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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0514
審判 全部申立て  登録を維持 W0514
審判 全部申立て  登録を維持 W0514
審判 全部申立て  登録を維持 W0514
管理番号 1333429 
異議申立番号 異議2017-900195 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-16 
確定日 2017-10-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5933440号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5933440号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5933440号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年9月2日に登録出願、第5類「医療用ネックレス,医療用ブレスレット,医療用アンクレット」及び第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」を指定商品として、同29年2月2日に登録査定、同年3月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5069804号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成18年11月17日に登録出願、第29類「キチンキトサンを主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,スクワレンを主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,メチルスルフォニルメタン・グルコサミン・カルシウム等を主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,スピルリナを主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,マカを主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,コラーゲン・コエンザイムQ10等を主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,αリポ酸・ウコン・牡蛎エキス・マリアアザミエキス・システイン等を主成分とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品」を指定商品として、同19年8月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 また、申立人が自己の業務に係る商品「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」について使用している商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなるものである。
以下、上記1及び2の商標をまとめていうときは、「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 具体的理由
(1)引用商標1について
ア 引用商標1は、「新日本製薬株式会社」(大阪市中央区南船場)名義で出願され、登録されたが(甲2の1、2)、「新日本製薬株式会社」は、平成19年8月6日に、「株式会社日本観光公社」(大分県別府市石垣西)と合併し解散した(甲3)。
そこで、引用商標1の商標権者を「株式会社日本観光公社」にする合併による移転登録手続をとり、その後、「株式会社日本観光公社」は、住所及び名称を申立人である「株式会社JTC」(福岡市博多区博多駅前)に変更したので(甲4の1、2)、それに合わせて、引用商標1の登録名義人の表示を変更する手続をとっている(甲2の3、4)。
イ 「新日本製薬株式会社」は、引用商標1以外にも、同日の平成18年11月17日に、第3類の「化粧品」等を指定商品として、同じようにデザイン化した「+BK」(甲5の1?3)及び「Pure+BK」(甲6の1?3)を出願し、それぞれ同19年6月8日と同年7月13日に登録して、これらの商標は、引用商標1と同様に、現在は申立人名義で存続している。
また、申立人は、平成19年11月15日に、第18類の「かばん類,袋物」等を指定商品として、同じようにデザイン化した「+BK」(甲第7号証)を自ら出願し、同20年6月20日に登録している。
この「新日本製薬株式会社」は、申立人の代表者であるAが設立した法人で、主な事業は、化粧品・健康食品の製造販売であり(甲3)、化粧品・健康食品等のブランド化を図るべく、「BK」ブランドを立ち上げ、シリーズ化(+BK、Pure+BK、Dr.+BK)した。
「BK」ブランドの「BK」とは、「Beauty」と「Keeper」の各頭文字を組み合せた造語であり、「Dr.+BK」は、さらに「健康」に関連する商品であることを強調するために、語頭に「Dr.(Doctor/医者)」を加えて、「Dr.」+「BK」として商品の展開を図ったものである。
「新日本製薬株式会社」を吸収合併した申立人も、このシリーズ化した「BK」ブランドを、現在まで各種商品に継続して使用している。
(2)引用商標2について
引用商標2は、引用商標1と同一であり、平成21年頃から現在に至るまで、「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」に使用している。
(3)引用商標1及び2の周知性について
ア 申立人について
申立人は、平成6年(1994年)3月に設立された会社であり、免税店事業を中心としており(甲4の2、甲8)、現在全国に24店舗(臨時店も含めると27店舗)の免税店を展開している(甲9)。
来店者は、主に韓国や中国からの訪日外国人観光客であり、韓国からの来店者数は、平成24年(2012年)3月から平成27年(2015年)2月までは年に40万人台であったが、平成27年(2015年)3月から平成29年(2017年)2月には年に60万人台になっている(甲10)。
また、中国からの来店者数は、平成24年(2012年)3月から平成26年(2014年)2月までは年に10万人台だったが、平成26年(2014年)3月から平成27年(2015年)2月には70万人台になり、平成27年(2015年)3月から平成28年(2016年)2月には一挙に230万人台に、そして、平成28年(2016年)3月から平成29年(2017年)2月には360万人台にまでなっている(甲10)。
これに伴い、申立人の平成27年(2015年)の売上高も急激に伸び、売上高・増収額・増益額のいずれにおいても、大きく業績を伸ばした九州・沖縄の「元気印企業」のトップになった(甲11の1、2)。
イ 引用商標1の周知性について
申立人は、引用商標1を平成19年頃から「健康食品」に使用開始し、現在まで継続して使用しており、引用商標1は、本件商標の登録出願時(平成28年9月2日)において、既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていた。
すなわち、申立人が経営する全国の各免税店(甲12の1)においては、「健康食品」のコーナーを設けて(甲12の2)、引用商標1を使用した多種類の健康食品を販売するとともに(甲13)、インターネットでも、同様の多種類の健康食品を大々的に継続して宣伝し、販売している(甲14の1、2)。
また、主要な来店者は、韓国や中国からの訪日外国人観光客であるところ、申立人は、旧名称である「株式会社日本観光公社」時代から、韓国人の訪日観光客向けにカタログ(甲15)を配布するほか、外国人観光客向けに引用商標1を使用した多種類の健康食品が掲載されたカタログ等を配布していた。
前述のとおり、申立人の各免税店への来店者数が非常に多数に及ぶ中、このように、カタログ等を配布することにより、申立人の引用商標1を使用した「健康食品」が広く知られるようになると、訪日外国人観光客付きのガイドも免税店を回る際に、訪日外国人観光客に対して、引用商標1を使用した商品の中から特に売れ筋商品を積極的に紹介してくれるようになり、かかる商品を購入した観光客による口コミと相まって、益々商品が広く知られるようになっていった。ガイドが、申立人の引用商標1を使用した「健康食品」をよく知っていたことは、下記(4)イの記載からも明らかである。
加えて、韓国や中国のブログからも、韓国や中国でもよく知られていることがわかる(甲16の1、2)。
このような宣伝広告やガイドによる紹介、ブログでの紹介等もあって、引用商標1を使用した「健康食品」の平成21年(2009年)1月から平成29年(2017年)2月までの売上高は、560億円にも上っている(甲17)。売れ筋の商品の一部につき、順番にその写真を提出する(甲13)。
このような莫大な額の売上高からも、引用商標1が、申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者の間に広く知られていたことが明らかである。
ウ 引用商標2の周知性について
申立人は、引用商標2を平成21年頃から「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」に使用開始し、現在まで継続して使用しており、引用商標2は、本件商標の登録出願時(平成28年9月2日)において、既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていた。
すなわち、「健康食品」と同様に、申立人が経営する全国の各免税店においては、「ゲルマニウムを使用した商品」のコーナーを設けて(甲12の3)、引用商標2を使用した「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」を販売してきた。これを示すために、「ゲルマニウムを使用したネックレス」の写真(甲18の1)、「ゲルマニウムを使用したブレスレット」の写真(甲18の2)及びこれらの商品の保証書(甲18の3)・取扱説明書(甲18の4)の一例を提出する。
それとともに、インターネットでも、大々的に宣伝し、販売しており(甲19の1、2)、ゲルマニウムネックレス部門やゲルマニウムブレスレット部門でそれぞれ人気ランキング1位を獲得したこともあり、特に、ゲルマニウムブレスレット部門では上位を独占したこともある(甲20の1、2)。
また、引用商標2を使用した商品は、韓国でも大変話題になり、ブログでも多数紹介されている(甲21の1)。これらのブログは、本件商標の登録出願(平成28年9月2日)より前に作成・公開されたものであることからも、引用商標2を使用した商品が、既に韓国では大変評判が良いものとして、広く知られていたことを示すものである。その他にも、引用商標2を使用した商品は、韓国のみならず、中国でもブログで紹介されており(甲21の2)、韓国・中国の両国の需要者において、広く知られていた。
なお、「健康食品」及び「ゲルマニウム商品」に関する店舗、インターネット情報、保証書、ブログ等に、「野口医学研究所」(認証)等の記載があるが、申立人は、旧名称である「株式会社日本観光公社」の時に、「米国財団法人野口医学研究所」及び「一般社団法人野口医学研究所」と、「BK」ブランドについて、申立人以外の団体客向け免税店等には「野口医学研究所」(認証)等を使用させない、商品の販売もしないこと等(甲22の1)、申立人はこれらの商品の製造を「一般社団法人野口医学研究所」に委託すること等(甲22の2)を契約し、現在でもこれらの契約は継続している。
申立人は、現在においても、韓国で大人気の子役スター「サラン」の父で、モデルとして活躍している「SHIHO」の夫でもある男性総合格闘家としても名高い「チュ・ソンフン(秋山成勲)」(甲23)を起用して(甲24)、各店舗の入口に看板やパネルを掲げ、商品のコーナーでも目立つようにPOP広告を出したり(甲25)、インターネットにも登場させて(甲26)、大々的に宣伝広告を展開しているところであり、我が国は勿論のこと、韓国においても益々広く知られるに至っている。
このような宣伝広告、ブログでの紹介や健康食品と同様にガイドによる紹介等もあって、引用商標2を使用した「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」の平成21年(2009年)1月から平成26年(2014年)2月までの売上高は、店舗だけでも108億円にも上っており(甲27)、その後の平成26年(2014年)3月から平成27年(2015年)2月までの1年間だけでも、30億円以上になっている(甲28)。
このような莫大な額の売上高からも、引用商標2が、申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者の間に広く知られていたことが明らかである。
(4)商標法第4条第1項第7号について
ア 申立人と本件商標権者である株式会社永山との関係について
申立人(代表者:A)は、平成6年(1994年)3月に設立された(甲4の2、甲8)のに対し、株式会社永山(代表者:B)は、翌平成7年(1995年)6月に設立されている(甲29の1、2)。
両社は、共に免税店事業を中心としており、来店者は、主に韓国や中国からの訪日外国人観光客であるので、店舗展開のみならず取扱商品も非常に似ている。
そして、店舗展開地域の重なりによる顧客の取り合いは、東京都新宿、大阪市、札幌市、沖縄県那覇市、長崎県対馬市、福岡市等にて特に激しく、ライバル関係にある。
また、取扱商品のうち売れ筋商品も、健康食品、ゲルマニウム商品、化粧品等、共通している。ガイドも共通していて、それぞれの商品等に関する情報も伝わりやすい。
イ 審査基準では、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」の例として「(5)当該商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合。」が挙げられており、本件商標も、これに該当するものである。
すなわち、申立人と株式会社永山は、上記のとおり、ライバル関係にあり、売れ筋商品については、両社とも互いに相手の商品に関心を寄せており、株式会社永山は、申立人の「Dr.+BK」を使用した「健康食品」や「ゲルマニウム商品」の売れ行きが好調であることに目をつけ、一時期自社のホームページ上に、取り扱っている健康食品につき、引用商標1に類似する「Dr.BK」を使用していた(甲30)。株式会社永山は、わずかに「+」だけを除いた「Dr.BK」を使用することにより、需要者の誤認を誘い、顧客を奪おうとしたものと疑われる。
申立人は、株式会社永山の使用を知らずにいたが、「Dr.+BK」が申立人の商品であることをよく知っていたガイドが、株式会社永山も「Dr.BK」商品を取り扱っていることを不審に思い、申立人に尋ねてきて、初めて知ったのである。
そこで、申立人は、ホームページで警告を出す一方(甲14の2)、インバウンド観光や国際ビジネス交流を支援している「一般社団法人添乗員ガイド協会」に、引用商標1を所有している旨伝えたところ、株式会社永山は、今年の3月頃自社のホームページから削除したのであるが、これとは別に、たまたま申立人が登録していなかった商品につき、本件商標を出願しており、これが登録されたのである。
ウ 本件商標と引用商標1及び2を比較すると、同じ文字構成からなるばかりか、そのデザイン化された文字もあまりにも酷似している。
そもそも英字である「B」と「K」を組み合わせた「BK」という文字列については、銀行を意味する「Bank」の略称として使用される以外に、通常使用されることはなく、引用商標1及び2の存在なしに、本件商標の指定商品において、かかる文字列が使用されることは不自然である。また、「Dr.」と「BK」を「+」で結合することは、それ自体が一般的な単語ではなく、独創的であり容易に思いつくものではないばかりか、「+」と「B」を結合してこのようにデザイン化することも独創的であり、本件商標が引用商標1及び2と偶然に一致したものとは認め難く、本件商標権者が自ら創案したとは到底考えられない。しかも、一見すれば全く同一に見えるが、細部にわたりよく観察すると、フォントを異にさせる等、引用商標1及び2の標章から若干の修正を加えており、より悪質であることがうかがえ、また、本件商標に瑕疵があることを自覚してか、設定登録料を5年分しか納付していないのである(甲1の2)。
したがって、本件商標を登録出願した行為は、顧客吸引力や信用が蓄積している申立人所有の引用商標1及び2を盗用し、不正な利益を得る目的あるいは申立人に損害を与える目的をもってされたものといわざるを得ないから、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、このように酷似した商標の登録を認めることは、商標法の予定する秩序に反するものであって到底容認できず、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されているものである。
過去の無効審判事件の審決(甲31)においても、「顕著にあらわされた『Star Bolt』の部分の色彩を除けば同じにするものであって、これが偶然一致したものとは認め難く、その存在を知り得て、本件商標を採択し登録出願したものと優に推認できるものであって、このように酷似した図形を被請求人が自ら創案したとは考え難いところである。そうすれば、被請求人が本件商標を登録出願した行為は、請求人所有の商標のデザインを盗用する意図をもってされたもの、といわざるを得ないから、本件商標は、社会通念上商道徳に反するものであり、公正な商取引秩序を乱すおそれがあるばかりでなく、ひいては、公の秩序を害するおそれがあるものというべきである。」とされており、本件においても、偶然一致したものとは認め難く、その存在を知り得て、本件商標を採択し登録出願したものと優に推認できるから、公の秩序を害するおそれがあるものといえ、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されているものである。
(5)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標2は、上記(3)ウに記載のとおり、本件商標の登録出願時において、既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた商標であり、本件商標は、引用商標2とほぼ同一の商標で、その商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されているものである。
審査基準では、需要者の認識につき、「全国的に認識されている商標のみならず、ある一地方で広く認識されている商標をも含む。」とされており、引用商標2は、少なくとも「ある一地方で広く認識されている商標」に十分該当する。
イ 商品が同一又は類似することについて
引用商標2の使用に係る商品である「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」は、第14類の「身飾品」に該当するばかりか、「ゲルマニウム」を使用しているという点において、第5類の「医療用ネックレス、医療用ブレスレット、医療用アンクレット」にも該当し、または類似するといえるので、「商品が同一又は類似する」といわざるを得ない。
すなわち、引用商標2の使用に係る商品は、ネックレスやブレスレットであるため、本件商標中の第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」とは、商品が同一または類似するといえる。
また、第5類「医療用ネックレス,医療用ブレスレット,医療用アンクレット」は、医療用とはいうものの、一般には、健康機器メーカーや貴金属店等において生産され、アクセサリーあるいは健康用具の一つとして扱われているものも含まれると考えられており、さらに、その販売方法としても、病院等の医療機関で販売されるものではなく、主に民間企業において通信販売又は店頭において販売されるものも含まれる。なお、これらにおける主な需要者は、具体的な疾病等を有する患者に限られるものではなく、一般需要者をも含まれるものと解される。以上については、過去の不服審判事件の審決においても、第5類の「医療用腕環」につき、同様の認定がなされている(甲32の1、2)。
その上で、引用商標2に係る商品であるネックレス及びブレスレットには、「ゲルマニウム」が使用されているところ、「ゲルマニウム」は、筋肉のコリを緩和したり、血行を改善する等いわれているところから、健康に対する何らかの効果をイメージさせるものといえるし、かかるイメージに基づき各種のゲルマニウムを使用した商品が多数販売されていることからも、第5類に定められる「医療用」の概念に含まれるものである。
また、主な需要者についても、一般需要者に対する商品という点で、対象を共通にする。
したがって、本件商標中の第5類の「医療用ネックレス、医療用ブレスレット、医療用アンクレット」と、引用商標2の使用に係る商品「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」とは、商品の生産・販売部門、商品の構造・用途、商品の需要者を共通にする場合がある類似の商品というべきである。
以上より、本件商標は、引用商標2とほぼ同一の商標で、第5類及び第14類のいずれにおいても、その商品と同一又は類似する商品について使用するものといえるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されているものである。
(6)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあった商標であり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されているものである。
すなわち、引用商標1及び2は、上記(3)イ及びウに記載のとおり、本件商標の登録出願時において、既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた商標である。
「Dr.+BK」と「Dr.BK」を「Yahoo!」(甲33の1、2)や「Google」(甲34の1、2)で検索すると、「Dr.+BK」又は「Dr.BK」と出てくるのは、全て申立人が販売している「健康食品」又は「ゲルマニウムを使用したネックレス・ブレスレット」である。
しかも、引用商標1及び2が、造語よりなるものであり、かつ、構成上顕著な特徴を有する上、引用商標1及び2の使用に係る商品が、健康に関わる商品であり、本件商標の指定商品の取引者、需要者の相当部分は共通している。
加えて、共に免税店事業を中心としており、来店者も主に韓国や中国の訪日外国人観光客であり、このような需要者も共通している。
したがって、本件商標は、申立人の引用商標1及び2とほぼ同一であるので、本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用する時は、その取引者、需要者において、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるものといえ、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されているものである。
(7)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていた商標とほぼ同一であり、不正の目的をもって使用されているので、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されているものである。
すなわち、引用商標1及び2は、上記(3)イ及びウに記載のとおり、本件商標の登録出願時において、既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内だけでなく外国、特に韓国や中国においても、需要者の間に広く認識されていた。
しかも、上記(4)イに記載のとおり、本件商標を登録出願した行為は、顧客吸引力や信用が蓄積している申立人所有の引用商標1及び2を盗用し、不正な利益を得る目的あるいは申立人に損害を与える目的をもってなされたものといわざるを得ない。
加えて、審査基準によれば、「(a)一以上の外国において周知な商標又は日本国内で全国的に知られている商標と同一又は極めて類似するものであること。(b)その周知な商標が造語よりなるものであるか、又は、構成上顕著な特徴を有するものであること。」という要件を満たすような商標登録出願に係る商標については、他人の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと推認して取り扱われるのである。
上記のとおり、(a)本件商標は、韓国や中国で知られているばかりか、日本国内でも広く知られている引用商標1及び2とほぼ同一であり、(b)引用商標1及び2は、造語よりなり、かつ、構成上顕著な特徴を有するものであるから、「不正の目的」を推認することもでき、いずれにしても、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されているものである。
2 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人について
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、平成6年(1994年)3月に設立され、全国に24店舗(臨時店も含めると27店舗)の免税店を展開している会社であり(甲4の2、甲8、甲9)、2016年(平成28年)10月19日付け西日本新聞によれば、申立人は、2015年度の九州・沖縄の小売業売上高ランキングで前年度比の伸び率トップになったこと、また、2017年(平成29年)1月12日付けの西日本新聞によれば、申立人は、平成27年度(2015年度)に、九州・沖縄の「元気印企業」のトップになったことがうかがえる(甲11の1、2)。
(2)引用商標1の周知性について
ア 申立人は、引用商標1を平成19年頃から「健康食品」(以下「申立人商品1」という。)に使用開始している旨主張する。また、提出された証拠によれば、現在、申立人が経営する免税店において、いわゆる「健康食品」のコーナーを設けて(甲12の2)、引用商標1を使用した多種類の申立人商品1を販売するとともに(甲13)、インターネットでも、同様の申立人商品1を継続して販売している(甲14の1、2)ことがうかがえる。
しかし、その証拠として提出された多種類の申立人商品1の写真(甲13)は、その撮影日、撮影場所、撮影者等が一切不明であり、甲第14号証の1及び2のインターネット情報に掲載されている商品については、いずれもその掲載日が明らかではない。
したがって、これらの証拠をもって、申立人が引用商標1を平成19年から申立人商品1に使用開始していることを認定することはできない。
イ 申立人は、旧名称である「株式会社日本観光公社」時代から、韓国人の訪日観光客等にカタログ(甲15)を配布していた旨主張する。
しかし、当該カタログは、外国語で作成されたものであり、訳文が提出されていないためその内容は不明であり、さらに、その作成日、配布期間、配布枚数等も不明である。
ウ 申立人は、引用商標1を使用した申立人商品1が、韓国や中国でもブログで紹介され、韓国や中国でもよく知られている旨主張する。
しかし、甲第16号証の1及び2は、ブログの掲載の抜粋として、僅かに韓国語のものが2件、中国語のものが3件提出されているのみで、これらからは本件商標の出願日前に、我が国の国内で、申立人商品1が販売されていたことを推認できるにすぎない。
エ 申立人は、引用商標1を使用した申立人商品1の平成21年(2009年)1月から平成29年(2017年)2月までの売上高は、560億円であり(甲17)、この売上高からも引用商標1が申立人の業務に係る商品(申立人商品1)を表すものとして、需要者の間に広く知られていたことが明らかである旨主張する。
しかし、甲第17号証は、作成者不詳のリストであって、その記載内容を客観的に立証する資料は何ら提出されていないし、申立人商品1の我が国における市場占有率(シェア)、売上高や売上数、外国における広告宣伝の回数、内容などは明らかでない。
(3)引用商標2の周知性について
ア 申立人は、引用商標2を平成21年頃から「ゲルマニウムを使用したネックレス、ゲルマニウムを使用したブレスレット」(以下「申立人商品2」という。)に使用開始している旨主張する。また、提出された証拠によれば、現在、申立人が経営する全国の免税店において、「ゲルマニウムを使用した商品」のコーナーを設けて(甲12の3)、引用商標2を使用した申立人商品2を販売するとともに(甲18の1?4)、インターネットでも、同様の申立人商品2を継続して販売している(甲19の1、2)ことがうかがえる。
しかし、その証拠として提出された申立人商品2の写真(甲18の1?4)は、その撮影日、撮影場所、撮影者等が一切不明であり、また、甲第19号証の1及び2のインターネット情報に掲載されている商品については、いずれもその掲載日が明らかではない。
したがって、これらの証拠をもって、申立人が引用商標2を平成21年頃から申立人商品2に使用開始していることを認定することはできない。
イ 申立人は、ゲルマニウムネックレス部門やゲルマニウムブレスレット部門でそれぞれ人気ランキング1位を獲得したことがあり、特に、ゲルマニウムブレスレット部門では上位を独占したことがある旨主張する(甲20の1、2)。
しかし、甲第20号証の1及び2の人気ランキングは、2017年5月10日(水)更新の集計日5月1日から5月7日及び2017年7月12日(水)更新の集計日7月3日から7月9日のものであって、いずれも本件商標の登録出願日及び登録査定日より前のものではない。
ウ 申立人は、引用商標2を使用した申立人商品2が、韓国や中国でもブログで紹介され、韓国や中国でもよく知られている旨主張する。
しかし、甲第21号証の1及び2は、ブログの掲載の抜粋として、僅かに韓国語のものが9件、中国語のものが1件提出されているのみで、これらからは本件商標の出願日前に、我が国の国内で、申立人商品2が販売されていたことを推認できるにすぎない。
エ 申立人は、男性総合格闘家として名高い「チュ・ソンフン(秋山成勲)」(甲23)を起用して(甲24)、各店舗の人口に看板やパネルを掲げ、商品のコーナーでも目立つようにPOP広告を出したり(甲25)、インターネットにも登場させて(甲26)、宣伝広告を展開している。
しかし、上記格闘家との広告モデル出演契約の日は、2016年(平成28年)10月1日であり、本件商標の登録出願日より前のものではない。
オ 申立人は、引用商標2を使用した申立人商品2の平成21年(2009年)1月から平成26年(2014年)2月までの売上高は、店舗だけでも108億円であり(甲27)、平成26年(2014年)3月から平成27年(2015年)2月までの売上高は30億円以上であり(甲28)、この売上高からも引用商標2が申立人の業務に係る商品(申立人商品2)を表すものとして、需要者の間に広く知られていたことが明らかである旨主張する。
しかし、甲第27号証及び甲第28号証は、作成者不詳のリストであって、その記載内容を客観的に立証する資料は何ら提出されていないし、申立人商品2の我が国における市場占有率(シェア)、売上高や売上数、外国における広告宣伝の回数、内容などは明らかでない。
(4)上記(2)及び(3)によれば、申立人が引用商標を使用して、申立人商品1及び2を取り扱っていることをうかがい知ることができるものの、これからは、引用商標を使用した申立人商品1及び2について、我が国及び外国において、どの程度の広告宣伝がされ、どの程度の売上高やシェアがあるのか等、具体的な取引内容を把握することができず、引用商標が我が国及び外国で周知性を獲得していたということができない。
(5)したがって、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(申立人商品1及び2)を表すものとして、我が国及び外国における需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(申立人商品1及び2)を表すものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。
また、上記1の認定によれば、商標権者が、本件商標をその指定商品について使用したとしても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、類似の商標であるとしても、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(申立人商品1及び2)を表すものとして我が国及び外国における需要者の間に広く認識されていたものと認められないものであるから、引用商標が需要者の間に広く認識されていた商標であることを前提に、本件商標は不正の利益を得る目的をもって使用されるとする申立人の主張は、その前提を欠くものである。
そうすると、本件商標は、引用商標の周知著名性へのただ乗りをし、不正の利益を得る目的等、不正の目的をもって使用されるものであるということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標を登録出願した行為は、顧客吸引力や信用が蓄積している申立人所有の引用商標を盗用し、不正な利益を得る目的あるいは申立人に損害を与える目的をもってされたものである旨主張している。
しかし、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において申立人の業務に係る商品(申立人商品1及び2)を表すものとして、我が国及び外国において需要者の間で広く認識されていたものと認められないものであり、また、申立人の提出した証拠からは、具体的に本件商標権者が申立人の事業を妨害し、不正の目的があることを裏付ける証拠は見いだすことができない。
してみると、本件商標は、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、その登録を維持することが商標法の予定する秩序に反し、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標」に該当するとまではいえないものである。
なお、申立人は、過去の審決例を引用し、本件においても、偶然一致したものとは認め難く、その存在を知り得て、本件商標を採択し登録出願したものと優に推認できるから、公の秩序を害するおそれがあるものである旨主張している。
確かに、本件商標と引用商標とがほぼ同一に近い構成態様のものであること、及び、本件商標権者と申立人が同様の商品を取り扱っていることが認められる。
しかし、それらの事実のみによって、本件商標権者による本件商標の登録出願の経緯に、著しく社会的妥当性を欠くものであると断定することはできないものである。
また、本件商標権者は、本件商標を平成28年9月2日に商標登録出願し、同29年3月17日に商標権の設定の登録を受けたものであるところ、申立人の主張によれば、申立人が引用商標2を申立人商品2について使用開始したのは、平成21年頃からであって、この間、申立人が引用商標2について、商標登録出願をしない特段の事情は何ら認められないものである。
してみると、申立人は、引用商標2の使用開始にあたって、その商標を自ら登録出願する機会は十分にあったというべきであって、自ら登録出願しなかった責めを本件商標権者に求めるべき事情を見いだすこともできない。
さらに、本件商標は、その構成自体が、非道徳的、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるようなものではなく、その構成自体がそのようなものでなくとも、それを指定商品に使用することが社会公共の利益に反し社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。
また、本件商標は、他の法律によりその使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものいえない。
そうすると、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
本件商標(登録第5933440号商標)



別掲2
引用商標1(登録第5069804号商標)



別掲3
引用商標2





異議決定日 2017-09-28 
出願番号 商願2016-96400(T2016-96400) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W0514)
T 1 651・ 25- Y (W0514)
T 1 651・ 222- Y (W0514)
T 1 651・ 271- Y (W0514)
最終処分 維持 
前審関与審査官 白鳥 幹周 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 尾茂 康雄
原田 信彦
登録日 2017-03-17 
登録番号 商標登録第5933440号(T5933440) 
権利者 株式会社永山
商標の称呼 ドクタービイケイ、ドクタープラスビイケイ 
代理人 特許業務法人英和特許事務所 
代理人 松本 幸太 
代理人 松村 達紀 
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