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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W353642
審判 全部申立て  登録を維持 W353642
審判 全部申立て  登録を維持 W353642
管理番号 1332399 
異議申立番号 異議2016-900413 
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-27 
確定日 2017-09-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5885616号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5885616号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5885616号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、平成28年4月4日に登録出願、同年8月26日に登録査定され、第35類「従業員の採用・給与・賞与・社会保険・福利厚生の管理に関する事務処理の代行,給与計算・給与支払いに関する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,トレーディングスタンプの発行」、第36類「前払い式電子仮想通貨の発行,前払式証票の発行,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,企業の信用に関する調査,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」及び第42類「クラウドコンピューティング,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」として、同年9月30日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する同人の使用に係る商標は、申立人作成の3つ折りパンフレット(甲2)に表示されている別掲(B)のとおりの構成からなるものであり(以下「引用商標」という。)、第35類「従業員の採用・給与・賞与・社会保険・福利厚生の管理に関する事務処理の代行,給与計算・給与支払いに関する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,コンピューターデータベースへの情報編集」、第36類「通信ネットワークを利用して行う給与の支払いの代行」及び第42類「勤怠管理システム用の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするために高度に専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を使用役務とするものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第42号証(枝番を含む。)を提出した。
1 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第7号について
商標権者は、引用商標を使用した申立人提供のサービスに関して、申立人と一次代理店契約を締結していたところ、商標権者による重大な契約違反及び不正行為が発覚した。これにより、当該一次代理店契約は解除されたにもかかわらず、商標権者は、引き続き申立人の一次代理店であるかのように装い、また、申立人が引用商標を継続的に使用していることを熟知しながら、引用商標に類似することが明らかな本件商標を申立人に無断で出願登録した。実際に、上記代理店契約解除後も申立人と関係があるかのように振る舞った商標権者が、申立人の名前を使用して個人から代理店登録手数料を集めているとの苦情が、申立人に届いている。このような状況における本件商標の出願登録行為、及び本件商標の使用行為は、公正な商標取引の秩序を混乱させ、ひいては社会公共の利益及び公の秩序に反するものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は「ハヤキュウ」の称呼を生じ、引用商標からも「ハヤキュウ」の略称が生じる。また、両商標は、独創的な「早給」の語を顕著に含むため、外観上も紛らわしい。よって、両商標は、称呼及び外観を共通にする類似商標である。また、本件商標の指定役務と引用商標が使用される役務は同一又は類似のものである。さらに、引用商標は、遅くとも平成26年11月頃には申立人提供の役務に関して使用されており、当該役務分野において広く知られるに至っている。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として広く知られていることから、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生じるおそれがある。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
2 登録異議の申立ての具体的理由
(1)商標法第4条第1項第7号について
ア 本件商標について
本件商標は、上段に普通書体の片仮名で「ハヤキュウ」と横書きし、下段に普通書体の漢字で「早給」と二段に書してなるものである。
イ 申立人会社の事業状況の経緯等について
申立人は、平成23年3月3日に設立され(甲3)、主として、顧客企業のために、顧客企業の従業員からの給与の前払等給与日前の資金需要に応えることを目的とし、顧客企業の勤怠システムと連動して給与の自動計算を可能にするために申立人が独自開発した「給与早期支払いシステム」を使用し、給与の支払い代行(立替払いサービス。本項2において、以下「本サービス」という。)等を業として行っているものである。
申立人は、上記システムの商標を申立人の商号の略である「早給」の文字を含んだ「早給システム」とし、平成26年1月に、当該商標のロゴを決めるべく、ロゴデザインの制作の申し込みをした(甲4)。また、同年1月6日に「hayakyu.com」のドメイン名の申し込みを行った(甲5)。なお、当該ドメイン名は、現在も申立人の関係会社である株式会社Hayakyuのホームページに使用されている(甲6)。
申立人は、本サービス自体の商標として、商号からとった「早給.com」も上記と同様にロゴ化し、引用商標を創作した。後述するように、申立人及びその関係会社は、本サービスを提供又は広告等を行うに際して引用商標を表示し、同商標を継続的に使用している。
申立人は、引用商標を使用した本サービスの販路拡大のために、平成26年7月28日付けで、株式会社早給ドットコムサービス(現:早期給料立替システム株式会社,甲7)との間に「立替払いサービス一次代理店契約書」を締結し(甲8)、株式会社早給ドットコムサービスを本サービスに関する営業活動を行う一次代理店とした。
なお、この株式会社早給ドットコムサービスの前の代表取締役である寺岡和哉氏と申立人会社代表取締役の廣田都運氏は元々知り合いであったこともあり、株式会社早給ドットコムサービスの商号の一部に「早給」の文字を含むことを申立人は事実上黙認していた。しかし、平成27年4月27日に寺岡氏が死亡したことにより同社の代表取締役が代わったことから、申立人は同社の商号から「早給」の文字を外すように要請し、その結果、同社の商号は平成28年2月20日に「早期給料立替システム株式会社」へと変更された(甲7)。
また、申立人は、平成26年8月27日付けで、株式会社早給ドットコムジャパン(現:株式会社早給グローバル(商標権者),甲9)とも一次代理店契約を締結した(甲10)。このことは、申立人代表取締役の廣田氏による陳述書(甲11)からも明らかである。商標権者については、後述する(後記エ)。
さらに、申立人は、平成27年4月24日には、株式会社ペイスタイルとの間に、株式会社早給ドットコムサービスを一次代理店とする「立替払いサービス二次代理店契約」を締結し(甲12)、株式会社ペイスタイルも本サービスの営業活動を行うこととなった。
なお、一次代理店及び二次代理店とも、その代理店としての業務は、本サービスを導入する(又は導入を検討する)企業に対して営業活動を行い、申立人に顧客を紹介することであり、本サービスの開発・顧客への導入・運営等は、申立人が行うこととしている。また、一次代理店契約書第18条及び二次代理店契約書第17条において、契約期間中は、申立人は、代理店に対し、代理店業務を行う限度において、申立人の商号及び商標の使用を許諾することとしている(甲8,甲10,甲12)。
その後も、申立人の引用商標を使用した本サービスに関する事業は拡大を続け、平成28年2月18日には申立人と株式会社クレディセゾンとの間で資本・業務提携に関する基本合意書が締結された。これに伴い、申立人会社の代表取締役である廣田氏が平成27年12月14日に設立した「株式会社早給ペイロールカード」は、平成28年2月18日に「株式会社早給セゾンカード」に商号変更した。なお、その後、同社は平成28年9月23日付けで「株式会社Hayakyu」に商号変更されている(甲13)。
なお、申立人は、平成29年1月24日の時点で合計25社の一次代理店を有しており、これらの代理店が引用商標を使用して申立人の本サービスの営業活動を行っている(甲11)。
ウ 申立人による商標出願について
申立人会社代表者の廣田氏は、申立人が実際に使用していた引用商標を保護するために、平成27年1月7日付けで商標「早給ドットコム/早給.com(図案化)」(第35類,第36類,第42類)を特許庁に出願した(商願2015-004240号)。その後、同出願に対して商標法第6条第1項・同法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとの拒絶理由通知書(平成27年4月14日起案)を受けたが、その後廣田氏が特許庁に出向き、同年5月28日付けで手続補正書を提出したところ、同年7月6日起案の登録査定を受領した(甲14)。
このように、申立人会社代表者の廣田氏は、平成27年7月6日には、「早給」を顕著に含む商標の権利を取得可能な地位を獲得していたものである。にもかかわらず、廣田氏は商標出願登録の手続に不慣れであったため、登録査定謄本の送達によって商標登録手続が完了したものと誤解してしまい、その結果、登録料納付の手続を行わなかったものである。
しかしながら、この頃には申立人はすでに引用商標を本サービス等について使用しており、さらなる事業拡大を意図していたため、廣田氏は、前記商願2015-004240号商標の登録を強く希望していたものであり、商願2015-004240号が登録料不納により出願却下処分になったことは、廣田氏の意図したところではなかった。
エ 商標権者について
商標権者は、申立人の本サービスに係る代理店業務を行うことを目的として平成26年10月23日に「株式会社早給ドットコムジャパン」という商号で設立され、その後、平成27年11月30日に商号変更をして「株式会社早給グローバル」となったものである(甲9)。
この商標権者の会社設立当初の取締役は南孝二氏、南博貴氏及び廣田氏の3名であったところ(甲15)、南孝二氏は申立人会社代表者である廣田氏の地元の友人であり、代表取締役に就任した南博貴氏は南孝二氏の長男である。これらのことは、甲第11号証の陳述書からも明らかである。
商標権者の会社設立前に、南孝二氏から廣田氏に対して、申立人の本サービスに係る代理店業務を行いたいとの申し入れがあり、それに申立人が同意したことを受けて、前記の申立人と商標権者との一次代理店契約締結に向けた作業が進められるのと並行して、商標権者の設立手続が進められた。
また、商標権者の設立に際し、同社の商号が「早給」の名を冠するものであったのは、廣田氏が南氏らから「早給」の名称を商号に使用したいと懇請されたためであり、廣田氏は、友人である南孝二氏との個人的な関係を前提に、商標権者の商号に「早給」の語を使用することを黙認した。
商標権者が申立人の本サービスに係る代理店業務を行うために設立されたかつての一次代理店であった事実、及び申立人が商標権者のかつての取締役との個人的な関係を前提に商標権者に「早給」の名称の商号への使用を黙認していた事実は、甲第11号証の陳述書からも明らかである。
このような事情により、「早給」の語を含む商号により、商標権者は、申立人の引用商標を使用した本サービスの代理店業務を行うこととなった。
その後、平成27年5月28日に南博貴氏及び南孝二氏が商標権者の取締役を辞任し、廣田氏が知人を介して知り合った小杉朝光氏が同社の代表取締役に同日付けで就任し、また、申立人の代理店の紹介で廣田氏と知り合った豊田真也氏が同年6月22日に取締役に就任した(甲9,甲15)。
しかしながら、平成27年9月から11月にかけて、小杉氏が、一次代理店契約に関する重大な契約違反及び不正行為を行ったことが判明した(甲11)。この点については、以下のとおりである。
オ 商標権者代表者であった小杉朝光氏による契約違反行為及び不正行為について
上記のとおり、小杉朝光氏は、平成27年5月28日に、商標権者の前身であった株式会社早給ドットコムジャパンの代表取締役に就任した人物である。
小杉氏は、従前からの知人であり、株式会社ドリスから業務の全権委任(甲16)を受けていた三宅良仁氏に対して、平成27年9月19日のEメールにより声をかけ(甲17の1)、申立人の承諾がないにもかかわらず、株式会社ドリスに申立人の本サービスに関する営業活動等を行わせること、及び当該契約による登録料として1億円を株式会社ドリスが商標権者に支払うこと等を内容とする「顧問契約書」を平成27年9月24日付けで締結し(甲17の2)、同「顧問契約書」にて規定された登録料の支払期日変更に関する「覚書」を同日付けで締結した(甲17の3)。
このような小杉氏の行為は、商標権者と申立人との間の信頼関係を破壊する行為であり、商標権者と申立人との間の「立替払いサービス一次代理店契約書」(甲10)の解除ができる「契約の継続が著しく困難である」場合等に該当することは明白である。
これらの顧問契約書及び覚書に従い、三宅氏は、覚書締結日の翌日の平成27年9月25日に商標権者に金3,000万円を振り込み(甲17の4)、小杉氏もその着金の確認をしている(甲17の5)。また、平成27年9月29日には、消費税に相当する金240万円の振り込みについての小杉氏からの要請(甲17の6)に応え、三宅氏は同額を商標権者に振り込んでいる(甲17の7)。
小杉氏の言動に不安を感じた三宅氏は、平成27年10月26日から同年11月2日までの間に小杉氏にその発言内容・状況の真偽の確認を求めたところ、小杉氏からは、三宅氏を安心させるためにか、「上場会社がおよそ30社ほど契約済み」であることは早給ドットコム(申立人)から聞いた、「現時点での早給との契約会社数は概ね200社ほどで、該当従業員数はおよそ80万人」等の回答がなされた(甲17の8)。これらの回答内容は事実に反するものであり、小杉氏が三宅氏を欺くためになされたものである。
平成27年11月9日ないし同月10日には、小杉氏は、同年内に三宅氏が商標権者に残額7000万円を支払えば、1年間は顧客従業員に申立人が立替払いをした総額の0.75%を三宅氏に支払うとの内容の約束を、申立人に無断で三宅氏と交わし、あたかも小杉氏が申立人代表者の廣田氏の同意を得た上で前記約束を交わしたかのように三宅氏に誤信させている(甲17の9)。
その後、三宅氏の質問に対して、小杉氏からの返答は全くなくなり、小杉氏の前記全ての行為は、虚偽の事実を告げることにより三宅氏から不正に金銭を詐取しようとしたものであったことが判明した。
以上の状況を踏まえ、株式会社ドリス、商標権者、三宅氏、小杉氏は、甲第17号証の2の顧問契約書及び甲第17号証の3の覚書を平成27年11月17日に合意解除している(甲17の10)。
カ 申立人との一次代理店契約解除後の商標権者の行為等について
上記の事情から、申立人は、小杉氏及び商標権者との信頼関係維持は困難であり、よって一次代理店契約の継続も困難と判断し、平成27年11月10日付通知書により、商標権者に対して「立替払いサービス一次代理店契約」の解除を通知した(甲18)。このことは、甲第11号証の陳述書からも明らかである。
その後、商標権者から、廣田氏に対して、同社の代表を豊田真也氏に変更することで小杉氏が行った不正行為に目をつぶってほしいとの要望があり、これにより平成27年11月11日に小杉氏が同社の代表を辞任し、同日に豊田氏が代表取締役に就任した(甲9)。
また、平成27年11月30日には、小杉氏が行った不正行為との関連を想起させないようにするためか、商標権者の商号を「株式会社早給ドットコムジャパン」から「株式会社早給グローバル」に変更した(甲9)。
申立人は、一次代理店契約の解除を行う前、及び、「株式会社早給グローバル」への商号変更が行われる前にも、商標権者に対して「早給」の語は使用しないでほしい旨を申し入れたが、結局商標権者はその申し入れは受け入れなかった(申立人としては、商標権者が「早給」の語を、商標としても商号の一部としても使用することを認めたわけではない。)。
以上の状況から、商標権者は、一次代理店契約が解除された平成27年11月10日後は、申立人の本サービスに関する代理店業務を行うことができないはずである。それにもかかわらず、商標権者は、申立人が引用商標を使用していることを熟知していながら、申立人が引用商標を登録していないことを奇貨として申立人に無断で本件商標の出願登録を行い、また、第三者に対して、いまだ申立人の代理店であるかのように振る舞い、引用商標を使用した本サービス導入の勧誘等を継続し、さらには再び第三者である個人から代理店登録手数料を集めるといった活動を行っている(甲11)。
そもそも、商標権者は、申立人の本サービスの代理店として営業活動を行うために設立された会社であり、もとより本サービスの開発・保守及び顧客への導入・運営等を含め本件商標の指定役務に相当するサービスの提供は一切行っておらず、本サービスの営業活動のみを行っていたものである。また、代理店契約解除後においては、商標権者は、上記のとおり、申立人に無断での代理店登録手数料の収集といった不正行為を行っているのみである。商標権者は、代理店契約解除後にあえて本件商標の出願登録を行っているが、上記の状況においては、商標権者自身によって本件商標の指定役務に相当する正当な事業は一切行われてないことは明白である。これらのことを踏まえると、商標権者が本件商標の登録を受けることに正当性はないといわざるを得ない。
そして、商標権者の上記行為の結果、当該第三者において本サービスの出所の混同が生じるに至っている。
実際に、平成28年6月10日には、「早給」を使用して個人から代理店登録手数料を集めている会社があるとの苦情が独立行政法人「国民生活センター」の「江東区消費者センター」を介して申立人に届き、平成28年6月16日に申立人がこの件に関して警察に相談している(甲19)。
さらに、平成28年7月1日にも、「早給グローバル(商標権者)が当社(申立人)の名前を使って個人から代理店登録料を集めている。色々な人を紹介したので不安がある。」との相談が、個人の女性から申立人に直接届き、申立人からは、商標権者と申立人は無関係である旨、被害がある場合には警察に相談してほしい旨を回答している(甲20)。
さらに、商標権者からの勧誘を受けて、引用商標を使用した本サービスの導入を決定した顧客企業もあるところ、商標権者はもはや本サービスに関する代理店ではないため、当該顧客企業は本サービスの提供を受けることができないといった事態も生じている。
これらの事実も、甲第11号証の廣田氏の陳述書のとおりである。
このような商標権者の行為は、申立人の「早給」ブランドを著しく毀損するだけではなく、顧客にも多大な迷惑・損害をかけるものであり、公正な商取引の秩序を乱すものであることは明確である。
キ 商標権者代表者と申立人代表者との面談について
平成28年8月29日に、申立人代表取締役の廣田氏と、当時株式会社早給セゾンカード(現:株式会社Hayakyu(申立人の関係会社))の営業第二部長であった高梨洋一氏は、商標権者の代表者である豊田氏との面談を行った。
面談において、豊田氏は、いまだに商標権者が申立人の本サービスに関する顧客企業への勧誘活動を行っていることを前提に、商標権者へ二次代理店の申し込みをした会社から、本サービスに関するパンフレットの提供がない等のクレームが商標権者になされていること、また、本サービスに関する新規の顧客企業からの申込みも存在すること等を述べた上で、商標権者を再度申立人の本サービスの正規代理店にしてほしいと要望してきた。これに対し、廣田氏は、そのような二次代理店や新規顧客企業に関する報告は申立人側には商標権者からそれまでなされていないこと等を指摘し、また、それまでの商標権者の不正行為等を踏まえると、商標権者の再度の代理店指定は到底考えられない旨を回答している。その上で、廣田氏は、商標権者が真に信頼回復を望み、代理店業務の再開を望むのであれば、まずは商標権者が行った本件商標登録出願(商願2016-38539号)の取下げを直ちに実行するように豊田氏に強く申し入れた。
廣田氏の発言を受けて、豊田氏は本件商標登録出願の取下げを廣田氏に約束した。そして、平成28年9月中に当該取下げの手続をとると明言し、面談を終えた。
それにもかかわらず、豊田氏は、その後、上記の出願取下げの約束を実行せず、本件商標の登録を取得したものである。
これらの事実は、甲第11号証の陳述書のとおりである。
ク 本件商標の登録が商標法第4条第1項第7号に該当することについて
(ア)商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、(a)商標の構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字、図形、又は、当該商標を指定商品あるいは指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、あるいは、社会の一般道徳観念に反するような商標、(b)特定の国若しくはその国民を侮辱する商標又は一般に国際信義に反する商標、(c)特許法以外の法律によって、その使用等が禁止されている商標等が含まれる、と解すべきである。そして、上にいう、社会の一般道徳観念に反するような場合には、ある商標をその指定役務について登録し、これを排他的に使用することが、当該商標をなす用語等につき当該商標出願人よりもより密接な関係を有する者等の利益を害し、剽窃的行為である、と評することのできる場合も含まれ、このような商標を出願し登録する行為は、商標法第4条第1項第7号に該当すべきである(東京高裁平成14年(行ケ)第94号同年7月16日判決,甲21)。
本件についてみると、「ハヤキュウ」及び「早給」の文字からなる本件商標が、商標権者よりも申立人により密接に関係することは、上述のことから明らかである。
また、本件に係る商標登録出願は、引用商標を使用した本サービスのかつての代理店として引用商標の使用事実・使用状況等を熟知していた商標権者により、「早給」の文字を含む商標が申立人によって登録されていないことを奇貨としてなされたものであり、申立人の営業活動を妨害する意図をもって、剽窃的に出願登録されたものであることも明白である。
さらに、商標権者は、剽窃的に本件商標の出願登録を行ったのみならず、本件登録に基づく商標権を申立人に対していつでも行使し得る状況において、商標権者を申立人の代理店として再度指名することを申立人に要請してきた(甲11)。このような商標権者の行為から、本件商標は、かつて申立人の代理店として「早給」に関する商標の権利を尊重して申立人による当該権利の取得・保有及び管理を妨げてはならない信義則上の義務を負っていた商標権者により、申立人による引用商標等の「早給」の語が含まれた商標が実際には登録されていない状況を奇貨とし、代理店契約を解除された商標権者が申立人との再度の代理店契約の交渉を自己に有利に進めることによって不当の利益を得ることを目的として行われたものということは明白である。
(イ)なお、フランチャイザーによる商標登録が存続期間満了により消滅したことを奇貨とし、フランチャイジーが無断で当該商標と類似する商標を登録し、フランチャイザーから過大な金銭的利益を得ようとしたフランチャイジーの商標登録に対し、知財高裁平成27年(行ケ)第10022号同年8月3日判決(甲22)には、以下のように判示されている。
「旧A商標(フランチャイザー代表者の商標)に係る商標権が存続期間満了により消滅することを奇貨として本件出願(フランチャイジーの商標出願)を行い、原告使用商標に係る商標権を自ら取得し、その事実を利用して原告との金銭的な交渉を自己に有利に進めることによって不当な利益を得ることを目的として行われたものということができる。
そして、このような本件出願の目的及び経緯に鑑みれば、被告による本件出願は原告との間の契約上の義務違反となるのみならず、適正な商道徳に反し、著しく社会的妥当性を欠く行為というべきであり、これに基づいて被告を権利者とする商標登録を認めることは、公正な取引秩序の維持の観点からみても不相当であって、『商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護する』という商標法の目的(同法1条)にも反するというべきである。
してみると、本件出願に係る本件商標は、本件出願の目的及び経緯に照らし、商標法4条1項7号所定の『公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標』に該当するものといえる。」
「A及び原告(フランチャイザー及びその代表者)の過失によって生じた旧A商標に係る商標権の消滅という事態を意図的に利用して、原告使用商標に係る商標権を自ら取得し不当な利益を得ようとしたのであり、いわばA及び原告の上記過失に乗じて背信的な行為に及んだのであるから、このような被告の行為の背信性が、A及び原告の上記過失の存在によって減じられるということにはならない。したがって、原告及びAに上記のような重大な義務違反があるからといって、本件商標が公序良俗を害するおそれのある商標に該当するとの上記判断が左右されるものではない。」
この判決の考え方に従えば、商標権者の行為が申立人との契約違反であるのみならず、本件商標の出願登録が、適正な商道徳に反し、著しく社会的妥当性を欠く行為であり、商標権者を権利者とする商標登録を認めることは、公正な取引秩序の維持の観点から不相応であって、商標法第1条の目的にも反するものであることは明らかである。
(ウ)また、台湾の会社の商標が中国等において近日中に使用されることを報道で知った第三者が、当該報道の翌日に当該商標と類似の商標を韓国で出願し、その後当該類似商標を先回り的に日本で出願登録した事件に関する判決では、次のように判示されている(知財高裁平成21年(行ケ)第10297号同22年8月19日判決,甲23)。
「被告(当該第三者)の本件商標の出願は、ASUSTeK社若しくはASRock社(台湾の会社及びその子会社)が商標として使用することを選択し、やがて我が国においても出願されるであろうと認められる商標を、先回りして、不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められるから、商標登録出願について先願主義を採用し、また、現に使用していることを要件としていない我が国の法制度を前提としても、そのような出願は、健全な法感情に照らし条理上許されないというべきであり、また、商標法の目的(商標法1条)にも反し、公正な商標秩序を乱すものというべきであるから、出願当時、引用商標及び標章『ASRock』が周知・著名であったか否かにかかわらず、本件商標は『公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標』に該当するというべきである。」
この判決では、当該第三者が日本にて事業を行っている証拠はなく、また事業を行う意思があるとは思われないことも踏まえ、当該第三者の商標登録は、商標権譲渡による不正な利益を得る目的あるいは台湾の会社及びその取扱業者に損害を与える目的でなされたものと認定され、そのような商標出願は台湾の会社の商標は周知・著名であったか否かを問わずに、公序良俗違反と判断されている。
上記に引用した判決の趣旨を踏まえると、本サービスの開発・保守及び顧客への導入・運営等はおろか、本件商標出願時及び登録時においては本サービスに関する営業活動さえ行うことができない商標権者が、本件商標の出願登録を行うことは、申立人や正規代理店に損害を与えることを目的とし、あるいは申立人との再度の代理店契約に関する交渉を有利に進めるためであったことは明らかであり、そのような行為が公序良俗に違反するものであることも明白である。
(エ)これらのことから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の周知性について
上述のとおり、引用商標との関連における申立人の主たる業務は本サービスであるが、本サービスの提供には各種付帯サービスの提供も必須である。申立人が提供している付帯サービスも含めると、申立人は第35類の「従業員の採用・給与・賞与・社会保険・福利厚生の管理に関する事務処理の代行,給与計算・給与支払いに関する事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,コンピューターデータベースへの情報編集」、第36類の「通信ネットワークを利用して行う給与の支払いの代行」及び第42類の「勤怠管理システム用の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするために高度に専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」の役務(以下「申立人提供役務」という。)を提供しており、これらについても引用商標を使用している。
そして、申立人は、代理店を通じ、申立人提供役務について、遅くとも平成26年11月には引用商標の使用を行っていたことは、一次代理店である株式会社早給ドットコムサービス(現:早期給料立替システム株式会社)のウェブサイトから明らかである(甲24)。
平成27年5月11日には、申立人のウェブサイトである「早給ドットコムサイト」を作成し(甲25)、同年7月にはその英訳ページも制作している(甲26)。
また、平成27年2月28日には、引用商標が大きく表示された本サービスに関するパンフレット(甲2)の発行を、株式会社インサイドに10,000部発注している(甲27)。このことから、引用商標を使用した本サービスの宣伝広告は大々的に行われたことが伺える。
平成27年9月7日頃には申立人の「早給.comロゴ」が付された社章が作成され(甲28の1・2)、さらに、同ロゴが付された封筒が平成27年8月26日に4,000枚作成されている(甲29の1・2)。
申立人提供役務に関しては、代理店も営業活動を行っているところ、前記の株式会社早給ドットコムサービス(現:早期給料立替システム株式会社)が引用商標を使用して本サービスの宣伝広告を行っている(甲24)ほかに、二次代理店の株式会社ペイスタイルの平成27年4月頃に開設されたウェブサイトにおいても、商標「早給.com」を使用して申立人提供役務の宣伝広告がなされている(甲30)。
さらに、上述のとおり、申立人の関係会社となった株式会社早給セゾンカード(現:株式会社Hayakyu,甲13)も、平成28年2月27日に取得された「hayakyusaisoncard.com」のドメインによる同社ウェブサイトにおいて(甲31)、「早給」のロゴを含む「早給SAISON CARD」の商標を使用して申立人提供役務の宣伝広告を行っており(甲32)、また、同商標を使用したパンフレットも発行している(甲33)。
加えて、主要なインターネット検索エンジンにより「早給」を検索してみると、該当のほとんどが申立人又は株式会社早給セゾンカードに関するものであった(甲34)。
これらの事情を総合的に考慮すると、引用商標は、本件商標の登録出願日である平成28年4月4日及び同登録日である同年9月30日のいずれの時点においても、申立人提供役務に関して申立人を表示する商標として取引者又は需要者の間に広く知られていたと考えるのが妥当である。
なお、平成28年9月には、申立人の関係会社である株式会社早給セゾンカード(現:株式会社Hayakyu)は、テレビ番組やコマーシャルを制作するユニットであるAC部の板倉俊介氏に「早給」商標が表示される本サービスのプロモーションアニメーション映像(甲35)の制作を依頼し(甲36)、同アニメーション映像は株式会社Hayakyuの1階に所在するカフェにおいて流されている。さらに、同映像は、平成28年8月30日から同年9月1日まで東京ビッグサイトにおいて開催された展示会「外食ビジネスウィーク2016」(甲37)に出展した申立人のブースにおいても流された。
さらに、株式会社早給セゾンカード(現:株式会社Hayakyu)は、平成28年3月24日に同じく「早給」商標が表示される本サービスのプロモーション映像(甲38)の作成を株式会社ロボットに発注し(甲39)、同年4月20日の映像製作作業完了を受けている(甲40)。ほかに、平成28年4月頃には株式会社日本ケーブルテレビジョンにも「早給」商標が表示される本サービスのプロモーション映像(甲41)を作成してもらった。これらの甲第38号証及び同第41号証の映像も、株式会社Hayakyuの1階に所在するカフェにおいて流されている。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標は、上記2(1)アの項に記載のとおりの態様であり、構成文字に相応して「ハヤキュウ」の称呼を生じる。
引用商標は、青色に着色された斜体の漢字「早給」に続けて、若干小さい白色の欧文字「.com」を横書きし、「com」の文字の上に「¥」を中央に有する紙幣と思しき図形から構成されるものである(甲2)。引用商標からは、その構成文字に相応して「ハヤキュウドットコム」の一連の称呼を生じる。また、引用商標中の「早給」の文字がひときわ大きく、また、この部分のみ青色に着色されていることに加えて、「.com」の文字部分はインターネットドメイン名における商業組織を表示するものとして理解され、自他役務の識別標識として機能しない部分であることから(異議2013-900274号ほか多数審決等において同旨,甲42)、引用商標からは「ハヤキュウ」の略称も生じる。
よって、本件商標と引用商標は、いずれも「ハヤキュウ」の称呼を生じるものである。
また、両商標に顕著に含まれる「早給」の語は、特定の観念を生じないものの、申立人の本サービスの内容を暗示させる、端的かつ独創的な造語であるため、両商標に接する取引者又は需要者の目をひときわ引きつける要部である。
したがって、このような「早給」の語を目立つ態様で要部として含む本件商標と引用商標は、外観においても相紛れるおそれが充分にあるといえる。
よって、本件商標と引用商標は、その称呼及び外観において紛らわしいものであり、両商標が類似することは明らかである。
ウ 本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の類似性について
引用商標が継続して使用されている申立人提供役務は上記のとおりであるが、これらは本件商標の指定役務と同一又は類似である。
これらのことから、本件商標は、申立人提供役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた商標に類似する商標であって、申立人提供役務に類似する役務に使用されるものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当することは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(2)イのとおり、本件商標と引用商標は、極めて独創的な「早給」の文字を共通にするものであり、互いに類似するものである。
また、申立人は、多数の会社と代理店契約を締結していることから、本サービスないし申立人提供役務に関する引用商標は、申立人のみならず多くの代理店によっても使用されている。
そして、引用商標は、上記(2)アのとおり、需要者の間で申立人の業務に関する商標として広く知られている。
このような状況において、引用商標に類似する本件商標の登録が仮に維持され、商標権者による本件商標の使用がなされた(継続された)場合には、需要者において、あたかも商標権者がいまだ申立人の正規代理店であるかのように誤認し、出所の混同が生じる可能性は極めて高いといわざるを得ない。
まして、商標権者がかつては実際に申立人の一次代理店として営業活動を行っていた事実を踏まえれば、商標権者の現状を詳しく知らない需要者が本件商標に接した場合には、商標権者がいまだに申立人の正規代理店であると誤解する方がむしろ自然である。
さらに、商標権者が申立人の名前を使って個人から代理店登録料を集めているとの苦情・相談が申立人に寄せられたことは、上記(1)カのとおりである。このことから、商標権者は、申立人の引用商標の信用にただ乗りする意思があったことは明白である。前記苦情・相談の例は、幸いにして当該第三者が商標権者の言動に疑問を持ったため苦情等が申立人に届き、正確な状況の説明がなされたものである。しかし、商標権者が申立人の名前を使って出所の混同を生じさせ、不正行為を行うことを企図した例がほかにもあることが懸念される。本件商標の登録が維持された場合には、このような出所の混同がさらに生じるおそれは高いと考えられる。
以上のことから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)本件商標の登録阻止のための申立人の行為について
申立人は、本件商標の出願に対して、平成28年8月30日付けで刊行物等提出書を提出している。
申立人は、本件商標登録の査定前に間に合うように当該刊行物等提出書を提出できるように努力していたものではあったが、刊行物等提出書の提出日と同日に本件商標出願に対する登録査定が発送されてしまったものである。
3 むすび
上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第4 当審の判断
1 申立人、商標権者及び引用商標について
申立人の提出に係る証拠方法及びその主張によれば、以下のことがいえる。
(1)申立人及びその事業等について
ア 申立人は、「生体認証を用いた勤怠システムの開発・販売・提供、給料計算ソフトの開発・販売・提供、給与早期支払いシステム(週払い・日払い)の開発・提供」等を目的として、平成23年3月3日に設立された法人であり、その代表取締役は廣田都運である(甲3)。
そして、申立人は、「給与早期支払システム」に係る商標のロゴデザインの申込みを平成26年1月に行い(甲4)、また、「hayakyu.com」のドメイン名の申し込みを行っており(甲5)、さらに、「給与早期支払いシステム」を使用した給与の支払い代行を行うサービス(以下「立替払いサービス」という。)の商標として、別掲(B)のとおりの構成からなる引用商標を創作し使用している(甲2)。
イ 申立人は、引用商標を使用した立替払いサービスの販路拡大のために、該サービスに関する営業活動を行う一次代理店とする契約(甲8,甲10)を、平成26年7月28日付けで株式会社早給ドットコムサービス(現:早期給料立替システム株式会社,甲7)と、同年8月27日付けで株式会社早給ドットコムジャパン(現:株式会社早給グローバル(商標権者),甲9)との間でそれぞれ行った。さらに、申立人は、株式会社早給ドットコムサービスを一次代理店とし、株式会社ペイスタイルを立替払いサービスの二次代理店とする契約を平成27年4月24日に締結した(甲12)。
そして、一次代理店及び二次代理店の代理店としての業務は、立替払いサービスを導入する(又は導入を検討する)企業に対して営業活動を行うこととされ、また、契約期間中、申立人は、代理店に対し、代理店業務を行う限度において、申立人の商号及び商標の使用を許諾することとされている(甲8,甲10,甲12)。
ウ 申立人の代表取締役である廣田都運が平成27年12月14日に設立した「株式会社早給ペイロールカード」は、申立人と株式会社クレディセゾンとの間で資本・業務提携に関する基本合意書が同28年2月18日に締結されたことに伴い、同日に「株式会社早給セゾンカード」に商号変更し、その後、同社は同年9月23日付けで「株式会社Hayakyu」に商号変更されている(甲13)。
エ 廣田都運の平成29年1月26日付け陳述書(甲11)には、「当社の提供する給与立替払いサービスとは、顧客企業のために、顧客企業の従業員からの給料の前借等給料日前の資金需要に応えることを可能とするサービスである。当社は、主として代理店を通じて営業しており、現在、合計25社の一次代理店を有している。代理店には、当社に代わって該サービスの営業活動等を行う一次代理店と、さらにその一次代理店に代わって該サービスの営業活動等を行う二次代理店がある。」旨の記載がある。
オ 申立人による商標登録出願について
申立人の代表取締役の廣田都運は、平成27年1月7日付けで別掲(C)の構成からなる商標を第35類「コンピューターデータベースへの情報編集」、第36類「通信ネットワークを利用して行う給与の支払の代行」及び第42類「勤怠管理システム用の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として登録出願した(商願2015-004240号:甲14)。その後、同出願は、平成27年7月6日付けで登録査定がされた(甲14)が、法律で定められた期間内に登録料の納付がなかったので却下された。
(2)商標権者及び同社と申立人との関係について
ア 商標権者は、「生体認証を用いた勤怠システムの開発・販売・提供、給料計算ソフトの開発・販売・提供、給与早期支払いシステム(週払い・日払い)の開発・提供」等を目的として、平成26年10月23日に「株式会社早給ドットコムジャパン」という商号で設立された法人であり、その後、同27年11月30日に商号変更をして「株式会社早給グローバル」となったものである(甲9,甲15)。
商標権者の会社設立当初の取締役は、南博貴、南孝二及び廣田都運の3名であり、南博貴が代表取締役であった(甲15)。
その後、平成27年5月28日に、南博貴及び南孝二が取締役を辞任し、小杉朝光が同代表取締役に同日付けで就任し、また、豊田真也が同年6月22日に取締役に就任した(甲9,甲15)。
さらに、平成27年11月11日に、小杉朝光及び廣田都運が取締役を辞任し、同日付けで豊田真也が代表取締役に就任している(甲9)。
イ 商標権者代表者であった小杉朝光は、株式会社ドリスから業務の全権委任(甲16)を受けていた三宅良仁を介して、株式会社ドリスに申立人の立替払いサービスに関する営業活動等を行わせること、及び当該契約による登録料として1億円を株式会社ドリスが商標権者に支払うこと等を内容とする「顧問契約書」を平成27年9月24日付けで締結し(甲17の2)、同「顧問契約書」にて規定された登録料の支払期日変更に関する「覚書」を同日付けで締結した(甲17の3)。
その後、株式会社ドリス、商標権者、三宅良仁及び小杉朝光は、平成27年11月17日に、上記の「顧問契約書」(甲17の2)及び「覚書」(甲17の3)を合意解除することを確認している(甲17の10)。
ウ 申立人は、平成27年11月10日付け通知書により、商標権者に対して「立替払いサービス一次代理店契約」の解除を通知した(甲18)。
エ 廣田都運の平成29年1月26日付け陳述書(甲11)には、「(a)商標権者は、かつて申立人の一次代理店であり、申立人は商標権者取締役との個人的関係を前提に『早給』の名称の商号への使用を黙認していた、(b)商標権者は、その重大な契約違反が発覚したため当該一次代理店指名に係る契約を解除されたにもかかわらず、本件商標を出願し、さらに、引き続き申立人の代理店であるかのように振る舞っている、(c)商標権者は、再度代理店として指定されることを希望しており、そのため本件商標の出願の取下げを約束した。」旨の記載がある。
オ 平成28年6月10日に、申立人の名をかたって人から代理店登録料を集めている企業があるとの問合せが独立行政法人「国民生活センター」の「江東区消費者センター」からあり、平成28年6月16日に申立人がこの件に関して警察に相談している(甲19)。
また、平成28年7月1日に「早給グローバル(商標権者)が当社(申立人)の名前を使って個人から代理店登録料を集めている。色々な人を紹介したので不安がある。」との相談が個人の女性から申立人にあり、申立人からは、商標権者と申立人は全く関係ない、被害がある場合には警察に相談してほしい旨の回答がされている(甲20)。
(3)引用商標の周知性に係る証拠方法ついて
引用商標の周知性を立証するために申立人が提出した証拠方法(甲第24号証ないし甲第41号証)についてみるに、(a)株式会社早給ドットコムサービス(現:早期給料立替システム株式会社)のウェブサイトの写し(甲24)に、「給料前払いシステム(早期給料立替システム)」の記載とともに引用商標が表示されていること及び「2014年11月:『早給システム』ご案内業務を開始いたしました。・・・」の記載があること、(b)2015(平成27)年5月11日に「早給ドットコムサイト制作費」が請求されていること(甲25)、(c)平成27年6月24日に「早給ドットコムウェブサイト英訳」の費用が請求されていること(甲26)、(d)2015(平成27)年2月28日に申立人会社のパンフレットである「【早給.com】3つ折りパンフレット」の作成費が請求されていること(甲27)、(e)平成27年9月7日に引用商標に係る申立人の「社章の金型」の作成代が請求されていること(甲28の1・2)、(f)2015(平成27)年8月26日に引用商標が表示された申立人の封筒4,000枚の作成代が請求されていること(甲29の1・2)、(g)株式会社ペイスタイルのウェブサイト(「Copyright(C)2015 paystyle.All rights reserved.」の表示がある。)において、「給料前払い、給料管理クラウドシステム早給ドットコム」、「給料立替前払いシステム」、「早給.comは給料前払いシステムです。」等の記載があること(甲30)、株式会社早給セゾンカード(現:株式会社Hayakyu)は、平成28年2月27日に取得した「hayakyusaisoncard.com」のドメインによる同社ウェブサイトにおいて、「早給SAISON CARD」の商標の表示及び「早給カードはスマートで賢い新しい給与前払いの形」の記載とともに、早給カードについての説明等が記載されている(甲31?33)、(i)株式会社早給セゾンカード(現:株式会社Hayakyu)は、「早給SAISON CARD」の商標が表示並びに「早給カード」及び「HAYAKYU CARD」の記載のある「立替払いサービス」のプロモーション映像の制作の発注確認を2016(平成28)年3月24日、作業完了確認を同年4月20日に株式会社ロボットとの間で行っていること(甲39・40)からすれば、引用商標が「立替払いサービス」について、平成26年末ないし同27年8月頃から申立人又は一次代理店である株式会社早給ドットコムサービス(現:早期給料立替システム株式会社)によって使用されていたことは認めることができるものの、その使用期間は短く、使用数量及び使用地域について具体的な主張、立証はない。そして、申立人による新聞、雑誌等への広告及びその実績が分かる証拠物の提出や引用商標に関する申立人以外の者による一般紙、業界紙、雑誌又はインターネット記事等紹介記事の提出はない。
また、宣伝広告を行っているとして提出された甲第24号証にしても、申立人の一次代理店本人のウェブサイトであり、企業がホームページを開設することが普通である今日において、周知性を立証する証拠として高い評価をすることはできない。同じく、甲第30号証ないし甲第33号証、甲第39号証及び甲第40号証については、それぞれの証拠に表された商標の構成態様が引用商標と同一のものとはいえない。
さらに、申立人は、主要なインターネット検索エンジンにより「早給」を検索してみると、該当のほとんどが申立人又は株式会社早給セゾンカードに関するものであった(甲34)ことを引用商標の周知性の証拠として挙げているが、検索方法の妥当性も明確ではなく、このことをもって引用商標の周知性を判断することはできない。
なお、甲第35号証ないし甲第38号証については、本件商標の登録査定後におけるものであり、また、甲第41号証は、立証事実に係る日付が不明である。
その他、引用商標の周知性を裏付ける証拠は見いだせない。
以上によれば、引用商標は、申立人及びその一次代理店により、「立替払いサービス」について、本件商標の登録出願の時より前から継続的に使用されていることは認められるが、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、日本国内における需要者の間に広く認識されていると認めるに足りる証拠はない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、申立人の業務に係る役務を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。
また、引用商標が、申立人の業務に係る役務を表すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない以上、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというのが相当である。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、該役務が申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)商標法第4条第1項第7号は、公の秩序または善良の風俗を害するおそれのある商標は、商標登録を受けることができない旨規定しているところ、同規定の趣旨からすれば、(a)当該商標の構成自体が矯激、卑猥、差別的な文字、図形である場合など、その商標を使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反する場合、(b)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(c)当該商標ないしその使用が特定の国若しくはその国民を侮辱し又は一般に国際信義に反するものである場合がこの規定に該当することは明らかであるが、それ以外にも、(d)特定の商標の使用者と一定の取引関係その他特別の関係にある者が、その関係を通じて知り得た相手方使用の当該商標を剽窃したと認めるべき事情があるなど、当該商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、その商標登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合も、この規定に該当すると解するのが相当である(知財高裁平成16年(行ケ)第7号同年12月21日判決参照)。
また、同号は、周知商標等を使用している者以外の者から登録出願がされたような場合においても、商標保護を目的とする商標法の精神に反するなどとの理由で、適用される事例もなくはない。しかし、商標法は、出願に係る商標について、特定の利害を有する者が存在する場合には、それぞれ類型を分けて、商標法所定の保護を与えないものとしている(商標法第4条第1項第8号、第10号、第15号、第19号参照)ことに照らすと、周知商標等を使用している者以外の者から登録出願がされたような場合は、特段の事情のない限り、専ら当該各号の該当性の有無によって判断されるべきといえる。周知商標等を使用している者が、出願を怠っている場合や他者の出願を排除するための適切な措置を怠っていたような場合にまで、「公の秩序や善良な風俗を害する」ものとして、商標法第4条第1項第7号の適用があり得ると解するのは,妥当ではない(知財高裁平成23年(行ケ)第10104号同年10月24日判決参照)。
(2)本件において、申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する理由として、「商標権者は、引用商標を使用した申立人提供のサービスに関して、申立人と一次代理店契約を締結していたところ、(a)当該一次代理店契約は解除されたにもかかわらず、引き続き申立人の一次代理店であるかのように装っており、実際に、商標権者が申立人の名前を使用して個人から代理店登録手数料を集めているとの苦情が申立人に届いている、また、(b)申立人が引用商標を継続的に使用していることを熟知しながら、引用商標に類似することが明らかな本件商標を申立人に無断で出願登録した。このような状況における本件商標の使用行為、及び本件商標の出願登録行為は、公正な商標取引の秩序を混乱させ、ひいては社会公共の利益及び公の秩序に反するものである。」旨主張している。
しかしながら、申立人の主張(a)についてみるに、申立人及び商標権者の関係は、上記1(1)及び(2)のとおり、申立人が、引用商標を使用した立替払いサービスの販路拡大のために、該サービスに関する営業活動を行う一次代理店とする契約を、他の法人と同様に、平成26年8月27日付けで商標権者との間でも行ったものであって、代理店業務を行う限度において、申立人の商号及び商標の使用を許諾することとされていたところ、申立人は、平成27年11月10日付けで商標権者に対して該「立替払いサービス一次代理店契約」の解除を通知したものである。また、商標権者の会社設立当初の取締役には、申立人の代表取締役である廣田都運が含まれていたが、平成27年11月11日に、廣田都運が取締役を辞任し、同日付けで同年6月22日に取締役に就任していた豊田真也が代表取締役に就任している。以上の経緯及び事情からすれば、商標権者が申立人の一次代理店であるかのように装っていることに係る事項は、本件商標の登録の可否とは直接関係のない当事者間の契約の履行に係る私的な問題といえるものである。
次に、申立人の主張(b)についてみるに、上記1(1)のとおり、申立人は複数の法人と代理店契約を結び「立替払いサービス」等の業務を行う法人であるにもかかわらず、引用商標が採択された当初には商標登録出願を行っておらず、また、申立人の代表取締役の廣田都運を出願人として別掲(C)の構成からなる商標を第35類「コンピューターデータベースへの情報編集」、第36類「通信ネットワークを利用して行う給与の支払の代行」及び第42類「勤怠管理システム用の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として登録出願したのは、平成27年1月7日になってからであって、しかも、その後、同出願に対して同年7月6日付けで登録査定がされたにもかかわらず、法律で定められた期間内に登録料の納付がなかったので、該出願は却下されたものである。この経緯は、出願を怠っていたものと同様の行為といわざるを得ない。
そうすると、上記の申立人の主張する理由は、いずれも「公の秩序や善良な風俗を害する」基礎事実と認めることはできず、申立人、商標権者間の契約を巡る紛争等として解決されるべき問題といえる。
もとより、本件商標は、別掲(A)のとおりの構成からなるものであり、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形ではないし、他の法律によってその使用等が禁止されているものでもない。
また、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、日本国内における需要者の間に広く認識されているとは認められないこと、上記1のとおりであり、さらに、上記のとおり、引用商標の使用及び本件商標に係る商標権の帰属等をめぐる問題は、あくまでも、当事者同士の私的な問題として解決すべきであるとみるのが相当であり、本件商標の商標権者が引用商標を剽窃的に登録出願したとまでは断定し得ないから、申立人の上記主張は採用することができない。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標といえないから、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものとはいえない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(A)本件商標


(B)引用商標

(色彩については、原本を参照のこと。)

(C)申立人による商標登録出願に係る商標(商願2015-4240)

(色彩については、原本を参照のこと。)

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異議決定日 2017-08-31 
出願番号 商願2016-38539(T2016-38539) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W353642)
T 1 651・ 271- Y (W353642)
T 1 651・ 255- Y (W353642)
最終処分 維持 
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 酒井 福造
網谷 麻里子
登録日 2016-09-30 
登録番号 商標登録第5885616号(T5885616) 
権利者 株式会社早給グローバル
商標の称呼 ハヤキュウ、ハヤキュー、ソーキュー 
代理人 宇梶 暁貴 
代理人 湯村 暁 
代理人 岩瀬 ひとみ 
代理人 杉村 光嗣 
代理人 八木 智砂子 
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