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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0941
審判 全部申立て  登録を維持 W0941
管理番号 1330307 
異議申立番号 異議2016-900414 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-27 
確定日 2017-06-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5886921号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5886921号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5886921商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年2月9日に登録出願、第9類及び第41類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年8月19日に登録査定、同年10月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次の23件(以下、それらを項番(1)から順次「引用商標1」「引用商標2」のようにいい、全部をまとめて「引用商標」という。また、文字商標は、引用商標21を除き、いずれも標準文字で表されている。)であり、それらの指定商品及び指定役務、登録出願日並びに設定登録日は商標登録原簿(又は国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿)に記載のとおりであって、いずれも現に存続しているものである。
商標登録番号 : 商標の態様
(1)国際登録第1048069号商標:別掲2のとおり
(2)登録第5689430号商標:別掲2のとおり
(3)登録第5057229号商標:別掲2のとおり
(4)登録第5730813号商標:別掲3のとおり
(5)登録第5010968号商標:M MONSTER ENERGY
(6)登録第5379390号商標:MONSTER
(7)登録第5792086号商標:MONSTER
(8)登録第5431413号商標:別掲4のとおり
(9)登録第5788675号商標:別掲4のとおり
(10)登録第5393681号商標:MONSTER ENERGY
(11)登録第5788676号商標:MONSTER ENERGY
(12)登録第5844119号商標:MONSTER ENERGY
(13)登録第5495941号商標:MONSTER KHAOS ENERGY + JUICE
(14)登録第5769176号商標:MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO
(15)登録第5419513号商標:別掲5のとおり
(16)登録第5757485号商標:COFFEE MONSTER
(17)登録第5715016号商標:MONSTER ENERGY ULTRA
(18)登録第5844163号商標:別掲6のとおり
(19)登録第5043703号商標:JAVA MONSTER
(20)登録第5431412号商標:JAVA MONSTER
(21)登録第5741128号商標:JAVA MONSTER
(22)登録第5894149号商標:MONSTER ARMY
(23)登録第5912249号商標:別掲7のとおり

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同項第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申立て、要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第329号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標及び「モンスター」商標について
申立人の使用に係る「MONSTER」は、申立人が2002年に創設したエナジードリンク(エネルギー補給飲料)事業のブランド「MONSTER ENERGY」の基軸商標として2002年から現在に至るまでの長年にわたり継続して使用されているものであり、同ブランドのエナジードリンクは、2002年に米国で最初に販売を開始後、日本では2012年5月から販売を開始し、現在では日本を含む世界100以上の国及び地域で販売中である。申立人は2002年以降、現在まで継続して、当該ブランドから発売された数多くの異なる種類のドリンクの個別名称(例えば、「MONSTER ENERGY」、「MONSTER ASSAULT」、「MONSTER KHAOS」等)のすべてに「MONSTER」の文字を採択しており、当該各種ドリンクの缶の正面に「MONSTER」の文字を特徴的なデザインの太字を用いて大きく目立つ態様で表示して使用している。「MONSTER」を基調とする商標を用いた申立人のエナジードリンク事業の成功は経済界でも高い評価を受けている(甲2?甲33、甲51?甲58)。
申立人による当該エナジードリンクの広告及び販売促進活動は、世界の有名アスリート、レーシングチーム、スポーツ競技会、アマチュアスポーツ選手、音楽祭及びミュージシャンに対するスポンサー提供、スポーツ、音楽、コンピュータゲームなどの娯楽イベントの開催、米国ラスベガスの公共交通機関モノレールの「モンスター列車」の走行、これらのイベント開催などと関連して頻繁に実施されるエナジードリンク販売キャンペーン、各イベント会場におけるサンプリング(サンプル配布)、プロモーションキャンペーンの懸賞応募及び当選者に対する様々な「モンスター限定グッズ」(Tシャツ、帽子、キーホルダー、ステッカー、ギター、バッグパック、エナジードリンク、クーラーボックス、冷蔵庫、自動車など総計61万点を超えるアイテム)の提供、「MONSTER」の文字を付したポスター・商品ネームプレート・チラシ・陳列棚・冷蔵庫などの店舗用什器の使用及び展示、遅くとも2013年から現在に至るまで約1?2月の頻度で定期的に発行されている新商品発売・懸賞キャンペーン・イベント開催情報などを掲載したプレスリリース、申立人ウェブサイト並びにソーシャルメディアを通じた情報発信を介して、2002年から現在まで世界規模で継続的に実施されており、当該広告物及び販売促進物に「MONSTER」及びその音訳「モンスター」の文字が使用されてきた(甲7?甲17、甲34?甲91、甲101?甲133、甲136?甲168、甲225?甲251)。
また、申立人は、2002年から、ブレスレット、ラペルピン、キーホルダー、Tシャツ、スウェットシャツ、帽子、レーシングジャケット、手袋などのアパレル製品、運動用ヘルメット、バッグ類、ステッカー、傘、ビデオゲームなどの「MONSTER」ライセンス商品の製造販売を第三者に使用許諾している。当該ライセンス商品のカタログやオンラインショッピングサイトは、ブランド名及び個別商品名として「MONSTER」、「Monster」の文字を表示して販売及び宣伝広告している。これらのライセンス商品は、国内の実店舗のほか、オンラインショップや通信販売を介して国内の一般消費者にも販売されている(甲47、甲48、甲58、甲92?甲100、甲134、甲135)。
さらに、需要者における当該ライセンス商品の人気の高さに便乗して、海外で製造された模倣品が日本の税関で輸入差止される事案が遅くとも平成25年7月から現在に至るまで継続して度々発生している(甲169?甲224)。
「MONSTER」の文字を世界規模での継続的使用に基づき、申立人は、エナジードリンク等の飲料製品及び上記ライセンス商品等について、引用商標をはじめ、「MONSTER」の文字を基調とする様々な構成の商標について日本を含む世界115以上の国及び地域で商標登録出願し、登録を取得している(甲58、甲262?甲323)。
以上に照らせば、「MONSTER」は、本件商標の登録出願時及び査定時には、申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として国内外の取引者、需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。
イ 本件商標について
本件商標は、緑を基調とする色彩を付した活字体の太字の英文字で「Re:Monster」と大きく顕著に横書きしたものと、当該英文字中「ons」の文字付近の上に黒色の活字体の極細の片仮名で極く小さく「リ・モンスター」と横書きしたものから構成される。「Re:Monster」の文字部分は、「リ・モンスター」の文字部分と比べ、圧倒的に大きく表示されており、かつ、視覚を惹きつける緑色を基調とする外観が際立ち、独立の商品出所識別標識として看取される。
そして、「Re:Monster」は、緑を基調とする色彩を付した「Re」及び「Monster」の9文字とその中間に配置した金茶色の極く小さな四角形2つを縦に配置した句読点記号(コロン)「:」から構成され、全体として視覚的に冗長であることに加え、「Re」の文字と「Monster」の文字は記号「:」で区切られて視覚上分断されていること、「Re:Monster」の文字は、辞書等に掲載されている成語ではなく、何ら既成の熟語的観念を生じさせないことからすれば、「Re:Monster」の文字全体が必ずしも常に一体的な出所識別標識として認識理解されるとはいい難い。
また、「Re」は、商品の品番、規格等を表示する記号、符号として一般的に用いられるローマ字2文字を結合したものにすぎず、自他商品識別力が不十分である。また、「Re」の文字は、英語で「?に関して」を意味する前置詞(甲328)として、英文ビジネスレターや電子メールの文中で「RE」、「re」の表示で用いられるほか、後ろにコロン「:」を付けた「Re:」の形が件名、用件を記すための表示として一般に認識され、書状や文書の件名の表示欄で使用されている(甲329)。
こうした事情を勘案すれば、本件商標の構成中の「Re:」の文字部分は、商品出所識別標識として格別に強い印象を需要者に与えるものではなく、「Re:」の後ろに記され「主題」、「本題」として認識される「Monster」の文字部分に看者の注意、関心が惹き付けられることが明白である。
また、「Monster」は、その音訳「モンスター」が外来語の「モンスター」として浸透しており、国民一般に広く親しまれている(甲326、甲327)。
したがって、本件商標においては、「Monster」の文字部分が商品出所識別標識として強く支配的な印象を取引者、需要者に与えることが明らかである。
ウ 本件商標と「MONSTER」商標との類似性の程度について
申立人は、2002年の「MONSTER ENERGY」ブランド創設以来、「MONSTER」の文字と共に、緑色をシンボルカラーとして採用している。2002年発売のオリジナルの「MONSTER」エナジードリンクの缶(甲58)を初めとして、申立人ウェブサイト、商品のラベル、パンフレット、販売小売店用什器などの販売促進物、広告、ポスター、スポンサー契約アスリート及びチームのユニフォーム・ヘルメット・スノーボードなどの運動用具・バイクや自動車の車体、プロモーションイベント会場の施設、販売キャンペーンの懸賞賞品「MONSTER」グッズ、申立人商標のライセンス商品及びそのカタログなどに、「MONSTER」の文字と緑の色彩が継続的に使用されており、「MONSTER」の文字と緑色の組み合わせは、申立人の使用に係る商標「MONSTER」及び申立人会社を直感させる(甲2、甲4?甲107、甲109?甲168、甲225?甲257)。
申立人は、シンボルカラーの緑に関して、モンスター(MONSTER)の爪を象った図柄のロゴマーク(引用商標8及び9)を緑色で表現した図案の作品及び当該ロゴマークを付した2002年発売のオリジナルの「MONSTER」エナジードリンクの缶のデザインの作品を米国で著作権登録している(甲324、甲325)。
本件商標は、その構成中の「Monster」の文字部分が商品の出所識別標識として看者を強く印象づけるものであることに加えて、当該構成全体に緑が基調色として用いられ、「緑」の色彩の印象が顕著であるから、申立人の使用に係る商標「MONSTER」と類似性の程度が極めて高いものであることが明らかである。
エ 本件商標の指定商品及び指定役務と「MONSTER」商標の使用に係る商品及び役務との関連性等について
本件商標の指定商品及び指定役務は、上記のとおりであり、申立人が「MONSTER」及び緑の色彩を使用して提供しているコンピュータゲームソフト、並びに、コンピュータゲーム・ビデオゲーム競技会(e-Sports)の企画・運営又は開催、スポーツの興行の企画・運営又は開催、ロックコンサートなどの音楽の演奏の興行の企画・運営又は開催などの娯楽の提供と同一又は類似のもの若しくはこれらと密接に関連するものを多く含むことが明らかである。
本件商標の指定商品及び指定役務の需要者は一般の消費者であるから、通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
オ まとめ
したがって、本件商標が使用された場合、これに接した取引者、需要者は、申立人の使用に係る商標「MONSTER」及び申立人会社を想起連想し、申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し、その出所について混同を生じるおそれが高い。
さらに、本件商標の使用は、申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」の出所識別力を稀釈化するものであり、また、その名声、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標が使用された場合、申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」の出所表示力が希釈化するおそれが高いものであり、また、本件商標の使用は、申立人がこれらの商標について獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ず、申立人に経済的および精神的損害を与える。
したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号の該当性について
ア 引用商標の周知・著名性
申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実を認めることができる(なお、インターネット情報、雑誌及びカタログ等について、掲載日又は発行日の明らかでないもの、日本語以外の言語で表示されており我が国を対象として掲載、発行されたものとは認められないもの、本件商標の登録出願日以降に掲載又は発行されたものと認められるもの又は写真や文字が不鮮明なものは除く。)。
(ア)申立人は、米国の飲料メーカーであって、2002年に米国でエナジードリンクの「MONSTER ENERGY」を販売開始し、現在まで多種のエナジードリンクを継続して販売している(甲7?甲10、甲33、甲59、甲60、甲101、甲126)。
(イ)申立人は、我が国において、アサヒ飲料株式会社(以下「アサヒ飲料」という。)を通じて2012年(平成24年)5月8日に「『モンスターエナジー』ブランド」として、「モンスターエナジー」及び「モンスターカオス」の販売を開始し、それらの商品はその発売から同年9月までに、157万箱の販売数となった(甲7?甲9)。
(ウ)同様に、申立人は、「『モンスターエナジー』ブランド」として、2013年(平成25年)5月7日に、「モンスターアブソリュートゼロ」を、2014年(平成26年)8月19日に、「モンスターエナジー M3」を、同年10月7日に、「モンスターコーヒー」を、2015年(平成27年)7月21日に、「モンスターウルトラ」を販売した(甲10、甲59、甲60、甲101)。
(エ)上記(イ)及び(ウ)の6種類の「『モンスターエナジー』ブランド」の商品(以下、これらをまとめて「申立人国内販売商品」という。)の容器には、モンスターの爪跡を象徴する爪の図柄(引用商標8・9)、あるいは、この爪の図柄に加えて、上段に特徴的なデザイン文字の太字で大きく表記した「MONSTER」の文字、下段に通常の活字体の細字で小さく「ENERGY」の文字を組み合わせてなる爪の図柄と「MONSTER ENERGY」ロゴマーク(引用商標1?4)が表示されている(以下、これらの商標を総称して「MONSTER ENERGYブランドマーク」という。)。
(オ)そして、申立人国内販売商品は、現在もアサヒ飲料のウェブサイト、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の小売店で継続的に販売されている(甲7?15・72・131)。また、Amazon.co.jpのウェブサイトにおいては、申立人国内販売商品のほかにも、申立人が米国で販売している商品も購入することができ、これらの商品の容器にもMONSTER ENERGYブランドマークが表示されている(甲33、甲126)。
(カ)申立人は、MONSTER ENERGYブランドマークを付した、被服、スポーツ用品、ステッカー等について、業者とライセンス契約を締結し、これらの商品は、2011年(平成23年)1月頃には、我が国でも販売されている(甲47、甲48、甲98、甲100)。
(キ)申立人は、広告宣伝活動として、スポーツの競技者、レーシングチーム等へのスポンサー活動及びスポーツ大会、各種イベントの主催・共催を行っており、競技者、レーシングチームのユニフォーム、バイクや自動車の車体、スポーツ大会、イベントの広告用ウェブサイトにおいて、MONSTER ENERGYブランドマークを表示している(甲42、甲44、甲104?甲107、甲109、甲121?甲125、甲139、甲154)。
(ク)申立人は、広告宣伝活動として、2012年(平成24年)5月より、コンビニエンスストアにおける、申立人国内販売商品及びMONSTER ENERGYブランドマークを付した衣類等の商品の配布、抽選等のキャンペーン、街頭、イベント会場等での申立人国内販売商品の配布等のキャンペーン、ウェブサイトを使用したMONSTER ENERGYブランドマークを付した商品の配布、抽選等のキャンペーンを行っており、それらの広告用のウェブサイトには、MONSTER ENERGYブランドマークが掲載されている(甲16、甲17、甲63、甲64、甲68?甲71、甲88?甲91、甲111?甲115、甲117?甲119、甲124、甲132、甲138?甲168、甲227?甲230)。
(ケ)申立人の陳述書(甲58)によれば、申立人は、我が国での申立人国内販売商品の販売直後より、申立人国内販売商品のテレビコマーシャルの放映、発売を記念するイベントを行ったほか、各種イベントのスポンサー提供を介して広告宣伝を行い、例えば、2012年(平成24年)5月17日から2か月間にわたり、50万缶のサンプルを路上配布したほか、同年6月2日及び3日に、渋谷において路上発表会で4万缶のサンプル配布をし、同年7月に、晴海フェリーターミナルにおいてパンクロックフェスティバルで5500缶のサンプル配布を行い、さらに2013(平成25年)7月にライブ演奏会場で3500缶のサンプルを配布、その他サーフィン大会の会場やロックコンサートの会場等においてサンプル配布を行った旨陳述しているが、テレビコマーシャルの放映回数、配布された申立人国内販売商品の缶の個数等を裏付ける具体的な証拠の提出はない。
また、申立人は、2012年4月の販売開始から2015年6月30日までの期間、我が国において約2億3600万缶の申立人国内販売商品を販売した旨陳述しているが、これを裏付ける具体的な証拠の提出はない。
(コ)上記(ア)ないし(ケ)の事実によれば、申立人は、米国では2002年に「MONSTER ENERGY」ブランドのエナジードリンクの販売を開始し、我が国では、アサヒ飲料を通じて2012年(平成24年)5月から、「モンスターエナジー」及び「モンスターカオス」を「『モンスターエナジー』ブランド」として、販売を開始し、その後、現在までに、6種類の申立人国内販売商品を販売している。
そして、申立人は、我が国において、2012年の上記商品の販売開始直後より、広告宣伝活動として、街頭、イベント会場、コンビニエンスストア又はウェブサイトを介して申立人国内販売商品のサンプル、MONSTER ENERGYブランドマークを付した衣類、シール等の配布を行なっている。
また、申立人は、スポーツ選手、スポーツチームのスポンサーやスポーツイベントの主催・共催を行っており、それらに関する選手のユニフォームや選手の使用機材、イベントの広告用ウェブサイト上に、MONSTER ENERGYブランドマークを表示している。
さらに、MONSTER ENERGYブランドマークを付した、Tシャツ等の衣類、ステッカー、スポーツ用品等の販売も行われている。
以上のことからすれば、本件商標の登録出願時以前には、申立人国内販売商品が、エナジードリンクを取り扱う分野の取引者及びコンビニエンスストアの需要者又は上記のイベント等に参加する層である若い世代を中心とした一般の消費者の間ではある程度知られたものと推察することはできる。
しかしながら、申立人国内販売商品の販売実績として確認できるのは、2012年(平成24年)5月ないし12月における157万箱であり、この数量は、アサヒ飲料が販売する他の飲料の2012年の販売実績、「ワンダ」4,048万箱、「三ツ矢」3,908万箱、「十六茶」2,010万箱(甲9)と比べ、販売期間が異なることや2013年の申立人国内販売商品の年間販売目標240万箱(甲10)を考慮しても、その差は極めて大きく、数量自体からは申立人国内販売商品の周知性を裏付けるほどのものとはいえないものである。
また、申立人国内販売商品のサンプル等の配布が行われていたとしても、その配布対象は、比較的若い世代が集まる繁華な場所やロックコンサート等のイベント会場で当該場所に居合わせた人たち又はコンビニエンスストアやウェブサイトを通じ積極的にキャンペーンに参加する人たちである。
そして、申立人国内販売商品の宣伝広告方法は、スポーツ選手やスポーツチームのスポンサー及びイベントの主催・共催が主なものであり、我が国におけるその数はわずかというべきである。
また、ウェブサイトにおけるニュースリリース以外に申立人国内販売商品の継続的な広告を行った事実を明らかにする証拠の提出もない。
そうすると、申立人が提出した証拠からは、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
さらに、申立人の提出した証拠によれば、「MONSTER」、「Monster」又は「モンスター」の文字は、「MONSTER ENERGY」又は「モンスターエナジー」の文字と共に使用されており、需要者には、これらの文字が申立人国内販売商品の表示の一部又は「『モンスターエナジー』ブランド」の商品名の一部として認識されているとみるのが相当である。
以上を総合すると、「MONSTER」の文字も、同様に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは、認めることができない。
イ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲1のとおり、「Re」及び「Monster」の文字を緑色の太字ゴシック体で表し、その間に金茶色の小さな四角形2つを縦に句読点記号(コロン)風に配置し、「Re:Monster」と大きく顕著に横書きしたものと、当該欧文字中「ons」の文字付近の上に黒色の片仮名で小さく「リ・モンスター」と横書きしたものからなるものである。
そして、本件商標の構成中、大きく表された「Re:Monster」の文字部分は、同じ書体、色彩で全体が同一のデザインであって、構成文字全体がまとまりよく配置されていることより、一体のものと看取されるものというべきであり、また、黒色で小さく表された「リ・モンスター」の片仮名は、大きく表された「Re:Monster」の読みを特定するものといえるから、本件商標からは、構成文字に相応して「リモンスター」の称呼を生じ、この称呼自体、格別冗長でもなく無理なく一連に称呼し得るものであって、既成の熟語とも認められないから、特定の観念を生じない。
そうすると、本件商標は、「Re:Monster」及び「リ・モンスター」の文字部分が一体のものと看取されるものであるから、本件商標の構成中、「Monster」及び「モンスター」の文字のみが、取引者、需要者に対して商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとして見るべき事情は見いだせない。
一方、引用商標は、前記2のとおりの構成態様からなり、本件商標の構成態様とは明らかな差異を有するから、外観において相紛れるおそれはない。
また、引用商標は、MONSTER ENERGYブランドマーク、「MONSTER」の欧文字のみからなるもの及び「MONSTER」の欧文字を含む構成からなるものであるところ、本件商標より生ずる「リモンスター」の称呼と、引用商標より生ずる「モンスターエナジー」、「モンスター」、「エムモンスターエナジー」、「モンスターカオスエナジージュース」、「モンスターエナジーアブソリュートリーゼロ」、「コーヒーモンスター」、「モンスターエナジーウルトラ」、「カオスモンスターエナジー」、「ジャバモンスター」及び「モンスターアーミー」の称呼ともそれぞれの構成音数及び語調語感の差異により容易に聴別し得るものである。
さらに、本件商標から特定の観念は生じないものであるから、観念において相紛れるおそれがあるとはいえない。
そうしてみると、本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのある商標とはいえない。
ウ 出所の混同のおそれについて
引用商標は、上記ア(コ)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいえない。
そして、本件商標は、上記イのとおり、引用商標とは、相紛れるおそれのない商標である。
以上からすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
エ 小活
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第7号の該当性について
本件商標は、上記(1)ウのとおり、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想又は想起することはないものである。
そうとすれば、本件商標は引用商標の信用力又は顧客吸引力にフリーライドするものではなく、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用することが社会一般の道徳観念に反し、公正な取引秩序を乱すものとはいえないし、国際信義に反するものともいえない。
もとより、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形ではないし、他の法律によってその使用等が禁止されているものでもない。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標とはいえないから、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)(色彩は原本参照のこと。)


別掲2(引用商標1、2及び3)



別掲3(引用商標4)



別掲4(引用商標8及び9)



別掲5(引用商標15)



別掲6(引用商標18)(色彩は原本参照のこと。)


別掲7(引用商標23)






異議決定日 2017-06-21 
出願番号 商願2016-13904(T2016-13904) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W0941)
T 1 651・ 271- Y (W0941)
最終処分 維持 
前審関与審査官 加藤 百宇豊田 純一太野垣 卓 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 今田 三男
大森 友子
登録日 2016-10-07 
登録番号 商標登録第5886921号(T5886921) 
権利者 株式会社アルファポリス
商標の称呼 リモンスター、レモンスター、モンスター 
代理人 加藤 公延 
代理人 柳田 征史 
代理人 永田 豊 
代理人 福川 晋矢 
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