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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0914242541
審判 全部申立て  登録を維持 W0914242541
審判 全部申立て  登録を維持 W0914242541
管理番号 1333427 
異議申立番号 異議2017-900043 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-13 
確定日 2017-10-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5895161号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5895161号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5895161号商標(以下「本件商標」という。)は,「Mrs. GREEN APPLE」の文字を標準文字で表してなり,平成27年8月31日に登録出願,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電気又は電子楽器用フェイザー,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」,第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製トイレットシートカバー」,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる音楽の提供(ダウンロードできないものに限る。),運動用具の貸与」を指定商品及び指定役務として,平成28年8月12日に登録査定,同年11月11日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同項第15号及び同法第3条第1項第3号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。なお,甲号証において,枝番号を有するもので,枝番号のすべてを引用する場合は,枝番号の記載を省略する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第15号について
(1)Apple Inc.との関係について
米国カリフォルニア州に本社を置くApple Inc.(以下「アップル社」という。)は,「iMac」,「MacBook」等のパーソナルコンピュータ,スマートフォン「iPhone」,デジタルオーディオプレーヤー「iPod」,タブレット型コンピュータ「iPad」,腕時計型携帯情報端末「Apple Watch」等の製造販売,「AppStore」にてコンピュータアプリケーションソフトウェアの販売を行っているほか,音楽・映像配信サービス「iTunes Store」,「Apple Music」等を提供する米国法人である。
アップル社は,「世界の最も価値あるブランドランキング」で首位を獲得するなど,高い知名度を誇り,当該ランキングにおいては,2011年から6年連続で首位の座を維持している(甲1)。また,アップル社の商標「APPLE」は周知・著名商標として登録されている(登録第1758671号,登録第3286569号)(甲2)。
アップル社は,コンピュータ分野における成功によって著名であることは,明白な事実で,音楽分野においても大きな影響力を有している。
アップル社は,2001年10月にデジタルオーディオプレーヤー「iPod」の販売を開始し,現在では「iPod touch」,「iPod nano」,「iPod shuffle」の3機種を販売している(甲3)。音楽のための機器としてヘッドホンやイヤホン,スピーカーも販売しており(甲4),「AirPods」,「Beats」は高い人気を有している。楽曲自体についても,「Apple Music」(甲5)及び「iTunes」(甲6)を提供し,音楽の配信・提供サービスを行っている。なかでも「Apple Music」は定額制の音楽配信サービスとしては高い人気を博している(甲7)。また,「iTunes」についても2016年の口コミ音楽ダウンロードランキングで第1位を獲得している(甲8)。さらに,音楽ライブイベントについても「Apple Music Festival」として提供している(甲9)。
このように,アップル社は,音楽コンテンツ,プラットフォームそして再生機器等を取り扱っており,需要者に広く認識されていることは明らかで,アップル社の著名商標「APPLE」は音楽分野においても周知著名であるといえる。
(2)混同の判断について
本件商標「Mrs. GREEN APPLE」は,その構成中にアップル社の著名商標「APPLE」の文字を一部に有している。本件商標中の「APPLE」の語は既成語の一部とはなっていない。また,本件商標の指定商品及び指定役務は,いずれも出願人の事業に関連するもので,とりわけ,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」,第14類「時計」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・製作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる音楽の提供(ダウンロードできないものに限る。)」の商品及び役務について高い関連性がある。
(3)出所混同の考慮事項
本件商標が使用されると,出所の混同が生じるおそれや,アップル社から公認を受けているとの誤認あるいは,同社の周知・著名な商標「APPLE」の希釈化汚染化が生じるおそれがある。
本件商標「Mrs. GREEN APPLE」中の「Mrs.」は女性の敬称であり,敬称自体に独占適用性はない。また,「GREEN」は色彩を示す語でこの語も識別力はない。そうすると,本件商標の要部は「APPLE」部分となり,本件商標とアップル社の著名商標「APPLE」とは類似の関係にある。
アップル社の商標「APPLE」が著名であることは前述のとおりであり,本件商標「Mrs. GREEN APPLE」は造語ではなく,標準文字であるため,構成上の顕著な特徴は有していない。そして,アップル社の商標「APPLE」は著名なハウスマークである。
アップル社はコンピュータの分野以外にも様々な事業分野で商品展開しており,アップル社本社では,コンピュータ関連製品のほか,マグカップやTシャツ,文房具等が販売され(甲10),多角経営の可能性は十分あるから,商品等の関連性は十分にある。
アップル社の商品と本件商標の指定商品は関連性があるので,需要者の共通性は当然にある。また,アップル社は音楽分野に力を注いでいるため,本件商標がバンド名として使用された場合や,その販促商品として使用された場合には,アップル社が公認したバンドのごとき印象を受け,また,バンド名と認識しない需要者は,アップル社の関連商品と誤認を生じてしまうおそれがあることは明白である。
(4)本件商標の構成にアップル社の著名商標「APPLE」が含まれており,本件商標が使用されると,同社を連想させ混同が生じるおそれがある。また,本件商標は,世界的に有名なロックバンド「ザ・ビートルズ」ないしそのレコード会社(Apple Corps SA,以下「アップルコア社」という。)によって長年使用されてきた緑色のりんごと,共通の称呼及び観念が生じるため,同社を連想させるおそれがある。
本件商標に接した需要者は,アップル社又はビートルズ若しくはアップルコア社と経済的又は組織的な関係がある者,あるいはこれらから公式の許可を受けた者にかかる商品又は役務であると誤認するおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 商標法第4条第1項第7号について
登録第990000号商標,登録第号1509661号商標及び登録第1509662号商標のりんごの図形に係る商標は,アップルコア社が所有していたもので,アップル社が現在所有している。このアップルコア社は,英国の著名音楽バンド「ザ・ビートルズ」によって1968年に設立された法人である(甲11)。アップルコア社は緑色のりんごをそのシンボルマークとしており(甲12),「Apple Corps」(アップルコア)でインターネットの図形検索を行っても緑色のりんごが多く表示される(甲13)。アップルコア社は,多角経営(エレクトロニクス,映画,出版,レコード,小売業)を行ってきたが,その中でも重要な部門としてApple Recordsが存在し,現在でも緑色のりんごのロゴを使用している。
アップルコア社の緑色のりんごは,「ザ・ビートルズ」のレコードやCD等に多く用いられている(甲14)。「ザ・ビートルズ」は世界的に有名なロックバンドで,日本国内においても良く知られており,その人気は依然,非常に高い(甲15)。「ザ・ビートルズ」と緑色のりんごでインターネットの画像検索をすると,その関連性の深さが理解できる(甲16)。したがって,緑色のりんごといえば,音楽業界ではアップルコア社あるいは「ザ・ビートルズ」を想起させるものである。
本件商標は,「Mrs. GREEN APPLE」からなり,付記的な「Mrs」を除いた部分はまさに,緑色のりんごを意味する「GREEN APPLE」であり,本件商標が使用されると,英国の著名音楽バンド「ザ・ビートルズ」の尊厳を損ない,英国民の他世界中の「ザ・ビートルズ」のファンの感情を著しく傷つけるものである。よって,本件商標の登録は公序良俗に反するものであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。
3 商標法第3条第1項第3号について
本件商標の指定商品には,音楽又は音楽に関する映像を内容とする商品及び役務が含まれている。第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」については,本件商標は,バンド名であると認識されるために商品の内容を単に表示するにすぎない。また,第41類「映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる音楽の提供(ダウンロードできないものに限る。)」についても,バンド名はその楽曲や映像の内容を示すにすぎない。
よって,本件商標は,これら商品及び役務との関係では,識別力がないものであるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
本件商標は,「Mrs. GREEN APPLE」の文字を標準文字で表してなるものである。本件商標を構成する「Mrs.」,「GREEN」及び「APPLE」の各文字は,それぞれの文字間に1文字分の空白を設けて,同じ書体,同じ大きさで一連に表されているところ,最初の「Mrs.」の文字部分は,「…夫人,さん」の意味を有し,既婚女性の姓又は姓名に冠する敬称を表す英語として広く知られていることからすれば,一般的には,これに続く「GREEN APPLE」の文字部分全体を冠しているものと理解,認識するのが通常であるといえるから,商標全体として「ミセスグリーンアップル」の称呼及び「グリーンアップル夫人」の観念を生じる語として常に一体のものとして把握されるとみるのが相当である。
申立人は,本件商標は「Mrs. GREEN APPLE」の名称のバンド名を表したものと認識されるから,本件商標の指定商品及び指定役務中,第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」については,商品の内容を単に表示するにすぎず,また,第41類「映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる音楽の提供(ダウンロードできないものに限る。)」についても,その楽曲や映像の内容を示すにすぎない旨主張するが,上記のとおり,本件商標は,一般的には,「ミセスグリーンアップル」の称呼及び「グリーンアップル夫人」の観念を生じるものと認められるところ,たとえ,これが特定のバンド名を表すものであったとしても,本件商標の登録査定時において,そのことが上記指定商品及び指定役務の需要者の間で広く認識されていると認めるに足りる証拠を申立人は提出していない。
そうすると,本件商標は,これを上記指定商品及び指定役務に使用しても,これが商品及び役務の特定の内容を表示したものと直ちに理解,認識されるものとはいい得ないというのが相当であるから,商品の品質及び役務の質を表示したものとはいえない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)申立人は,「APPLE」の欧文字からなる標章(以下「使用標章1」という。)及びアップルコア社の使用する青りんごを写実的に表した図形からなる標章(以下「使用標章2」という。)を引用して,本件商標は,その構成中に「APPLE」の欧文字を有すること,また,「グリーンアップル」の称呼及び「青りんご」の観念を生ずることから,これをその指定商品及び指定役務について使用するときは,申立人又はアップルコア社の出所につき混同を生ずるおそれがある旨主張するので,以下,検討する。
(2)使用標章1の周知性
ア 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。
(ア)「Appliv TOPICS」による音楽配信サービスの人気ランキングによれば,「メインで利用している定額制音楽配信サービス」の項では,利用者数は,調査期間である2016年(平成28年)4月11日から13日においては,「LINE MUSIC」に続いて,「Apple Music」が2位であり,他の3社を含めた上位5社で過半数を占めている(甲7の1)。また,「LIFE SAVER」による「音楽配信サービスのおすすめ人気ランキング7選」によれば,音楽配信サービスでおすすめのものとして「Apple Music」が1位として紹介されている(甲7の2)。さらに,ICT総研の平成29年2月8日付けの「2017年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」によれば,平成28年末時点で日本国内の定額制音楽配信サービスの利用者数は約1,420万人であり,4,413人に対するWebアンケート調査の結果,定額性音楽配信サービスの利用者は810人であり,そのうち298人(複数回答あり。約37%)が「Apple Music」を利用していると回答し,その人数は多くの社が提供する定額性音楽配信サービスで1位であることが記載されている(甲7の3)。
(イ)「クチコミランキング!」による「音楽ダウンロード」によれば,申立人が運営する音楽ダウンロードサイト「iTunes Music Store」は,「米国でスタートし,インターネットでの音楽ダウンロードをメジャーにした草分け的存在。」と記載され,ランキング1位として紹介されている(甲8)。
(ウ) 上記(ア)及び(イ)によれば,「Apple Music」の標章は,申立人の業務に係る音楽配信サービスを表示する標章として,また,「iTunes Music Store」の標章は,申立人が運営する音楽ダウンロード・サービスを表示する標章として使用され,需要者の間にも広く認識されていたものと認められる。しかしながら,当該音楽配信サービス及び音楽ダウンロード・サービスにおいて,同サービス名を「APPLE」と略称して使用されていることは,提出された全証拠によってもうかがえない。そうすると,使用標章1は,申立人又は申立人が提供する音楽配信サービス及び音楽ダウンロード・サービスを表示する語として,需要者の間に広く認識されているとは認められない。
イ 使用標章1は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ関連分野をはじめとする関連商品や携帯型デジタル音楽ブレーヤーを表示する標章として取引者,需要者の間に広く認識されていたものであることは,当庁において顕著な事実である。
ウ 以上よりすれば,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使用標章1は,申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ関連分野をはじめとする関連商品や携帯型デジタル音楽ブレーヤーを表示する標章として需要者の間に広く認識されているものと認められるものの,音楽配信サービス及び音楽ダウンロード・サービスの分野において需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
(3)使用標章2の周知性
申立人の提出した証拠(甲11?16)によれば,アップルコア社は,イギリスのロックバンド,ザ・ビートルズによって設立された会社であり,同社は,使用標章2を,「Apple Corps」,「THE BEATLES」などの文字とともに,同社又は同社が関連した製品のロゴとして表示することもあることがうかがえるとしても,使用標章2のみでレコードやCDなどの出所識別標識として使用されている実態や,それらの販売や広告宣伝の実績などは把握できない。
そのため,使用標章2は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国において,アップルコア社の使用する商標として,需要者の間に広く認識されているとは認めることはできない。
(4)本件商標と使用標章1及び2との類否
ア 本件商標
本件商標は,「Mrs. GREEN APPLE」の文字を標準文字で表してなるところ,上記1のとおり,一般的には,構成全体として「ミセスグリーンアップル」の称呼及び「グリーンアップル夫人」の観念を生じる語として常に一体のものとして把握されるとみるのが相当である。
イ 使用標章1
使用標章1は,「APPLE」の欧文字を書してなるところ,その構成文字に相応して「アップル」の称呼及び「りんご」の観念を生ずるものである。また,「APPLE」の文字は,特にパーソナルコンピュータ関連分野をはじめとする関連商品や携帯型デジタル音楽プレーヤーにおいて周知・著名なものと認められ,申立人の標章「APPLE」の観念を生ずるものといえる。
ウ 使用標章2
使用標章2は,青りんごを写実的に表した図形と認識されるとみるのが相当であって,当該図形部分からは,「アオリンゴ」の称呼及び「青りんご」の観念を生じるというのが相当である。
エ 本件商標と使用標章1との類否について
本件商標と使用標章1とは,上記ア及びイのとおり,構成文字が相違するから,外観上明らかに区別し得るものである。そして,本件商標より生じる「ミセスグリーンアップル」の称呼と使用標章1より生じる「アップル」の称呼とを比較すると,両者は,音構成,構成音数に顕著な差異を有するものであるから,称呼上明らかに区別し得るものである。さらに,本件商標は,「グリーンアップル夫人」の観念を生じるのに対し,使用標章1は,「りんご」又は申立人の商標「APPLE」の観念を生ずるものであるから,両者は観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と使用標章1とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標といわざるを得ない。
オ 本件商標と使用標章2との類否について
本件商標は,「Mrs. GREEN APPLE」の文字からなるものであるのに対し,使用標章2は,上記ウのとおり,青りんごを写実的に表した図形からなるから,外観上,明らかに区別し得るものである。また,本件商標より生ずる「ミセスグリーンアップル」の称呼と使用標章2から生じる「アオリンゴ」の称呼は,音構成,構成音数に顕著な差異を有するものであるから,称呼上明らかに区別し得るものである。さらに,本件商標は,「グリーンアップル夫人」の観念を生じるのに対し,使用標章2は,「青りんご」の観念を生ずるものであるから,両者は観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と使用標章2とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標といわざるを得ない。
(5)出所の混同のおそれについて
上記(2)及び(3)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使用標章1は,申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ関連分野をはじめとする関連商品や携帯型デジタル音楽プレーヤーを表示する商標として取引者,需要者の間に広く認識されていたものであるが,使用標章2は,我が国において,需要者の間に広く認識されている商標とは認めることはできない。
そして,本件商標と使用標章1及び2とは,上記(4)のとおり,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標といえるものであり,本件商標は,その構成中に「APPLE」の欧文字を含むとしても,使用標章1を連想又は想起させるおそれはなく,また,使用標章2を連想又は想起させるものとも認められないから,本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者をして,その商品が申立人若しくはアップルコア社又はこれらと経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係るものであるかのように,商品の出所の誤認混同を生じさせるおそれはないものといえる。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は,上記1のとおり,「Mrs. GREEN APPLE」の文字よりなるものであるから,その構成自体が,非道徳的,卑わい,差別的,きょう激又は他人に不快な印象を与えるような構成態様ではないことは明らかである。
また,本件商標の指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するということもできず,他の法律によってその使用が禁止されているものでもない。
さらに,申立人が提出した証拠及び主張からは,特定の国(英国)若しくはその国民(英国民)や世界中の「ザ・ビートルズ」のファンを侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合に当たるといえない。
加えて,本件商標の登録出願の経緯が,社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に当たるともいえない。
その他,本件商標が,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とみるべき理由があると認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-09-21 
出願番号 商願2015-83827(T2015-83827) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W0914242541)
T 1 651・ 13- Y (W0914242541)
T 1 651・ 22- Y (W0914242541)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
田村 正明
登録日 2016-11-11 
登録番号 商標登録第5895161号(T5895161) 
権利者 株式会社テアトルアカデミー
商標の称呼 ミセスグリーンアップル、グリーンアップル、アップル 
代理人 鎌田 真理雄 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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