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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W101120 審判 全部申立て 登録を維持 W101120 審判 全部申立て 登録を維持 W101120 審判 全部申立て 登録を維持 W101120 |
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管理番号 | 1331495 |
異議申立番号 | 異議2017-900098 |
総通号数 | 213 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-09-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-03-24 |
確定日 | 2017-08-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5905487号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5905487号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5905487号商標(以下「本件商標」という。)は、「ボディーサーマー」の片仮名と「Body Thermor」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成28年4月11日に登録出願、第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,指サック」、第11類「家庭用電熱用品類,暖冷房装置,あんか,懐炉,懐炉灰,湯たんぽ」及び第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,日よけ」を指定商品として、同年10月7日に登録査定、同年12月16日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2339497号商標(以下「引用商標1」という。) 商 標:別掲1のとおり 指定商品:第9類、第17類、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 出願日 :平成1年5月31日 登録日 :平成3年9月30日 (2)登録第2052127号商標(以下「引用商標2」という。) 商 標:別掲2のとおり 指定商品:第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 出願日 :昭和57年7月15日 登録日 :昭和63年6月24日 (3)登録第2339496号商標(以下「引用商標3」という。) 商 標:別掲3のとおり 指定商品:第9類、第17類、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 出願日 :昭和63年7月14日 登録日 :平成3年9月30日 (4)登録第2715892号商標(以下「引用商標4」という。) 商 標:「THERMOREFLEX」 指定商品:第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 出願日 :昭和60年5月2日 登録日 :平成8年8月30日 (5)国際登録第546096号商標(以下「引用商標5」という。) 商 標:「THERMOSOFT」 指定商品:第20類、第22類及び第25類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品 国際登録:1989年7月3日 事後指定日:2012年(平成24年)2月2日 登録日 :平成25年5月10日 (引用商標1?5をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。) 3 登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号該当性 ア 商標の類似 (ア)称呼 本件商標は、その構成中の「ボディー」、「Body」の文字部分は、「体」を意味し、商品の使用方法や用途を表示する語であるから、その要部は、「サーマー」、「Thermor」である。したがって、本件商標は、「ボディーサーマー」の称呼以外に、「サーマー」の称呼を生ずるものである。 一方、引用商標1?4は、その構成中の要部である「Thermore」又は「THERMORE」の文字より、「サーモア」の称呼を生じ、引用商標5は、その構成中の要部である「THRMO」より「サーモ」の称呼を生ずる。 そして、本件商標より生ずる「サーマー」の称呼と引用商標1?4より生ずる「サーモア」の称呼は、「サー」の音を共通にし、「マー」と「モア」は、「マ」と「モ」がいずれもマ行の子音であることを共通にし、さらに、「マ」の長音と「ア」は、母音を共通にするから、それぞれの称呼を連続して称呼したときは、該称呼は相紛らわしく聴別し難いものである。また、本件商標より生ずる「サーマー」の称呼と引用商標5より生ずる「サーモ」の称呼も十分に相紛らわしいものである。 (イ)外観 本件商標中の「Thermor」と引用商標1?4中の「Thermor」又は「THERMOR」の文字は、その綴りが完全に一致する。また、本件商標と引用商標5は、最初の6文字が一致する。 したがって、本件商標と引用商標は、外観においても類似するものである。 (ウ)観念 「Thermo」は、「熱」の意味の英語の接頭語であるから、本件商標と引用商標は、「熱」の観念を共通にする。 (エ)したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念について相紛らわしい類似の商標である。 イ 商品の類似 本件商標の指定商品中、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。 ウ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性 ア 本件商標と引用商標1との類似性 本件商標と引用商標1が類似することは、前記(1)のとおりである。 イ 出所の混同のおそれ 申立人は、長年にわたり引用商標を綿製詰め物材料等に広く使用しており、一定の周知性を得ている。本件商標の指定商品は、申立人が行う業務に係る商品「綿製詰め物材料」等と密接に関連するものである。 してみると、本件商標は、申立人の商標と関係があるものと認識し、本件商標をその指定商品に使用した場合、該商品が同一事業主体又は経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者による商品であるとの誤認を生じるおそれがある。 ウ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「ボディーサーマー」の片仮名と「Body Thermor」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中、欧文字部分の読みを特定したと理解される上段の片仮名部分は、同一の書体をもって、横一連に一体的に表されているものである。また、本件商標を構成全体として観察した場合も、外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、「サーマー」及び「Thermor」の文字部分が独立して強調されている態様のものではない。さらに、本件商標より生ずると認められる「ボディーサーマー」の称呼も、格別冗長というものではなく、よどみなく称呼し得るものである。そして、「Body」や「ボディー」の語が、「身体、体」等の意味を有する英語又はその片仮名表記として、我が国において親しまれ、「身体用の」などの意味をもって商品の用途、品質等を表示するものとして使用される場合があることは否定し得ないが、そもそも本件商標の指定商品は、一般的にみて、「身体用の」商品と用途が限定されるべき商品ではなく、したがって、本件商標中の「ボディー」及び「Body」の文字部分は、商品の用途等を表示するものと解すべきではない。のみならず、上記のとおり、本件商標を構成する文字全体の外観上及び称呼上の一体性を併せ考慮すると、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと理解されるとみるのが相当である。その他、本件商標を「ボディー」及び「Body」の文字部分と「サーマー」及び「Thermor」の文字部分とに分離し、「サーマー」及び「Thermor」の文字部分のみを殊更に抽出して観察しなければならない特段の理由は見いだせない。 してみると、本件商標は、その構成中の「サーマー」及び「Thermor」の文字部分が、その需要者に、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めることはできないから、その構成文字全体に相応して、「ボディーサーマー」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特段の観念を有しないものと認める。 イ 引用商標 (ア)引用商標1は、別掲1のとおり、白抜きで表した「Themore」の文字を横書きし、これらの文字を囲むように、そのうちの「T」の文字部分の横線の右をこれら文字の外側に沿って、該「T」の文字部分の横線の左下に至るまで伸ばして横長矩形輪郭状に表した構成よりなるものであるところ、その構成中の「Themore」の文字部分は、独立して自他商品の識別機能を有するものと認めることができる。 したがって、引用商標1は、「Themore」の文字に相応して、「サーモア」の称呼を生ずるものであって、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認める。 (イ)引用商標2は、別掲2のとおり、リーフレットないしチラシ様の印刷物の左上部に、白抜きで表した「Thermore」の文字(引用商標1と構成態様において酷似する。)を顕著に表してなるものであるところ、その構成中の「Themore」の文字部分は、独立して自他商品の識別機能を有するものと認めることができる。 したがって、引用商標2は、「Themore」の文字に相応して、「サーモア」の称呼を生ずるものであって、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認める。 (ウ)引用商標3は、別掲3のとおり、黒色系を地色とした縦長矩形を左右に2つ並べ、それぞれの内部に、特定の称呼及び観念を生じない白色系で表した図形を配し、その上部に、「Thermore」の文字と「T37」の文字を二段に横書きし、これらの文字を囲むように、上段の「T」の文字部分の横線の右をこれら文字の外側に沿って、該「T」の文字部分の横線の左下に至るまで伸ばして「T」字形輪郭状に表したものを顕著に表してなるものであるところ、そのうちの「T37」の文字部分は、商品の規格、品番等を表す記号、符号等を表示したと理解されるものであるから、「Thermore」の文字部分が引用商標3の要部ということができる。 したがって、引用商標3は、「Thermore」の文字に相応して、「サーモア」の称呼を生ずるものであって、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認める。 (エ)引用商標4は、前記2(4)のとおり、「THERMOREFLEX」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ・間隔で外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「サーモアフレックス」又は「サーモリフレックス」の称呼もよどみなく称呼し得るものといえるから、構成全体をもって、一体不可分の造語を表したと理解されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標4は、その構成文字に相応して、「サーモアフレックス」又は「サーモリフレックス」の称呼を生ずるものであって、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認める。 (オ)引用商標5は、前記2(5)のとおり、「THERMOSOFT」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ・間隔で外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「サーモソフト」の称呼もよどみなく称呼し得るものといえるから、構成全体をもって、一体不可分の造語を表したと理解されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標5は、その構成文字に相応して、「サーモソフト」の称呼を生ずるものであって、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認める。 ウ 本件商標と引用商標との対比 (ア)外観 本件商標と引用商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観において、明らかに相違するものである。 (イ)称呼 本件商標より生ずる「ボディーサーマー」の称呼と引用商標1?3より生ずる「サーモア」の称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部において、「ボディー」の音の有無という顕著な差異を有するばかりか、末尾においても、「マー」の音と「モア」の音の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。また、本件商標より生ずる「ボディーサーマー」の称呼と引用商標4より生ずる「サーモアフレックス」又は「サーモリフレックス」の称呼及び引用商標5より生ずる「サーモソフト」の称呼は、構成する各音の数・音質・音調等の差異により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。 (ウ)観念 本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものであるから、観念においては比較することができず、観念上類似する商標ということもできない。 (エ)したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 エ 以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものというべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、その業務に係る商品「綿製詰め物材料」等に引用商標を長年にわたり広く使用した結果、引用商標は、一定の周知性を得ているから、本件商標をその指定商品について使用するときは、引用商標を使用した商品との間に出所について混同を生ずるおそれがある旨主張するところ、申立人は、その主張を裏付ける証拠を一切提出していない。 してみると、引用商標が、本件商標の登録出願日(平成28年4月11日)及び登録査定日(平成28年10月7日)の時点において、申立人の業務に係る商品「綿製詰め物材料」等を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることは到底できない。 加えて、前記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、商標それ自体全く相違する商標である。 そうとすれば、本件商標の指定商品中の一部の商品と引用商標が使用される商品「綿製詰め物材料」とが互いに関連性を有する商品であることを考慮しても、本件商標に接する需要者が、引用商標を想起又は連想することはないから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と業務上密接な関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものと認める。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(引用商標1) 別掲2(引用商標2) 別掲3(引用商標3) |
異議決定日 | 2017-08-15 |
出願番号 | 商願2016-41410(T2016-41410) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W101120)
T 1 651・ 261- Y (W101120) T 1 651・ 263- Y (W101120) T 1 651・ 262- Y (W101120) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 矢澤 一幸 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
今田 三男 大森 友子 |
登録日 | 2016-12-16 |
登録番号 | 商標登録第5905487号(T5905487) |
権利者 | 株式会社ライト光機製作所 |
商標の称呼 | ボディーサーマー、ボディサーマー、サーマー |
代理人 | ▲吉▼川 俊雄 |
代理人 | 松浦 恵治 |