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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W20
管理番号 1330262 
審判番号 取消2016-300286 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-04-23 
確定日 2017-07-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第5550616号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5550616号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成24年7月18日に登録出願,第20類「家具,クッション,座布団,まくら,マットレス」を指定商品として,平成25年1月18日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の予告登録は,平成28年5月18日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第20類「家具」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。なお,平成28年8月18日付けの審判事件弁駁書で提出された甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)は,それぞれ,甲第3号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)と読み替える。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品中,第20類「家具」について継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁
(1)乙第2号証の1,乙第3号証の1には本件商標に係る標章が使用をされていることが示されていないこと
本件商標権者の商品カタログ(乙2の1)が2014年3月から同年8月までに印刷されていたことは推認される。そして,当該カタログにはベビーチェアーV-3302(ブルー084914 レッド084921)が掲載されていることは認める。
被請求人は,「それぞれのベビーチェアー座面には本件商標と社会通念上同一の商標が表示されている」と主張するが,当該カタログには,当該ベビーチェアーの座面が明確に示されていないことから,これをもって本件商標に係る標章の使用をしていたと認めることはできない。
本件商標権者の商品カタログ(乙3の1)においても,ベビーチェアーの座面が明確に示されていないことから,同様である。
(2)乙第4号証の1ないし3の写真に示されている物の出所等が不明であり,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に当該物が市場に出されている等,商標を使用していたか否かが不明であること
ア 品番不一致
被請求人は,乙第4号証の1ないし3は,商品カタログ(乙2の1,乙3の1)中に表示された「ベビーチェアー V-3302 ブルー084914 レッド084921」の実物写真であると主張する。
しかしながら,乙第2号証の1及び乙第3号証の1には,いずれも「ベビーチェアーV-3302(ブルー084914 レッド084921)」とあり,乙第4号証の1ないし3に示されている「ベビーチェアー(レッド)(品番V-3302RD)」,「ベビーチェアー(ブルー)(品番V-3302BL)」とは品番が一致しない。
イ 実物であることの証拠が提出されていないこと
また,仮に,乙第4号証の1ないし3に示されたベビーチェアーと商品カタログ(乙2の1,乙3の1)中のベビーチェアーとが同一の品番であったとしても,乙第4号証の1ないし3に示されたベビーチェアーが,いつ日本国内に輸入されたか(乙第4号証の3から当該ベビーチェアーがベトナム製であることが示されていることから,輸入されたものと推認される。),写真が撮影されるまでどこに存在していたか,乙第2号証の1に示すベビーチェアーがいつ日本国内に輸入されたか,現在どこに存在しているか,乙第2号証の1に示すベビーチェアーの写真をいつ,だれが撮影したか等の証拠が添付されていない。
乙第4号証の1ないし3に示されたベビーチェアーが,商品カタログ(乙2の1,3の1)中に表示されたベビーチェアーの実物であることの証拠が提示されていない以上,被請求人の主張は失当である。
(3)乙第7号証の1及び2は,本件商標権者が本件商標の使用をしている証拠にはなり得ないこと
乙第7号証の1(見本市開催日)には,地名と日付が掲載されているが何の見本市であるかが不明であり,しかも,本件商標権者が見本市に出展した事実については何ら示されていない。
乙第7号証の2(被請求人のホームページ記事情報)には,平成28年6月7日に見本市に出展したことを推認させる記事が示されているが,要証期間内のものではないことから,本件商標権者が本件商標の使用をしている証拠にはなり得ない。
なお,被請求人は,見本市に出展する際に,本件商標権者は,商品カタログ(乙2の1,3の1)を会場にて来場者に頒布していると主張するが,乙第7号証の1及び2から,当該事実を示すものは見当たらない。
(4)乙第4号証の1に標章は示されているものの,当該標章の使用は商標的使用態様でないこと
乙第4号証の1(ベビーチェアーの座面を示す写真)には,本件商標に係る標章を座面に付していることが明確に示されている。
しかしながら,当該標章の使用態様は,座面の中央ほとんど前面にわたり,クマ,うさぎ,犬の笑顔の動物図が大きく彩色のうえ表現し,その動物図の下に「Happy animals」の文字が限られたスペースに記載されている。これは,もっぱらその表現の装飾的あるいは意匠的効果である「楽しい感じ」,「かわいい感じ」,「幸せな感じ」などにひかれてその商品の購買意欲を喚起させることを目的として表示されているものである。一般顧客は装飾的あるいは意匠的効果のゆえに買い求めるものと認められ,その表示が付された商品の製造源あるいは出所を知りあるいは確認する目印(自他商品等識別標識)と判断するとは到底解することはできない(大阪地方裁判所昭和51年2月24日,昭和49年(ワ)第393号判決)。
ゆえに,乙第4号証の1からは,当該標章の使用は商標的使用態様であるとは認められず,被請求人が本件商標を使用しているとは認められない。
(5)本件商標が使用されていないことを強く推認させる事実があること
平成28年3月11日付け通知書の写し(甲3-1)及び同月14日付け通知書の写し(甲3-2)に示すように,本件審判の請求を行う前に,被請求人から,本件商標権に対する商標権侵害に関する通知書が請求人に送付されている。
これに対し,平成28年3月23日付け回答書の写し(甲4)に示すように,請求人は被請求人に対し,本件商標の使用に関する事実確認を求める回答を行った。
しかしながら,平成28年4月5日付け回答書の写し(甲5)に示すように,被請求人は,本件商標の使用に関する事実確認に対する回答をせず,再度商標権侵害に関する通知書が請求人に送付されている。
通常,私的自治による早期解決を求めるならば,平成28年4月5日付け回答書にて本件商標の使用をしている事実を提示するものである。しかしながら,被請求人はそのようなことをせず,本件審判においても,商標を使用している事実を充分に提示していない。
以上の事実から,被請求人は,本件商標を使用していないものと強く推認される。
(6)むすび
以上の理由から,乙第1号証ないし乙第7号証の2に基づいて,本件商標権者が本件商標を使用している事実を認めることはできない。
3 なお,請求人は,乙第8号証ないし乙第12号証については,何ら反論等していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
本件商標権者は,以下のとおり,本件商標を,本件審判の請求に係る指定商品中,第20類「家具」について,要証期間内に日本国内において使用しており,現在も継続して使用している。
(1)乙第2号証の1は,本件商標権者の商品カタログ(以下「本件カタログ1」という。)のコピーであり,その表紙には「vol.62 KIKUYA SELECTION 2014.3?2014.8」,「KIKUYA CO.,LTD.」等が表示されている。そして,本件カタログ1の23頁の右下部分には,「K K4965736」,「ベビーチェアー V-3302 ブルー084914 レッド084921」の表示とともに,青と赤の各フレームからなる商品「ベビーチェアー」の画像が掲載されている。それぞれのベビーチェアーの座面には,本件商標と社会通念上同一の商標が表示されている。
乙第2号証の2は,本件カタログ1を作成した際の,株式会社精真社からの請求書のコピーである。2014年2月20日締切分,370-0844 群馬県高崎市八幡町400,株式会社菊屋 御中,株式会社精真社,伝票日付け 2014/2/20,品名 14年総合カタログ(春夏)A4/32P(4*4),数量2,000,単価660.00,金額1,320,000等の記載がある。
(2)乙第3号証の1は,本件商標権者の商品カタログ(以下「本件カタログ2」という。)のコピーであり,その表紙には「vol.64 KIKUYA SELECTION 2015 春夏号 2015.2?2015.7」,「KIKUYA CO.,LTD.」等が表示されている。そして,本件カタログ2の25頁の中央部分には,「K K4965736」,「ベビーチェアー V-3302」,「ブルー084914 レッド084921」の表示とともに,青と赤の各フレームからなる商品「ベビーチェアー」の画像が掲載されている。それぞれのベビーチェアーの座面には,本件商標と社会通念上同一の商標が表示されている。
乙第3号証の2は,本件カタログ2を作成した際の,株式会社精真社からの請求書のコピーである。2015年3月20日締切分,370-0844 群馬県高崎市八幡町400,株式会社菊屋 御中,株式会社精真社,伝票日付け 2015/2/9,品名 2015年春夏総合カタログ(Vol.64) A4/32P(4*4),数量2,000,単価630.00,金額1,260,000等の記載がある。
(3)乙第4号証の1ないし3は,本件カタログ1及び2中に表示された「ベビーチェアー V-3302 ブルー084914 レッド084921」の実物写真である。座面には,クマ,うさぎ,犬の動物図(以下「使用図形」という。)及び「Happy animals」の文字(以下「使用文字」という。)が表示されている。そして,使用図形と使用文字は,座面という限られたスペースに表示されているために接近して表示されているが,常に一体のものとして把握されなければならない特段の事情は見当たらないから,構成中の使用図形部分のみも独立して自他商品の識別機能を有するものといえる。加えて,本件商標と使用図形部分は,ほぼ同一といえる相似形の外観からなるから,社会通念上同一の商標といえる。
(4)以上の証拠により,本件商標権者は,本件商標と社会通念上同一といえる商標を付した商品「ベビーチェアー」を掲載した本件カタログ1及び2を,それぞれ,2014年2月20日及び2015年2月9日に作成したものである。
(5)次に,乙第5号証は,タイトルが「出荷リスト」となっているが,卸売りの本件商標権者と小売店のホーマック株式会社(以下「ホーマック社」という。)間の取引データである。すなわち,ホーマック社から,本件商標権者に2015年8月3日に発注があり,同日にホーマック社のつくば商品センター(乙8)に出荷したことを表す取引データである。
出荷リストには,取引先コード「000167」及び取引先名「キクヤカブシキガイシャ」,納品先コード「4000」及び納品先名称「ツクバショウヒンセンター」,発注日「2015/8/3」,出荷日「2015/8/3」,JANコード「4965736084914」,品名「ベビーチェアーV-3302 ブルー」,発注数「4」,売価金額「4,104」及びJANコード「4965736084921」,品名「ベビーチェアーV-3302 レッド」,発注数「9」,売価金額「9,234」と記載されている。
さらに,乙第6号証は,乙第5号証の取引に関する納品先のリストであり,発注日「20150803」,店コード「4000」,納品先「つくば商品センター」,取引先コード「000167」,取引先名「菊屋株式会社」,商品名「ベビーチェアー V-3302 ブルー」,伝票番号「5127053」,JANコード「4965736084914」,発注数量「4」及び金額「4104」並びに発注日「20150803」,店コード「4000」,納品先「つくば商品センター」,取引先コード「000167」,取引先名「菊屋株式会社」,商品名「ベビーチェアー V-3302 レッド」,伝票番号「5127054」,JANコード「4965736084921」,発注数量「9」及び金額「9234」等の記載がなされている。
以上から,本件商標権者は,取引先(ホーマック社)から2015年8月3日に,本件カタログ1及び2に掲載の商品「ベビーチェアー V-3302 ブルー」を「4」,「レッド」を「9」の発注を受け,ホーマック社のつくば商品センターに納品したことが証明される。
(6)さらに,乙第7号証の1は,本件商標権者が出展した,あるいは出展予定の見本市の開催日,開催地であり,2013年冬 1/29-31大阪……2016年秋 10/19-20 東京と記載されている。また,乙第7号証の2は,最近の出展(2016年6月の東京見本市のお知らせ)の内容について本件商標権者のWEB上の記事である。WEB上では過去の見本市の情報は常に更新されるため,過去に出展した内容は表示されていないが,本件商標権者が東京又は大阪で開催される見本市に出展していることを容易に推認できる。そして,見本市に出展する際に,本件商標権者は,本件カタログ1及び2等のカタログを会場にて来場者に頒布している。
(7)以上のとおり,本件商標権者は,本件商標を表示した商品「ベビーチェアーV-3302 ブルー」及び「ベビーチェアーV-3302 レッド」を掲載した本件カタログ2を遅くとも2015年2月頃には作成し,当該カタログを東京又は大阪で開催される見本市で頒布し,2015年8月3日には,本件商標を表示した商品「ベビーチェアーV-3302 ブルー」及び「ベビーチェアーV-3302 レッド」を実際に取引した。
(8)乙第9号証は,商品「ベビーチェアー V-3302」に関するホーマック社の札幌支店,青森支店,大阪支店及び名古屋支店との2015年1月から6月までの取引データである。
(9)乙第10号証は,本件商標権者がホーマック社から注文を受け出荷した,発注日2015年7月27日,出荷日2015年7月27日の「出荷リスト」である。
「ベビーチェアー ブルー」について,発注数9,出荷数9,売価金額9,234円,発注伝票番号5124805等の記載がある。
同じく,「ベビーチェアー レッド」について,発注数11,出荷数11,売価金額11,286円,発注伝票番号5124806等の記載がある。
(10)乙第11号証は,ホーマック社から提供してもらった仕入伝票明細検索結果のハードコピーである。
検索条件2015.07.02?2015.08.20の商品コード4965736084914の仕入伝票検索結果の6項目中の5項目目に「仕入伝票番号 5124805 発注伝票発行日 2015/07/27 菊屋株式会社,ベビーチェアー V-3302 ブルー 点数4 原価金額2,340」等の記載がある。
同じく,検索条件2015.07.02?2015.08.20の商品コード4965736084921の仕入伝票検索結果6項目中の5項目目に「仕入伝票番号 5124806 発注伝票発行日 2015/07/27 菊屋株式会社,ベビーチェアー V-3302 レッド 点数5 原価金額2,925」等の記載がある。
(11)乙第12号証は,ホーマック社の親会社であるDCMホールディングスから2015年7月31日に入金があったことを示す本件商標権者の支払明細のコンピュータデータである。
ここにある5124805及び5124806の数字は,「ベビーチェアー ブルー」と「ベビーチェアー レッド」の各仕入伝票番号であり,2340及び2925の数字は,それぞれの入金額を表している。
(12)以上の取引データから,2015年7月27日にホーマック社より,本件商標権者に対し,「ベビーチェアー ブルー」と「ベビーチェアー レッド」の発注依頼があり,同日にホーマック社のつくば商品センターに出荷され,その商品の支払が同月31日にされたことが確認できる。
さらに,これら一連の内容は取引先であるホーマック社の仕入伝票明細検索結果の項目に表示されている内容から客観的に裏付けられる。
なお,発注伝票と仕入伝票の数及び金額が異なるのは,納品の際在庫がなかったため実際の納品数が少なくなったことによるものである。
したがって,本件商標権者は,商品「ベビーチェアー」について,要証明期間内である2015年7月27日においても本件商標を使用した。
2 結語
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において本件商標権者が,その請求に係る指定商品中,第20類「家具」に包含される商品「ベビーチェアー」について本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていることを証明した。

第4 当審の判断
1 証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)証拠(乙2の1・2,乙3の1・2及び乙4の1?3)によれば,本件商標権者が輸入販売元である商品「ベビーチェアー(レッド)」(品番:V-3302(RD))及び「同(ブルー)」(品番:V-3302(BL))(以下,これらをまとめて「本件使用商品」という。)には,その座面上に,本件商標と色彩のみを異にする使用図形と使用文字とが上下二段に分けて表示されていたこと,また,要証期間内に本件商標権者が作成した本件カタログ1(2014年3月?同年8月期用として2000部作成)及び本件カタログ2(2015年2月?同年7月期用として2000部作成)には,そのいずれにも本件使用商品がその写真とともに掲載されていたことが認められる。なお,本件カタログ1及び2に掲載されている本件使用商品に係る写真からは,(写真のサイズ及び撮影角度の関係から)ベビーチェアーの座面上に表示された使用図形及び使用文字を明確に読み取ることはできないものの,本件使用商品と同じ製品の写真であることは十分に認めることができる。
(2)証拠(乙8,乙10及び乙11)及び被請求人の主張によれば,本件商標権者は,2015年(平成27年)7月27日,ホーマック社から,本件使用商品(ブルーを9脚,レッドを11脚)の発注を受け,同日,茨城県つくば市に所在する同社のつくば商品センターに,本件使用商品(発注数分の在庫がなかったため,ブルーを4脚,レッドを5脚)を納品したことが認められる。なお,当該取引に関しては,当事者間に争いはない。
(3)以上を総合すれば,本件商標権者は,要証期間内である2015年(平成27年)7月27日に,ホーマック社から,使用図形と使用文字とが座面上に付されている本件使用商品(ブルーを9脚,レッドを11脚)の発注を受け,同日,茨城県つくば市に所在する同社のつくば商品センターに,本件使用商品(発注数分の在庫がなかったため,ブルーを4脚,レッドを5脚)を納品したものと認めることができる。
2 商標権者による本件商標の使用について
(1)本件商標と使用図形との同一性について
本件使用商品の座面には使用図形と使用文字とが,上記1(1)のとおり,上下二段に分けて表示されているところ,両者を分離観察することが不可能又は困難というほどに一体不可分に結合されているとか,どちらか一方だけを取り出して識別認識することができないなど格別の事情は認められず,取引者,需要者は,使用図形又は使用文字に着目して,それぞれを独立した商標として認識するものと認められる。
そして,使用図形は,本件商標とは色彩のみを異にする同一の図形からなるものであるから,商標法第50条にいう「登録商標の使用」に当たるというべきである(同法第70条第1項)。
(2)本件使用商品について
本件使用商品(ベビーチェアー)は,本件審判の請求に係る指定商品「家具」に包含される商品である。
(3)請求人の主張に対して
ア 請求人は,乙第4号証の1(ベビーチェアーの座面を示す写真)には,本件商標に係る標章を座面に付していることが明確に示されているが,当該標章の使用態様は,装飾的あるいは意匠的なものであって,一般顧客が自他商品識別標識とは判断しないから,当該標章の使用は商標的使用態様でない旨主張する。
しかしながら,当該標章(使用図形)が,それ自体としての,あるいは他の文字との組合せに係る意匠的な機能を果たしているからといって,標章としての自他商品識別力が当然に否定されるものではなく,これが同時に商標にも該当するということは何ら妨げられるものではない(東京高等裁判所平成14年(行ケ)第500号,平成15年3月26日判決)ところ,取引者,需要者が使用図形を独立した商標として認識するものと認められることは,上記(1)のとおりである。
イ 請求人は,本件審判の請求を行う前に,被請求人から,本件商標権に対する商標権侵害に関する通知書を受け取った際,請求人は被請求人に対し,本件商標の使用に関する事実確認を求めたが,その回答はなく,再度,商標権侵害に関する通知書を送付していることから,本件商標が使用されていないことを強く推認させる旨主張する。
しかしながら,本件商標権者は,現に有効に存続している本件商標権に基づき商標権侵害の警告をしたものであって,その際には,本件商標の使用に関する事実を立証する必要はないのであるから,かかる事実をもって,本件商標が使用されていないものとは推認できない。
ウ 請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(4)小括
以上によれば,本件商標権者は,要証期間内に日本国内で,本件商標を付した本件使用商品(ベビーチェアー)をホーマック社のつくば商品センターに納品したと認めることができる。
そして,上記の使用行為は,商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを引き渡しする行為」に該当する。
3 むすび
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,本件商標権者がその請求に係る指定商品「家具」に包含される本件使用商品(ベビーチェアー)について,本件商標の使用をした事実を証明したということができる。
したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定商品「家具」について,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)

(色彩については,原本参照のこと。)



審理終結日 2017-04-28 
結審通知日 2017-05-08 
審決日 2017-05-25 
出願番号 商願2012-57736(T2012-57736) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W20)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 神前 博斗鈴木 斎 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 田村 正明
平澤 芳行
登録日 2013-01-18 
登録番号 商標登録第5550616号(T5550616) 
代理人 特許業務法人安倍・下田国際特許事務所 
代理人 特許業務法人 英知国際特許事務所 
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