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審決分類 審判 査定不服 商4条1項14号 種苗法による登録名称と同一又は類似 登録しない W39
管理番号 1333330 
審判番号 不服2017-3850 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-27 
確定日 2017-09-22 
事件の表示 商願2016- 45179拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「バスタ新宿」の文字を標準文字で表してなり、第39類「バスによる乗客の輸送」を指定役務として、平成28年4月6日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
「本願商標は、国土交通省が公共交通の施設として整備した道路施設であって、国土交通省関東地方整備局東京国道事務所が管理する国道20号新宿南口交通ターミナルの著名な愛称『バスタ新宿』と同一の文字を書してなるものである。してみれば、本願商標は、国の事業を表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標と認められるため、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第4条第1項第6号該当性について
(1)商標法第4条第1項第6号について
商標法第4条第1項第6号の規定は、同号に掲げる団体の公共性にかんがみ、その権威を尊重するとともに、出所の混同を防いで需要者の利益を保護しようとの趣旨に出たものであり、同号の規定に該当する商標、すなわち、これらの団体を表示する著名な標章と同一又は類似の商標については、これらの団体の権威を損ない、また、出所の混同を生ずるものとみなして、無関係の私人による商標登録を排斥するものであると解するのが相当である、と判示されているものである(知財高裁 平成20年(行ケ)第10351号判決)。
(2)「バスタ新宿」について(下線は合議体が付与。以下、同じ。)
本願商標は、「バスタ新宿」の文字からなるところ、該「バスタ新宿」は、「新宿南口交通ターミナル」の施設について使用されている交通ターミナルの愛称を表示するものである。
そして、「バスタ新宿」については、以下のとおりの事実が認められるものである。
ア 「コトバンク」のウェブサイトによれば、「バスタ新宿」の項において、「国土交通省が『新宿駅南口地区基盤整備事業』の一環で、新宿ミライナタワーの足下に整備した新宿南口交通ターミナルの愛称。2016年4月4日開業。『バスタ』という愛称は一般公募の中から選定され、Bus&Taxi Cab Terminalの略であることやバスがスター(Star)のようにここから放射するなどの理由で決定された。これまで新宿駅周辺に20カ所にわたって点在していた高速バス乗り場がこのターミナル4階に集約され、3階にはタクシー乗り場、東京観光情報センターなどが入る。1日当たり1625便の高速路線バスが発着し、新宿と39都府県300都市を結ぶ国内最大規模のターミナルとなる。」の記載がある。
(https://kotobank.jp/word/)
イ 「国土交通省関東地方整備局」の記者発表資料(平成28年2月8日付け:PDF)によれば、1/8頁には、「バスタ新宿」の表題のもと、「バスタ新宿(新宿南口交通ターミナル)が4月4日(月)にオープンします。/?新宿駅に直結した国内最大規模の高速バスターミナルが誕生?高速バスと鉄道等との乗り換えがスムーズになります。」の記載があり、また、2/8頁には、「“バスタ新宿”(新宿南口交通ターミナル)の施設概要」の見出しの下、「●新宿駅は、都内でも有数の高速バスの発着拠点ですが、高速バスの“乗降場”が運行会社毎に駅周辺に点在しているため、鉄道やタクシー等の交通機関相互の乗り換えが不便な状況です。/●このため、国土交通省東京国道事務所では、『新宿駅南口地区基盤整備事業』として国道20号新宿跨線橋の架け替えに合わせて、地下歩道やバスタ新宿(新宿南口交通ターミナル)の整備に取り組んでいます。」の記載がある。
(http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/toukoku_00000243.html)
ウ 「国土交通省関東地方整備局」(東京国道事務所)のウェブサイトによれば、「新宿駅南口地区基盤整備事業」の見出しの下、「整備前の課題」には、「全国最大級のターミナル駅である新宿駅は、1日あたりの乗降客が約350万人以上もあり、そのうち約43万人が新宿駅南口を利用されています。/1:新宿駅南口と駅前広場を介さず直結・・・/2:新宿跨線橋の老朽化・・・/3:地下鉄副都心線開業に伴う歩行空間の不足・・・」、及び「新宿を中心とした快適空間の創出」には、「新宿交通結節点整備 鉄道と高速バス、タクシーなどの連携をスムーズにする、総合的な交通結節点『バスタ新宿』として平成28年4月4日誕生しました。」の記載がある。
(http://www.ktr.mlit.go.jp/toukoku/saisei/shinjuku/)
エ 「一般財団法人道路新産業開発機構」のウェブサイトにおける、「道路行政セミナー 2016年5月号 NO.092 2016年5月30日発行」の「新宿駅南口地区基盤整備事業について 東京国道事務所」のPDF資料によれば、その1?2頁には、「2 様々な課題を抱えて」の見出しの下、「新宿駅の乗降者数は1日約350万人で日本最大のターミナル駅であり、周辺地域は日本最大級の商業集積地となっている。このうち、国道20号に面した新宿駅南口の乗降者数は1日約43万人、ところが、南口には駅前広場がないため、利用者は改札を出ると直接、JRを跨ぐ国道20号の跨線橋の歩道を出ざるを得ない。橋上の歩行者は1日約14万人に上るが、歩道幅員が狭い上、客待ちタクシーや一般車で混雑しており、接触事故が発生する等の構造上の課題を抱えていた。また、国道20号は、首都直下型地震災害時には東京都庁と官邸を結ぶ重要な幹線道路であるが、新宿跨線橋付近は1日約6万台もの交通量をかかえている。これに対し、跨線橋は、大正14年架設後80年以上が経過し、老朽化に伴い交通寸断、路線直下を通過する鉄道機能への影響が懸念されていた。加えて、新宿駅は首都圏を代表する交通結節の要衝であるにもかかわらず、高速バス関連施設が駅周辺に分散しているため、利用者にとって他の交通機関との乗り換えが不便などの課題も抱えていた。これら様々な課題を解決するため、東京国道事務所では、JR東日本(以下、JR)との事業連携を図りながら、国道20号新宿駅南口地区基盤整備事業として『新宿跨線橋架け替え』、『線路上空を活用した総合的な交通結節点の整備』等を中心とした事業を進めることとなった。」の記載がある。
また、その4頁には、「6 愛称“バスタ新宿”」の見出しの下、「これまで、施設名称は『新宿南口交通ターミナル』であったが、一般に広く親しまれる愛称を決めるために、一般公募(平成27年10月28日?11月23日まで)を行った。全国より応募総数1,733作品の募集があり、選定にあたっては、有識者委員や行政委員による『新宿南口交通ターミナル名称選定委員会(委員長:岸井隆幸日本大学理工学部教授)』において審議され、愛称“バスタ新宿”が決定した。新宿を拠点に、交通の総合ターミナルであることをイメージでき、また、文字数が少なく馴染みのある言葉で構成され、今後、末永く多くの人々に親しまれ、愛されることが期待される。」の記載がある。
(http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2016data/1605/1605SEBT.pdf)
オ 「Busfan.jp」のウェブサイトによれば、「バス特集 高速バスネットワークに新時代『バスタ新宿』オープン 118社が最大1625便発着 インバウンド利用増加/BY交通毎日新聞社・2016年6月24日」の見出しの下、「新宿南口交通ターミナル『バスタ新宿』が2016年4月4日にオープンし、国内最大の高速バスターミナルが誕生した。ピーク時には1日最大1625便が発着でき、高速バス(空港連絡バスを含む)と鉄道の乗り継ぎ利便性が大きく向上し、高速バス輸送に明るい展望を切り開いた。・・・新宿駅は都内有数の高速バス発着拠点だが、高速バス・空港連絡バスの乗降場が運行会社ごとに駅周辺に点在し、鉄道やタクシーなどの交通機関相互の乗り換えが不便な状況となっていた。このため、国土交通省関東地方整備局東京国道事務所同事務所は「新宿駅南口基盤整備事業」として、国道20号(甲州街道)新宿跨線橋の架け替えに合わせて、地下歩道やバスターミナルの整備を進めてきた。『バスタ新宿』は新宿駅西口周辺に分散していた19カ所の高速バス・空港バス乗降場を南口に集約し、国内最大規模の高速バスターミナルが誕生した。新宿の各鉄道駅と直結し、高速バスと鉄道との乗り換えがスムーズとなり、利便性が大幅に増した。4階の高速バスターミナルは乗車専用で、大型電光掲示板で案内する発券所と待合室、4エリア(A?Dエリア)12面の乗車ホームが設けられ、118社が39都府県に高速バスを運行している。降車は3階の専用ホームで行っている。ピーク時には1日最大1625便が発着できる。・・・」の記載がある。
(http://busfan.jp/reading/feature-articles/bus-ta-shinjuku-2-1908.html)
カ 2016年1月9日付け「東京新聞(朝刊)」によれば、「愛称は『バスタ新宿』駅南口の集約ターミナル」の見出しの下、「東京・新宿駅周辺に分散する高速バスのバス停を集約し、駅南口に今春オープンする『新宿南口交通ターミナル』の愛称が、『バスタ新宿』に公募で決まった。国土交通省東京国道事務所が八日発表した。現在建設中のターミナルは四階建てで、バス停十五カ所が設けられ、一日千六百便が発着する。高速バスのターミナルとしては、バス停、発着数が日本一となる。同事務所によると、昨年十、十一月に愛称を公募し、千七百三十三件の応募があった。十一件がバスタを提案した。」の記載がある。
キ 2016年4月4日付け「朝日新聞(東京朝刊)」によれば、「日本一のバス乗り場、新宿に開業 39都府県を結び1日1600便」の見出しの下、「東京・新宿駅の周りに点在する19カ所の高速バス乗り場を1カ所に集めた新交通ターミナル『バスタ新宿』が4日午前0時、同駅の南口地区に開業した。1日の発着便数が約1600便、乗降客が約4万人にのぼる日本最大のバスターミナルになる。」の記載がある。
以上によれば、全国最大級のターミナル駅である新宿駅の南口は、1日あたり約43万人もの利用者があるにもかかわらず、新宿跨線橋の老朽化、交通機関相互の乗り換えの利便性の欠如、歩行空間の不足、渋滞や接触事故の発生等の様々な課題を抱えていたため、国道20号線を整備、管理する国土交通省関東地方整備局は、これらの課題を解決するために、「国道20号新宿跨線橋の架け替え」、「交通結節点の整備」、「地下歩道の整備」の3事業を含む「新宿駅南口地区基盤整備事業」を立ち上げ、その事業主体となって、本事業を実施してきたものである。
そして、「新宿駅南口地区基盤整備事業」における「交通結節点の整備」事業によって、「新宿南口交通ターミナル」の施設が建設、整備され、2016年4月4日に開業されたものである。
また、この新設された「新宿南口交通ターミナル」の愛称は一般公募され、その愛称として選定されたものが「バスタ新宿」である。
そうとすれば、「バスタ新宿」の文字は、「国土交通省関東地方整備局」が、新宿駅及び周辺施設の利用者である国民の安心、安全を守り、公共交通機関を利用する者の利便性を高めるという公益に資するために実施した公的事業である「新宿駅南口地区基盤整備事業」によって誕生した、「新宿南口交通ターミナルの愛称」を表示するものである。
(3)「バスタ新宿」の標章が、「公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章」であることについて
「バスタ新宿」の文字は、上記(2)のとおり、新宿駅を利用する国民の安全、安心を守り、公共交通機関を利用する国民の利便性を高めるという公益のために、「国土交通省関東地方整備局」が実施した「新宿駅南口地区基盤整備事業」によって、整備された公共交通施設である「新宿南口交通ターミナルの愛称」を表す文字であるから、該文字は、公益に関する事業であって、営利を目的としないものを表示する標章である。
(4)「バスタ新宿」の標章が、著名であることについて
「バスタ新宿」の文字は、新宿駅南口に新たに整備された公共交通施設である交通ターミナル(新宿南口交通ターミナル)を表示する標章として、以下のとおり、多数の新聞記事、ウェブサイトなどで取り上げられている語であり、それは、原審で示した新聞記事情報及びインターネットの情報、並びに上記(2)の情報に加え、以下に示した情報からも裏付けられるものである。
<新聞記事情報>(下線は合議体が付与。以下、同じ。)
ア 2016年7月27日付け「下野新聞(朝刊)」に、「バスタ新宿周辺/旅行を快適に続々と新施設」の見出しの下、「JR新宿駅に直結する国内最大のバスターミナル『バスタ新宿』周辺に、旅行者が快適に過ごせる新施設が続々登場し、人気を呼んでいる。老舗菓子店が手掛けるカフェや入浴施設も。バスや列車の待ち時間を快適に過ごせそうだ。/バスタ新宿は4月に開業。今夏のピーク時には、39都府県を結ぶ約1600便の高速バスが朝4時から夜2時前まで発着。空港から到着し、全国各地へ向かう人も多い。」の記載がある。
イ 2016年4月5日付け「中国新聞(朝刊)」に、「日本一ターミナル開業 39都府県結ぶ『バスタ新宿』」の見出しの下、「東京のJR新宿駅に直結する国内最大級のバスターミナル『バスタ新宿』が4日、開業した。ピーク時には高速路線バスの発着は1日最大1600便を超え、約4万人が利用する。タクシー乗り場や観光情報施設も併設された一大交通拠点で、高速路線バスが39都府県との間を結ぶ、新たな東京の玄関口が誕生した。」の記載がある。
ウ 2016年4月5日付け「日刊スポーツ新聞(東京日刊)」に、「新宿に国内最大級バスターミナル『バスタ新宿』4日から開業」の見出しの下、「東京のJR新宿駅に直結する国内最大級のバスターミナル『バスタ新宿』が4日、開業した。これまで駅周辺の19カ所に散在し、不便さが指摘されていた停車場を1カ所に集約した。高速路線バスが39都府県を結び、ピーク時には発着が1日最大1600便超、約4万人が利用する、新たな東京の玄関口が誕生した。/バス停車場は3、4階。3階にはタクシー乗降場と、都が運営する「東京観光情報センター」がある。2階の改札口からはJR線に直接乗り換えられるなど、利用者の利便性が高まった。」の記載がある。
エ 2016年4月4日付け「読売新聞(東京朝刊)」において、「高速バス発着集約『バスタ新宿』開業」の見出しの下、「JR新宿駅の南口地区に、高速バスの発着所を集約した交通ターミナル『バスタ新宿』が4日、オープンした。駅周辺に分散していた19の高速バス発着所が集められ、1日1625便が発着し、約4万人が利用する国内最大のバスターミナルになる。駅と直結した構造で、旅行客らの利便性も大幅に高まりそうだ。/同ターミナルは、1階がJRのホーム、2階が改札などの駅施設。3階にタクシー乗り場と観光情報センターが設けられ、3階の一部と4階がバス発着所となる。118社の事業者が青森から福岡までの39都府県を結ぶバスを運行する。」の記載がある。
オ 2016年4月4日付け「毎日新聞(東京夕刊)」において、「バスタ新宿:バスの玄関口集約 利用者『便利になった』」の見出しの下、「東京のJR新宿駅に直結する国内最大級の高速バスターミナル『バスタ新宿』(東京都渋谷区)が4日、オープンした。同日午前4時、初便となる高速バスが目的地の羽田空港へ向け出発した。バスタ新宿は新宿駅南口の基盤整備事業の一環として、国土交通省などが2006年から整備。1・47ヘクタールのエリア内に、周辺に分散していた19の高速バス乗降場を集約した。/バスタ新宿のバス乗降場は15カ所、乗り入れる運行事業者は118社に上り、計39都府県との間を結ぶ。ピーク時の1日の発着便数は最大1625便で日本一。タクシー乗り場もある。」の記載がある。
カ 2016年4月3日付け「産経新聞(東京朝刊)」に、「新宿発バス旅、快適に 全国最大ターミナルあすオープン」の見出しの下、「■駅・商業施設に直結/周辺渋滞解消も 東京・新宿駅周辺に散在していた高速バスの発着所を集約する全国最大のバスターミナル『バスタ新宿』が4日午前0時にオープンする。JR新宿駅新南口とJR東日本の新設複合ビルに直結し、利便性が向上するだけでなく、周辺道路の渋滞緩和も期待される。乗客が道路脇の発着所で大きな荷物を携え、高速バスを待つなじみの風景がなくなることから、名残を惜しむ声も聞かれる。/国土交通省東京国道事務所によると、バスタ新宿(正式名称・新宿南口交通ターミナル)は、国がJR新宿駅南側の線路の上のスペースに設置した人工地盤(約1・5ヘクタール)に建設。4階に高速バスの発着所が12カ所、3階に到着所3カ所が設けられる。1日に最大1625便が発着し、利用者数は4万?5万人となる見通しだ。発着便などの数で全国最大となる。」の記載がある。
キ 2016年4月3日付け「静岡新聞(朝刊)」に、「バスタ新宿 あす開業 県内各社 顧客増へ力 増便、時間変更、PR…」の見出しの下、「国内有数の長距離バスターミナルとして4日に開業する新宿駅南口の交通ターミナル施設『バスタ新宿』。高速バス路線で乗り入れる県内交通各社は観光客の誘客や5月の大型連休も視野に首都圏からの新規顧客獲得を目指す。/バスタ新宿は、同駅周辺に分散していた高速バス発着所19カ所を集約し、新たに15カ所の発着所を設けた。118社が、39都府県約300都市を結ぶ。/富士急シティバスは京王バス東と共同運行で沼津エリア発を1日6往復、三島エリア発を2往復(繁忙期3往復)する。便数は変わらないが、利便性向上のため新宿発時刻を午前は毎時35分、午後は毎時45分に変更した。」の記載がある。
ク 2016年3月28日付け「東京新聞(武蔵野版)」に、「駅南口バスターミナル『バスタ新宿』完成祝う 来月4日開業 命名者の表彰式など」の見出しの下、「新宿駅の周辺に分散する高速バスのバス停を駅南口に集約する交通ターミナル『バスタ新宿』が四月四日にオープンするのを前に、国土交通省東京国道事務所は二十七日、ターミナルで完成記念イベントを開いた。愛称『バスタ新宿』の命名者の表彰式や、新宿から高速バスが向かう地域の道の駅十三カ所の物産展があった。」の記載がある。
ケ 2016年2月16日付け「日刊建設工業新聞」に、「関東整備局/新宿駅南口ターミナル『バスタ新宿』、4月4日開業/高速バス発着所集約」の見出しの下、「関東地方整備局東京国道事務所は、JR東日本と共同でJR新宿駅南口前に建設中の交通ターミナル拠点『バスタ新宿』(東京都渋谷区千駄ケ谷5の24の55)が4月4日に開業すると発表した。同駅西口周辺に分散している高速バスの発着所19カ所が集約され、高速バスの運行事業者118社の新たな発着所となる。/高速バスの発着所や、タクシーの乗降場などが集積する交通ターミナルとしては国内最大規模(敷地面積1・47ヘクタール)となる。高速バスの1日の発着便数は1625便を想定。外国人観光客の利用に対応し、全国の観光案内を多言語で行う情報センターも施設内に設置する。」の記載がある。
<インターネット情報>
ア 「JTB」のウェブサイトにおいて、「?新宿駅に直結した国内最大規模の高速バスターミナルが誕生?バスタ新宿」の見出しの下、「最大1,625便の高速バスが新宿に集結!都内でも有数の高速バス発着拠点である新宿駅。今までは、バスの乗降車場が新宿駅周辺に19箇所も分散していた。新宿駅から遠く離れた乗降車場もあり、大きな荷物を持つ旅行者は、バスから鉄道への乗り換えに、長い距離を歩かなければならなかった。しかし、国道20号新宿跨線橋の架け替えを機に、この春より、新たなバスターミナルが新宿駅南口に誕生した!分散していた乗降車場が集結し、鉄道との相互乗り換えがスムーズに。また、待合所やトイレ等も整備され、乗降環境は大幅に改善された。中でも注目したいのが、3つの“日本一”!発着便数、停車場数、運行事業者数が日本最大となる。全国39都府県300都市への高速バスネットワークにより、新宿駅南口から、北は青森、南は福岡までの移動が可能となり、日本人だけでなく訪日外国人観光客にも利用される施設として期待される。」の記載がある。
(http://www.jtb.co.jp/bus/special/basuta/)
イ「乗りものニュース」のウェブサイトにおいて、「日本最大『バスタ新宿』行先の数はなんと…!? 最長、最短はあの路線 全行先きリスト」の見出しの下、「2016年4月にオープンした交通ターミナル『バスタ新宿』。発車案内にはさまざまな目的地がズラリと並び、発着本数、利用者数とも日本一の高速バスターミナルとされますが、いったい、行先はどれぐらいあるのでしょうか。/日本最大 1日およそ1600本が発着/2016年4月、東京の新宿駅周辺に分散していた高速バスの乗降場などを集約する形で、交通ターミナル『バスタ新宿』が誕生しました。高速バスの発着便数などで日本最大を誇る『バスタ新宿』、運営する新宿高速バスターミナルによると、1日における高速バスの発着本数はオープン当初の約1200本から次第に増え、現在は約1600本。開業から8月までの高速バス利用者数は、1日平均でおよそ2万4000人といいます。/特に8月11日(木)から16日(火)のお盆期間中は、最大で1日およそ3万8000人が利用(8月13日)。この6日間だけで、利用者数は22万人を数えました。これは、東京都文京区の人口にほぼ匹敵します。/それほどまでに多くの人が利用している『バスタ新宿』、発車する高速バスの行先も多数です。いったい、どれぐらいの種類があるのでしょうか。」の記載がある。
(https://trafficnews.jp/post/57334/)
ウ 「Travel.jp」のウェブサイトにおいて、「東京・新名所『バスタ新宿』はバスのみならずお洒落に便利!」の見出しの下、「2016年4月にJR新宿駅直結の高速バスターミナル『バスタ新宿』がオープン。これまで分散されていた高速バスの乗降場が集約され、北は青森から南は福岡まで118社の高速バスがここから発着します。新たに開設された東京観光情報センターや、手ぶら観光できる手荷物預かり所など、東京での滞在をますます楽しくする施設も登場。隣接するお洒落な複合施設に夜景の素敵なテラスまで、どーんとご紹介します!」の記載がある。
(http://guide.travel.co.jp/article/18000/)
エ 「ぷらんジャ」のウェブサイトにおいて、「【特集】バスタ新宿 高速バス乗り場までの最短ルート|のりばの場所はここ!」の見出しの下、「2016年4月よりバスタ新宿が開業しました。これにより今まで新宿駅南口にあったバスターミナル、タクシー乗り場などが集約され、新宿から各地方への移動がより便利なものになりました。/一方で今まで新宿南口からバスを利用していた方や新たに新宿から高速バスを利用しようと思う方は、バスタ新宿の場所がいまいちピンと来ないかもしれません。/そこで今回はバスタ新宿で高速バスを利用する人のために、筆者が実際に利用して分かった高速バス乗り場までの最短ルートをお教えします。」の記載がある。
(https://plan-ja.com/2016/05/05/3297)
オ 「ハイウェイバス ドットコム」のウェブサイトにおいて、「新宿高速バスターミナル『バスタ新宿』ご案内」の見出しの下、「●発券窓口・自動券売機のご案内 ・・・●乗り場のご案内・・・新宿高速バスターミナル『バスタ新宿』へのアクセス・・・JR各線からは新南改札から直結しています。エスカレーターで4階までお越しください。また、JR・小田急「南口」改札からは、国道20号(甲州街道)を渡った向かい側のビルの4階です。」の記載がある。
(https://www.highwaybus.com/html/gp/info/16/shinjuku/index.html)
カ 「バスラボ」のウェブサイトにおいて、「【バスタ新宿】地図・行き方・乗り場etc徹底解説!(10月7日更新)」の見出しの下、「1日の利用者が330万人以上と、ギネスにも世界一と認定された新宿駅。これまで新宿駅を取り巻くように大小さまざまなバス乗り場が点在していましたが、2016年4月4日から、そのほとんどが『バスタ新宿』に集約されました。/ここでは利用者にとって重要なアクセス情報を中心に、オープン直前の周辺の様子や、オープン直後のクチコミ、食事などの周辺情報をご紹介します。」の記載がある。
(https://bus-labo.com/busta_shinjyuku-7247)
キ 「東京都」のウェブサイトにおける、2016年3月掲載の報道発表資料において、「平成27年度新規事業/東京観光情報センターを新宿駅南口に開設します」の見出しのもと、「平成28年3月29日/産業労働局/東京都では、平成28年春に整備されるバスタ新宿(新宿南口交通ターミナル)内に、都内及び全国の観光情報に加え、外国人旅行者が求めるサービスをワンストップで提供する『東京観光情報センター』を開設します。」の記載がある。
(http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/03/20q3ta00.htm)
ク 「駅探(ekitan)」のウェブサイトにおいて、「新宿高速バスターミナル[バスタ新宿]<予約制>→成田空港」の見出しの下、改正日2016年4月4日のバス時刻表が掲載されている。
(http://bus.ekitan.com/kuko/Kp20?t=0&k=13&w=1&b=2165)
ケ 「日テレNEWS24」のウェブサイトにおいて、「日本一の発着便数『バスタ新宿』お披露目」(2016年3月25日)の見出しの下、「JR新宿駅に直結する新しい高速バスターミナル『バスタ新宿』が、来月4日のオープンを前に報道陣に公開された。駅周辺に点在していた発着場所をまとめ、待合スペースやタクシー乗り場も設置。今夏までに一日約1600便が発着する“日本一”の拠点に。」の記載がある。
(http://www.news24.jp/articles/2016/03/25/07325659.html)
コ 「日経コンストラクション」のウェブサイトにおいて、「東京大改造/日本一の『バスタ新宿』線路上空に開業」の見出しの下、「JR新宿駅南口の線路上空に4月4日、高速バスやタクシーの乗降場を集約した交通ターミナル『バスタ新宿』が開業した。1日のバス発着便数はピーク時1600便以上と日本一。駅や商業施設とも直結し、広場からは眼下に列車が見られる。初日から乗降者に加え、バスファンなども詰めかけにぎわっていた。/バスタ新宿は、新宿駅西口周辺に分散する19カ所の高速バス発着場を集約するとともに、南口前の国道20号にあるタクシー乗降場を移設。さらに駅の改札や歩行者広場も設けた。駅と直結し、乗り換えがスムーズになる。」の記載がある。
(http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/knpnews/14/660651/040300012/)
そうすると、「バスタ新宿」の文字は、国土交通省関東地方整備局による事業によって、新宿駅南口に開設された、バスやタクシーの乗り場を擁する交通ターミナルである「新宿南口交通ターミナル」の愛称として使用されている標章として、今もなお、多数の新聞記事やインターネット情報に取り上げられて注目され、使用されているものであるから、該文字は、我が国において、一般に広く知られている著名な標章と認められるものである。
(5)「バスタ新宿」の標章と本願商標の類似性について
本願商標は、「バスタ新宿」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、著名な「バスタ新宿」の標章と、その構成文字を共通にする同一の商標である。
してみれば、本願商標は、これに接する需要者をして、国やその関係機関と何らかの関係を有する者による役務であるかのように、その出所について混同を生じるおそれがあるものである。
(6)小括
以上によれば、本願商標は、国土交通省関東地方整備局が行ってきた公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって、著名な「バスタ新宿」と同一の商標である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書及び平成29年5月30日付け上申書において、「商標登録は、先願主義で成立するものであるところ、請求人に係る本願商標が、最初に出願されたものであるから、先願主義において登録されるべきである。」旨を述べている。
しかしながら、我が国の商標法においては、商標法が定める登録の要件を備えた商標登録出願について、先願主義が適用されるものである。
そして、本願商標は、商標法第4条第1項第6号が定める商標登録を受けることができない商標、すなわち、「国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標」に該当するものであるから、先願主義が適用されるものではない。
(2)請求人は、「特許庁より権利化ができるといわれた、及び出願を勧められた。」旨を主張している。
しかしながら、特許庁においては、審査及び審判における拒絶理由通知書や査定、審決等の手続以外において、商標の登録の可否について、判断を示すことはできないものである。まして、審査官及び審判官であっても、口頭で判断を示すことなど許されないものである。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-07-14 
結審通知日 2017-07-21 
審決日 2017-08-02 
出願番号 商願2016-45179(T2016-45179) 
審決分類 T 1 8・ 21- Z (W39)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
真鍋 恵美
商標の称呼 バスタシンジュク、バスタ 

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