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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1332404 
異議申立番号 異議2017-900131 
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-04-26 
確定日 2017-09-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5917803号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5917803号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5917803号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成28年7月19日に登録出願され,同29年1月11日登録査定,第9類「蓄電池,バッテリーチャージャー,太陽電池,太陽電池用シリコンウエハー,シリコンウェハー,電気スイッチ,変圧器(電気用のもの),集積回路用ウェハー,カメラ,乗物用ナビゲーション装置,GPSナビゲーション装置,電気用ケーブル,データ送信用ケーブル,携帯電話機用保護ケース,タブレット型コンピュータ,ノートブック型コンピュータ,携帯型オーディオプレーヤー,タブレット型コンピュータ用保護カバー及びケース,コンピュータ用ペン型データ入力具,携帯電話機用附属品,スピーカー,ヘッドホーン,イヤホーン,ヘッドセット,コンピュータ周辺機器」を指定商品として,同年1月27日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証から甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人について
申立人は,「iMac」,「MacBook」等のパーソナルコンピュータ,スマートフォン「iPhone」,デジタルオーディオプレーヤー「iPod」,タブレット型コンピュータ「iPad」,腕時計型携帯情報端末「Apple Watch」等の製造販売,「AppStore」にてコンピュータアプリケーションソフトウェアの販売を行っているほか,音楽・映像配信サービス「iTunes Store」「Apple Music」等を提供する米国法人「Apple Inc.」(アップル社)である。
申立人は,「世界で最も価値あるブランドランキング」において,2011年から7年連続で首位の座を維持し(甲1),高い知名度を誇っており,また,上記パーソナルコンピュータ等を販売し(甲2),コンピュータ分野における成功によって著名であることは明白な事実である。そして,申立人の商標「APPLE」は周知・著名商標として,我が国で登録されている(甲3)。
2 混同の判断について
「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に係る審査基準が挙げる考慮事項について検討すると,以下のとおり,本件商標が使用されると,出所の混同が生じるおそれや,申立人から公認を受けているとの誤認,あるいは,申立人の周知・著名な商標「APPLE」の希釈化汚染化が生じるおそれがある。
(1)出願商標とその他人の標章との類似性の程度
商標の類否判断においては,「外観,称呼又は観念等によって需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に観察し,出願商標を指定商品又は指定役務に使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあるか否かによって判断する」としており,この中で,「外観,称呼,観念」が要素として挙げられているのは,需要者が商標に当たった際に行う「目で確認し,文字を読み,そこから生じる意味を把握する」という一連の流れを捉えたものといえる。つまり,外観を捉え間違えると,そこから生じる称呼ないし観念は正しく把握されない。
本件商標はデザイン化されているが,欧文字の大文字から構成されていると理解できるものであり,申立人の著名商標「APPLE」とは「P」ひとつの欠如と,「I」と「L」の差異を有するが,「I」と「L」は形が似ており,全体として類似した印象である。また,「I」は「L」の小文字「l」と外観上近似しており,フォントによっては区別がつかない場合もある。
例えば,「APiE」のように,大文字の中に小文字を入れ込むことは日常的に行われている(甲4)。このように,本件商標の「P」と「E」の間の文字が「L」の小文字であった場合,本件商標を大文字で表すと「APLE」となり,「ア(ッ)プル」の称呼となる。そうすると,申立人の著名商標と称呼上同一又は類似となる。
したがって,本件商標と申立人の著名商標「APPLE」とは類似する可能性がある。
(2)その他人の標章の周知度
申立人の商標「APPLE」が著名であることは,上記1のとおりである。
(3)その他人の商標が造語よりなるものであるか,又は構成上顕著な特徴を有するものであるか。
本件商標は辞書等に記載がない造語と見受けられ,また,デザイン化されているが,構成上の顕著な特徴は有していない。
(4)その他人の標章がハウスマークであるか
申立人の商標「APPLE」が著名なハウスマークであることは,社名から当然に導き出せる。
(5)企業における多角経営の可能性
申立人はコンピュータ以外の様々な事業分野でも商品展開をしており,例えば,申立人の本社では,コンピュータ関連製品のほか,マグカップやTシャツ,文房具等が販売されている(甲5)。したがって,多角経営の可能性は十分に認められる。
(6)商品間,役務間又は商品と役務間の関連性
商品等の関連性があることは,本件商標の指定商品から十分に認められる。
(7)商品等の需要者の共通性その他取引の実情
申立人の商品と本件商標の指定商品は関連性が認められるので,需要者の共通性は当然認められる。また,その指定商品には申立人の主力製品であるコンピュータ及び関連商品が含まれているため,本件商標に接した需要者は,申立人と経済的又は組織的な関係がある者,あるいは,申立人から公式の許可を受けた者に係る製品と誤認することは明らかである。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,第4条第1項第15号又は同項第7号に該当し,商標登録を受けることができないものであるから,同法第43条の2第1号の規定により,その登録を取り消すべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人の商標の周知性について
申立人の提出する証拠及びその主張によれば,申立人の社名に由来する商標「APPLE」(以下「引用商標」という。)は,我が国において商標登録されており(甲3),また,申立人は,「iMac」等(パーソナルコンピュータ),「iPhone」(スマートフォン),「iPod」(デジタルオーディオプレーヤー),「iPad」(タブレット型コンピュータ),「Apple Watch」(腕時計型携帯情報端末),コンピュータソフトウェア等の商品を製造販売し,2011年から7年連続で「世界で最も価値あるブランドランキング」の首位の座を維持するなど(甲1,甲2),引用商標は申立人の名称とともに,コンピュータ及びその関連分野において,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,相当程度周知になっていたといえる。
(2)本件商標と引用商標の類似性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲のとおり,「APIE」の文字を太字で横書きしてなり,構成中の各文字は灰色を基調として上部から下部にかけて色調を濃くするグラデーションで表したものであるところ,該文字は,我が国において一般的に使用されている英語の辞書等に掲載されている語ではないから,特定の意味合いを想起させない一種の造語として看取されるとみるのが相当である。また,一般的には,特定の意味合い又は特定の読みを想起しない欧文字からなる場合,これに接する取引者,需要者は,我が国において広く親しまれている英語風の読み又はローマ字読みに倣って称呼するとみるのが自然であるから,本件商標からは,「エーピーアイイー」,「アピー」又は「アピエ」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は「APPLE」の文字からなるところ,その構成文字は「りんご」を意味し,我が国においても親しまれた平易な英語であるから,これよりは,「アップル」の称呼及び「りんご」の観念が生じるというのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
まず,外観については,本件商標と引用商標の構成は,それぞれ上記のとおりであり,全体の文字数の差異,「P」の文字の有無,「P」と「E」の文字の間にある「L」と「I」の文字の差異から,両者の外観は明らかに相違するものであり,両者は外観上,明確に区別できるものである。
次に,称呼については,本件商標から生じる「エーピーアイイー」,「アピー」又は「アピエ」の称呼と,引用商標から生じる「アップル」の称呼とは,その音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから,両者は,それぞれを一連に称呼しても,称呼上,互いに聞き誤るおそれはない。
また,観念については,特定の観念が生じることのない本件商標と「りんご」の観念が生じる引用商標とは,観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない別異の商標というのが相当である。
(3)混同のおそれについて
上記(1)のとおり,引用商標は,我が国のコンピュータ及びその関連商品の分野において,相当程度周知な商標であるといえ,また,その使用商品も本件商標の指定商品に含まれるものであり,その需要者も共通するといえる。
しかしながら,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない別異の商標であるから,本件商標をその指定商品に使用した場合,取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すると,申立人の業務に係るコンピュータ及びその関連商品と出所の混同を生ずるおそれがあるとはいえない。
(4)申立人の主張について
申立人は,「L」と「I」は形が似ており,全体として類似した印象であること,並びに,「APiE」(甲4)を例示して,大文字の中に小文字を入れ込むことは日常的に行われているとし,「L」の小文字「l」と「I」は外観上近似しており,フォントによっては「l」と「I」の区別がつかない場合もあるから,本件商標の「P」と「E」の間の文字が「L」の小文字であった場合,本件商標を大文字で表すと「APLE」となり,「ア(ッ)プル」の称呼となるとして,申立人の著名商標と称呼上同一又は類似となる旨主張する。
しかしながら,「L」の文字と「I」の文字とは,「L」の文字の下端にある横線の有無において外観上顕著な差異があり,さらに,本件商標と引用商標とは「P」の文字の有無の差違をも有することから,両者は外観において判然と区別できるものである。また,欧文字の表記の際に,大文字の中に小文字を入れることがあるとしても,本件商標構成中の「I」の文字が「L」の小文字であるといえる理由はなく,申立人の主張は,その前提において妥当とはいえない。
したがって,申立人の主張は,採用できない。
(5)小括
以上から,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
2 商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第7号該当性について
申立人は,本件商標は商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第7号にも該当すると主張するが,その具体的な理由の記載及び証拠の提出はない。また,職権をもって調査するも,本件商標が商品の品質を表示するもの,公正な取引秩序を乱すもの,国際信義に反するもの等,当該規定に該当するというべき事実は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第7号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,第4条第1項第15号及び同項第7号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録は維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)




異議決定日 2017-08-31 
出願番号 商願2016-77478(T2016-77478) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W09)
T 1 651・ 271- Y (W09)
T 1 651・ 22- Y (W09)
最終処分 維持 
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 大森 友子
冨澤 武志
登録日 2017-01-27 
登録番号 商標登録第5917803号(T5917803) 
権利者 深▲セン▼市全野▲電▼子商▲務▼有限公司
商標の称呼 アピエ、アピー、アパイ、エイピイアイイイ 
代理人 丸山 修 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 尾崎 隆弘 
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