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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W353639
審判 全部申立て  登録を維持 W353639
審判 全部申立て  登録を維持 W353639
審判 全部申立て  登録を維持 W353639
審判 全部申立て  登録を維持 W353639
管理番号 1330335 
異議申立番号 異議2017-900132 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-04-27 
確定日 2017-07-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5917866号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5917866号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5917866号商標(以下「本件商標」という。)は、「スワローマネジメント」の文字を標準文字で表してなり、平成28年8月17日に登録出願、第35類「経営及び事業の管理,経営の診断又は経営に関する助言,職業のあっせん」、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」及び第39類「車両による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,倉庫の提供,寄託を受けた物品の倉庫における保管」を指定役務として、同年12月21日に登録査定、同29年1月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号、同項第19号に該当するものであるから、その登録は、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)証拠について
ア 甲第1号証は、申立人に係る「履歴事項全部証明書」であり、会社設立年月日(平成7年9月25日)、事業目的(運送事業、不動産賃貸業、倉庫業、コンサルタント業務等)の記載があるほか、同人の元代表取締役である本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)が、平成28年6月28日付けで同人の取締役を解任された事実の記載がある。
なお、上記証明書に記載された元代表取締役の住所は、本件商標に係る公報に記載された本件商標権者の住所と一致していることから、両者が同一人物であることは明らかである。
イ 甲第2号証は、申立人の「書面決議による臨時株主総会議事録」であり、上記アにおいて述べた本件商標権者が解任された事実の記載がある。
ウ 甲第3号証は、「スワローグループ」のホームページにおける「HOME」及び「事業所一覧」に係るインターネットアーカイブであり、「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」の文字が使用されている事実がある。
なお、上記インターネットアーカイブのうち、「HOME」は、2016年6月5日付けのものであり、「事業所一覧」は、同年3月29日付けのものである。
エ 甲第4号証及び甲第5号証は、いずれも物流、運送、ロジスティックス業界の総合専門紙である「物流Weekly」に掲載された記事であり、前者は、2013年4月26日付け記事であって、申立人がM&Aにより三沼運輸の株式100%を同年4月1日付けで取得した事実が、後者は、同年11月7日付けの記事であって、申立人がM&Aにより中西運輸の株式100%を取得した事実が、それぞれ記載されている。
オ 甲第6号証は、「スワローグループ」のパンフレットであり、2009年9月時点での同グループの組織図のほか、申立人が、物流を事業の中心に据えて、首都圏輸送に取り組んできた事実の記載がある。
(2)申立人の名称等について
申立人は、平成7年の創業以来、運送事業、不動産賃貸業、倉庫業、コンサルタント業務等について、「株式会社スワローマネジメント」又は「スワローマネジメント」を広く使用し、今日に至っている。
また、物流業界専門紙の記事においては、申立人である「株式会社スワローマネジメント」及びその略称である「スワローマネジメント」が紹介されている。
したがって、「株式会社スワローマネジメント」又は「スワローマネジメント」は、その使用により、少なくとも物流業界(すなわち、取引者)の間で、遅くとも上記記事掲載日以降広く認識されており、著名性を有する。
(3)商標法第4条第1項第7号について
商標法第4条第1項第7号に係る商標審査基準によれば、「当該商標の出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合」に、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するとされている。
また、平成27年(行ケ)第10022号に係る判決(知財高裁平成27年8月3日)では、出願人に不正の意図が認められる場合(いわゆる悪意の出願)について、商標法第4条第1項第7号に該当するとしている。
そこで、本件商標を上記判決に照らしてみると、以下のとおりである。
ア 本件商標権者が本件商標の登録出願を行った目的について
本件商標権者は、上記(1)のとおり、申立人の取締役を解任された者であるところ、その解任後すぐに、本件商標の登録出願を行っており、このような経緯に鑑みれば、およそ正常な使い方は考えられず、嫌がらせを目的としたものであると推認できる。
また、既に申立人と無関係となった本件商標権者が本件商標を使用すると、申立人の名称に化体した信用、名声、顧客吸引力等により、不正の利益を得る可能性があるだけでなく、これらを毀損させるおそれがある。
よって、本件商標権者においては、不正の利益を得る目的又は他人に損害を加える目的があることは明らかであり、不正の目的が強く疑われる。
公序良俗違反の有無について
上記アのとおり、本件商標の登録出願の目的及び経緯に鑑みれば、その登録出願は、適正な商道徳に反し、著しく社会的妥当性を欠く行為というべきであり、これに基づいて本件商標の商標登録を認めることは、公正な取引秩序の維持の観点からみても不相当であって、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護する」という商標法の目的(商標法第1条)にも反するというべきである。
したがって、本件商標は、上記した商標審査基準に該当することは明らかであり、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当する。
(4)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、申立人の名称の一部である「スワローマネジメント」の文字からなるものであるから、商標法第4条第1項第8号に係る商標審査基準によれば、他人の名称の略称に該当するものである。
また、申立人は、本件商標権者が申立人の取締役を解任された後、本件商標権者に対し、承諾を与えた事実はないから、商標法第4条第1項第8号にいう「その他人の承諾を得ているもの」には該当しない。
そして、「株式会社スワローマネジメント」又は「スワローマネジメント」は、上記(2)のとおり、その使用により、少なくとも物流業界(すなわち、取引者)の間で、遅くとも専門紙の記事掲載日以降広く認識されており、著名性を有する。
したがって、本件商標は、他人の名称の著名な略称に該当する。
(5)商標法第4条第1項第10号について
ア 「株式会社スワローマネジメント」又は「スワローマネジメント」は、上記(2)のとおり、その使用により、少なくとも物流業界(すなわち、取引者)の間で、遅くとも専門紙の記事掲載日以降、広く認識されている。
また、本件商標は、申立人の名称の略称である「スワローマネジメント」と同一の商標であり、さらに、申立人の名称である「株式会社スワローマネジメント」と類似の商標である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標に該当する。
イ 申立人は、上記(1)のとおり、運送事業、不動産賃貸業、倉庫業、コンサルタント業務等を行っている。
他方、本件商標の指定役務は、経営の診断又は経営に関する助言、建物の貸与、車両による輸送、倉庫の提供等である。
したがって、本件商標の指定役務は、申立人が行っている役務と同一又は類似である。
ウ 上記ア及びイによれば、本件商標は、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものである。
(6)商標法第4条第1項第15号について
商標法第4条第1項第15号に係る商標審査基準によれば、同号該当性について判断するときは、(a)出願商標とその他人の標章との類似性の程度、(b)その他人の標章の周知度、(c)その他人の標章が造語よりなるものであるか、又は構成上顕著な特徴を有するものであるか、(d)その他人の標章がハウスマークであるか、(e)企業における多角経営の可能性、(f)商品間、役務間又は商品と役務との関連性、(g)商品等の需要者の共通性その他取引の実情、について考慮するとされている。
そこで、本件に関し、上記(a)ないし(g)について検討すると、本件商標は、申立人の名称と類似し、申立人の名称の略称と同一であり、また、申立人の名称又はその略称は、少なくとも物流業界(すなわち、取引者)の間で、遅くとも専門紙の記事掲載日以降、広く認識されている。
そして、申立人の名称を構成する「スワローマネジメント」は、「スワロー」と「マネジメント」とを組み合わせた造語からなるものであり、ハウスマークとしての役割も果たしているといえる。
さらに、申立人は、上記(1)のとおり、多角経営を行っている。
加えて、本件商標の指定役務は、申立人が行っている役務と抵触するものであり、その役務の需要者は、いずれも物流業界の取引者であって、共通する。
そうすると、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、その役務が申立人の業務に係る役務であると誤認し、その出所について混同するおそれがあり、さらに、本件商標権者が申立人の元代表取締役であることに鑑みれば、その使用に係る役務が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係るものであると誤認し、その出所について混同するおそれが極めて高いといえる。
したがって、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、申立人の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
(7)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立人の名称又はその略称は、上記(2)のとおり、その使用により、少なくとも物流業界(すなわち、取引者)の間で、遅くとも専門紙の記事掲載日以降、広く認識されている。
また、本件商標は、申立人の名称の略称と同一の商標であり、さらに、申立人の名称と類似の商標である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標に該当する。
イ 本件商標権者は、上記(1)のとおり、申立人の取締役を解任された者であるところ、その解任後すぐに、本件商標の登録出願を行っており、このような経緯に鑑みれば、およそ正常な使い方は考えられず、嫌がらせを目的としたものであると推認できる。
また、既に申立人と無関係となった本件商標権者が本件商標を使用すると、申立人の名称に化体した信用、名声、顧客吸引力等により、不正の利益を得る可能性があるだけでなく、これらを毀損させるおそれがある。
よって、本件商標権者においては、不正の利益を得る目的又は他人に損害を加える目的があることは明らかであり、不正の目的をもって使用するものに該当する。
ウ 上記ア及びイによれば、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。
(8)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号、同項第19号に該当するから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「スワローマネジメント」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを表す語として知られているものともいえないことから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として看取、理解されるとみるのが相当である。
この点に関し、申立人は、「株式会社スワローマネジメント」又は「スワローマネジメント」の標章について、平成7年の創業以来、運送事業、不動産賃貸業、倉庫業、コンサルタント業務等において広く使用しており、また、物流業界の専門紙においても、それらが申立人の名称又はその略称として紹介されていることから、それらは、遅くとも該専門紙に記事が掲載された時以降、少なくとも物流業界において広く認識されている旨主張する。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠からは、2009年(平成21年)9月時点で、申立人のほか、「輸送、物流」に係る「株式会社スワロー輸送」及び「株式会社スワロートラック」等や「倉庫・不動産他」に係る「株式会社スワロー・8」及び「株式会社スワローホーム」といった企業により「スワローグループ」なる組織が形成されていたこと(甲6)、申立人が、2013年(平成25年)の4月と11月に、それぞれ、競業者の株式をM&A(企業の合併・買収)により100%取得した旨の記事が業界紙で紹介されたこと(甲4)が見受けられるにすぎず、「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」の各標章が、本件商標の登録出願時(平成28年8月17日)及び登録査定時(同年12月21日)において、申立人の名称若しくはその略称を表す語又は申立人の業務に係る役務を表す語として、本件商標の指定役務の提供に係る需要者の間で広く認識されていたと認めるに足る事実は見いだせないから、その主張を認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとするには、「スワローマネジメント」の標章が申立人の名称の著名な略称であることを要するところ、該標章は、上記(1)のとおり、申立人の名称の著名な略称とは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「スワローマネジメント」の文字を標準文字で表してなるものであるのに対し、申立人が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号の申立ての理由として引用する標章は、「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」であるから、本件商標と「株式会社スワローマネジメント」の標章とは類似するものであり、本件商標と「スワローマネジメント」の標章とは同一のものといえる。
しかしながら、「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」の各標章は、上記(1)のとおり、いずれも、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間で、申立人の業務に係る役務を表す語として、広く認識されていたとは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
また、「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」の各標章が、上記のように広く認識されていたと認められない以上、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者が、該標章を連想、想起して、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように認識することはなく、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」の各標章は、上記(1)のとおり、いずれも、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間で、申立人の業務に係る役務を表す語として、広く認識されていたとは認められないものである。
そして、申立人が提出した甲各号証を総合してみても、本件商標権者が、申立人に係る「株式会社スワローマネジメント」及び「スワローマネジメント」の各標章の名声と信用にフリーライドする意図など、不正の目的をもって本件商標の使用をするものと認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証によれば、申立人が「スワローマネジメント」の文字を商号の一部に使用していること、本件商標権者が平成28年6月28日に申立人の取締役を解任されたこと及び、本件商標権者は、「スワローマネジメント」が申立人の商号の一部であると承知していることを認めることができる。
しかしながら、「スワローマネジメント」の文字からなる本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、その構成自体がそのようなものではなくとも、それを指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。
また、本件商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
さらに、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る証拠もない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-07-05 
出願番号 商願2016-89532(T2016-89532) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W353639)
T 1 651・ 23- Y (W353639)
T 1 651・ 22- Y (W353639)
T 1 651・ 25- Y (W353639)
T 1 651・ 271- Y (W353639)
最終処分 維持 
前審関与審査官 安達 輝幸柿本 涼馬 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 尾茂 康雄
田中 敬規
登録日 2017-01-27 
登録番号 商標登録第5917866号(T5917866) 
権利者 中島 祥輔
商標の称呼 スワローマネジメント、スワロー 
代理人 菅原 英夫 
代理人 大塚 康徳 
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