からも、「マーキュリー」の称呼が生じる。
また、引用商標3は、「MERCURY」の文字部分が分離して看取されるから、当該文字部分に相応して「マーキュリー」の称呼が生じる。
よって、本件商標と引用商標は、同一の称呼が生じる、類似の商標である。
ウ 観念
本件商標「LMEmercury」は、「mercury」の文字から「水銀。水星。」等の観念が生じ、引用商標1「Mercury」及び引用商標2「マーキュリー」からも「水銀。水星。」等の観念が生じる。
また、引用商標3からも、「MERCURY」の文字部分に相応して「水銀。水星。」等の観念が生じる。
よって、本件商標と引用商標は、同一の観念を生じる、類似の商標である。
エ 取引の実情
申立人であるバンク・オブ・アメリカ・コーポレイションは、2011年11月から金融調査・取引プラットフォームについて引用商標を使用し、金属の商品相場における情報を顧客に提供し、引用商標は、その取引者、需要者の間で周知となっている(甲9?甲139)。
そして、我が国における2012年から2016年の5年間の上記プラットフォームのユーザー数は4,600人、閲覧ページ数は920,786(甲14)となっており、上記プラットフォームによるサービスは、さまざまな賞を受賞している(甲15、甲16、甲32)。
これに対し、本件商標権者は、本件商標を、金融取引市場においてサービスを提供するプラットフォームに使用しているため、本件商標と引用商標が使用されるサービス・事業は競合しており、市場において深刻な誤認混同を生じている(甲140)。
なお、スイス国商標局において、本件商標「LMEmercury」は、申立人の商標「MERCURY」(スイス国商標番号625293号)と類似し、混同を生じるおそれがあると認定され、一部の指定役務について、異議申立てが認容された(甲141)。
オ まとめ
本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において同一又は類似の商標であって、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものであり、本件商標は、引用商標の出願日及び登録日のいずれにも後れて出願、登録されたものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、現に使用され周知となっており、本件商標と引用商標とは類似の商標であって、商標が使用される事業分野は競合している。
したがって、本件商標「LMEmercury」に接した需要者、取引者が、申立人のサービスとの関連性を想起し、その出所について「広義の混同」を生ずるおそれが極めて高いうえ、本件商標は、引用商標の希釈化汚染化が生じるおそれもあるといわざるを得ない。
また、申立人は、引用商標3「BOFAML MERCURY」のように、「mercury」の語と他の言葉を組み合わせた商標、例えば、申立人の関係会社の略称である「BOFAML」を組み合わせた商標も採択、使用しているところ(甲10)、本件商標中の「LME」の文字は、本件商標権者「The London Metal Exchange」の略称であって、本件商標は、「商号(名称)の略称」と「mercury」を組み合わせた構成であるから、需要者が、申立人の商標と構成上の共通性を有する本件商標「LMEmercury」から、「申立人の『Mercury』と関連性のある商品・サービス」を想起し、本件商標を申立人又はその関連会社等の出所表示標識と認識する蓋然性が極めて高い。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人が提出した甲各号証及びその主張によれば以下のとおりである。
ア 申立人のウェブサイトには、「Bank of America Merrill Lynch」の文字の右側に「MERCURY」の文字が表示されている(甲9、甲15)。
イ 申立人のウェブサイトには、「BofAML Mercury」の文字が表示されている(甲10)。
ウ インターネットウェブサイト「iTunes」及び「Google Play」には、「BofAML Mercury」の文字が、文章中に表示されている(甲11,甲12)。
エ 申立人のプラットフォーム「MERCURY」の日本におけるユーザー数及び閲覧ページ数は、2012年から2016年までの5年間で、それぞれ、4,600人及び920,786である(甲14)。
オ 申立人のプラットフォーム「MERCURY」の広告、パンフレット、プレスリリース、看板及びスクリーンショット(甲17?甲31、甲33?甲40、甲42?甲109)には、「Bank of America Merrill Lynch」の文字とともに「MERCURY」の文字が表示され、また、「Mercury」、「BofAML MERCURY」、又は「BofAML Mercury」の文字が表示されている。
カ 申立人のディレクターであるJon Vernon氏の宣誓書には、申立人は、2011年11月11日に、全世界に向けて、「MERCURY」の名称のオンライン型金融情報・研究・取引ソフトウェア及びプラットフォームの提供を開始し、申立人の役務について、継続的に使用しており、申立人が獲得した数々の賞にも裏付けられるとおり、Mercuryプラットフォームの成功は、広く認識されている旨などの陳述がされている(甲32)。
キ 申立人のプラットフォーム「MERCURY」の「Preferences My Profile」の「User Profile」画面において、「Bank of America Merrill Lynch」の文字の右側に「MERCURY」の文字が表示され、また、「Country」の欄に「JP」の文字が表示されている(甲110?甲139)。
(2)上記(1)によれば、申立人のウェブサイトやプラットフォームにおいて、「MERCURY」、「Mercury」、「BofAML MERCURY」、及び「BofAML Mercury」の文字が使用されていることは、認められるものの、申立人の我が国における引用商標の使用開始日を裏付ける証拠は無く、また、広告、パンフレット等の宣伝物については、これらが英文で作成されていることから、我が国の需要者を対象としたものとはいい難く、かつ、その配付部数、配付先、配付場所等が不明であり、加えて、甲9?甲12、甲14、甲15、甲17?甲31、甲33?甲40、甲42?甲139については、その訳文の提出が無いものである。
そうすると、申立人が、引用商標を我が国においてどの程度の期間使用し、どのような規模、範囲において広告宣伝を行ってきているものかが不明であり、また、海外においての各種賞の受賞歴があることをもって、引用商標が、我が国においても周知であるということもできないから、これらをもってしても、引用商標が、我が国において周知になっているものと評価することはできない。
そして、申立人の提出した他の証拠をみても、引用商標が我が国の取引者、需要者間に申立人の業務に係る商標として、周知であったと認めるに足りる証拠は見い出せないものである。
なお、申立人は、同人のプラットフォーム「MERCURY」における、我が国のユーザー数、閲覧ページ数が、2012年から2016年までの5年間に、それぞれ4,600人、920,786ある旨を述べているが、これらは、ユーザー数、閲覧ページ数の数値としての多少の判断基準も示されておらず、かつ、申立人作成の資料及び申立人のディレクターであるJon Vernon氏の宣誓書における記載が認められるのみであり、これらを裏付ける証拠の提出はなく、また、同プラットフォーム「MERCURY」の「User Profile」の画面数も、わずかに30にとどまるものであるから、これらをもって、引用商標が、我が国において、周知になっているということはできない。
したがって、申立人の提出した証拠及び主張をもってしては、引用商標の周知性を認めることには不十分といわざるを得ないものであり、引用商標が、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「LMEmercury」の欧文字を横書きにした構成からなるところ、構成中の「LME」は大文字で、「mercury」は小文字で表されているとしても、該文字は、同じ書体で、視覚上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「エルエムイーマーキュリー」の称呼も、無理無く一連に称呼できるものである。
そして、「LMEmercury」の文字は、構成全体として、辞書等に載録のない語であるから、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。
そうすると、本件商標からは、その構成文字全体に相応して、「エルエムイーマーキュリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、「Mercury」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「水銀、水星」(「リーダーズ英和辞典 初版」株式会社研究社)の意味を有する英語であるから、引用商標1からは、該文字に相応して「マーキュリー」の称呼、及び、「水銀、水星」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2は、「マーキュリー」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は英語「mercury」を片仮名表記したものと認められるものであるから、引用商標2からは、「マーキュリー」の称呼、及び「水銀、水星」の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3は、「BOFAML MERCURY」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、「BOFAML」の文字と「MERCURY」の間にスペースを有するとしても、同書、同大で視覚上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「ボファムルマーキュリー」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものである。
そして、「BOFAML MERCURY」の文字は、構成全体として、辞書等に載録のない語であるから、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。
してみれば、引用商標3からは、その構成文字に相応して、「ボファムルマーキュリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とを比較してみるに、外観においては、本件商標と引用商標は、前記(2)のとおりの構成からなるものであるから、それぞれ全体の構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「エルエムイーマーキュリー」の称呼と、引用商標1及び2から生じる「マーキュリー」の称呼とを比較すると、語頭における「エルエムイー」の音の有無という顕著な差異に加え、構成音数が明らかに相違するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語感、語調が相違し、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
また、本件商標から生じる「エルエムイーマーキュリー」の称呼と、引用商標3より生じる「ボファムルマーキュリー」の称呼とは、語頭における「エルエムイー」及び「ボファムル」の音において顕著な差異があり、構成音数も明らかに相違するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語感、語調が相違し、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標は、構成全体として特定の観念を生じないものであり、一方、引用商標1及び2からは、「水銀、水星」の観念が生じるものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標と、引用商標3は、共に特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念において比較することはできず、観念上、類似するものともいえない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)申立人の主張について
ア 申立人は、「本件商標は、外観については、大文字の『LME』部分と小文字の『mercury』部分とが、視覚上分離して看取され、称呼については、本件商標全体から生じる『エルエムイーマーキュリー』は冗長であって、『マーキュリー』の称呼を生じる場合もあるとし、観念については、『LMEmercury』が常に一体の言葉として理解されると解される理由はないから、本件商標においては、『mercury』の語が独立して看取されることも明らかである旨を述べ、『mercury』の文字に相応して、『マーキュリー』の称呼、『水銀、水星』の観念が生じる。」旨を主張している。
しかしながら、本件商標は、前記のとおり、同じ書体で、視覚上まとまりよく一体的に表されており、その構成文字全体から生じる「エルエムイーマーキュリー」の称呼も、無理無く一連に称呼できるものであって、その全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものというのが相当である。
また、申立人は、上記の主張にあたり、他の審決例をあげて、本件商標についても同様の判断をすべき旨、を主張しているが、商標の類否の判断は、当該商標と他人の登録商標(引用商標)との対比において、個別、具体的に判断すべきものであって、本件異議の申立における本件商標と引用商標の類否の判断は、上記(3)のとおりであるから、他の審決例をもって、本件の判断が左右されるべきものではない。
イ 申立人は、「引用商標を2011年11月から使用して、我が国の取引者、需要者に周知となっているところ、本件商標権者も、本件商標を、金融取引市場におけるサービスに係るウェブページにおいて使用している(甲140)ため、本件商標と引用商標が使用される分野は競合しており、市場において深刻な誤認混同が生じている。」旨を主張している。
しかしながら、前記1(2)のとおり、引用商標の我が国における周知性を認めることはできず、また、本件商標権者が本件商標を使用していることのみをもって、誤認混同が生じているものと判断することもできない。
そして、申立人は、スイス国において、本件商標が、申立人のスイス国における商標「MERCURY」と出所の混同があるとされて、一部の異議申立が認容された(甲141)ことをあげ、本件商標と引用商標は、出所の混同を生じさせるおそれがあるものと主張しているが、商標制度やその取消理由の判断基準も我が国と同一ではない外国における異議申立の結果が、我が国の異議申立における異議の決定の判断に、影響を及ぼすことはないものである。
したがって、出願人の主張は、いずれも採用することはできない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、前記1のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできないものである。
そして、本件商標は、前記2のとおり、引用商標とは類似しない、別異の商標というべきものである。
してみると、本件商標は、これをその指定役務について使用しても、その取引者、需要者をして、該役務が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の提供に係る役務であるかのように、連想、想起することは考え難く、その出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別掲】本件商標の指定商品及び指定役務
第9類「Computer systems;computer software;computer programs;apparatus for recording,transmission or reproduction of sound or images;magnetic data carriers;pre-recorded video tapes,discs,DVDS and CD ROMS;pre-recorded media bearing data images and software;electronic publications provided on line from databases or the Internet;computer software to enable searching of data;computer software and telecommunications apparatus to enable connection to databases and the Internet.」
第16類「Paper,cardboard;printed matter;printed publications;books;magazines;bookbinding material;photographs;stationery;adhesives for stationery or household purposes;artists’ materials;paint brushes;typewriters and office requisites(except furniture);instructional and teaching material(except apparatus);plastic materials for packaging(not included in other classes);printer’s type;printing blocks.」
第35類「Provision of business information;compilation and provision of trade and business price and statistical information;provision of management and compilation of computerised databases;computerised data base management;business research and conducting of surveys;business representative services;business supervision and regulation services;business administration services for processing of sales and financial deals made through telecommunications;preparation and compilation of market analysis reports;auditing of financial statements;market forecasting;price analysis;retail and wholesale services connected with the sale of books,publications,printed matter,electronic publications featuring statistical information,electronic publications featuring historical data;commercial information services;supervisory,information,advisory and consultancy services relating to all the aforesaid services;all the aforesaid services also provided on-line from a computer database,the Internet or other electronic media.」
第36類「Financial investment and speculation services;agencies for commodity futures trading;operation,supervision,regulation,administration and organisation of financial markets,securities markets and stock exchanges;issuing securities,options and futures contracts;stock market making;brokerage of and dealing in commodities,futures,options,indices,stocks and bonds;clearing,matching and clearing house services;hedging,arbitrage and risk management services;compilation and provision of financial information;provision of financial and commodity trading information including data,exchange prices and statistics;agencies for commodity futures trading in the field of common metals,precious metals,common metal alloys,precious metal alloys,metal ores or other commodities;preparation and compilation of financial reports and analyses;information and advisory services relating to the recordal and regulation of financial,security and commodity futures transactions;quotation of commodity future trading prices;compilation and provision of financial data relating to recordal and regulation of financial,security and commodity exchange prices;financial valuation;provision of financial scholarships;supervisory,information,advisory and consultancy services relating to all the aforesaid services;all the aforesaid services also provided on-line from a computer database,the Internet or other electronic media.」
第38類「Communication and transmission of data and information by electronics or computer;transmission of financial database information by electronic display via telecommunications networks;data communications services;provision of on-line forums;chat room services;supervisory,information,advisory and consultancy services relating to all the aforesaid services;all the aforesaid services also provided on-line from a computer database,the Internet or other electronic media.」
第41類「Education and training;arranging and conducting lectures,conferences and seminars;publication of periodicals;publication of periodicals regarding statistical and financial information;publication of reports and newsletters featuring statistical and financial information;online electronic publication featuring statistical and financial information;provision of on-line electronic publications(not downloadable);supervisory,information,advisory and consultancy services relating to the aforesaid services;all the aforesaid services also provided on-line from a computer database,the Internet or other electronic media.」
異議決定日 2017-08-03 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W091635363841)
T 1 651・ 262- Y (W091635363841)
T 1 651・ 271- Y (W091635363841)
T 1 651・ 263- Y (W091635363841)
最終処分 維持 
前審関与審査官 阿曾 裕樹 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 真鍋 恵美
中束 としえ
登録日 2015-03-23 
権利者 The London Metal Exchange
商標の称呼 エルエムイイマーキュリー、エルエムイイ、マーキュリー 
代理人 青木 篤 
代理人 田島 壽 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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