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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W35
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W35
審判 査定不服 外観類似 登録しない W35
管理番号 1332340 
審判番号 不服2017-6583 
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-09 
確定日 2017-08-25 
事件の表示 商願2016- 67316拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第35類に属する「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,帽子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成28年6月21日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5065772号商標(以下「引用商標)という。)は、「SPADE WORK」の文字を標準文字で表してなり、平成19年1月30日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,貴金属製靴飾り,時計」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、同年7月27日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、トランプのカードにあるスペード様の黒色図形の内部に、「W」の欧文字を白抜きで表した図形(以下「図形部分」という。)を左に配し、その右側には「SPADEWORKS」の欧文字(以下「文字部分」という。)を書してなるものであるところ、該図形部分と文字部分とは、視覚上明確に分離して認識されるものであることからすると、それぞれが自他識別機能を有するものというのが相当である。
そして、その構成中の図形部分は、図形としての特定の観念を生じないものであり、また、文字部分については、語尾の「S」を除いた「SPADEWORK」の文字が「予備作業、基礎研究」の意味合いを有する英語(「プログレッシブ英和中辞典(第4版)」株式会社小学館)であるとしても、我が国において広く知られた語とはいえないことからすれば、該「SPADEWORKS」の文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、記憶に残りやすい文字部分が、これに接する取引者、需要者に、強い印象を与えるものといえるから、本願商標においては、その構成中の「SPADEWORKS」の文字部分をもって取引に当たる場合も少なくないものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、該「SPADEWORKS」の構成文字に相応して、「スペードワークス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「SPADE WORK」の文字を標準文字であらわしてなるところ、これは「予備作業、基礎研究」の意味合いを有する英語であるとしても、我が国において広く知られた語とはいえないことからすれば、該文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して、「スペードワーク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とを比較するに、外観においては、両商標は、その構成を異にするものであるが、上記ア及びイのとおり、本願商標の「SPADEWORKS」の文字部分と、引用商標「SPADE WORK」の文字は、それぞれの構成文字である「S」、「P」、「A」、「D」、「E」、「W」、「O」、「R」、「K」の9文字の並び順が同じであり、相違するところは、本願商標の末尾の「S」及び引用商標の中央にあるスペースの有無にすぎないから、極めて類似する文字構成といえるものであって、両者は、外観上、類似するものである。
次に、称呼においては、本願商標からは、「スペードワークス」の称呼を生じるのに対し、引用商標からは、「スペードワーク」の称呼を生じるものであるから、両称呼は、語頭から7音までの「スペードワーク」の音を共通にし、わずかに末尾の「ス」の音の有無に差異を有するにすぎないものである。
そして、該差異音は、聴取され難い語尾に位置し、破裂音「ク」に続いて弱く発音されるものであるから、その差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きいものとはいえず、両称呼は、互いに聴別し難いものであるから、称呼上、類似するものである。
さらに、観念においては、本願商標と、引用商標とは、ともに特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標の「SPADEWORKS」の文字部分と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼が類似するものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定役務中の「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,帽子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標の指定商品中の「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,貴金属製靴飾り,時計,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」とは、小売等の役務と商品という関係にあるものの,その対象となる商品を共通にするものであって、それらの商品の小売等役務と、その商品の販売は、一般的には同一事業者によって行われることが多いことからすると,役務の提供場所と商品の販売場所とを同一にする場合が多く、取引者,需要者を共通にするものであるから、上記した本願の指定役務と、引用商標の指定商品とは、類似するものである。
オ 小括
してみれば、本願商標と引用商標とは、類似の商標であって、その指定役務と指定商品も類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 本願商標の構成について
請求人は、「本願商標は、文字部分の『SPADE』が黒塗りスペード図形を表し、スペード図形に配した『W』の文字が『WORKS』の頭文字『W』を表す密接な関係にあり、図形部分と文字部分は分離して観察されるものではない。むしろ、ネーミング(文字部分)に関係あるマーク(図形部分)として、ネーミング(文字部分)と一体に認識される関係にある。あるいは左部の黒塗りスペード図形の中に白抜きWを配した本願商標の図形部分の態様を見た取引者・需要者は、『SPADEWORKS』のマーク(スペードWマーク)と直ぐに認識するはずである。だとすれば、両者は分離してそれぞれ独立して観察されるというよりは、関連する図形と文字との関係で結び付きの強い図形と文字からなる結合商標と認識されるとみるのが自然である。それ故、『スペードWマーク』と『SPADEWORKS』とは全く別物としてそれぞれ独立して自他商品識別機能を果たすというよりは、関連あるマークと文字として、一体に認識され印象付けられるとみるべきである。」旨を主張している。
しかしながら、本願商標においては、図形部分に含まれる「W」の文字が、「WORKS」の頭文字を表すものであるとの認識や、該図形部分が「SPADEWORKS」のマークであるとの認識を、取引者、需要者に与えるとの事情を、請求人は立証しておらず、その主張を認めることはできない。
また、本願商標は、一見して、図形部分と、文字部分からなるものと看取され得る構成であるところ、これらは、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているということはできないというのが相当であるから、本願商標中の文字部分をもって取引にあたる場合も少なくないものというのが相当である。
イ 取引の実情について
(ア)請求人は、「本出願人は、・・・種々雑多な商品をネット販売しており、ここには、引用商標の指定商品と同種の商品も多数含まれているが、いまだかつて引用商標の関係者と紛れたというような苦情は受けていない。」旨を主張している。
しかしながら、請求人のネット販売について、需要者から苦情を受けていないことが、本願商標と引用商標の類否判断における判断基準とはならないものである。
(イ)請求人は、「ネット販売の仮想店舗名(ネットショップ名)はきわめて視覚重視である。視覚で認識することによって、そのURLサイトを所望のサイトと認識し、取引を開始する。・・・つまり、本出願人が現に実行しているネット販売などは、外観観察にウエイトを置いて取引を開始するのが常であり、それ故に本願商標の類否判断においては、指定役務との関係で、より一層外観観察にウエイトを置いて観察すべきものである。かかる状況において、本願商標は、類否判断で大きな要素を占める外観において、引用商標とは大きく異なる『スペードWマーク』を左部に有するもので、このマークは、『黒塗りのスペード図形の中に白抜きのWの文字をあしらったスペードWマーク』であって目立つ態様で、その印象は決して小さくなく、全体的に単なる『SPADE WORK』の標準文字からなる引用商標とは全く違った印象を取引者・需要者に与えている。」旨を主張している。
しかしながら、本願の指定役務である被服等の小売等役務の取引においては、インターネットによる小売等役務の提供に限られるものではなく、実際に店舗において提供されることも通常であることからすれば、商標の全体の外観のみをもって、取引に資されるとする事情にあるとはいえず、また、それを裏付ける証拠の提出はないから、そのような主張は認められない。
そして、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中、強く印象に残りやすい文字部分に着目して、取引に当たる場合も決して少なくないものというのが相当であるから、本願商標については、引用商標と外観において異なった商標であるとしても、その文字部分を要部として、この要部と引用商標とを比較し、類否判断を行うことも許されるものというのが相当である。
(ウ)出願人は、「・・・一定のブランドに敏感な層が製造者であり、取引者・需要者であるならば、むしろちょっとしたブランドの違いも見分けることができ、彼此混同を起こすようなことは決してないとみるべきである。本案商標は、仮に引用商標と称呼において共通する面があったとしても、それが外観における差異を凌駕するほどの状況にはなく、ブランドに敏感なアパレル層の取引者・需要者にあっては、十分に識別でき、両者は互いに紛れることのない非類似の商標である。」旨を主張している。
しかしながら、本願の指定役務の取引者、需要者には、老若男女を含む一般消費者も含まれるものであり、常にブランドに敏感な者のみが上記役務の取引者、需要者であるということもできないことから、両商標が、外観における差異があることのみをもって、互いに紛れることのない非類似の商標であるということはできない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標


審理終結日 2017-06-29 
結審通知日 2017-06-30 
審決日 2017-07-14 
出願番号 商願2016-67316(T2016-67316) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W35)
T 1 8・ 263- Z (W35)
T 1 8・ 261- Z (W35)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 北口 雄基高橋 厚子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 真鍋 恵美
中束 としえ
商標の称呼 スペードワークス、ダブリュウ 
代理人 小川 眞一 
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