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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W4344
管理番号 1332376 
審判番号 不服2016-15519 
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-18 
確定日 2017-09-08 
事件の表示 商願2015- 55485拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「新都市型ホテル」の文字を横書きしてなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,タオルの貸与」及び第44類「入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧」を指定役務として、平成27年6月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『新都市型ホテル』の文字を書してなるところ、その構成中、『新』の文字は『あたらしいこと。あたらしくすること。』を意味し、一般に、他の単語と結合して『新○○』と表されたときには、『新しい○○』程の意味合いを理解させるものである。また、『都市型ホテル』の文字は『大都市の市街地に立地するホテル』程の意味合いを有する語として使用されている。以上のことから、本願商標は、全体として『新しい、大都市の市街地に立地するホテル』程の意味合いを容易に認識させるものである。そうすると、本願商標をその指定役務中、都市型ホテルにおける『宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,タオルの貸与,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧』に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その役務が『新しい都市型ホテル』において提供されることを認識するにとどまるとみるのが相当であるから、本願商標は、役務の質及び提供場所を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「新都市型ホテル」の文字を書してなるところ、その構成中の「新」の文字は、「あたらしいこと。あたらしくすること。」を意味する語であり、「都市」の文字は、「都会」の意味を有する語であり、「型」の文字は、「ものを類に分けた時、それぞれの特質をよく表した典型。そのような形式・形態。タイプ。パターン。」の意味を有する語であり、「ホテル」の文字は、「旅館。特に、西洋風の宿泊施設。」の意味を有する語(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)であって、これらの語は、いずれも一般に親しまれ、よく知られた語といえるものである。
そうすれば、本願商標は、よく知られた語からなる、その構成文字全体として、「あたらしい、都会にあった形式のホテル(西洋風の宿泊施設)」程の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、本願商標の構成中の「都市型ホテル」の文字は、「都会にあった形式のホテル」程の意味合いを有する語として、原審で示した事実のほか、以下のように使用されている実情がある。
<書籍>(下線は合議体が付与。以下、同じ。)
ア 2016年7月20日に株式会社秀和システムによって発行された「図解入門業界研究 最新ホテル業界の動向とカラクリがよ?くわかる本[第3版]」においては、その50頁に、「シティホテルとダウンタウンホテル」の見出しの下、「シティホテルは『都市型ホテル』とも呼ばれ、その名のとおり都市の中心市街地に位置し、都市型・洋式の有用な機能、サービスを提供しています。」の記載がある。
イ 2016年2月6日に東洋経済新報社によって発行された「週刊東洋経済 特集 ホテル/株・原油」においては、その58頁に、「初の都市型ホテル/アマン東京の勝負」の見出しの下、「東京オフィス街ど真ん中の大手町立地という都市型ホテルはグループ初だ。」の記載がある。
ウ 2003年9月1日に株式会社フード・ビジネスによって発行された「月刊ホテル旅館 9月号」においては、「特集/都市再開発のなかで生まれた宿泊主体の新業態を徹底分析/『新・都市型ホテル』の誕生」の記事中、その47頁に、「『新・都市型』ホテル/その成否を分ける鍵」の見出しの下、「東京では新しいタイプの都市型ホテルが続々開業している。・・・新・都市型ホテルは、客室『主体』型。部屋数は中規模だが、各客室は広めでゆったり感が売り物だ。」等の記載がある。
<インターネット情報>
ア 「トラベルボイス株式会社」のウェブサイトにおいて、「博多駅前に新たな都市型ホテル、新ランドマークビル建設で -近鉄グループ」の見出しの下、「近鉄不動産と近鉄・都ホテルズは、福岡市・博多駅前に新しいランドマークビルを建設し、新都市型ホテルをオープンする。同地の『博多都ホテル』の建て替え計画として、このほど概要を発表した。」の記載がある。
(https://www.travelvoice.jp/20170420-87368)
イ 「トラベルボイス株式会社」のウェブサイトにおいて、「貸会議室TKPが初の都市型ホテルを運営開始、シティホテルとリゾートMICEを融合」の見出しの下、「貸会議室事業などを行なうティーケーピー(TKP)が2017年4月、東京の湾岸エリアに『ベイサイドホテル アジュール竹芝』をオープンした。・・・都市型ホテルのオープンは今回が初めてとなる。『ベイサイドホテル アジュール竹芝』では、リゾートセミナーホテルとシティホテルを融合させた『ハイブリッドシティホテル』として運営する方針だ。」の記載がある。
(https://www.travelvoice.jp/20170425-86445)
ウ 「東急不動産株式会社」のウェブサイトにおいて、「都市型ホテル」の見出しの下、「訪日外国人数が過去最高を記録する日本では、都心のホテル不足が深刻化しています。東急ステイ株式会社では、東京都心部を中心に、出張や研修などのビジネスからインバウンドを視野に入れた観光まで、多用途にご利用いただける都市型ホテル『東急ステイ』を展開しています。」の記載がある。
(https://www.tokyu-land.co.jp/wellness/stay/)
エ 「大和ハウス工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「都市型ホテル/ビジネスとレジャーのニーズに応え、お客さまの満足度を高めていきます」の見出しの下、「都市型ホテル事業では、利便性の高い全国の都心部駅前で『ダイワロイネットホテル』『大阪第一ホテル』『ロイトン札幌』を展開しています。」の記載がある。
(http://www.daiwahouse.com/businessfield/life/hotel.html)
オ 「産経WEST」のウェブサイトにおいて、「京阪HDが都市型ホテル新設へ 枚方市駅前再開発の中核、加藤好文社長『京都、大阪観光に提案』」の見出しの下、「京阪ホールディングス(HD)の加藤好文社長は20日、産経新聞のインタビューに応じ、大阪府枚方市の京阪枚方市駅前に都市型ホテルを新設する方針を明らかにした。同駅前では枚方市役所の建て替えや、文化・芸術施設の建設を含む大規模再開発が予定されており、京阪が運営するホテルは中核施設の一つとなる見通しだ。」の記載がある。
(http://www.sankei.com/west/news/161221/wst1612210012-n1.html)
カ 「日本経済新聞電子版」のウェブサイトにおいて、「都市型ホテル、客層幅広く JRさいたま新都心ビル全面開業」の見出しの下、「JR東日本がさいたま新都心駅(さいたま市)近くに建設した複合商業施設が13日、全面開業した。目玉は同社子会社が運営する『ホテルメトロポリタン』だ。周辺の宿泊施設の不足に対応し、都市型ホテルながらビジネスや観光など幅広い客層を取り込む。」の記載がある。
(http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB13H3W_T10C17A6L72000/)
キ 「朝日新聞DIGITAL」のウェブサイトにおいて、「山口)海響館の増築検討 都市型ホテル誘致も 市が方針」の見出しの下、「市は昨年8月に下関商工会議所から提案があったあるかぽーと地区の開発案についても庁内で検討してきた。その結果、海響館の増築のほか、都市型ホテルの誘致なども必要と判断した。今後、実施に向けた具体的な検討に入るという。」の記載がある。
(http://www.asahi.com/articles/ASJD742RXJD7TZNB00M.html)
ク 「東京建物株式会社」のウェブサイトのニュースリリースにおいて、「都市型ホテル開発事業を積極展開/『(仮称)六本木6丁目プロジェクト』着工/?国際都市・六本木に新しく誕生する149室の新ランドマークホテル?」の見出しの下、「【都市型ホテル開発事業について】/当社は、昨今のホテル需要の高まりや投資家のニーズを受け、当社のデベロッパーとしてのノウハウを活用し、今後都市型ホテルの開発を積極展開してまいります。立地によりホテルオペレーター・複合用途をベストミックスし、事業性の最大化を企図してまいります。」の記載がある。
(http://pdf.irpocket.com/C8804/xoy0/czLh/FtSo.pdf)
ケ 「ROUTE INN HOTELS」のウェブサイトにおいて、「ホテルブランド一覧」の「アークホテル」に「アークホテルは、東京・大阪・京都・博多等、主要都市を中心に全国8店舗を展開している都市型ホテル。ライフステージやお客様の目的に応じいつでもご利用いただけるよう、ブライダルから宴会まで様々な機能を備えています。都会的でハイセンスな外観、落ち着きのある上品な客室、明るく洗練されたインテリアなどは、優雅な雰囲気を贅沢な癒しの時間をお求めのお客様や、女性のお客様に最適です。」の記載がある。
(http://www.route-inn.co.jp/brand/)
コ 「ダイワロイヤルホテルズ」のウェブサイトにおいて、「京都・大阪・名古屋にて新たな都市型ホテルをオープン!」の見出しの下、「当社は1973年の設立より、リゾートホテルを中心に28ホテルを運営していますが、このたび経営基盤の更なる強化、多様な需要の変化、特にインバウンド需要の増加に対応して、既存リゾートホテルとのシナジー効果を期待して都市部においてホテルを開業することになりました。新規に開発するホテルは、これまでの都市型ホテルと違い、リゾートホテルの運営ノウハウを活かした新たなスタイルとします。」の記載がある。
(http://www.daiwaresort.jp/73499/)
そうすると、「新都市型ホテル」の文字からなる本願商標は、その構成文字から、「あたらしい、都会にあった形式のホテル(西洋風の宿泊施設)」程の意味合いを容易に理解させるものであり、かつ、上記した書籍やインターネット情報の「都市型ホテル」の使用例及びその使用例には「新都市型ホテル」の使用例もあることからすると、「新都市型ホテル」の文字からなる本願商標を、その指定役務中、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」及び第44類「入浴施設の提供」に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「あたらしい、都会にあった形式のホテルにおける役務」を表したものとして理解するものであり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものである。
してみれば、本願商標は、その役務の質、提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標は、もともと請求人の独自の創作に係る造語であるから、その構成文字列そのものからは特定の観念を抽出し得ない・・・本願商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても不可分一体の構成を有しており、『新』部分と『都市型ホテル』部分とに分離してその登録性を判断されるべき要因を何ら有しない。・・・本願商標を『新』部分と『都市型ホテル』部分とに分けたうえ辞書やインターネットにある記載を手掛かりにそれぞれの意味合いを恣意的に結び付けることで『新しい、大都市の市街地に立地するホテル』といった特定の意味合いを見出したことによるものであるが、斯かる認定は、不可分一体に構成された本願商標の外観、称呼、観念に対する無視、無理解の結果であって失当である。特に簡易かつ迅速を旨とする商取引の実際にあって、需要者らが、本願商標に接し、これを『新』部分と『都市型ホテル』部分とに分離し、『新』部分からは『あたらしいこと。あたらしくすること。』、『都市型ホテル』部分からは『大都市の市街地に立地するホテル』の意味合いを抽出したうえ、さらにその意味するところを解釈して『新しい、大都市の市街地に立地するホテル』といった特定の意味合いを見出すといった段階的な思考を経て現実の商取引に及ぶことなど実際にはあり得ない。このような曲解は商標を保護し事業者の業務上の信用を維持しようとする商標法の目的そのものを阻害するものである。」旨を主張している。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、よく知られた語からなるものであって、その構成中の「都市型ホテル」の文字は、「都会にあった形式のホテル」程の意味合いを有する語として多数使用されている実情があることからすると、これに接する取引者、需要者は、請求人の創作した造語として認識するというよりは、「新」の文字と「都市型ホテル」の文字とを結合したものと理解するというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成全体をもって、不可分一体の構成であるとしても、その文字構成は、よく知られた語からなり、「あたらしい、都会にあった形式のホテル(西洋風の宿泊施設)」程の意味合いを表したものと理解されるにすぎず、役務の出所識別標識としては機能しないものとみるのが相当である。
イ 請求人は、「本願商標を構成する『新都市型ホテル』の文字列については、請求人の新規ホテル・サービスを指標するものとして、既に一般の需要者の間においても広く認知されている。・・・以上の事実に鑑みれば、本願商標に接する需要者らが当該商標から請求人の新規ホテル・サービスを識別していることは明らかである。」旨を主張している。
しかしながら、請求人の上記主張が、仮に本願商標が使用による識別力を獲得したものとの趣旨(商標法第3条第2項の要件具備)であるとしても、請求人の提出した、ウェブサイトの写し(資料4?資料20、資料45、資料46)、動画広告(資料23?資料28)、新聞記事(資料29?資料39)、書籍、パンフレット(資料40?資料44)からは、請求人が「新都市型ホテル」の語を使用していることはうかがい知ることができるとしても、これらの証拠は、「新都市型ホテル」の語だけでなく、請求人を表す語として「APA HOTEL」、「APA」、「アパホテル」、「アパグループ」などの文字が併せて使用されていることから、本願商標である「新都市型ホテル」の語が、単独で使用されている状況はないものであって、独立して自他役務の識別標識として、需要者に認識されているとする実情を証明しているとはいえないものである。
そうすると、本願商標に接する需要者が、請求人のホテル・サービスを識別しているとはいえないものである。
してみれば、本願商標は、これが使用された結果、全国的に周知であるとはいい難く、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとなっているとは認められない。
ウ 請求人は、登録例を挙げ、「各登録商標は、本願商標と同様、外形上不可分一体に構成されてなるものであるが、これを分離観察に付せば商品の品質又は役務の質を直接的に表示するものと認められるにもかかわらず、それらの登録は今日においても何の問題もなく適法に維持されている。」旨を主張している。
しかしながら、本願商標が、役務の出所識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定役務との関係から、審決時において、指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた商標登録の事例は、いずれも本願商標とは、使用する役務が異なるものであるなど、事案を異にするというべきであり、また、他の商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-06-28 
結審通知日 2017-07-07 
審決日 2017-07-20 
出願番号 商願2015-55485(T2015-55485) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W4344)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 鈴木 斎佐藤 緋呂子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
木住野 勝也
商標の称呼 シントシガタホテル、シントシガタ、トシガタホテル、トシガタ 
代理人 岩瀬 ひとみ 
代理人 原 慎一郎 
代理人 原田 充浩 
代理人 松下 由英 
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