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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1333417 
異議申立番号 異議2017-900046 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-15 
確定日 2017-10-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5897491号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5897491号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5897491号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,「RISPETTO」の欧文字を書してなり,平成28年6月1日に登録出願,第25類「履物,被服,ベルト,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年10月25日に登録査定,同年11月18日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の4件の登録商標であり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第2623739号商標(以下「引用商標1」という。)は,「REPETTO」の欧文字を書してなり,平成4年1月13日に登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同6年2月28日に設定登録され,同17年6月1日に,指定商品を第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」,第25類「トウシューズ・バレエシューズ・その他の履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする指定商品の書換登録がされ,その後,同26年5月27日に,第25類について商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 登録第2387630号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおり,「repetto」の欧文字をデザイン化して表してなり,平成元年8月24日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同4年3月31日に設定登録され,その後,同14年3月19日及び同24年4月10日に商標権の存続期間の更新登録がされ,また,同14年8月7日に指定商品を,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録第4413603号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおり,「repetto」の欧文字をデザイン化して表してなり,平成9年9月8日に登録出願,第25類「パンティストッキング,タイツ,脚部付レオタード,その他のレオタード,ダンス用衣服,帽子,その他の被服,ズボンつり,バンド,バレエシューズ,その他の履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同12年9月1日に設定登録され,その後,同22年7月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
4 国際登録第1040048号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲2のとおり,「repetto」の欧文字をデザイン化して表してなり,第18類「Trunks and suitcases, wallets, purses, handbags, backpacks, traveling bags, beach bags, school bags, unfitted vanity cases, bags or small bags (envelopes, pouches) for packaging (of leather), umbrellas.」については,2010年(平成22年)3月29日に国際登録出願され,平成23年2月25日に設定登録されたものであり,また,第3類「Soaps, perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; preparations for waxing, preservatives for leather, creams for leather.」及び第14類「Jewelry, timepieces and chronometric instruments, watches, bracelets, chains (jewelry), necklaces, earrings, rings.」については,2011年(平成23年)11月22日に国際登録出願(事後指定)され,平成25年4月12日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第82号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標は,「RISPETTO」の欧文字からなり,一方,引用商標は,「REPETTO」又は「repetto」の欧文字からなる。
(2)本件商標と引用商標1とは,語頭の「R」と語尾の「PETTO」を共通にしており,中間の欧文字「IS」と「E」が相違するのみである。
「IS」と「E」との文字は,縦線と横線(Sの曲線とEの三本線)からなる構成により,文字自体の形状が近似しており,また,全体の構成において埋没しやすいともいえる位置において相違しているため,当該相違点は,迅速に理解し難いものである。
さらに,両商標は,7ないし8文字の比較的短い文字数のうち,語頭と語尾の合計5文字及びその配列を同じくしているため,全体の外観が近似しており,これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合には,外観において相紛れるおそれが極めて高い。
また,本件商標と引用商標2ないし同4とは,語頭の「R」と「r」,語尾の「PETTO」と「petto」を共通にしており,中間の欧文字「IS」と「e」が相違するのみである。大文字と小文字の違いはあるものの,構成文字及びその配列の大部分が共通し,全体の構成において埋没しやすい位置において相違しているため,当該相違点は,迅速に理解し難いものである。
よって,これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合には,外観において,相紛れるおそれが極めて高い類似の商標であるといえる。
(3)本件商標からは,「リスペット」の称呼が生じ,引用商標からは,「レペット」あるいは「リペット」の称呼が生じる。
そして,本件商標から生じる「リスペット」の称呼と,引用商標から生じる「リペット」の称呼とを対比するに,差異は,前者における第2音「ス」の有無にすぎず,その他の全ての音を共通にしている。
また,「リスペット」を称呼する場合は,「リ」が強く発音され,「ペット」の音が促音を伴うことにより強く発音される結果,第2音の無声歯茎摩擦音である「ス」の音が,比較的弱く聴取される。また,「ス」音は,称呼の識別上,比較的印象の薄い中間に位置することから,両商標をそれぞれ称呼するときは,全体の語調,語感が近似し,互いに聞き誤るおそれがあるといえる。
次に,本件商標から生じる「リスペット」と,引用商標から生じる「レペット」の称呼についても,語頭の「リ」と「レ」は,同じラ行に属する音であり,共に唇を横に長く開いた状態で発音される母音「i」と「e」とが相違するのみであり,比較的強く発音される「ペット」の音が続くため,両商標をそれぞれ称呼するときは,互いに聞き誤るおそれがあるといえる。
(4)本件商標の「RISPETTO」の語は,イタリア語でリスペクト(尊敬)を意味する語であるが,我が国の一般的な需要者にとってイタリア語はさほどなじみのある言語ではない。特に,「RISPETTO」の語が直ちに「尊敬」の意味を持ったイタリア語であると認識されるとすべき特段の事情も見受けられない。
よって,本件商標に接した需要者は,「RISPETTO」を特定の観念を持たない単なる造語と認識すると思われる。
一方,引用商標の「REPETTO」あるいは「repetto」は,申立人の創業者に由来するが,辞書的な意味を持たない固有名称と認識されるものである。
したがって,両商標は,観念上,比較することはできず,外観や称呼がその類否判断に大きく影響する。
(5)商品の取引の実情として,引用商標のようにブランド名からなる商標は,一般的に商品である「バレエシューズ」や「履物」の中敷きに表示されて使用されるものである。また,「被服」においても,ブランド名は,商品の内側に縫い付けられたタグに小さく表示されて使用されるものである(甲24の2他)。
以上を踏まえると,本件商標と引用商標について比較した場合,たとえ「IS」と「E」(あるいは「e」)の文字において相違点があるとしても,これらの商標を靴の中敷きなどに表示した場合には,比較的小さい文字で表示され,かつ,靴の中を覗き込むなどしてはじめて視認できるものであるから,相違点より共通点の多い両商標は,見間違えられる可能性が高い。
そして,これらの実情を考慮すると,本件商標を特に履物の中敷きや洋服のタグなどに使用することは,引用商標の著名性とも相まって,本件商標の使用された靴や服が,あたかも申立人の商品であるかのように,出所において誤認混同を生ずるおそれが大きいといえるものであり,こうした取引の実情も商標の類否判断において大いに考慮されるべきである。
(6)本件商標と引用商標1ないし同3の指定商品は,第25類「履物,被服」等において重複するものである。また,引用商標4は,第3類「香水類,化粧品」,第14類「宝飾品,時計」,第18類「鞄類」を指定しているが,これらの商品は全て「ファッション関連商品」であり,例えばセレクトショップの実店舗,インターネット通販サイトなどで靴や被服と同じ店舗で鞄,宝飾品,化粧品等が並べて販売されることは通常よく見受けられる。よって,本件商標と引用商標4の指定商品は,「ファッション関連商品」として流通経路及び需要者が共通しており,類似の商標が使用された場合,混同を生じるおそれが高い。
(7)以上を総合すれば,本件商標は,引用商標と近似するものであり,その指定商品も抵触するものであるから,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)「REPETTO」,「repetto」及び「レペット」の著名性について
ア 申立人の歴史
申立人である「レペット」社は,1947年にフランス国の首都パリのオペラ座近くで創業したバレエシューズのアトリエを起源とするフランス国の企業である。Repetto(レペット)の原点は,創業者であるローズ・レペットが,息子である世界的バレエダンサー兼振付家のローラン・プティの助言によりバレエシューズをデザインしたことに始まる(甲10?甲12,甲58,甲62他)。
1956年には,フランスを象徴する著名な女優であるブリジット・バルドーが「ダンスシューズと同じくらい履き心地がよくフェミニンでセクシーなタウン用のバレリーナシューズ」を注文したことから,申立人の代表作フラット・バレエシューズである「サンドリオン」が誕生した(甲13)。「サンドリオン」は,ブリジット・バルドーの出世作と称される映画「素直な悪女」でも使用され大人気となり,誕生から60年以上を経た現在でも,申立人の定番商品として非常に人気がある(甲13,甲23,甲46,甲50,甲58,甲70他)。
近年では,申立人と日本の著名なファッションブランドとのコラボレーション商品が発売されている(甲15?甲17)。また,申立人のブランド60周年を記念して,60名以上のアーティストが協賛してバレエシューズを始めとする靴やチュチュなどが特別に制作されるなど,日本のファッション業界との関係も深い(甲21,甲50)。
ブリジット・バルドー,セルジュ・ゲンズブール,オードリー・ヘップバーンなどの著名人が,申立人の靴の愛用者として知られている(甲11,甲22,甲48,甲58他)。そして,現在まで約70年もの間,バレエシューズを始めとした商品を継続して製造・販売した結果,申立人は,「世界的なバレエ用品,アパレル用品ブランド企業」として,我が国だけでなく,世界的に広く認識されるものに至っている。
イ 我が国での販売実績,販売拠点など
申立人の商品は,同社のウェブページに示すように,我が国では,街中で履くことができるフラット・バレエシューズを含む婦人靴,紳士靴,ベビー靴の他,鞄,財布などの革製品,洋服,香水,ダンス・バレエ用品などであり,販売されている(甲24?甲40)。
申立人の商品は,我が国では遅くとも2002年以前からセレクトショップなどで販売が開始され,日本全国のファッションに敏感な需要者に支持された結果,今日に至るまで継続的な人気を有している(甲47,甲48他)。
申立人は,2010年3月末より,伊藤忠ファッションシステム株式会社及び株式会社ルック(以下「日本販売代理店等」という。)との間で,バレエ・ダンス用品,一般の靴及び被服の輸入,流通,販売促進,販売に関する独占契約を結んでいるが,2011年から2016年までの5年間の申立人商品の累計販売数量は,63万点以上にのぼり,売上総額(日本販売代理店等から申立人に支払われた金額の総額)は,3276万ユーロ(約42億円)以上に達している(甲41)。百貨店での売れ行きも好調で,2016年には,繊研新聞主催の百貨店バイヤーズ賞を受賞している(甲65,甲66)。
また,申立人は,本国フランスを始め,世界44の国又は地域で直営の店舗を展開している(甲42)。我が国でも旗艦店である「銀座店」を始め,全国の有名百貨店,アウトレットモールなどに店舗を構える他,セレクトショップなどでも販売され,申立人の日本公式オンラインストア,人気ファッション通販サイト等のインターネットショップでも販売されている(甲43?甲45)。その結果,2011年にはバレエシューズのみに限っても,世界中で年間50万足が生産されるまでに至っている(甲20)。
ウ 我が国での著名性について
申立人の商品は,我が国では日常使いできるフラット・バレエシューズ(かかとの低いタウンユースのバレエシューズ)の流行の火付け役となったことでも知られ,特にファッションに敏感な女性需要者の間では,「バレエシューズといえば,レペット」を想起する程の知名度を誇っている。
申立人ブランドの百貨店での売れ行きが好調であり,日本の需要者に人気が高いことが立証される(甲65?甲68)。また,申立人のブランドは,インターネットでも積極的に情報発信されており,我が国の需要者の間で非常に人気のある,知名度の高いブランドであることが立証される(甲69?甲80)。
(2)出所混同の可能性について
本件商標と引用商標とは,外観及び称呼が近似する類似の商標である。そして,引用商標の著名性と相まって,本件商標が表示された商品(「履物,被服」など)に接した需要者等は,当該商品を申立人が製造・販売した商品の一種であるかのように,あるいはそのライセンスの下に製造された商品であるかのように,出所について混同を生ずるおそれが高いといえるものである。
また,本件商標の権利者が,大手インターネット通販の楽天市場において,小文字の「rispetto」からなるショップ名で婦人靴,紳士靴を販売している事実が発見された。同サイトで販売されている婦人靴には,「フラット・バレエシューズ」も含まれており,当該靴の中敷きに本件商標が表示されている他,ショップ名も引用商標の一つ「repetto」同様に小文字で表記されている(甲81,甲82)。
よって,現実にも混同のおそれがあるといえ,また,申立人の引用商標2ないし同4と同様にショップ名を小文字で表記するなど,本件商標の出願に関する不正の意図が垣間見られる。
(3)以上を総合すれば,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,「RISPETTO」の欧文字を書してなるところ,該文字は「尊敬」の意味を有するイタリア語であるが,我が国でのイタリア語の普及度を考慮すると,本件商標に接する需要者が,「RISPETTO」の意味及び読みを理解するとはいい難いものである。
そうすると,本件商標は,特定の意味を有しない一種の造語として認識されるといえるものであり,一般に,欧文字からなる造語にあっては,我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ文字読みをもって称呼されるとみるのが自然であるから,「リスペット」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「REPETTO」の欧文字及びややデザイン化された「repetto」の欧文字からなるところ,これからは,「リペット」及び「レペット」の称呼を生じ,該文字は,辞書類に掲載がみられないものであるから,特定の意味を有しない一種の造語と認められ,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観について
本件商標は「RISPETTO」の欧文字からなるものであり,引用商標は「REPETTO」及びデザイン化された「repetto」の欧文字からなるものであるから,両商標は,語頭における「RIS」の欧文字と「RE」及び「re」の欧文字において明らかな差異を有し,態様についても異なるものであるから,外観上,十分に区別できるものである。
イ 称呼について
本件商標から生じる「リスペット」の称呼と,引用商標から生じる「リペット」の称呼とは,語頭における「リス」の音と「リ」の音において差異を有するものであるから,比較的短い,5音及び4音という音構成において,かかる差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず,両商標を称呼した場合は,語調,語感が異なり,互いに聞き誤るおそれはないものである。
また,本件商標から生じる「リスペット」の称呼と,引用商標から生ずる「レペット」の称呼とは,語頭において「リス」と「レ」の音の明確な差異を有するものであるから,両者は,互いに聞き誤るおそれはない。
ウ 観念について
本件商標と引用商標とは,上記のとおり,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上,類似するものとはいえない。
エ まとめ
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
(4)申立人の主張について
ア 申立人は,本件商標の構成中の「IS」と,引用商標1の構成中の「E」との文字は,縦線と横線(Sの曲線とEの三本線)からなる構成により文字自体の形状が近似しており,また,全体の構成において埋没しやすいともいえる位置において相違しているため,当該相違点は迅速に理解し難いものである旨主張する。
しかしながら,通常の注意力をもってすれば,該「I」及び「S」の欧文字2文字と「E」の欧文字1文字との差異は明らかに認識することができ,互いに見誤るおそれはないというべきである。
イ 申立人は,取引の実情として,ブランド名からなる商標が,バレエシューズや履物に使用される際は,一般に中敷きに表示され,被服に使用される際も,商品の内側に縫い付けられたタグに小さく表示されるものであるから,需要者に見間違われやすい旨主張する。
しかしながら,靴や衣類等の商品について,商標が靴の中敷きや衣服のタグに小さく表示されるとしても,上記(3)アのとおり,本件商標と引用商標は,外観において十分に区別できるものであるから,需要者が見誤るおそれがあるものとはいい難く,混同を生ずるというべき事情も見あたらない。
ウ したがって,申立人のこれらの主張は,いずれも採用できない。
2 引用商標の周知性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 申立人は,1947年にパリにおいて,ローズ・レペット(Rose Repetto)が,バレエシューズの工房として,自身の名を冠したブランド「Repetto(レペット)」を設立した企業である(甲11)。
イ 申立人は,1956年にタウン用フラット・バレエシューズ「サンドリオン」をデザインし(甲13),2000年には「イッセイ・ミヤケ」と,2002年には「ヨージ・ヤマモト」と,コラボレーションシューズを発売した(甲15,甲16)。
ウ 我が国においては,タウン用フラット・バレエシューズを含む履物類,被服,鞄,財布,香水類(以下,これらを「申立人商品」という。)が,2017年現在,Repetto(レペット)日本公式オンラインストアにおいて販売され(甲33?甲40),銀座店を始め,東京,神奈川,大阪,福岡等の百貨店,アウトレットモール等の実店舗の他,各種インターネットショップなどにおいても,シューズを中心とした商品が販売されている(甲43?甲45)。
エ 引用商標2ないし同4を表示した申立人商品のうち,特にタウン用・フラットバレエシューズは,雑誌やウェブサイト等において,「レペットのバレエシューズ人気は留まるところを知らず」(甲49),「大好き☆/2大ブランド対決」,「レペットvs.ロンドンソール」,「バレエシューズと言えば,の超定番」(甲51),「おしゃれで履きやすいフラットシューズの定番,repetto(レペット)」(甲71)など,人気商品・定番商品として紹介された。また,申立人商品は,タウン用フラット・バレエシューズを中心に,2002年から2016年にかけて,「レペット」,「REPETTO」及び「repetto」と記載して,ファッション性の高い商品として,多くの女性向け雑誌(「LEE(リー)」,「MORE(モア)」,「JJ(ジェイジェイ)」等)やウェブサイト(「FASHION PRESS」,「FIGARO.jp」等)に掲載して紹介され,繊研新聞,日経MJ,書籍等に紹介される等,広告宣伝された(甲47?甲61,甲64,甲65,甲68,甲69,甲71,甲73,甲77,甲79 )。
オ 申立人は,日本販売代理店等との間で,「REPETTO」ブランドを付した申立人商品の輸入,流通,販売促進,販売に関する独占契約を結んでおり,我が国においては,該代理店を通じて申立人商品を販売し,2011年ないし2016年の申立人商品の販売数量は63万点以上,売上総額は約3276万ユーロ(約42億円)以上である(甲41)。
(2)上記(1)によれば,フランスのバレエ・ダンス用品のメーカーである申立人が販売する申立人商品のうち,タウン用フラット・バレエシューズは,我が国において,本件商標の登録出願前である2002年頃から,引用商標2ないし同4を付して販売され,雑誌,新聞,インターネット等において広告・宣伝された結果,引用商標2ないし同4は,当該商品の需要者の間においては,一定程度知られていたものと認められる。
しかしながら,タウン用フラット・バレエシューズの需要者は,履物類全体の需要者のうちでは,その割合は多いとはいえず,また,我が国における,申立人商品の2011年ないし2016年の売上総額(日本販売代理店等から申立人に支払われた金額の総額)は約42億円以上であると陳述するが,該売上総額は,6年間の売上げであって,このうちタウン用フラット・バレエシューズのみの売上高や,市場シェア等は明らかでない。
そして,「タウン用フラット・バレエシューズ」以外の申立人商品については,インターネットに掲載され,または,雑誌に紹介されたことが認められる(甲33?甲40,甲48,甲56等)にすぎない。
そうすると,申立人が提出した証拠によっては,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に,広く認識されていたと認めることはできない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,上記2のとおり,申立人商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものであり,また,本件商標と引用商標とは,上記1のとおり,相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると,本件商標は,本件商標権者が,これをその指定商品に使用した場合,本件商標に接する取引者,需要者に,引用商標又は申立人を想起,連想させることはなく,該商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標2ないし同4)


異議決定日 2017-09-21 
出願番号 商願2016-59157(T2016-59157) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 平澤 芳行
小林 裕子
登録日 2016-11-18 
登録番号 商標登録第5897491号(T5897491) 
権利者 合同会社RISPETTO
商標の称呼 リスペット 
代理人 小谷 武 
代理人 土屋 亜紀子 
代理人 木村 吉宏 
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