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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W051214161825293032
審判 一部申立て  登録を維持 W051214161825293032
管理番号 1333426 
異議申立番号 異議2017-900030 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-02 
確定日 2017-10-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5893821号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5893821号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5893821号商標(以下「本件商標」という。)は,「アプリモンスターズ」の片仮名を標準文字で表してなり,平成28年4月26日に登録出願,同年9月27日に登録査定され,第3類「かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」,第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳児用粉乳,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」,第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製金具,金属製包装用容器,金属製のネームプレート及び標札,金属製帽子掛けかぎ,金属製工具箱,金属製彫刻」,第8類「ピンセット,組ひも機(手持ち工具に当たるものに限る。),手動利器(「刀剣」を除く。),手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器,スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット,水中ナイフ,水中ナイフ保持具」,第9類「携帯電話用ストラップ,電気通信機械器具,コンピュータ用ゲームプログラム,移動体電話機用ゲームプログラム,ダウンロード可能なゲームプログラム,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,眼鏡,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し保存することができる画像ファイル,インターネットを利用して受信し保存することができる動画ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,ダウンロード可能な電子出版物,電子出版物」,第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,乳母車」,第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」,第15類「調律機,楽器,楽譜台,指揮棒,音さ」,第16類「紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」,第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,革ひも」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,うちわ,扇子,買物かご,家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,日よけ,揺りかご,幼児用歩行器,額縁」,第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),食器類,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,調理用具,アイスペール,こしょう入れ,砂糖入れ,ざる,塩振り出し容器,しゃもじ,じょうご,ストロー,膳,栓抜,卵立て,タルト取り分け用へら,ナプキンホルダー,ナプキンリング,鍋敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,ようじ,ようじ入れ,清掃用具及び洗濯用具,貯金箱,お守り,おみくじ」,第24類「織物(「畳べり地」を除く。),メリヤス生地,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,ふきん,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳」,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」,第26類「テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」,第27類「洗い場用マット,畳類,敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),人工芝,体操用マット,壁紙」,第28類「遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,トレーディングカードゲーム用カード,その他の遊戯用カード,ぱちんこ器具,ぱちんこ式スロットマシン,その他の遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,昆虫採集用具」,第29類「乳製品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,豆」,第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,みそ,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」,第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」,第35類「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,通信ネットワークを介した商品の販売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータデータベースへの情報構築,広告用具の貸与」,第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行場の座席の手配,映写フィルムの貸与,オンラインによる映画の映像・画像・音声・文字情報の提供,オンラインによるゲームの提供,オンラインによるカラオケ映像の提供,通信によるゲームの提供に関する情報の提供,通信による娯楽に関する情報の提供,娯楽施設の提供」及び第42類「建築物の設計,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータサイトのホスティング,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,インターネットにおけるチャットルーム用サーバの記憶領域の貸与又はこれに関する情報の提供,コンピュータ通信ネットワークを介した電子掲示板・電子会議室・チャットルーム用のサーバのエリア貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与」を指定商品及び指定役務として,同年11月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の45件の登録商標(以下1から45までを順次「引用商標1」から「引用商標45」という。)であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5379390号商標:MONSTER(標準文字)
2 登録第5792086号商標:MONSTER(標準文字)
3 登録第5057229号商標:別掲1
4 国際登録第1048069号商標:別掲2
5 登録第5689430号商標:別掲2
6 登録第5939477号商標:別掲3
7 登録第5730813号商標:別掲4
8 登録第5010968号商標:M MONSTER ENERGY(標準文字)
9 登録第5431413号商標:別掲5
10 登録第5788675号商標:別掲5
11 登録第5393681号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
12 登録第5788676号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
13 登録第5844119号商標:MONSTER ENERGY(標準文字)
14 登録第5495941号商標:MONSTER KHAOS ENERGY + JUICE(標準文字)
15 登録第5769176号商標:MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO(標準文字)
16 登録第5419513号商標:別掲6
17 登録第5757485号商標:COFFEE MONSTER(標準文字)
18 登録第5715016号商標:MONSTER ENERGY ULTRA(標準文字)
19 登録第5844163号商標:別掲7
20 登録第5394526号商標:別掲8
21 登録第5442171号商標:MONSTER ENERGY PINK(標準文字)
22 登録第5417815号商標:MONSTER ENERGY AGENT ORANGE(標準文字)
23 登録第5527566号商標:MONSTER DETOX(標準文字)
24 登録第5476620号商標:MONSTER REHAB(標準文字)
25 登録第5490798号商標:MONSTER RECOVERY(標準文字)
26 登録第5497766号商標:MONSTER UNLEADED(標準文字)
27 登録第5451361号商標:MONSTER PUMPED(標準文字)
28 登録第5480373号商標:MONSTER BIOACTIVATED(標準文字)
29 登録第5527567号商標:MONSTER REHABITUATE(標準文字)
30 登録第5417770号商標:MONSTER LO-CARB(標準文字)
31 登録第5375090号商標:PROTEIN MONSTER(標準文字)
32 登録第5327467号商標:MUSCLE MONSTER(標準文字)
33 登録第5409580号商標:MONSTER RIPPER(標準文字)
34 登録第5409582号商標:MONSTER BLACK(標準文字)
35 登録第5419507号商標:MONSTER DOUBLE BLACK(標準文字)
36 登録第5409583号商標:MONSTER GIRL(標準文字)
37 登録第5542584号商標:MONSTER CUBA-LIMA(標準文字)
38 登録第5043703号商標:JAVA MONSTER(標準文字)
39 登録第5431412号商標:JAVA MONSTER(標準文字)
40 登録第5741128号商標:JAVA MONSTER
41 登録第5644854号商標:MONSTER SUPERNATURAL(標準文字)
42 登録第5423080号商標:LOCA MOCA JAVA MONSTER(標準文字)
43 登録第5389881号商標:X-PRESSO MONSTER(標準文字)
44 登録第5613400号商標:MONSTER THRILLER(標準文字)
45 登録第5894149号商標:MONSTER ARMY(標準文字)

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品中,第5類,第12類,第14類,第16類,第18類,第25類,第29類,第30類及び第32類の商品(以下「本件異議申立てに係る指定商品」という。)について,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第333号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人の使用に係る商標の著名性
(1)申立人による商標「MONSTER」の使用
申立人は,1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり,2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し,米国で同年3月から広告宣伝を開始し,同年4月から製造販売を開始した(甲4,7,18,58)。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドの各種エナジードリンクは,従来の清涼飲料製品の容器とは異なる黒色ベースのドリンク缶にモンスター(MONSTER)の爪を形取ったロゴマーク(引用商標9及び10に示す図形。以下「爪の図柄」という。)と独特のロゴデザインの太字で大きく顕著に「MONSTER」の文字を表示してなり,野性味あふれる独特な雰囲気が経済・ビジネス界でも注目を浴び(甲56?58),男性若者層を中心にたちまち人気商品となった。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドの各種エナジードリンクには,2002年の発売開始以降,現在までの長年にわたり継続して,「MONSTER」の文字を基調とする様々な商標(以下,これらを総称して「『MONSTER』ファミリー商標」という。)が製品名として使用されており,特徴的なロゴデザインの太字で,缶の正面中央に「MONSTER」の文字が顕著に表示されている。
(2)広告・マーケティング及び販売促進活動
申立人は,2002年から現在まで,全世界における「MONSTER」エナジーブランドのエナジードリンクに関する広告,マーケティング及び販売促進活動費として総額30億米ドルを超える費用を支出した(甲58)。その販売促進活動の内容は,世界の有名アスリート・レーシングチーム及び競技会,アマチュア選手,音楽祭及びミュージシャン,米国ラスベガスの公共機関モノレールに対する支援活動(スポンサー提供),並びに販売店用什器及び備品の供給である(甲58)。そこでは,看板やユニフォーム,備品,ビデオクリップなどに,特徴的なデザインの文字で表示した「MONSTER」の文字,爪の図柄,又は「MONSTER」の文字と「ENERGY」の文字を組み合わせたロゴマークが表示されている。
このようなMONSTERブランドマークを用いた世界の著名アスリート及びチームに対するスポンサー活動は,申立人自らが発信する情報のみならず,スポンサー提供を受けるアスリートたちが運営するホームページやブログ,有名経済ビジネス誌,一般の報道ニュース,スポーツファンのホームページなどを通じて,日本国内の一般消費者にも発信,紹介されている(甲34?45,52,53,56,57)。
(3)日本国内の販売実績,広告・マーケティング及び販売促進活動
日本国内では「MONSTER ENERGY」ブランドのエナジードリンクの販売は,アサヒ飲料株式会社を通じてなされており,2012年5月8日から,2種類のエナジードリンク「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー)及び「MONSTER KHAOS」(モンスターカオス)の販売が開始された(甲5?7,12,14,58)。
当該商品(エナジードリンク)は,その発売直後から日本国内でもたちまち人気商品となり,2012年9月時点で既に年間売上目標の100万箱を突破し(甲8,65?67),その後も好調に売上を伸ばして157万箱の売上を記録した(甲9,65?67)。
さらに,次々に新製品が発売され,「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー),「MONSTER KHAOS」(モンスターカオス),「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」(モンスターアブソリュートリーゼロ),「MONSTER ENERGY M3」(モンスターエナジー M3),「MONSTER COFFEE」(モンスターコーヒー)及び「MONSTER ENERGY ULTRA」(モンスターウルトラ)などのエナジードリンクが国内で流通している(甲5?7,10,12?15,59?62,101?103,118)。
これらの商品は,日本全国のコンビニエンスストア,自動販売機,キオスク,スーパーマーケット,列車の売店,会員制スーパー,店舗,ゲームセンター,ドラッグストア及びホームセンター等のほか,通販サイトからも直接購入可能である(甲11?17,58,61,62,72)。
2012年5月の販売開始から2015年6月30日までに,申立人は国内で約2億3,600万缶の「MONSTER」エナジードリンクを販売した。上記期間の総販売額は1億7,500万米ドル以上,日本円で170億円以上である(甲58)。
また,国内発売直後から継続的にテレビコマーシャル放映,日本開催の多数のスポーツイベント等へのスポンサー提供,サンプル配布などを含む大々的な宣伝広告活動が実施されている(甲58)。
(4)全世界の販売国・地域及び販売額
申立人は,現在までに全世界100以上の国及び地域で「MONSTER」ファミリー商標を使用した「MONSTER」エナジードリンクを販売し,又は販売中である。
申立人のエナジードリンクは,2002年(平成14年)に米国で販売開始以来,130億缶以上販売し,世界中で毎年30億缶以上を売上げ,全世界で総額240億米ドルを超える収益を上げており,全世界での小売販売額は毎年60億米ドルを超え,申立人の全売上額の92%以上を占める(甲58)。申立人の年間総販売額は,23.7億米ドル(2012年度),25.9億米ドル(2013年度),28.3億米ドル(2014年度)で,エナジードリンクの売上げは,年間総純売上に対して,それぞれ95.4%,95.6%,96.1%を占める。
申立人の「MONSTER ENERGY」ブランドは,販売量において,米国で最も売れ,また,世界第2位のエナジードリンクである。「MONSTER」エナジードリンクは,現在米国におけるエナジードリンク市場の36.8%のシェアを占め,その販売量において全世界で最も高成長を遂げた主要ブランドの地位を維持している。
(5)アパレル製品,ビデオゲーム製品等の販売
2002年から現在まで,申立人は,MONSTERブランドマークを付したアパレル製品等の商品化を第三者に許諾しており,それら商品が多数のライセンシーにより製造,販売されており,一般消費者の高い人気を獲得している。当該ライセンス商品は,現在,日本及びアジア全域,オーストラリア,米国,カナダ,中央アメリカ,南米,ヨーロッパ,アイスランド,スカンジナビア及びメキシコを含む世界各地で販売中である(甲58)。MONSTERブランドマークが付された被服,運動用特殊衣服,運動用ヘルメット,ステッカー,リュックサック等は,日本国内でも人気の高い商品であり,インターネットの通信販売業者により日本国内でも輸入販売されている(甲47,48)。
また,申立人は,ビデオゲーム制作販売会社と提携関係を結んだ販売促進活動も展開しており,MONSTERブランドマークは,ビデオゲーム製品の中で使用されている(甲58)。
(6)その他,申立人は,経済界等からの数々の表彰を受けるとともに,ウェブサイト及びソーシャルメディアによる情報発信,商標登録によるブランド保護,国内における申立人商標のライセンス商品の販売や模倣品の水際取締り,スポーツイベントやプロモーションキャンペーン等も行っている。
(7)営業及び広告における「MONSTER」及び「モンスター」の文字の使用
「MONSTER」ライセンス商品には,「MONSTER」又は「Monster」の文字を表示して販売及び宣伝広告がなされている。
加えて,申立人による営業及び販売促進活動全般において,申立人又は申立人の取り扱いに係るエナジードリンク等の商品表示のため,「MONSTER」及びその表音である「モンスター」の文字が単独で繰り返し用いられている。
(8)以上の事実に照らせば,申立人の使用に係る「MONSTER」は,本件商標の登録出願日前より,申立人の業務に係る商品及び役務を表示する出所識別標識として,本国米国をはじめとする外国で広く認識されていたものであり,また,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,日本国内の取引者及び需要者においても,「MONSTER」及びその音訳「モンスター」が,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く認識されていたことが明らかである。
2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標と申立人の使用に係る商標「MONSTER」(モンスター)の類似
ア 本件商標について
本件商標は,標準文字の片仮名で「アプリモンスターズ」と横書きしてなるところ,「アプリ」の文字は「アプリケーションソフトウェア」を意味する略語として一般に使用されており(甲331?333),「モンスターズ」の文字は,外来語の「モンスター」(MONSTER)として国民一般に広く親しまれていることから(甲329,330),「モンスター」(MONSTER)の語の複数形を表示したものと容易に看取されるもので,本件商標は「アプリ」と「モンスターズ」の2語を結合したものと認識,理解される。
本件商標は,全体で9音の構成よりなり,外観及び称呼もコンパクトにまとまっているとはいい難く,構成全体としても辞書等に掲載されている成語ではなく,熟語的な観念を生じるものではないため,観念上不可分一体の標識として把握すべき理由もない。
したがって,本件商標は,構成文字全体として,必ずしも常に一体的に把握されるものとはいえず,本件商標の構成中「モンスターズ」の文字部分が,外来語「モンスター」の複数形を直感させ,その構成中「アプリ」の文字部分と比較した場合,老若男女を問わずその意味を直ちに理解できて容易に覚えられる語であることよりすれば,本件商標に接する需要者,取引者は,「モンスターズ」の文字部分に着目して,本件異議申立てに係る指定商品の出所を認識,記憶するというのが自然である。
よって,本件商標が,本件異議申立てに係る指定商品に使用された場合,「モンスターズ」の文字部分が当該商品の出所識別標識として強く支配的な印象を,需要者,取引者に与えるものである。
イ 本件商標と申立人の使用に係る商標「MONSTER」(モンスター)の比較
本件商標の構成中「モンスターズ」の文字部分と,申立人の使用に係る「MONSTER」及びその音訳「モンスター」(以下「申立人商標」という。)を比較すると,その実質的な差異は,語尾における複数形を示す「s」の文字に相応する「ズ」の音の有無のみであり,この違いにより明瞭に区別できず,外観及び称呼ともに類似する。
また,本件商標の「モンスターズ」の文字部分からは,「モンスター(複数形)」の観念が生じ,申立人の使用に係る「MONSTER」(モンスター)からは「モンスター(単数形)」の観念が生じるが,このような複数形と単数形の相違によって明確に区別することはできないため,両者は「モンスター」という親しまれた観念を直感させる。
よって,本件商標と申立人の使用に係る商標「MONSTER」(モンスター)は,それぞれ「モンスターズ」の文字と「MONSTER」の文字が出所識別標識として看者に強く印象づけるものであり,その類似性の程度が高い。
(2)商品の類似
本件異議申立てに係る指定商品は,申立人及びその商標ライセンシーの商品である「エナジードリンク」及び多様なライセンス商品と,同一若しくは類似の商品,又は関連性が密接な商品を多く含む。
ア 本件商標の第32類の指定商品は,申立人の使用に係る商品「エナジードリンク」と同一又は類似である。
イ 本件商標の第5類の指定商品は,申立人の取り扱いに係る商品「エナジードリンク」と同種の目的(栄養補給)で接種されることも少なくない,栄養補給剤(薬剤)を含む。
ウ 本件商標の第29類及び第30類の指定商品は,一般消費者がスーパー,食料品店,コンビニなどで日常的に購入する飲料製品及び加工食品であり,申立人の取り扱いに係る商品「エナジードリンク」と関連性が強い。
特に,本件商標の指定商品中,第30類「茶,コーヒー,ココア」は,アルコール分を含有しない飲料であって,一般の消費者がティータイム,休憩時のリラックス,水分補給,健康の維持増進という目的で購入,摂取する飲料である点で,申立人が「MONSTER」及び「モンスター」を使用している商品「エナジードリンク」と,製造部門,販売部門,原材料,用途,需要者層が一致又は重複する。
エ 本件商標の指定商品中,第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」は加工食品であり,一般に,軽食,スナック,おやつ,デザートなどの用途で購入,消費されるものであり,申立人の取り扱いに係る商品「エナジードリンク」と同一店舗内の近接する売場で販売され,消費者が同時に購入又は消費することも多い。
オ 本件商標の指定商品中,第12類,第14類,第16類,第18類及び第25類の商品は,申立人のライセンシーの製造販売に係る,MONSTERブランドマークを付したライセンス商品,及び申立人のエナジードリンクの販売促進用キャンペーンで一般消費者に提供されている様々な「MONSTER」グッズと同一又は類似の商品を含む。
(3)本件異議申立てに係る指定商品は,主に一般消費者を最終的な需要者とするものであり,その需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
(4)本件商標の登録出願時及び登録査定時には,「MONSTER」(モンスター)は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,需要者,取引者の間で広く認識されていた。
(5)以上を総合すれば,本件商標が,本件異議申立てに係る指定商品に使用された場合,これに接する取引者又は需要者は,申立人の使用に係る商標「MONSTER」(モンスター)及び申立人会社を直感し,当該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者(例えば,申立人商標を使用許諾されているライセンシー)の取り扱いに係るものであると誤信し,その出所について混同を生じるおそれが高い。
加えて,申立人の使用に係る標識「MONSTER」(モンスター)と類似性の程度が高い本件商標が,申立人と何ら経済的又は組織的な関係を有しない本件商標権者によって使用されれば,申立人による継続的使用と営業努力によって,申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として広く認識されるに至った「MONSTER」(モンスター)の強力な出所識別力希釈化するおそれがあり,また,申立人の獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する商標である。
3 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標が使用された場合,申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」(モンスター)の出所識別力希釈化するおそれが高いものであり,また,本件商標の使用は,申立人が獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ず,申立人に経済的及び精神的損害を与える。
したがって,本件商標は,社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり,公の秩序を害するおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する商標である。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人の使用に係る「MONSTER」及び「モンスター」の商標(以下「申立人商標」という。)の周知性について
ア 証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(ア)申立人であるモンスター エナジー カンパニー(Monster Energy Company)は,元々は1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり,2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し,米国において発売開始した(甲7)。
(イ)申立人のエナジードリンク(以下「申立人商品」という。)は,日本においては,2012年5月8日から,「Monster Energy」(モンスターエナジー)及び「Monster KHAOS」(モンスターカオス)が発売開始され(甲7,8),その後,2013年5月7日から「モンスター アブソリュートリー ゼロ」(甲10),2014年8月19日から「モンスターエナジー M3」(甲59),同年10月7日から「モンスターコーヒー」(甲60),2015年7月21日から「モンスター ウルトラ」(甲101)が発売されている。
(ウ)アサヒ飲料株式会社のニュースリリースによれば,申立人商品の発売及び販売と関連して,「アサヒ飲料 国内独占販売権取得!・・・『Monster Energy(モンスターエナジー)缶355ml』『Monster KHAOS(モンスターカオス)缶355ml』・・・アサヒ飲料株式会社(本社 東京,・・・)は・・・エナジードリンク『モンスターエナジー』ブランドの日本国内における独占販売権を取得しました。」(甲7),「・・・5月8日(火)から新発売したエナジードリンク『モンスターエナジー』ブランドの販売が好調・・・」(甲8),「・・・『モンスター アブソリュートリー ゼロ 缶355ml』・・・本商品は・・・『モンスターエナジー』ブランドの中でも,2番目に人気のあるカテゴリー,ダイエット系エナジーです。・・・」(甲10),「2013年度の『モンスターエナジー』ブランドの販売数量は大変好調であり,『モンスターエナジー』,『モンスターカオス』,『モンスターアブソリュートリーゼロ』の3品で前年比150%となる237万箱を販売し・・・」(甲59),「『モンスターエナジー』ブランドの販売は大変好調に推移しています。・・・本年は・・・『モンスターエナジーM3』,『モンスターコーヒー』をラインナップに追加・・・」(甲60),「『モンスターウルトラ』をラインアップに加えることにより,・・・更に『モンスターエナジー』ブランドの強化を図ってまいります。」(甲101)の記載がある。
(エ)申立人商品の容器の側面には,以下のような表示がある。
a 「Monster Energy(モンスターエナジー)缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字が表されている(甲14,17)。
b 発売当初の「Monster KHAOS(モンスターカオス)缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「KHAOS」の文字,さらにその下には「ENERGY」及び「+果汁」の文字が表されている(甲14,17)。そして,2016年にリニューアル発売された同商品の容器には,上部に「KHAOS」の文字,その下に爪の図柄の図形を配し,下部に「MONSTER」の文字,その下に「ENERGY」の文字が表されている(甲130)。
c 「モンスター アブソリュートリー ゼロ 缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「ABSOLUTELY ZERO」の文字が表されている(甲13)。
d 「モンスターエナジー M3 ワンウェイびん150ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「M-3 SUPER CONCENTRATE」又は「EXTRA STRENGTH」の文字が表されている(甲61,129)。
e 「モンスターコーヒー 缶250g」の容器下部には,「COFFEE」の文字,その下には「MONSTER」の文字,さらにその下には「COFFEE」,「+」及び「ENERGY」の文字が表されている(甲62)。
f 「モンスターウルトラ 缶355ml」の容器下部には,「MONSTER」の文字,その下には「ENERGY」の文字,さらにその下には「ULTRA」の文字が表されている(甲101)。
(オ)申立人商品の販売促進キャンペーン広告中の宣伝文句の中で,申立人商品の写真とともに,「モンスターを飲んで,Tスタンプを貯めてSATANIC CARNIVALに行こう!」(甲63),「モンスターを飲んで,Tスタンプを貯めてMOTOGP日本グランプリでロッシに会おう!」(甲64,69,71),「モンスターの対象商品を2本ご購入につき,くじ付きステッカーをプレゼント!」(甲79),「本場アメリカで大ヒットの『白いモンスター』日本上陸!/『モンスター ウルトラ 缶355ml』7月21日(火)新発売」(甲101),「すっきりなのにヤバイ,白いモンスター登場・・・誰よりも早くモンスターウルトラをゲットしろ!」(甲118),「モンスターを買って・・・ギアを当てろ!」(甲113,132),「モンスターを買って/UFC日本大会を観に行こう!」(甲162)などの表示をしている。
(カ)申立人商品の広告,マーケティング及び販売促進活動と関連して,WRCのチーム名を「MONSTER WORLD RALLY TEAM」(モンスターワールドラリーチーム)(甲42の1?3),ロックバンドを「モンスターバンド」(甲120,235,240),MOTOGPライダー又は鈴鹿8時間耐久ロードレースのライダーを「モンスターライダー」又は「モンスター契約ライダー」(甲168,238,245,247),プロサーファー,スノーボーダー又はスケートボーダーを「モンスターアスリート」又は「モンスター契約アスリート」(甲229,235),申立人商品の販売促進品を「モンスターグッズ」(甲232,242,244)又は「モンスターギア」(甲236)などと指称している。
(キ)申立人商品は,日本において,2012年5月の発売開始以降,2012年末までの約8か月で157万箱販売された(甲9)。
(ク)申立人の最高経営責任者の宣誓供述書(甲58)によれば,申立人商品は,日本において,2012年5月の販売開始から2015年6月30日までの約3年間で,約2億3600万缶の販売,総販売額は1億7500万米ドル以上,日本円で170億円以上であるとされる。
(ケ)当該供述書によれば,申立人は,広告,マーケティング及び販売促進活動のために,全世界では,2002年以来,30億米ドル以上を支出しているが,「モンスター社のマーケティング戦略は,従来の方法とは異なり,MONSTER商標及び爪の図柄を広めるための広告を,直接テレビやラジオで行わない」とされ,広告などの予算の多くは「競技選手への支援及び競技大会やその他イベントへのスポンサー活動」にあてている。特に「主要なターゲットとする若年成人層,主に男性が多くの時間を費やすインターネット上で,ネット配信されるイベント」であり,具体的には,ロードレース世界選手権グランプリ(MotoGP),MotoGPレーシングチーム,F1レーシングチーム,モトクロスチーム,アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC),音楽祭,音楽イベント,ミュージシャン及びビデオゲームチームへのスポンサー活動及び促進活動などである。
ただし,日本では2012年5月及び6月に販売開始を支援するために,主要テレビ局のテレビ広告枠を購入し,視聴者にウェブサイトで更なる情報を得るように促す広告を行い,それに約190万米ドルを支出したとされる。
(コ)甲第129号証(アサヒ飲料株式会社のニュースリリース,2016年3月31日)によれば,申立人商品である「『モンスターエナジーブランド』は・・・ブランド力とファッション性で世界中の若者からの圧倒的な支持を背景に,急成長しているエナジードリンクです。」と紹介され,「エナジードリンク市場は,『モンスターエナジー』などの海外ブランドの浸透により,最近では10代,20代が『炭酸の刺激を楽しみたい』や『気分転換』を目的に飲用する傾向」との記載がある。
イ 上記アの認定事実によれば,申立人商標の使用と関連して,以下のような実情がうかがえる。
(ア)申立人商品は,2012年(平成24年)5月の日本における販売開始以降,その販売額は,約3年間(2012年(平成24年)5月?2015年(平成27年)6月)で約170億円以上とされ,その販売期間は発売から本件商標の登録出願時までは約4年間程度と長期にわたるものではないが,ある程度継続した販売実績があることがうかがえる。
しかし,申立人はテレビなどの一般的なメディアを通じた広告宣伝はそもそも行わない方針であることもあり,テレビCMは,2012年(平成24年)の発売当初の1か月程度の短期間で,その費用も約1億5千万円(190万ドル;80円/ドルで計算)程度のものであり,継続的に行われているスポンサー活動や販売促進キャンペーンも,日本における広告宣伝費は明らかではない。その主な広告宣伝も,主に比較的若い世代が集まるようなモータースポーツ,格闘技,音楽イベントやミュージシャン,ビデオゲームなどと関連したスポンサー活動やプロモーション活動である。また,申立人商品の紹介にあたっても,10代や20代の需要者層における支持が言及されていることからすると,申立人商品の主要な需要者層や,広告などを通じて申立人商品を目にする需要者層の範囲も,自ずと若年層を中心としたものと理解することができる。
(イ)日本で販売されている申立人商品の容器の側面には,文字配置のレイアウトにバリエーションはあるものの,概ね,「MONSTER」の文字の下に「ENERGY」の文字を,比較的近接して配置している。そして,これら申立人商品の個別名称は,「Monster Energy」(モンスターエナジー),「Monster KHAOS」(モンスターカオス),「モンスター アブソリュートリー ゼロ」,「モンスターエナジー M3」,「モンスターコーヒー」及び「モンスター ウルトラ」であるが,これら一連の商品を指称する際は,「モンスターエナジー」ブランドと総称されている。
(ウ)申立人商品の販売促進キャンペーン広告などの宣伝文句の中で,申立人商品を「モンスター」と略称したり,「MONSTER WORLD RALLY TEAM」(モンスターワールドラリーチーム),「Monsterライダー」,「モンスターバンド」,「モンスターアスリート」,「モンスターグッズ」,「モンスターギア」,「モンスターロック」など,申立人又は申立人商品の略称として「MONSTER」又は「モンスター」の語を用いる場合はある。
ウ 上記実情を踏まえると,申立人商品の販売期間は比較的短く,幅広い需要者層が目にする機会の多い一般的なメディアを通じた広告宣伝の実績は乏しいもので,広告宣伝などを通じた商品名の露出も,比較的若年層に向けた活動を通じて行われていることから,申立人商品は,本件商標の登録出願日前までには,その取引者や若い世代を中心とした需要者の間では,ある程度認知されていたということができても,幅広い需要者層を有する清涼飲料の分野一般においては,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
そして,申立人商品は,その容器には「MONSTER」及び「ENERGY」の文字が比較的近接して表示されており,申立人商品は「モンスターエナジー」ブランドと総称されている実情があることも踏まえると,上記の申立人商品の獲得した認知度は,「Monster Energy」(モンスターエナジー)を中心とした「モンスターエナジー」ブランドのエナジードリンクとして,集合的に生じているというべきである。
なお,申立人商標である「MONSTER」及び「モンスター」の語が,宣伝文句などにおいて申立人又は申立人商品の略称として用いられる場合があるとしても,その略称が,エナジードリンクの需要者及び取引者の間で広く認知され,周知,著名となっていたとの事実は,提出された証拠からは見いだせない。
そのため,申立人商標は,我が国において,申立人商品を表示する商標として,広く認識されているものということはできない。
(2)本件商標と申立人商標との類似性
ア 本件商標について
本件商標は,「アプリモンスターズ」の片仮名を標準文字で表してなるところ,「アプリ」の語は「アプリケーションソフトウェアの略」の意味を有し,「モンスターズ」の語は「怪物。化け物。」の意味を有する「モンスター」の語を英語の複数形の発音で表したものと理解できるが,全体として熟語や既成語となるものではない(参照:「大辞泉 第2版」小学館発行)。そして,両文字は,間隔なく横一連に表されており,いずれも文字の大きさ及び文字種も共通することから,構成上まとまりのよい印象を受けるものであり,全体の「アプリモンスターズ」の称呼も9音構成と冗長なものではなく,全体を一連に称呼することも比較的容易である。そうすると,本件商標は,これに接する需要者,取引者をして,その構成全体をもって一連一体の商標であると認識,看取されるというのが相当であり,これより「アプリモンスターズ」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
イ 申立人商標について
申立人商標である「MONSTER」及び「モンスター」の商標は,いずれも「怪物。化け物。」の意味を有するものであり,その構成文字に相応して「モンスター」の称呼及び「怪物。化け物。」の観念を生じる。
ウ 本件商標と申立人商標との類否について
本件商標と申立人商標の称呼は,「モンスター」の音を共通にするが,本件商標の語頭の「アプリ」及び語尾の「ズ」の音の有無に差異があり,全体を一連に称呼するときは,構成音及び音数の相違により,それぞれ容易に聴別できる。また,両商標の文字のつづりは,「モンスター」の文字を共通にするが,本件商標の語頭の「アプリ」及び語尾の「ズ」の文字の有無に差異があり,一見して明瞭に見分けることができる。そして,本件商標から特定の観念は生じないため,観念においては比較することはできない。
そうすると,本件商標と申立人商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似しない,同一又は類似の商品に使用されたとしても,誤認混同するおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)本件異議申立てに係る指定商品と申立人の使用商品との関連性
申立人の使用商品であるエナジードリンクは,清涼飲料の一種であり,本件異議申立てに係る指定商品中,第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」とは同一又は類似するものと認められる。
しかし,清涼飲料の一種であるエナジードリンクと,本件異議申立てに係る指定商品である薬剤,自動車,身飾品,文房具類,印刷物,かばん類,被服,履物,肉製品,加工水産物,茶,コーヒー,ビールなどとは,一般的には,その商品の性質,用途又は目的において直接的な関連性もなく,その商品の製造者や販売者,需要者層も,重複又は密接に関連しているものとはいえず,それらの密接な関連性を示す具体的な証拠は,申立人から提出されていない。
なお,申立人のライセンス契約の下,ライセンシーを通じてTシャツやフード付き上着などが製造,販売され(甲58),日本国内においても,「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー)との関連を表示した,又は「MONSTER」及び「ENERGY」の文字を表示したTシャツ,フード付き上着,ジャケット,帽子,ステッカーが販売されている(甲47,48,100)というような事情があるとしても,それは申立人固有の実情として参酌する場合があるとしても,上記のような一般的な商品間の類似の判断には影響を与えるものではない。
(4)出所の混同について
申立人商標「MONSTER」及び「モンスター」は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人又は申立人商品を表示する語として周知,著名とはいえず,上記(2)のとおり,「怪物。化け物」の意味を有する語であって,造語ではなく,本件商標とも誤認混同するおそれのない非類似の商標であるため,上記(3)のとおり,本件異議申立てに係る指定商品の一部の指定商品が申立人の使用商品と同一又は類似で,その他の申立人の関連商品が,本件異議申立てに係る指定商品と共通する分野において販売されている実情があるとしても,本件異議申立てに係る指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標に接する取引者,需要者が,申立人の業務に係る商標である「MONSTER」,「モンスター」又は引用商標を連想又は想起するようなことは考え難い。
そのため,本件商標は,これを本件異議申立てに係る指定商品について使用しても,その取引者及び需要者をして,当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく,当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものとはいえず,申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標ではない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
2 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は,上記1(2)アのとおり,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないところ,その商標登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合等,その出願経緯などに公序良俗に反するおそれがあることを具体的に示す証拠の提出もない。
申立人は,本件商標の使用は,申立人の使用に係る「MONSTER」又は「モンスター」に関連して獲得した信用力,顧客吸引力にフリーライドするもので,これを登録することは商標法の精神及び国際信義に反するため,公の秩序を害するおそれがある旨を主張するが,これは専ら申立人の利益を害するか否かという私的領域に関する主張であるため,商標法第4条第1項第7号の適用がそぐわないものであるばかりでなく,上記1(4)のとおり,本件商標は申立人の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれのある商標とはいえず,その登録が公序良俗を害する理由を見いだすことができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,本件異議申立てに係る指定商品について,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 (引用商標3)


別掲2 (引用商標4及び5)


別掲3 (引用商標6。色彩は原本を参照。)




別掲4 (引用商標7)




別掲5 (引用商標9及び10)




別掲6 (引用商標16)




別掲7 (引用商標19。色彩は原本を参照。)




別掲8 (引用商標20)





異議決定日 2017-09-25 
出願番号 商願2016-47533(T2016-47533) 
審決分類 T 1 652・ 22- Y (W051214161825293032)
T 1 652・ 271- Y (W051214161825293032)
最終処分 維持 
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
阿曾 裕樹
登録日 2016-11-04 
登録番号 商標登録第5893821号(T5893821) 
権利者 株式会社バンダイ 株式会社ウィズ
商標の称呼 アプリモンスターズ、アプリ、モンスターズ 
代理人 柳田 征史 
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