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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1333434 
異議申立番号 異議2017-900157 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-18 
確定日 2017-10-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5923836号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5923836号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5923836号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年8月19日に登録出願、第12類「バックミラー,自動車用ブラインド,自転車用スタンド,乳母車,自転車用サドル,風防ガラス,チャイルドシート」を指定商品として、同29年2月2日に登録査定され、同年2月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次の10件(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1371800号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和46年6月28日
設定登録日 昭和54年2月22日
(2)登録第1371801号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和46年6月28日
設定登録日 昭和54年2月22日
(3)登録第4078003号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成9年10月31日
(4)登録第4085102号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月9日
設定登録日 平成9年11月21日
(5)登録第4085104号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成9年11月21日
(6)登録第4263666号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第22類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成11年4月16日
(7)登録第4675541号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様 LAND ROVER(標準文字)
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成13年12月13日(優先権:2001年6月22日)
設定登録日 平成15年5月23日
(8)登録第4690660号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第6類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成15年7月11日
(9)登録第4738641号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定商品 第6類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月9日
設定登録日 平成16年1月9日
(10)登録第5080366号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の態様 別掲5のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成19年1月9日
設定登録日 平成19年9月28日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、その登録は同法第43条の3第2項により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。
(1)申立人等について
申立人は、2008年に設立された、イギリス国の法人である。ジャガーブランドの自動車とランドローバーブランドの自動車が、アメリカ合衆国のフォード・モーターからインドのタタ・モーターズに売却されたことにより、それらを管理するために設立された。
ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社は、申立人の正規ディーラーとしてジャガーブランド並びにランドローバーブランドの自動車の輸入販売、関連部品・用品の開発販売を行っており、現在、日本国内に本店を含めて45店舗存在している(甲12)。
(2)「LAND ROVER」の著名性について
「Land Rover」(以下「ランド・ローバー」という。)は、英国のRover Co.(以下「ローバー社」という。)によって、昭和23年(1948年)に最初に製造された、世界で唯一の4WDを専門に開発・生産するオフロード向け車両の名称である。当時、ローバー社のオフロード向け車両を専門とする部門で製造が開始されたものである。
日本国内においては、現在に至るまで継続的に広告・宣伝を行っており、日本自動車輸入組合によると、昨年の輸入車新規登録台数(新車のみ)は3,259台であり(甲13及び14)、輸入車のカテゴリにおいて、人気のものとなっている。
甲第15号証ないし甲第19号証は、日本自動車輸入組合において、2007年4月から2017年3月までの過去10年間の申立人の業務に係る「LAND ROVER」車の新車及び中古車の新規登録台数である。
新車の販売単価は、日本円にして一千数百万円の高級外車であるにもかかわらず、申立人の業務に係る自動車(新車)の新規登録台数は、2012年4月から飛躍的に増加しており、現在もおよそ3,000台という高い水準を維持している。
また、高級外車としての価値は、一般的に、購入金額が比較的低廉になる中古車においてはより高いものとなって人気が高まっており、年々中古車の新規登録台数を増やし、2017年3月時点で3,500台を超えている。
このことから、申立人の業務に係る自動車は、長期的に高い人気を有し、特に2012年以降に人気がさらに高まっていることが窺える。
さらに、1962年から創刊されている老舗の自動車の専門誌である「CAR GRAPHIC」において、2016年2月から2016年6月号まで約半年間、「LAND ROVER」に関するテストリポートの特集が組まれ(甲20?甲24)、さらには2017年5月号において表紙で特集される(甲25)ほど注目され、現在においても人気があり、非常に長い間、日本の需要者の間で愛され続けている自動車である。
さらに、車の専門誌のみならず、大人の男性向け情報ファッション誌として有名な「MEN‘S CLUB」においては、「伝統と歴史に裏づけられた気品溢れる作りにこれらの性能(電子制御)がくわわったこのクルマ」(甲26)と評されており、申立人による不断の努力により、引用商標が高級車でありながら現在も人気が高いことが窺える。
「LAND ROVER」の日本国内での周知著名性は、特許庁の登録実務においても認定されており、例えば、平成15年5月20日審決(不服2001-7765)(甲27)は、「本願商標は、RV車あるいは四輪駆動者の専門メーカーとして、日本においても根強いファンを持つイギリスの自動車会社のメーカー名(ランド・ローバー)あるいはその車名として著名な『LAND ROVER』の欧文字を横書きしてなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、取引者、需要者をして、あたかも、それが上記の者の業務に係る商品又はその者と何らかの関係がある者の商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。」と認定している。
以上のとおり、引用商標は、日本国内において本件商標の出願時(平成28年(2016年)8月19日)には、四輪駆動乗用車の名称として取引者及び需要者の間で広く知られた周知著名性を獲得していたものであり、登録査定時である平成29年(2017年)2月3日はもちろんのこと、現在も、その周知著名性は継続されている。
(3)本件商標と引用商標との類似性について
商標法第4条1項15号は、同項第10号ないし第14号の規定と異なり、「類似」を法文上の要件から敢えて外すことにより、個別具体的な状況下で出所の混同のおそれがあると認められる商標の登録をより広く排除する趣旨としたものである。
そうすると、15号の該当性を考慮するにあたって「類似性の程度」を他の判断基準よりも過度に重視すべきではない。
この故に前掲の平成12年7月11日最高裁判例の判示においても「類似」ではなく「類似性の程度」とされて様々な判断基準の一つと位置づけているのであって、商標が11号の意味で類似しない場合であっても直ちに15号該当性が否定されるべきではない。
したがって、15号は(1)商標が同一又は類似で、商品、役務が非類似である場合のみならず、(2)商標が非類似で、商品、役務が同一又は類似である場合、(3)商標が非類似で商品、役務が非類似である場合の各類型において適用され得るものであって、11号の意味で商標が非類似であっても、引用商標が周知・著名である等のため広義の混同のおそれがある場合に15号に該当することがある(平成12年7月11日最高裁判例に関する「最高裁判所判例解説」法曹時報第54巻第6号187頁)。
以上からすると、本件商標は、円形の図形と欧文字の「CRELAND」を横書きしたものを二段に書してなる構成からなり、当該欧文字部分より「クレランド」の称呼が生じる。さらに、当該欧文字は「CRE」部分と「LAND」部分は、色彩の濃淡が異なり、濃色からなる「LAND」は、淡色からなる「CRE」よりも人目を惹く態様で表されている。
他方、引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標9及び引用商標10は「LAND」と「ROVER」を二段に書してなる構成であり、「ランドローバー」の称呼が生ずるものである。さらに、引用商標3、5及び8は欧文字の「LAND ROVER」を横書きした構成からなり、いずれも商標全体として「ランドローバー」の称呼が生ずるものである。
特に、引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標9及び引用商標10においては、「LAND」の文字が、「ROVER」の文字との二段書きで配されるとともに、両者の間には太い線とその一方の端と接する細い線であらわした記号のような図形を配した、特徴的な外観となっており、「LAND」と「ROVER」の文字それぞれが、看者の注意を惹く特徴的な部分として看取されるものとなっている。
そうすると、本件商標及び引用商標はいずれも「LAND」の部分を含む点はもちろんのこと、「LAND」の文字がそれ単体で商標に接する者の注意を惹く外観構成となっている点において、外観及び称呼を共通とする。
そのため、自動車または自動車関連商品について「LAND」の欧文字を顕著に有する本件商標に接した場合、取引者及び需要者にあっては、「LAND」の部分が強く印象付けられて、同様に「LAND」の欧文字を顕著に有する引用商標を容易に想起し、申立人の周知・著名な自動車ブランドである「ランド・ローバー」を容易に想起させると考えられる。
そうすると、本件商標から「(著名ブランドとしての)ランド・ローバー」に関連する商品との観念を生ずる場合があり、この点において観念上類似するものがあると言わざるを得ない。
(4)出所混同の生ずるおそれについて
上記(2)及び(3)のとおり、引用商標は、自動車等について世界的な著名性を有しており、そして、本件商標と引用商標の類似性についても、相紛らわしく、本件商標と引用商標は互いに類似する商標である。
本件商標の指定商品は「バックミラー,自動車用ブラインド,自転車用スタンド,乳母車,自転車用サドル,風防ガラス,チャイルドシート」であって、このような商品は、自動車や自転車のいわゆるアフターパーツとして、自動車用品や自転車用品を取り扱う小売店において普通に販売される商品であるから、想定される需要者は、一般消費者となり、このような者は商品についての特段の専門的な知識を有しないものである。自動車用品や自転車用品を取り扱う小売店においては、自動車・自転車のメーカーを問わず、あらゆる車種に使用可能な部品のみならず、ある特定の企業(自動車メーカー)によって製造・販売された自動車のために特別に設計された商品、すなわち、ある特定の自動車メーカーの車種の専用品となる部品が販売されることがある。
そうすると、想定される需要者において普通に払われる注意力が決して高くないものであることを考慮すれば、本件商標に接した需要者は、構成中の欧文字「LAND」に着目し、周知著名な「LAND ROVER」を想起連想して、本件商標に係る指定商品が申立人及びその関連会社の業務に係る商品、若しくは、申立人の製造・販売に係る自動車のために特別に設計された専用品ではないかと誤認して取引にあたるであろうことは容易に想像されるところである。さらに、一般に世界的に著名な商標は、その商標に化体した高い信用・名声・顧客吸引力により、基幹商品から派生した多種多様な商品に至るまで、厳格な品質管理のもとにライセンスされている傾向がある。このような経営戦略を考慮すると、本件商標とその指定商品は申立人らの業務範囲に密接な関連性があるものと誤信し、ひいては商品の出所について混同を生じ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本件商標に係る指定商品は、引用商標が周知著名性を獲得した自動車並びにそれらの部品とは、具体的な取引の実情に照らして密接な関連性を有するものであるから、本件商標と引用商標の取引者・需要者の共通性は極めて高いものである。
(5)引用商標の独創性の程度
「LAND ROVER(ランド・ローバー)」は、その語から「土地を歩き回る」のようなイメージを生じさせるものの、全体として既存の名詞や用語などではなく、申立人の独創的な商標、すなわち造語の商標である。
(6)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、その出願日前の出願に係る申立人の引用商標に類似する商標であって、その引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するというべきである。
(7)商標法第4条第1項第15号該当性について
上述のとおり、引用商標が申立人の業務に係る著名な高級な外国車「LAND ROVER」(ランドローバー)を表すものとして周知著名な商標であること、本件商標は、引用商標とは、欧文字「LAND」の部分を共通とする商標として高い類似性を有すること、「LAND ROVER」(ランドローバー)が独創性の高い商標であること、本件商標の指定商品が、引用商標が周知著名性を獲得した自動車並びにそれらの部品との関連性が高いものであり、需要者の範囲も一致するものであること、過去の特許庁の審決にみられる判断等を総合して考慮すると、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、申立人の業務に係る自動車「LAND ROVER」(ランドローバー)を想起・連想し、恰も申立人又はグループ会社が取り扱う業務に係る役務であるかの如く認識して取引にあたると考えられるため、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するというべきである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)「LAND ROVER」は、1948年(昭和23年)に英国の企業によって製造販売が開始され、現在は申立人の業務に係る四輪駆動乗用車(以下「申立人商品」という。)の名称である。
(イ)申立人の正規ディーラーであるジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社は、2008年4月に設立され、「LAND ROVER」ブランド等の自動車の輸入販売、関連部品・用品の開発販売を行っており、現在、日本国内に本店を含めて45店舗存在している(甲12)。
(ウ)我が国の2016年度(平成28年度)輸入車新規登録台数は346,905台、2015年度(平成27年度)輸入車新規登録台数が326,588台であり、その中で、申立人の業務に係る「Land Rover」は2016年度(平成28年度)が3,199台(シェア0.92%)、2015年度(平成27年度)が3,245台(シェア0.99%)であり、中古車の登録台数が、2016年度(平成28年度)が3,741台、2015年度(平成27年度)が3,148台であった(甲14、甲18、甲19)。
また、2007年から2014年までの各年の新車登録台数は、2007年1,556台、2008年738台、2009年591台、2010年856台、2011年1,101台、2012年2,356台、2013年3,425台及び2014年3,130台であり(甲18)、中古車登録台数は、2007年2,136台、2008年2,205台、2009年2,088台、2010年2,072台、2011年2,349台、2012年2,529台、2013年2,724台及び2014年2,831台であり(甲19)、新車及び中古車共に一定台数が継続して販売されている。
なお、申立人の業務に係る「Land Rover」の新車価格は約1千万円前後である(甲25)。
(エ)自動車専門雑誌「CAR GRAPHIC」において、2016年2月号から同年5月号まで、「LAND ROVER」の一車種と認められる「ランドローバー・ディスカバリースポーツHSEラグジュアリー」のテストリポート記事が掲載され(甲20?甲23)、同年6月号において、他メーカーの自動車との比較記事が掲載された(甲24)。
また、2017年5月号においては同紙の表紙に掲載されると共に「ランドローバー・ディスカバリー:5代目の進化と実力」と称して特集記事が掲載された(甲25)。
(オ)ハースト婦人画報社発行の「MEN‘S CLUB」2014年4月号(2014年2月24日発行)において、「ラグジュアリーにして軽快! SUV界の裏モテグルマ」として「LAND ROVER」が紹介された(甲26)。
なお、申立人提出の甲各号証において、申立人商品を「LAND」とのみ表示又は略称する記述は見当たらない。
イ 上記アの事実によれば、各年における輸入車新規登録台数のシェアが1%程度と決して多いとはいえないが、価格が1台1千万円前後と比較的高価な申立人商品が、長年継続して一定数輸入販売され、その中古車も新車以上に取引されていることからすると、申立人商品は、我が国において、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定日の時点において自動車の取引者、需要者の間に広く認識されていることが窺える。
そうすると、申立人商品を指定商品とし使用されていると認められる引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標5、引用商標7及び引用商標10は、申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、自動車の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認め得るものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり、長方形の細線枠内に、黒色の円図形の上部及び右横に切れ目を入れ、右上の短い円弧部分を灰色にした図形と、その下段に、「CRELAND」の文字を「C」及び「L」の文字を他の文字より僅かに大きく表し、「CRE」の文字を灰色に、「LAND」の文字を黒で表して、文字部分の下半分を底辺に薄く鏡面反射させたデザインを施した構成よりなるところ、構成中の図形部分と「CRELAND」の文字部分とは、外観上及び観念上のつながり及び関連性は認められないことから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を有する要部と認められるものである。
そして、構成中の文字部分については、「CRE」及び「LAND」の文字部分に濃淡の違いはあるものの、同じ書体で等間隔にまとまりよく一体的に表され、これから生じる「クレランド」の称呼も冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、「CRE」と「LAND」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるとしても、かかる構成及び称呼においては、「LAND」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標の構成中の文字部分は、その全体をもって、「クレランド」のみの称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
イ 引用商標は、上記2のとおりの構成からなるところ、構成中の「LAND」及び「ROVER」が横一連に表されているもの、図形と共に2段に表されているものがあるが、いずれの文字部分も同じ大きさ、同じ書体でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ランドローバー」の称呼も冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、上記(1)のとおり、引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標5、引用商標7及び引用商標10は、申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、自動車の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるから、引用商標は、いずれも各構成中の「LAND ROVER」の文字に相応し、「ランドローバー」の称呼を生じ、「(申立人商品のブランドとしての)ランドローバー」の観念を生じるものである。
ウ そこで、本件商標の文字部分と引用商標の類否を検討すると、外観において、まず、本件商標と「LAND ROVER」の文字のみからなる引用商標3及び引用商標5ないし引用商標8とを比較すると、両者は、外観において、「LAND」の文字を共通にするものの、「CRE」と「ROVER」の有無の差異を有するから、この差異が両者の外観の視覚的印象に与える影響は大きく、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標と「LAND ROVER」の文字以外の構成要素を含む引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標9及び引用商標10とは、外観上、より一層相紛れるおそれのないものといえる。
次に、称呼についてみると、本件商標から生じる「クレランド」と引用商標から生じる「ランドローバー」とを比較すると、本件商標における「クレ」の称呼部分、引用商標における「ローバー」の称呼部分の有無という差異を有し、全体としても5音と7音という該差を有するものであるから、比較的短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「(自動車のブランドとしての)ランドローバー」の観念を生じるものであるから、相紛れるおそれのないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
エ なお、申立人は、引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標9及び引用商標10においては、「LAND」と「ROVER」の文字それぞれが、看者の注意を惹く特徴的な部分として看取されるものとなっており、本件商標及び引用商標はいずれも「LAND」の部分を含む点はもちろんのこと、「LAND」の文字がそれ単体で商標に接する者の注意を惹く外観構成となっている点において、外観及び称呼を共通とするから、自動車または自動車関連商品について「LAND」の欧文字を顕著に有する本件商標に接した場合、取引者及び需要者にあっては、「LAND」の部分が強く印象付けられて、同様に「LAND」の欧文字を顕著に有する引用商標を容易に想起し、申立人の周知・著名な自動車ブランドである「ランド・ローバー」を容易に想起させると考えられる。そうすると、本件商標から「(著名ブランドとしての)ランド・ローバー」に関連する商品との観念を生ずる場合があり、この点において観念上類似する旨述べている。
しかしながら、本件商標は、上記のとおり、その文字部分の構成全体が一体不可分のものとして認識、把握されるものであるし、引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標9及び引用商標10の各構成中「LAND」の文字は、いずれも他の文字(ROVER)と比べ極めて大きく又は目立つ態様で表されているなど外観上特徴的な部分として看取されるものとはいえず、また、申立人商品を「LAND」又は「ランド」と略称されている事実は見当たらず、さらに、「LAND」の文字が申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして著名であると認め得る証左も見いだせないから、申立人のかかる主張は採用できない。
その他、両商標が類似するというべき事情も見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認め得るものであるが、上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるし、本件商標と引用商標とが、「LAND」の文字部分を共通とするとしても、「LAND」の文字のみをもって申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして広く知られているとも認められず、上記(2)エのとおり、それぞれが一体不可分のものとして認識、把握されるものであるから、両者が商標として高い類似性を有するとはいえないものであって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれを本件申立てに係る指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)



別掲2(引用商標1)



別掲3(引用商標2)



別掲4(引用商標4、引用商標9)



別掲5(引用商標10)


異議決定日 2017-10-12 
出願番号 商願2016-90349(T2016-90349) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W12)
T 1 651・ 261- Y (W12)
T 1 651・ 262- Y (W12)
T 1 651・ 271- Y (W12)
最終処分 維持 
前審関与審査官 石塚 利恵 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 大森 友子
今田 三男
登録日 2017-02-17 
登録番号 商標登録第5923836号(T5923836) 
権利者 深▲せん▼奥卓科技有限公司
商標の称呼 クレランド、クレ、シイアアルイイ、ランド 
復代理人 中山 惇子 
復代理人 石田 昌彦 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 丸山 修 
復代理人 右馬埜 大地 
代理人 尾崎 隆弘 
代理人 田中 克郎 
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